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南中心街から秋へ
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「檻はないんだ。ライオンさん生きてるよね?」
『………の………………る』
「あれ?今なんか聞こえた?」
「ライオンさんですー。えっと、箱の中にある本をあげると言ってますー」
「本?ライオンにも言葉とか分かるの?どうして僕にくれるの?」
『……じ匂い』
「本と同じ匂いがしたそうですー」
「しーちゃん、その本てどこ?」
ライオンの横を通り過ぎて、いくつか積み重ねられている箱の上から木の箱を持って紫狐が戻ってきて渡されたので、箱をそっと開けると、見たことのある表紙の本が入っていた。
「これって……」
「私が開けましょう」
重次に渡して本を確認してもらうと、やはり開かず、返してもらって開けるとすんなりと開き、前と同じように頭の中に本の内容が流れ込んでくる。
「坊っちゃま?」
どのくらいぼーっとしていたのかは分からないが、本の裏を見ると、第四巻と書いてある。
「全部そろった?じゃあ、九堂の持ってる本は……?」
「とにかく宿に戻りましょう」
「紫狐が車椅子を持ちますー」
重次におぶってもらい、宿まで走って帰ってもらって、入口の前でおろしてもらう。
ひとまずは風呂にと言われたので、影の中に本をしまい、お風呂に入ってから簡単にマッサージをし、もう一度本を開く。
「見える?」
「はい。私の見たことのない字がかなりたくさんありますが、四郎と一緒に解読したのですよね?」
「うん、文字の表は持ってるから当てはめていけばいいだけだと思うんだけど、全部で五巻だって言ってたのに、何でこれが四巻なんだろう。そしたら、九堂の持ってる本はなにか気になるよね?」
「とりあえず、連絡をします」
重次が連絡したあとに聞くと、あすの朝昴が宿に来るから一日宿で待機したあと、人間の世界に一度戻る事となった。
「こっちに戻ってこれるよね?」
「冬弥様がこちらに繋いでくれると思いますよ?栞様は怒ると思われますが……」
「だよね。でも、丁度いいから医者に行って薬の追加もらってこようかな?」
「学校もそろそろなのでは?」
「うん、始業式の後テストがあるけど……あ!僕勉強して無い!どうしよう」
どうしようと悩み続け、明日戻った時に勉強道具をやっぱり持ってこないと行けないとメモに書き、手首の紐をぎゅっと握って、昴さん緊急だから早く来て!と念じる。
「どうした!」
窓から昴が肩で息を切らせながら入ってきて、どこか怪我をしたのか?と全身見られる。
「へ?」
「へ?じゃない!緊急って念じただろう?何かあったのかと慌ててきたんだが」
「だ、だって僕、テストの事忘れててね、勉強道具家だし、でも本のこともあるし、それと……」
「落ち着け!なんだ?本の事は聞いたがテストで呼び出されるとは思ってもみなかった。で?どうしたい?今すぐ帰るか、明日の朝に帰るか。どっちも一緒だと思うぞ?まず、今から帰っても栞の小言を聞いてから寝るか、ここで今から寝て明日の昼に帰るか」
「ひ、ひる?」
慌てて言ったので声が裏返ってしまったが、テストのことで頭がいっぱいだったので、午前中がもったいないと帰ることに決めて昴に送ってもらう。
『………の………………る』
「あれ?今なんか聞こえた?」
「ライオンさんですー。えっと、箱の中にある本をあげると言ってますー」
「本?ライオンにも言葉とか分かるの?どうして僕にくれるの?」
『……じ匂い』
「本と同じ匂いがしたそうですー」
「しーちゃん、その本てどこ?」
ライオンの横を通り過ぎて、いくつか積み重ねられている箱の上から木の箱を持って紫狐が戻ってきて渡されたので、箱をそっと開けると、見たことのある表紙の本が入っていた。
「これって……」
「私が開けましょう」
重次に渡して本を確認してもらうと、やはり開かず、返してもらって開けるとすんなりと開き、前と同じように頭の中に本の内容が流れ込んでくる。
「坊っちゃま?」
どのくらいぼーっとしていたのかは分からないが、本の裏を見ると、第四巻と書いてある。
「全部そろった?じゃあ、九堂の持ってる本は……?」
「とにかく宿に戻りましょう」
「紫狐が車椅子を持ちますー」
重次におぶってもらい、宿まで走って帰ってもらって、入口の前でおろしてもらう。
ひとまずは風呂にと言われたので、影の中に本をしまい、お風呂に入ってから簡単にマッサージをし、もう一度本を開く。
「見える?」
「はい。私の見たことのない字がかなりたくさんありますが、四郎と一緒に解読したのですよね?」
「うん、文字の表は持ってるから当てはめていけばいいだけだと思うんだけど、全部で五巻だって言ってたのに、何でこれが四巻なんだろう。そしたら、九堂の持ってる本はなにか気になるよね?」
「とりあえず、連絡をします」
重次が連絡したあとに聞くと、あすの朝昴が宿に来るから一日宿で待機したあと、人間の世界に一度戻る事となった。
「こっちに戻ってこれるよね?」
「冬弥様がこちらに繋いでくれると思いますよ?栞様は怒ると思われますが……」
「だよね。でも、丁度いいから医者に行って薬の追加もらってこようかな?」
「学校もそろそろなのでは?」
「うん、始業式の後テストがあるけど……あ!僕勉強して無い!どうしよう」
どうしようと悩み続け、明日戻った時に勉強道具をやっぱり持ってこないと行けないとメモに書き、手首の紐をぎゅっと握って、昴さん緊急だから早く来て!と念じる。
「どうした!」
窓から昴が肩で息を切らせながら入ってきて、どこか怪我をしたのか?と全身見られる。
「へ?」
「へ?じゃない!緊急って念じただろう?何かあったのかと慌ててきたんだが」
「だ、だって僕、テストの事忘れててね、勉強道具家だし、でも本のこともあるし、それと……」
「落ち着け!なんだ?本の事は聞いたがテストで呼び出されるとは思ってもみなかった。で?どうしたい?今すぐ帰るか、明日の朝に帰るか。どっちも一緒だと思うぞ?まず、今から帰っても栞の小言を聞いてから寝るか、ここで今から寝て明日の昼に帰るか」
「ひ、ひる?」
慌てて言ったので声が裏返ってしまったが、テストのことで頭がいっぱいだったので、午前中がもったいないと帰ることに決めて昴に送ってもらう。
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