18 / 87
天からの使い
.
しおりを挟む
次の日は流石にみんな飲みすぎがたたったのか、広間で雑魚寝をしており、散らかっていた部屋は綺麗に片付けられていた。
「周太郎さん」
呼ぶとすぐに来てくれ、祖父がどこにいるのかを聞くと、暇があれば侑弥を見に行っていると言う。
「明日にはみんな帰るのに起きられるのかな?」
「普段はこんなに飲まないですから、相当皆様嬉しかったんだと思います。昼には誰かが起きてくると思いますが」
「ならいいんだけど。ねえ、街に遊びに行っちゃダメ?」
「ダメです!あんな事があったばかりなので、流石に御館様も駄目だと仰います!」
「裏のお社は?結界とか張ってあるんでしょ?」
「どなたかに聞かないと……」
そんなやり取りをしていると、冬弥が珍しく欠伸をしながら歩いてきたので、先程の話をする。
「街はダメです……と言いたいところですが、近いので栞さんの実家にお使いに行ってください」
「うん!航平ちゃんも一緒でもいい?」
「良いですよ。三郎と周太郎も一緒に行ってください」
風呂敷包みをいくつか渡され、それを力持ちの周太郎が持ち、三郎が車椅子を押してくれる。
「良かった。外に出られて」
「雪翔、お前自覚しろよ?ひど目に遭ったのに……」
「だって、侑弥は可愛いけどみんなうるさいんだもん」
「確かに……」
「坊ちゃん、街でなにか買いたいものでも?」
「実はそうなんだ。カバンごと持ってきてくれて助かったよ。お財布あるから銀行によってね」
「あ、俺も何か変なカード渡された。どこでも使えるとかって」
「狐の国のお金に変わるんだよ。人間の国のお金でいいんだって」
「へぇ……いくら入ってるんだろ?」
「お小遣い?」
「だと思う。好きに使えって渡された」
「那智さんらしいね」
銀行に寄り、カードで一万円引き出して隣の航平を見ると、ボタンを押す手が固まっている。
「航平ちゃん?」
「あ、有り得ねぇ……」
「なにが?」
「無くなったらいつでもいえって言われて、とりあえずって渡されたんだけどさ、一千万入ってるんだよ!何考えてんだ?」
「凄い!」
「いる分だけにしておく……」
航平の引き出しもちゃんと終わり、街に行く前に栞の実家によると、店はまだ閉まって居たので玄関から声をかける。
「こんにちはー。お爺ちゃーん」
「おお、雪翔か。すまないね、散らかっていて」
「これ全部お祝い?」
「そうなんだよ。奥に運んでいてもキリがなくて……それよりどうしたんだい?出歩いたら危ないじゃないか」
「お使いだからいいの。冬弥さんから預かり物」
周太郎が持っていた荷物を渡し、祖父が確認すると、「上がっていくかい?」と聞かれたので、街に買い物に行くと伝えて、家を出る。
「えっと、お団子屋さんと、あの変なショッピングモールみたいなとこに行きたいんだ」
最初にショッピングモールに行き、雑貨屋を見つけて中に入り、目的のものを見つけて袋に入れてもらう。
その後は団子屋によってみんなの分のお団子も買い、少しだけ本屋にも寄ってもらってから家に戻る。
「航平ちゃん、何買ったの?」
「腰につけるチェーンだよ。ぱっと見て手に取ったらすぐにわかったんだけど、これブランドのヤツ。欲しかったからこんなとこで見つかるとは思わなかったし、値段がめちゃくちゃ安かった!こっちに来て見つける確率凄いかも」
「ブランド品なら高いでしょ?」
「千円だぞ?これ限定品で、ナンバーが彫られてるんだけどさ、ここ。007/100ってあるだろ?」
「限定100個が千円?」
「こっちと向こうの通貨って違うんですか?」と航平が三郎に聞くと、「同じです。千円は千円で変わらないですが、価値とかとなると、また考え方も違うので。こちらにはブランドというのはないですし、仕入れた者もどう手に入れてるのか定かではありませんから」
「盗品とかもあるってこと?」
「あちらで騒ぎになるようなものは持ち込めませんから、ちゃんとしてると思いますよ?」
「そうだよね……良いじゃん!お得で」
「得すぎる。でもラッキーだった」
「周太郎さん」
呼ぶとすぐに来てくれ、祖父がどこにいるのかを聞くと、暇があれば侑弥を見に行っていると言う。
「明日にはみんな帰るのに起きられるのかな?」
「普段はこんなに飲まないですから、相当皆様嬉しかったんだと思います。昼には誰かが起きてくると思いますが」
