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一章 歪んだ生活
第三話 引き裂かれた兄妹
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日が暮れても帰ってこない妹を案じ、青年が一人夜の森へ探しに来ていた。入口付近にはどこにも居なかった為少しずつ森の奥へと進んでいた
「ラルカ居るなら返事しろ!」
やっぱり気配すらしない…まさかこれより奥の方に入っていったのか…?
「こんな所に客人なんてなぁ…夜の森に何しに来たんだ?」
「っ!…お前…誰だ?」
いつから…そこに、いやそれよりも…なんでこの森に人がいる?
「【この森に住んでる者】…かな?質問に答えてやったんだ。今度はこっちの質問にも答えろよ?」
「…帰ってこない妹を探しに来た」
「妹…白髪に緑の目をしたこれくらいの女の子の事か?」
「そう…だけど…なんで知ってるんだ。まさかお前がラルカに何かしたのか?」
髪の色や性別なら…俺を見てわかる…でも、!なんで目の色や背丈がわかる?帰ってこない理由がこいつなら…
「あ~やっぱりラルカちゃんの事かw夜の森に迷い込んでる女の子が居たから俺の屋敷に案内したんだよ。狼に食われるよりマシだろ?」
「それなら今ラルカはお前の屋敷にいるのか?」
「あぁ、案内してやるよ。着いて来い」
信用して良いのか?夜の森に居るような人間を…でもラルカが居るなら迎えに行かねぇと
屋敷の中ではフシールが先程と同じように談話室で銃の手入れをしていたが…ラルカの姿はその場にはなかった
「また出かけてたんだね~おかえり。ところで…後ろの男の子は誰?毎回人を拾ってくる癖でもあるの?」
「ラルカちゃんを探しに森の奥まで入ってきたお兄さんだよ」
「へ~…こんな夜中に来るなんてよっぽど心配だったんだねw」
近しい髪色と瞳の色…兄妹か。でもラルカはどこに…
「ラルカは…今どこにいるんだ」
「あ~…お部屋で眠ってるよ~?だから君も落ち着きなって」
「良いから早く妹に会わせろ!」
「フシール、案内してやれ」
「フィロ兄がそういうなら…こっちだよ。着いて来な?」
フィロと…フシール。やっぱり兄妹っぽいな…ただ眠ってるだけなら良いけど
地下室へ続く暗い廊下を進みながらフィロとフシールは小声で話し始めた
「それにしても…一人で談話室にいるってことはもう殺しちまったのか?」
「そんな訳無いじゃん。痛みで気絶しちゃったみたいだから置いてきただけ」
「お前達…今何か言ったか?」
「いやぁ?何も言ってないさ」
ただの勘…だけどこいつらは信用したら駄目だ。ラルカを連れて早く帰らないと
「まぁまぁ…そんなに警戒しないで?ほら着いたよ、ラルカちゃんならこの扉の先にいる」
「まぁ…あの子も遊び疲れて扉を開けれないだろうから君が開けてやりなよ」
ガチャ…キィー
「ラルカ…ここに居るのか…?」
「兄…さん?なんで、ここに…?」
むせ返るような血の匂い…それに…あれは、人…?ラルカだ…
「ラルカ!お前その怪我…」
「兄…さん…足動かないの…ずっとズキズキする…私…」
「落ち着け、もう喋らなくていい!なんで…なんでこんな目に…」
誰が…なんでラルカがこんな事に
「あぁ…随分と楽しんだみたいだなぁ…目が覚めたんだラルカちゃん」
「あ…ぁ…お兄…さん…!?」
まさか…こいつらが?
「お前らがラルカをこんな目に合わせたのか!?」
「…それはラルカちゃんに聞きなよw」
「ラルカ…」
「あ…あぅ…ち…違うよ?だって…私は遊んで…だから…」
「ラルカ?どうした…おい!」
様子がおかしい、でも今何もしてなかったよな?クソ…何が起こってるんだよ!
