【3部完結】ダンジョンアポカリプス!~ルールが書き変った現代世界を僕のガチャスキルで最強パーティーギルド無双する~

すちて

文字の大きさ
27 / 137
1章 夢現ダンジョン

26話【地下8階攻略】

しおりを挟む
 マップに別パーティーが表示されたときは、ヒヤッとした。

 だけどしばらく武藤さんたちも別パーティーもその場で動かず、散会した後、また合流して戻ってくるのを見て、まともな人たちと出会えたのだとほっとした。

「戻ったぞ」
 こちらに手を振って駆け戻った武藤さんたちの後ろには4人の新しい顔があった。紹介を受け、小部屋の探索も今までの時間内で行えると聞いて、安堵した。

 自衛官の木村さんは剣術スキル持ちの中級剣士で気配察知持ち。
 主婦の田村さんは精神回復スキル持ちの中級回復師で罠解除持ち。
 女子高に通う夜桜さんは闇魔法スキル持ちの中級魔術師。
 有名私立高校に通う葉山さんは何と特殊スキル攻略サイトを持っていて、職業は探索師。弓術スキル持ち。

 新しく加わった彼らは、10階ボス攻略後もスキルポイントが足りなければ譲渡をしてくれると約束までしてくれた。


 みんな、安堵して、よかった、と漏らす。


 これで攻略の安全度が上がる。モンスターとの戦闘より、危険人物にぶつかった時の。
 攻略サイトの存在のお陰で、これから先の階層のマップも宝箱位置、モンスター配置、出現モンスターもわかる。


 木村さんたちの後に出発したパーティーと木村さんたちは出会わなかったらしい。つまりは、木村さんたちと武藤さんたちの間に出発した彼らは、全滅してしまったのだろう……。

 気分が沈むが、そうしている時間は今はない。
 出来ることをしなくてはいけない。
 落ち込むのは後でいい。今は出来ることを。


 葉山さんの持つ攻略サイトスキルのモンスターのデータから強さの比較として、と少し考えたが、武藤さんの戦力の高さだと、モンスターが強くなっているのかさっぱりわからない。
 察知した瞬間に斬撃を飛ばして蹴散らすし、一撃で片がつく。
 探索スピードが落ちていないということは、そういうことだ。

 職業、剣聖による攻撃力の増加と、僕の共有者による追加ステータスボーナスで最早敵なしすぎて、何も比較が出来ないのだ。


 多分、10階までみんなでマラソンしながら進んでも、多分問題がない。
 けれど一度強く恐怖した人たちのメンタルを思うと、そこまで強行しなくてはいけないほど時間がないわけでもない。

 なにより、モンスターより、先行者が怖い。PKをした人の中に、5階6階のアナウンスを聞いて更にヤケになってPvPを強行してくる人間がいたら。
 いくら武藤さんたちが強くても、保護している人の中には錯乱してしまう人もいるだろう。


 木村さんのパーティーメンバーで主婦の田村さんはカウンセラーの仕事をしているらしく、保護されている人を心配していたので僕と攻略を交代してもらった。
 田村さんは精神回復師で、ここまでパーティーが混乱せずに進めたのは彼女の助力によるところが大きいようだ。

 次階層での攻略中は、田村さんが残った人たちの精神を回復するということになり、そのため、次の階層は回復師の有坂さんを入れ、葉山さんを残して進んだほうがいいだろうという話にまとまる。

 葉山さんに攻略サイトを見せてもらいながら、会話をした。
 このスキルがあってもクエスト攻略ページは存在せず、ダンジョンの仕組みや、条件関係はわからないらしく、いろいろとショックを受けたよ、と力なく微笑んでいた。
 

 回復師の上級職である蘇生師のツリーが判明したことも大きい。
 これなら、もしかしたらここで死亡した人すべてを助けられるのかもしれない、という希望が僕らの中に芽生えた。


 しかし、僕の共有者については上位職などは不明で、情報に欠けも多い。
 スキルレベルの問題があるのかもしれない。


 そして根岸くんたちからの情報でわかったことは

『プレイヤーキルによって得られるのは、武器防具アイテム、経験点だけではなく、スキルもまた奪える』

 と、いうこと。これが確定情報として手に入ったのは、不明瞭であるよりはいい。

 彼らも何かがあれば、待機している人たちを守ると言ってくれた。
 そうならない限りは、彼らを刺激しないよう隅で静かにしている、とも。


 ここに来て、頼もしい仲間が増えて、本当によかった。
 とは言え、時間は限られている。

 僕らは少し話しをして、8階をまた全員で走破する。
 なんとなく、保護した人たちの足取りも軽い。


 そして、8階ボスは武藤さんと木村さんのコンビの初撃であっけなく沈んだ。

 アナウンスが、鳴り響く。
しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

ダンジョンで有名モデルを助けたら公式配信に映っていたようでバズってしまいました。

夜兎ましろ
ファンタジー
 高校を卒業したばかりの少年――夜見ユウは今まで鍛えてきた自分がダンジョンでも通用するのかを知るために、はじめてのダンジョンへと向かう。もし、上手くいけば冒険者にもなれるかもしれないと考えたからだ。  ダンジョンに足を踏み入れたユウはとある女性が魔物に襲われそうになっているところに遭遇し、魔法などを使って女性を助けたのだが、偶然にもその瞬間がダンジョンの公式配信に映ってしまっており、ユウはバズってしまうことになる。  バズってしまったならしょうがないと思い、ユウは配信活動をはじめることにするのだが、何故か助けた女性と共に配信を始めることになるのだった。

帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす

黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。 4年前に書いたものをリライトして載せてみます。

レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)

荻野
ファンタジー
ハーデス 「ワシとこの遺跡ダンジョンをそなたの魔法で成仏させてくれぬかのぅ?」 俺 「確かに俺の神聖魔法はレベルが高い。神様であるアンタとこのダンジョンを成仏させるというのも出来るかもしれないな」 ハーデス 「では……」 俺 「だが断る!」 ハーデス 「むっ、今何と?」 俺 「断ると言ったんだ」 ハーデス 「なぜだ?」 俺 「……俺のレベルだ」 ハーデス 「……は?」 俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」 ハーデス 「レベルをカンスト? お、お主……正気か? 神であるワシですらレベルは9000なんじゃぞ? それをカンスト? 神をも上回る力をそなたは既に得ておるのじゃぞ?」 俺 「そんなことは知ったことじゃない。俺の目標はレベルをカンストさせること。それだけだ」 ハーデス 「……正気……なのか?」 俺 「もちろん」 異世界に放り込まれた俺は、昔ハマったゲームのように異世界をコンプリートすることにした。 たとえ周りの者たちがなんと言おうとも、俺は異世界を極め尽くしてみせる!

みそっかす銀狐(シルバーフォックス)、家族を探す旅に出る

伽羅
ファンタジー
三つ子で生まれた銀狐の獣人シリル。一人だけ体が小さく人型に変化しても赤ん坊のままだった。 それでも親子で仲良く暮らしていた獣人の里が人間に襲撃される。 兄達を助ける為に囮になったシリルは逃げる途中で崖から川に転落して流されてしまう。 何とか一命を取り留めたシリルは家族を探す旅に出るのだった…。

大和型戦艦、異世界に転移する。

焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。 ※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

異世界帰りの元勇者、日本に突然ダンジョンが出現したので「俺、バイト辞めますっ!」

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
俺、結城ミサオは異世界帰りの元勇者。 異世界では強大な力を持った魔王を倒しもてはやされていたのに、こっちの世界に戻ったら平凡なコンビニバイト。 せっかく強くなったっていうのにこれじゃ宝の持ち腐れだ。 そう思っていたら突然目の前にダンジョンが現れた。 これは天啓か。 俺は一も二もなくダンジョンへと向かっていくのだった。

処理中です...