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一章 歪んだ生活
第十二話 見つけた手掛かり
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森の方から狼の遠吠えが響き渡る。その鳴き声に反射で本から顔を上げたハロスは暗がりの中、手元のランプを頼りに螺旋階段を降りていった
いつの間にか日が沈んでいたのか…リーベリアさんが渡してくれた本もまだ読み終えてないし…
「それにしても…さっきの遠吠え、森の方からだよな。何か森で起こったのか?二人共…遅いな」
ガチャ…ギィィィ
「電気ついてないけど…ハロス君こんな時間に出掛けてるのかな?」
「最近は図書館に籠りっきりだし居ると思うんだけど…あぁほら【アレ】ランプの灯りじゃない?」
リーベリアが見上げている螺旋階段の一角で淡い光がゆっくりと動いていた
「ホントだ。もしかしてずっと本を読んでたって事?」
「ずっと没頭して読んでるからね…ちゃんと休んだかな?」
「ハロス君の事だから休んでないだろうなぁ…お~い!」
今声が聞こえた?下か…
「あ、リーベリアさんとエトアルさん今帰ってきたんですね」
「電気もつけずに何してるの…」
「あ~…本を読んでたら日が暮れてることに気付かなくて…というか…それどうしたんですか!?エトアルさん服がボロボロじゃないですか…」
リーベリアが明かりをつけたことにより二人の姿がはっきりと見えて、エトアルの服が血で赤く染まり右肩の部分に穴が空いているのが分かった瞬間、ハロスは階段を駆け下りた
「あ…これは…狂暴な鹿がいたんだよwまぁ途中で狼が来たから逃しちゃったんだけどね」
「狂暴な鹿…ですか?というか狼って!もしかしてさっきの遠吠え…!」
「アレはまた違うよ。でも俺等が暴れて森を驚かせたせいかもね」
「もうリー君が怪我の治療はしてくれたから大丈夫だよ。取り敢えず私は着替えてくるね」
治療は済んでるのか…でも…この怪我の跡…見覚えが
「俺も汗流したいし着替えて来ないとな…ハロス君少し待っててくれる?」
「わかり…ました。じゃあ俺は先に植物園に行ってますね」
図書館の奥へと消えていった二人と階段を登り始めたハロス。長い間ここにいたせいかこの気が遠くなる程の階段にも少しずつ慣れてはいた
「この量の本を持ってここまで来るのは流石にキツいな…取り敢えずさっきはどこまで読んだんだっけ…」
机の上に本を広げてページをめくっていく。リーベリアが渡した本の一つで帝国の歴史書だった
「328…300…29…このページだ。なんで歴史書なのかと思ってたけど五年前に終わった戦争の事まで載ってる…改訂版だからこんな最近の事まで載ってるのか」
あれ…この挿絵…戦争時のやつなんだよな?相手の持ってる剣…あの男のモノと似てる
「あぁそう、そのページだよ。王国の人が見たことない武器って聞いて思い出してね。刀って言ったかな?腰に差した細長い剣…ハロス君が見たのってこれで合ってる?」
いつの間にか着替えて背後から本を覗き込んできたリーベリアがページに載った挿絵を指差して言った
「多分これです…だけどアイツが持ってたのはもっと禍々しかった…絵だからよく分かんないですけど…」
「【刀】の中でも種類が分かれてるのかもねしれないね」
「東洋の国…俺、他にも文献がないか探してきます!」
「わっ!ハロス君!?行っちゃった…」
「エトちゃんも着替え終わったんだね」
「うん…ハロス君妙に切羽詰まった顔して降りていったけど何か見つけたの?」
階段を駆け足で降りていくハロスとすれ違いに植物園に来たエトアルは散らばった本に目を落とした
「フィロさんの持ってる武器に辿り着いたんだよw」
「刀だよね?王国書物にその類の文献あったっけ?東洋の国も文献無いでしょ…?というかあったとしてもフィロさんが普段から持ち歩いてるのって妖刀…だよね?」
「まぁあの国が載ってるのはハロスくんに渡した歴史書くらいだね、敗戦国のことなんてわざわざ載せるもんでもないからさ。ただこっちの文化とは大きく異なるから注目されたってだけ…あの戦争からまだそれほど経ってないけど」
「それでも五年経ったんだよね…」
「そう考えるとあの二人は五年間一度も帰郷してないのか…」
「どんな国でも強大すぎる力は恐れられるものなんでしょ…良い思い出なんてあってないようなものなんじゃない?」
そう呟くと何かを思い出すように下を向いた。元々王都にいた二人は戦争に巻き込まれていた。王都を離れたのもそれがトリガーだ。そして過去の事を町の人間に話さないが誰もこの町に来た理由は尋ねない