フィロに名前を呼ばれ彼の深紅の瞳を見た瞬間ラルカは目の焦点が合わなくなり言葉に詰まった
「彼女も言ってるだろ?【遊んだだけ】なぁ…まだ何か言うか?少年」
「なっ…!」
絶対にこいつらが何かしたんだ…
「そんな睨まないでよぉ…あ~…でもその金色の瞳は綺麗だなぁ…」
「というかフシール?室内で無闇やたらに銃を撃つなって言ってるよな!?」
「え~…別に良いじゃんその方が楽しいんだし」
「いいわけねぇだろ。壁やら床に穴開けてさぁ…修理すんのにどんだけ時間かかると思ってんの?」
「うるさいなぁ…私の好きなようにさせてよ!私は自分が楽しくないと嫌なの!」
「お前…少しは言う事を聞け!」
喧嘩してる?…正気じゃない…ラルカの傷跡も見た事ねぇし、逃げた方がいい…今なら
「フィロ兄の言う事聞く道理はありません~だから絶対嫌です~!」
「ホントにマジで…!」
キィー…バタン!
「あ…?」
「あれ…いつの間にか居なくなってる」
「あ~あ~…フシールが目離したから逃げ出したじゃん」
「目を離したのはフィロ兄もじゃん!というかフィロ兄がわざわざ今話さなければこんな事になってないし…」
「はいはいwいいから追うぞ?」
喧嘩を始めた二人の目を盗んでハロスはラルカを連れ部屋を飛び出していた。しかし暗く長い廊下を腕を引かれて走っていたラルカが突如として立ち止まった
「ねぇ…待ってよ兄さん…どこに行くの?」
「帰るんだよ。とにかくすぐにこの屋敷を出ないと!」
「そんな…急がなくても…それにもう…走れないよ」
そうだ…怪我!焦り過ぎだな…でも逃げないと
「…っ!ごめんわかってる、大丈夫だから。ラルカ、俺の背中に乗れ。足痛いよな俺が背負って走るからもう少し我慢してくれ」
「でもっ…あれ…?」
「ラルカ…どうした?早く!」
「お兄さんの声が聞こえる…」
声…?お兄さん…って事はあの男!駄目ださっきもあいつが話しかけたらラルカの様子がおかしくなったんだ
「駄目だ!ラルカ聞くな!」
「ラルカちゃ~ん?見つけた…wほら、こっちにおいで?」
「あ…」
後ろからゆっくりと近付いてきたフィロに話し掛けられ、ラルカは片足を引き摺りながらゆっくりとフィロの元へ歩き出した
「ラルカ行くな!」
なんで…頼むよ…止められない、手を引く力が強過ぎる。どういう事だよ、ラルカにこんな力…
ハロスの叫びも虚しくラルカはフィロの腕の中へ吸い込まれる様に捕まってしまった
「ん、良い子だね~」
「お前…ラルカに何をしたんだ!」
「さぁ…何かしていたとしてもそれを教えるわけねぇだろ?」
やっぱり…こいつがラルカを…だとしたら…
「今すぐ離れろ…」
「んな事言ったって…この子から俺の方に来たんだよ?なぁ…ラルカちゃんw」
「…うん…あれ…?なんで泣いてるの…兄さん」
助けないと、危険過ぎる…でも…近付いたら?何が起こるかわからない…でも…!
「ラルカ…頼む、こっちに来てくれ…!」
「おっと…それ以上近付くなよ?悪いが俺はフシールと違って遠距離武器は持ってないもんでね…虐める趣味もねぇぞ。大事な妹の首が飛んで目の前で失いたいか?」
ラルカの首に刃が当てられハロスは身動きが取れなくなってしまった
「クズが…」
「ハハハッ!そうだなぁ…お前だけなら見逃してやろうか?」
「見逃す…?巫山戯んじゃねぇよ…俺一人で帰れるわけねぇだろうが!」
「大丈夫だよ…ラルカちゃんは俺等と一緒にこの屋敷に居るからさ…永遠にな」
この屋敷に?はぁ?今ラルカを殺そうとしてるお前らのところに?
