下宿屋 東風荘 6

浅井 ことは

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天からの使い

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「そうなんだ……でも翡翠は小さい方が可愛いかも」

「ゆ、雪翔……とりあえず俺、動いていいか?」

「航平殿、何も警戒しなくてもいい。そなたも守りの対象だ」

「へ?」

「雪翔どのの大切にしている人は皆守るようにと言われておる」

「あ、ありがとうございます」

「ぼ、坊ちゃん、その……朝餉の支度が……」

「ごめん、すぐに支度するね。檪、みんなの前に出れる?それでもっとわかりやすく話してほしいんだ。殿とか要らないから」

「承知した」

顔を洗って広間に行くと、車椅子に座っている自分と変わりない大きさの檪を見てみんなが箸を落としたり、固まっていたりと不思議な光景を見てしまった。

「雪翔の天の使い殿か?」

「如何にも」

「お爺ちゃん、檪って言うんだ。起きたら隣にいてビックリしちゃった」

「儂も驚いておるわい。雪翔はこういったことには動じないというかなんと言うか……」

「怖くなかったもん。それに見て、とっても綺麗なグレーと白でハスキーみたいじゃない?」

「はすきぃとはなんじゃ?」

「犬だよ?よく似てるの」

「さあさ、航平ちゃんも雪翔もご飯てべちゃいなさいな。お昼からはお祝いですよ。檪さんも参加してね」

「婆さんも動じないな……」秋彪がボソッと言った時、一瞬いついなくなって戻ってきたんだろう?と思って聞くと、「兄貴と一度戻ったんだよ。それで社を見て回って事情を話してさ、三日は俺達もこっちにいられるようにしてきた。後、冬弥さんに頼まれたから持ってきたけど、なんで勉強道具持ってこなきゃいけないんだよ」

「ありがとう!もうすぐテストなんだ。レポートも出してないし、航平ちゃん教えてね?」

「良いけど、範囲がわからないと……」

「ポストに分厚い封筒入っててさ、山本って書いてあったから持ってきた。表にテストがどうのこうの書いてあったから」

「さすが山本くん!学校のノートの写し入れてくれたんだ」

「雪翔よ、今日くらいいいじゃろう?」

「うん、明日からにする」

「雪翔よ。栞殿を見るついでに、そなたの身体の方も妾が見ることになった故、暫くこちらで世話になることにした」

「蘭さんが見てくれるの?」

「義母上が城に帰らねばならぬそうで、妾が引き受けたのじゃ」

「帰りたくもないのに呼び出されちまってねぇ。こう見えて蘭の腕は確かだから安心おし」

「はい」

その後、後で祝の酒を送ると胡蝶が帰り、昴は宴は外せないと仕事を後回しにしたと言い、珍しく京弥も休みを取ったと言ってみんなでそのまま宴会に入ってしまった。

「航平ちゃん、赤ちゃん見に行かない?」

「良いのか?」

「みんな見てるし、栞さんが寝てたらやめよう」

そう言って栞の部屋に行くと、丁度オムツを替えたところらしく、檪も紹介して侑弥を見る。

「赤ちゃんて、何でパタパタ動くのかなぁ。可愛いしいい匂いがする」

「少し前にお風呂に入れたの。檪さんも見てあげてくださいな」

「瞬水と白雉は……」

「中に。この子の気が大きいとかで、抑えると言ってましたけど」

「そうだな。溢れておる……我も手を貸そうか?」

「そうして上げてくれる?」

「そんな、悪いわ」

「栞殿、遠慮は無用。少し中に入らせてもらうがよいかな?」

「え、ええ」

影に入っていくと、航平が赤ちゃんの周りに見えていた白いモヤみたいなのがなくなってきていると言っていたので、みんながなにかしてくれているんだろうと、気にせずに侑弥と遊ぶ。
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