この町に集まるものは何かしらの事情があり当時領主に理由を聞かれたさい、リーベリアが【欲にまみれた権力者の馬鹿みたいな考えって聞いてみたいわけ?貴方も同じだろ?】と一括していたのだった
いつの間にか日が沈んでいたのか…リーベリアさんが渡してくれた本もまだ読み終えてないし…
「それにしても…さっきの遠吠え、森の方からだよな。何か森で起こったのか?二人共…遅いな」
ガチャ…ギィィィ
「電気ついてないけど…ハロス君こんな時間に出掛けてるのかな?」
「最近は図書館に籠りっきりだし居ると思うんだけど…あぁほら【アレ】ランプの灯りじゃない?」
リーベリアが見上げている螺旋階段の一角で淡い光がゆっくりと動いていた
「ホントだ。もしかしてずっと本を読んでたって事?」
「ずっと没頭して読んでるからね…ちゃんと休んだかな?」
「ハロス君の事だから休んでないだろうなぁ…お~い!」
今声が聞こえた?下か…
「あ、リーベリアさんとエトアルさん今帰ってきたんですね」
「電気もつけずに何してるの…」
「あ~…本を読んでたら日が暮れてることに気付かなくて…というか…それどうしたんですか!?エトアルさん服がボロボロじゃないですか…」
リーベリアが明かりをつけたことにより二人の姿がはっきりと見えて、エトアルの服が血で赤く染まり右肩の部分に穴が空いているのが分かった瞬間、ハロスは階段を駆け下りた
「あ…これは…狂暴な鹿がいたんだよwまぁ途中で狼が来たから逃しちゃったんだけどね」
「狂暴な鹿…ですか?というか狼って!もしかしてさっきの遠吠え…!」
「アレはまた違うよ。でも俺等が暴れて森を驚かせたせいかもね」
「もうリー君が怪我の治療はしてくれたから大丈夫だよ。取り敢えず私は着替えてくるね」
治療は済んでるのか…でも…この怪我の跡…見覚えが
「俺も汗流したいし着替えて来ないとな…ハロス君少し待っててくれる?」
「わかり…ました。じゃあ俺は先に植物園に行ってますね」
図書館の奥へと消えていった二人と階段を登り始めたハロス。長い間ここにいたせいかこの気が遠くなる程の階段にも少しずつ慣れてはいた
「この量の本を持ってここまで来るのは流石にキツいな…取り敢えずさっきはどこまで読んだんだっけ…」
机の上に本を広げてページをめくっていく。リーベリアが渡した本の一つで帝国の歴史書だった
「328…300…29…このページだ。なんで歴史書なのかと思ってたけど五年前に終わった戦争の事まで載ってる…改訂版だからこんな最近の事まで載ってるのか」
あれ…この挿絵…戦争時のやつなんだよな?相手の持ってる剣…あの男のモノと似てる
「あぁそう、そのページだよ。王国の人が見たことない武器って聞いて思い出してね。刀って言ったかな?腰に差した細長い剣…ハロス君が見たのってこれで合ってる?」
いつの間にか着替えて背後から本を覗き込んできたリーベリアがページに載った挿絵を指差して言った
「多分これです…だけどアイツが持ってたのはもっと禍々しかった…絵だからよく分かんないですけど…」
「【刀】の中でも種類が分かれてるのかもねしれないね」
「東洋の国…俺、他にも文献がないか探してきます!」
「わっ!ハロス君!?行っちゃった…」
「エトちゃんも着替え終わったんだね」
「うん…ハロス君妙に切羽詰まった顔して降りていったけど何か見つけたの?」
階段を駆け足で降りていくハロスとすれ違いに植物園に来たエトアルは散らばった本に目を落とした
「フィロさんの持ってる武器に辿り着いたんだよw」
「刀だよね?王国書物にその類の文献あったっけ?東洋の国も文献無いでしょ…?というかあったとしてもフィロさんが普段から持ち歩いてるのって妖刀…だよね?」
「まぁあの国が載ってるのはハロスくんに渡した歴史書くらいだね、敗戦国のことなんてわざわざ載せるもんでもないからさ。ただこっちの文化とは大きく異なるから注目されたってだけ…あの戦争からまだそれほど経ってないけど」
「それでも五年経ったんだよね…」
「そう考えるとあの二人は五年間一度も帰郷してないのか…」
「どんな国でも強大すぎる力は恐れられるものなんでしょ…良い思い出なんてあってないようなものなんじゃない?」
そう呟くと何かを思い出すように下を向いた。元々王都にいた二人は戦争に巻き込まれていた。王都を離れたのもそれがトリガーだ。そして過去の事を町の人間に話さないが誰もこの町に来た理由は尋ねない
この町に集まるものは何かしらの事情があり当時領主に理由を聞かれたさい、リーベリアが【欲にまみれた権力者の馬鹿みたいな考えって聞いてみたいわけ?貴方も同じだろ?】と一括していたのだった
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