「どういう意味だテメェ…」
「それくらい自分で考えられるだろ?だがまぁ…次は無いぞ」
「ふざけんな…待てよ!」
「行こうか…【ラルカ】?」
「はい…お兄…様」
フィロが名前を呼んだ瞬間ラルカの瞳から光が消えた
「ラ…ラルカ?」
今…なんて、何でそっちに行くんだよ…待って…
「え…?今…あのお兄さん私の事…」
「ラ~ルカ?気にしなくて良いの。それから…フシール!撃つなよ?」
あの女もいる…なんで…なんで俺の足は動かない?早く助けないと
「え~…なんで?話が終わったんなら別にいいでしょ?」
柱の上からフシールが飛び降りてきてラルカを囲うようにフィロの隣に立つ
「そこから話聞いてたなら分かってんだろ?」
「わざわざ逃がす理由がなくない?フィロ兄が殺らないなら私が殺るけど」
「やめろつってんのが聞こえねぇの?俺の玩具だ、手を出すな」
「別に良いじゃん!折角追いかけて来たのにつまんないよ…」
玩具?こいつら本当に何なんだよ…違うあいつらと同じだ…人を人とも思ってない…殺人鬼の目
「とにかく駄目だ、フシールがすぐに玩具を壊すからつまんなくなってんだろうが。それに…放っといた方が面白そうだからな」
「壊れやすいのが悪いんじゃん…ハァ…ホントフィロ兄の考えは理解出来ないわ」
「それは同感。俺にもフシールの悪趣味は理解出来ねぇから安心しろ」
「悪趣味って酷…」
「事実じゃねぇか」
「…もういいや、さっさと行こ?フィロ兄と言い合ったところで勝てる気しないし興が冷めた」
「そうだな…それじゃあな?少年w」
「待てよ…ラルカを返せ!連れて…行かないでくれ…!」
動け…動け動け動け!なんで…ラルカを守らないとなのに!
この兄妹はハロスの事など眼中に無いのだろう。フィロの殺気に動けなくなったハロスを置いたままラルカを連れ二人は歩きだした。直前まで言い合いをしてたのが嘘かのようにまた笑って話している
「あ~あ~…惨めだなぁ…可哀想…」
「1ミリも思ってないだろ」
「そんなことないよ~それで?ラルカちゃんをどうする気なの?」
「ん~…俺等の妹にでもするか?普通に可愛いしwまぁ…もうこの子はそう思ってるけどなぁ…」
「やっぱもう洗脳終わってたんだwまぁ賛成~妹出来るなんて思わなかったなぁ…それにしてもホント残酷だよね~本当の家族を忘れてすり替えられるなんてさw」
「別に…記憶を抜いただけだよ」
「それでも精神崩壊起こす方がまだマシだってw」
「まぁ…不思議な子だし良いんじゃないか?」
「不思議って?」
「…内緒w面白そうだし良いだろ」
「ホントフィロ兄そればっか」
お兄様もお姉様も楽しそう。でも…あのお兄さん…なんだろなんか、
「ねぇ…お兄様…」
「ん?どうしたの、ラルカ」
「お兄様って…何それ可愛い…」
「あのね、さっきのお兄さん…また会える?」
お兄様の知り合いなら会えるのかな?
「さぁ…でも会えるんじゃない?」
「ラルカちゃんはあのお兄さんに会いたいの?」
「なんだろ…分かんないの…でもまたお話したいなぁって」
「あ~ぁwもう完全に忘れちゃってんだね」
「忘れる…?」
忘れるって…何を?私…何か
「ラルカは気にしなくていいよ」
お兄様が…そう言うなら
「分かった…あれ…?そういえばなんであのお兄さん…私の名前知ってたんだろ…」
初めて会ったはずだよね?
「ラルカ、早く行くぞ」
「…うん」
ふと最後のハロスの言葉が気にかかりラルカは足を止め後ろを振り返ったが、すぐに先を歩くフィロに呼ばれ二人を追い掛けて行った
明らかにラルカの様子がおかしかった…あの男に何されたんだ…とにかく絶対に助け出さないと…絶対に…あの兄妹をゆるさねぇ…
「あの男を…殺してやる…!」
兄の事を今までの日常を…全て忘れてしまったラルカと、一人町へと歩き出したハロス。殺人鬼達に気に入られた不運な兄妹は新しくなる各々の生活へと向かっていった
「ラルカ居るなら返事しろ!」
やっぱり気配すらしない…まさかこれより奥の方に入っていったのか…?