「ならいいんだけど。ねえ、街に遊びに行っちゃダメ?」
「ダメです!あんな事があったばかりなので、流石に御館様も駄目だと仰います!」
「裏のお社は?結界とか張ってあるんでしょ?」
「どなたかに聞かないと……」
そんなやり取りをしていると、冬弥が珍しく欠伸をしながら歩いてきたので、先程の話をする。
「街はダメです……と言いたいところですが、近いので栞さんの実家にお使いに行ってください」
「うん!航平ちゃんも一緒でもいい?」
「良いですよ。三郎と周太郎も一緒に行ってください」
風呂敷包みをいくつか渡され、それを力持ちの周太郎が持ち、三郎が車椅子を押してくれる。
「良かった。外に出られて」
「雪翔、お前自覚しろよ?ひど目に遭ったのに……」
「だって、侑弥は可愛いけどみんなうるさいんだもん」
「確かに……」
「坊ちゃん、街でなにか買いたいものでも?」
「実はそうなんだ。カバンごと持ってきてくれて助かったよ。お財布あるから銀行によってね」
「あ、俺も何か変なカード渡された。どこでも使えるとかって」
「狐の国のお金に変わるんだよ。人間の国のお金でいいんだって」
「へぇ……いくら入ってるんだろ?」
「お小遣い?」
「だと思う。好きに使えって渡された」
「那智さんらしいね」
銀行に寄り、カードで一万円引き出して隣の航平を見ると、ボタンを押す手が固まっている。
「航平ちゃん?」
「あ、有り得ねぇ……」
「なにが?」
「無くなったらいつでもいえって言われて、とりあえずって渡されたんだけどさ、一千万入ってるんだよ!何考えてんだ?」
「凄い!」
「いる分だけにしておく……」
航平の引き出しもちゃんと終わり、街に行く前に栞の実家によると、店はまだ閉まって居たので玄関から声をかける。
「こんにちはー。お爺ちゃーん」
「おお、雪翔か。すまないね、散らかっていて」
「これ全部お祝い?」
「そうなんだよ。奥に運んでいてもキリがなくて……それよりどうしたんだい?出歩いたら危ないじゃないか」
「お使いだからいいの。冬弥さんから預かり物」
周太郎が持っていた荷物を渡し、祖父が確認すると、「上がっていくかい?」と聞かれたので、街に買い物に行くと伝えて、家を出る。
「えっと、お団子屋さんと、あの変なショッピングモールみたいなとこに行きたいんだ」
最初にショッピングモールに行き、雑貨屋を見つけて中に入り、目的のものを見つけて袋に入れてもらう。
その後は団子屋によってみんなの分のお団子も買い、少しだけ本屋にも寄ってもらってから家に戻る。
「航平ちゃん、何買ったの?」
「腰につけるチェーンだよ。ぱっと見て手に取ったらすぐにわかったんだけど、これブランドのヤツ。欲しかったからこんなとこで見つかるとは思わなかったし、値段がめちゃくちゃ安かった!こっちに来て見つける確率凄いかも」
「ブランド品なら高いでしょ?」
「千円だぞ?これ限定品で、ナンバーが彫られてるんだけどさ、ここ。007/100ってあるだろ?」
「限定100個が千円?」
「こっちと向こうの通貨って違うんですか?」と航平が三郎に聞くと、「同じです。千円は千円で変わらないですが、価値とかとなると、また考え方も違うので。こちらにはブランドというのはないですし、仕入れた者もどう手に入れてるのか定かではありませんから」
「盗品とかもあるってこと?」
「あちらで騒ぎになるようなものは持ち込めませんから、ちゃんとしてると思いますよ?」
「そうだよね……良いじゃん!お得で」
「得すぎる。でもラッキーだった」
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
【完結】あやかし団地 管理人見習い日誌
双月ねむる
キャラ文芸
就活全滅で「自分には社会性がない」と思い込む凛は、遠縁の親戚に紹介され、昭和レトロな巨大団地・さくらヶ丘第一団地の『管理人見習い』として住み込みで働くことに。しかしその団地には、中庭の「靴鳴らし」、エレベーター表示盤に棲む狐など、団地限定あやかし達が当たり前のように暮らしていた。
最初は逃げ腰の凛だったが、すねた空き部屋や、ベランダの風鈴が告げるSOSなど、人とあやかしのトラブルに巻き込まれながら、少しずつ『共同体』に関わる勇気を取り戻していく。
罪悪と愛情
暦海
恋愛
地元の家電メーカー・天の香具山に勤務する20代後半の男性・古城真織は幼い頃に両親を亡くし、それ以降は父方の祖父母に預けられ日々を過ごしてきた。