「こんな所に客人なんてなぁ…夜の森に何しに来たんだ?」
「っ!…お前…誰だ?」
いつから…そこに、いやそれよりも…なんでこの森に人がいる?
「【この森に住んでる者】…かな?質問に答えてやったんだ。今度はこっちの質問にも答えろよ?」
「…帰ってこない妹を探しに来た」
「妹…白髪に緑の目をしたこれくらいの女の子の事か?」
「そう…だけど…なんで知ってるんだ。まさかお前がラルカに何かしたのか?」
髪の色や性別なら…俺を見てわかる…でも、!なんで目の色や背丈がわかる?帰ってこない理由がこいつなら…
「あ~やっぱりラルカちゃんの事かw夜の森に迷い込んでる女の子が居たから俺の屋敷に案内したんだよ。狼に食われるよりマシだろ?」
「それなら今ラルカはお前の屋敷にいるのか?」
「あぁ、案内してやるよ。着いて来い」
信用して良いのか?夜の森に居るような人間を…でもラルカが居るなら迎えに行かねぇと
屋敷の中ではフシールが先程と同じように談話室で銃の手入れをしていたが…ラルカの姿はその場にはなかった
「また出かけてたんだね~おかえり。ところで…後ろの男の子は誰?毎回人を拾ってくる癖でもあるの?」
「ラルカちゃんを探しに森の奥まで入ってきたお兄さんだよ」
「へ~…こんな夜中に来るなんてよっぽど心配だったんだねw」
近しい髪色と瞳の色…兄妹か。でもラルカはどこに…
「ラルカは…今どこにいるんだ」
「あ~…お部屋で眠ってるよ~?だから君も落ち着きなって」
「良いから早く妹に会わせろ!」
「フシール、案内してやれ」
「フィロ兄がそういうなら…こっちだよ。着いて来な?」
フィロと…フシール。やっぱり兄妹っぽいな…ただ眠ってるだけなら良いけど
地下室へ続く暗い廊下を進みながらフィロとフシールは小声で話し始めた
「それにしても…一人で談話室にいるってことはもう殺しちまったのか?」
「そんな訳無いじゃん。痛みで気絶しちゃったみたいだから置いてきただけ」
「お前達…今何か言ったか?」
「いやぁ?何も言ってないさ」
ただの勘…だけどこいつらは信用したら駄目だ。ラルカを連れて早く帰らないと
「まぁまぁ…そんなに警戒しないで?ほら着いたよ、ラルカちゃんならこの扉の先にいる」
「まぁ…あの子も遊び疲れて扉を開けれないだろうから君が開けてやりなよ」
ガチャ…キィー
「ラルカ…ここに居るのか…?」
「兄…さん?なんで、ここに…?」
むせ返るような血の匂い…それに…あれは、人…?ラルカだ…
「ラルカ!お前その怪我…」
「兄…さん…足動かないの…ずっとズキズキする…私…」
「落ち着け、もう喋らなくていい!なんで…なんでこんな目に…」
誰が…なんでラルカがこんな事に
「あぁ…随分と楽しんだみたいだなぁ…目が覚めたんだラルカちゃん」
「あ…ぁ…お兄…さん…!?」
まさか…こいつらが?
「お前らがラルカをこんな目に合わせたのか!?」
「…それはラルカちゃんに聞きなよw」
「ラルカ…」
「あ…あぅ…ち…違うよ?だって…私は遊んで…だから…」
「ラルカ?どうした…おい!」
様子がおかしい、でも今何もしてなかったよな?クソ…何が起こってるんだよ!
フィロに名前を呼ばれ彼の深紅の瞳を見た瞬間ラルカは目の焦点が合わなくなり言葉に詰まった
「彼女も言ってるだろ?【遊んだだけ】なぁ…まだ何か言うか?少年」
「なっ…!」
絶対にこいつらが何かしたんだ…
「そんな睨まないでよぉ…あ~…でもその金色の瞳は綺麗だなぁ…」
「というかフシール?室内で無闇やたらに銃を撃つなって言ってるよな!?」
「え~…別に良いじゃんその方が楽しいんだし」
「いいわけねぇだろ。壁やら床に穴開けてさぁ…修理すんのにどんだけ時間かかると思ってんの?」
「うるさいなぁ…私の好きなようにさせてよ!私は自分が楽しくないと嫌なの!」
「お前…少しは言う事を聞け!」
喧嘩してる?…正気じゃない…ラルカの傷跡も見た事ねぇし、逃げた方がいい…今なら
「フィロ兄の言う事聞く道理はありません~だから絶対嫌です~!」
「ホントにマジで…!」
キィー…バタン!
「あ…?」
「あれ…いつの間にか居なくなってる」
「あ~あ~…フシールが目離したから逃げ出したじゃん」
「目を離したのはフィロ兄もじゃん!というかフィロ兄がわざわざ今話さなければこんな事になってないし…」
「はいはいwいいから追うぞ?」
喧嘩を始めた二人の目を盗んでハロスはラルカを連れ部屋を飛び出していた。しかし暗く長い廊下を腕を引かれて走っていたラルカが突如として立ち止まった
「ねぇ…待ってよ兄さん…どこに行くの?」
「帰るんだよ。とにかくすぐにこの屋敷を出ないと!」
「そんな…急がなくても…それにもう…走れないよ」
そうだ…怪我!焦り過ぎだな…でも逃げないと
「…っ!ごめんわかってる、大丈夫だから。ラルカ、俺の背中に乗れ。足痛いよな俺が背負って走るからもう少し我慢してくれ」
「でもっ…あれ…?」
「ラルカ…どうした?早く!」
「お兄さんの声が聞こえる…」
声…?お兄さん…って事はあの男!駄目ださっきもあいつが話しかけたらラルカの様子がおかしくなったんだ
「駄目だ!ラルカ聞くな!」
「ラルカちゃ~ん?見つけた…wほら、こっちにおいで?」
「あ…」
後ろからゆっくりと近付いてきたフィロに話し掛けられ、ラルカは片足を引き摺りながらゆっくりとフィロの元へ歩き出した
「ラルカ行くな!」
なんで…頼むよ…止められない、手を引く力が強過ぎる。どういう事だよ、ラルカにこんな力…
ハロスの叫びも虚しくラルカはフィロの腕の中へ吸い込まれる様に捕まってしまった
「ん、良い子だね~」
「お前…ラルカに何をしたんだ!」
「さぁ…何かしていたとしてもそれを教えるわけねぇだろ?」
やっぱり…こいつがラルカを…だとしたら…
「今すぐ離れろ…」
「んな事言ったって…この子から俺の方に来たんだよ?なぁ…ラルカちゃんw」
「…うん…あれ…?なんで泣いてるの…兄さん」
助けないと、危険過ぎる…でも…近付いたら?何が起こるかわからない…でも…!
「ラルカ…頼む、こっちに来てくれ…!」
「おっと…それ以上近付くなよ?悪いが俺はフシールと違って遠距離武器は持ってないもんでね…虐める趣味もねぇぞ。大事な妹の首が飛んで目の前で失いたいか?」
ラルカの首に刃が当てられハロスは身動きが取れなくなってしまった
「クズが…」
「ハハハッ!そうだなぁ…お前だけなら見逃してやろうか?」
「見逃す…?巫山戯んじゃねぇよ…俺一人で帰れるわけねぇだろうが!」
「大丈夫だよ…ラルカちゃんは俺等と一緒にこの屋敷に居るからさ…永遠にな」
この屋敷に?はぁ?今ラルカを殺そうとしてるお前らのところに?
「どういう意味だテメェ…」
「それくらい自分で考えられるだろ?だがまぁ…次は無いぞ」
「ふざけんな…待てよ!」
「行こうか…【ラルカ】?」
「はい…お兄…様」
フィロが名前を呼んだ瞬間ラルカの瞳から光が消えた
「ラ…ラルカ?」
今…なんて、何でそっちに行くんだよ…待って…
「え…?今…あのお兄さん私の事…」
「ラ~ルカ?気にしなくて良いの。それから…フシール!撃つなよ?」
あの女もいる…なんで…なんで俺の足は動かない?早く助けないと
「え~…なんで?話が終わったんなら別にいいでしょ?」
柱の上からフシールが飛び降りてきてラルカを囲うようにフィロの隣に立つ
「そこから話聞いてたなら分かってんだろ?」
「わざわざ逃がす理由がなくない?フィロ兄が殺らないなら私が殺るけど」
「やめろつってんのが聞こえねぇの?俺の玩具だ、手を出すな」
「別に良いじゃん!折角追いかけて来たのにつまんないよ…」
玩具?こいつら本当に何なんだよ…違うあいつらと同じだ…人を人とも思ってない…殺人鬼の目
「とにかく駄目だ、フシールがすぐに玩具を壊すからつまんなくなってんだろうが。それに…放っといた方が面白そうだからな」
「壊れやすいのが悪いんじゃん…ハァ…ホントフィロ兄の考えは理解出来ないわ」
「それは同感。俺にもフシールの悪趣味は理解出来ねぇから安心しろ」
「悪趣味って酷…」
「事実じゃねぇか」
「…もういいや、さっさと行こ?フィロ兄と言い合ったところで勝てる気しないし興が冷めた」
「そうだな…それじゃあな?少年w」
「待てよ…ラルカを返せ!連れて…行かないでくれ…!」
動け…動け動け動け!なんで…ラルカを守らないとなのに!
この兄妹はハロスの事など眼中に無いのだろう。フィロの殺気に動けなくなったハロスを置いたままラルカを連れ二人は歩きだした。直前まで言い合いをしてたのが嘘かのようにまた笑って話している
「あ~あ~…惨めだなぁ…可哀想…」
「1ミリも思ってないだろ」
「そんなことないよ~それで?ラルカちゃんをどうする気なの?」
「ん~…俺等の妹にでもするか?普通に可愛いしwまぁ…もうこの子はそう思ってるけどなぁ…」
「やっぱもう洗脳終わってたんだwまぁ賛成~妹出来るなんて思わなかったなぁ…それにしてもホント残酷だよね~本当の家族を忘れてすり替えられるなんてさw」
「別に…記憶を抜いただけだよ」
「それでも精神崩壊起こす方がまだマシだってw」
「まぁ…不思議な子だし良いんじゃないか?」
「不思議って?」
「…内緒w面白そうだし良いだろ」
「ホントフィロ兄そればっか」
お兄様もお姉様も楽しそう。でも…あのお兄さん…なんだろなんか、
「ねぇ…お兄様…」
「ん?どうしたの、ラルカ」
「お兄様って…何それ可愛い…」
「あのね、さっきのお兄さん…また会える?」
お兄様の知り合いなら会えるのかな?
「さぁ…でも会えるんじゃない?」
「ラルカちゃんはあのお兄さんに会いたいの?」
「なんだろ…分かんないの…でもまたお話したいなぁって」
「あ~ぁwもう完全に忘れちゃってんだね」
「忘れる…?」
忘れるって…何を?私…何か
「ラルカは気にしなくていいよ」
お兄様が…そう言うなら
「分かった…あれ…?そういえばなんであのお兄さん…私の名前知ってたんだろ…」
初めて会ったはずだよね?
「ラルカ、早く行くぞ」
「…うん」
ふと最後のハロスの言葉が気にかかりラルカは足を止め後ろを振り返ったが、すぐに先を歩くフィロに呼ばれ二人を追い掛けて行った
明らかにラルカの様子がおかしかった…あの男に何されたんだ…とにかく絶対に助け出さないと…絶対に…あの兄妹をゆるさねぇ…
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