だけど、祖父母は両親の残した遺産を目当てに真織を引き取ったに過ぎず、真織のことは最低限の衣食を与えるだけでそれ以外は基本的に放置。祖父母が自身を疎ましく思っていることを知っていた真織は、高校卒業と共に就職し祖父母の元を離れる。業務上などの必要なやり取り以外では基本的に人と関わらないので友人のような存在もいない真織だったが、どうしてかそんな彼に積極的に接する後輩が一人。その後輩とは、頗る優秀かつ息を呑むほどの美少女である降宮蒔乃で――
明治かんなぎ少女の冥契 五百年の時を超えて、あなたに愛を
花籠しずく
キャラ文芸
――ですが、わたくしは生まれました。あなたに会うために。
月のものが来るようになってから、琥珀は不思議な夢を見る。誰かに探されている夢。きっと大切な人だったことは分かるのに、目が覚めると朧気で何も思い出せない。婚約者である志貴の言いなりの人形になる生活をし、生家とは会うと脅され、心が疲弊していたある日、家からひとり抜け出すと、妖魔のようなものに出会う。呪術師である志貴に、一時祓ってもらいはしたが、不思議と心が痛む。夢に美しい男が現れ、声に導かれるようにして、ある山のふもとの、廃れた神社の中に入ると、そこには苦しそうに蹲るあの妖魔がいた。琥珀はそれが夢に現れた、蘿月という男だと直感する。全身が黒い靄で包まれた彼の、靄を払う方法を、どうしてか琥珀は知っていた。口づけをし、息を吹き込むように、生きて、と願った。
帰ってすぐに志貴に殴られ、月のものがはじまっていたことが志貴にばれる。琥珀を穢そうとする志貴の様子に恐ろしさを覚えて、助けてと叫んだその瞬間、闇を裂くようにして、蘿月が現れた。
「琥珀は、俺が五百年待ち望んだ花嫁だ」
これは、時を超えて紡がれる愛の物語。そして虐げられた少女が、愛を知り、愛のために生きる自由を選ぶ物語。
※R-15っぽいゆるい性描写があります。
借りてきたカレ
しじましろ
恋愛
都合の良い存在であるはずのレンタル彼氏に振り回されて……
あらすじ
システムエンジニアの萩野みさをは、仕事中毒でゾンビのような見た目になるほど働いている。
人の良さにつけ込まれ、面倒な仕事を押しつけられたり、必要のない物を買わされたり、損ばかりしているが、本人は好きでやっていることとあまり気にしていない。
人並みに結婚願望はあるものの、三十歳過ぎても男性経験はゼロ。
しかし、レンタル彼氏・キキとの出会いが、そんな色の無いみさをの日常を大きく変えていく。
基本的にはカラッと明るいラブコメですが、生き馬の目を抜くIT企業のお仕事ものでもあるので、癖のあるサブキャラや意外な展開もお楽しみください!
【完結】結界守護者の憂鬱なあやかし幻境譚 ~平凡な男子高校生、今日から結界を繕います~
御崎菟翔
キャラ文芸
【平凡な高校生 × 妖従者たちが紡ぐ、絆と成長の主従現代和風ファンタジー!】
★第9回キャラ文芸大賞エントリー中!
「選ぶのはお前だ」
――そう言われても、もう引き返せない。
ごく普通の高校生・奏太(そうた)は、夏休みのある日、本家から奇妙な呼び出しを受ける。
そこで待っていたのは、人の言葉を話す蝶・汐(うしお)と、大鷲・亘(わたり)。
彼らに告げられたのは、人界と異界を隔てる結界を修復する「守り手」という、一族に伝わる秘密の役目だった。
「嫌なら断ってもいい」と言われたものの、放置すれば友人が、家族が、町が危険に晒される。
なし崩し的に役目を引き受けた奏太は、夜な夜な大鷲の背に乗り、廃校や心霊スポットへ「出勤」することに!
小生意気な妖たちに絡まれ、毒を吐く蛙と戦い、ついには異世界「妖界」での政変にまで巻き込まれていく奏太。
その過程で彼は、一族が隠し続けてきた「残酷な真実」と、従姉・結(ゆい)の悲しい運命を知ることになる――
これは、後に「秩序の神」と呼ばれる青年が、まだ「ただの人間」だった頃の、始まりの物語。
★新作『蜻蛉商会のヒトガミ様』
この物語から300年後……神様になった奏太の物語も公開中!
https://www.alphapolis.co.jp/novel/174241108/158016858
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる