下宿屋 東風荘

浅井 ことは

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居候

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ハンバーグはかなり大きく焼いたので、積み重なってはいるが、その上にピザソースをぬり、チーズをたっぷりと掛け、ピーマン、マッシュルーム、玉ねぎを置いてオーブンに入れてチーズが溶けるまで温める。
これでピザハンバーグの完成だ。

1人前ずつならサラダを置いて完成なのだが、祝いでもあるし、大皿の方が慣れてもらうにはいいだろう。

魚屋からの刺身も届き、一緒に持って来てくれたビールも冷やしておく。

その後棟梁からおおよその見積もりを出してもらい、各部屋の水道も確認してもらって工事の日程を決める。

「値段は安くするが、材料費だけはどうにもならん」

「ええ、分かってます」

「明日にでも誰かに見積書持ってこさせるから。工事は3日後からで、先に俺が屋根の方から入るからよ」

「わかりました。どのくらいで終わります?」

「若手も連れてくるから材料さえ揃えば2日だな。ちょっと直せばいいとこが多いからすぐ済む」

「水道管は?」

「今回は大丈夫だろう。年に1回は見た方がいいかもな」

工事をお願いして、棟梁が帰宅してすぐ、残りのものをつくりはじめる。

中くらいの鉢にサラダを作るだけなのだが、つまみが欲しい。

厚揚げを一口大に切り、小松菜も一緒に鍋に入れ、沸騰したら、だしの素、醤油と酒で味付けし、中鉢に入れて、漬物もすべて出して準備を終わらせる。

ハンバーグの方はアルミで覆ってあるので保温にもなるだろう。

夕餉の時刻にみんなが集まったので、ご飯や味噌汁なども出し、雪翔に挨拶する様に言う。

「あの、今日からお世話になります。早乙女 雪翔です。高校は海都君と同じになりました。よろしくお願いします」

拍手が起こり、みんなから宜しくなと背中や肩を叩かれ歓迎会が始まる。

「おー!ピザだ」

「中にハンバーグが入ってるぞ?」

意外にも驚きの声が上がったので、どちらも好きでしょう?とみんなに言う。

ビールに焼酎、ジュース等料理もどんどん減っていき、すぐにおかずは無くなってしまった。

「どうします?何か簡単な物なら作れますよ?」

「ピザがいい!」

「ピザですか?ちょっと待ってくださいね」

席を立ち、冷蔵庫を開ける。

ピザソースもチーズも残り僅か。パンは明日の食事に使いたいと中をみて、揚げにふと目が止まる。

「これで行きましょうかねぇ……」

京揚げを二等辺三角形になるように四つに切り、アルミホイルを敷いたトースターの皿の上に乗せてピザソースを塗り、ピーマンなど薄くスライスしたものを乗せていく。
ベーコンも乗せチーズをかけてトースターで焼く。それを三回繰り返し、お皿に乗せて机の上に置く。
揚ピザの出来上がりだ。

「ピザだ!でも、揚げ?」

「揚げは糖質も少ないので、体にもいいんですよ?まぁ、食べてみてください」

「あ、サクサクだし美味い!雪翔も食えよ」

「はい、いただきます」

俺もおれもとみんなが手に取り、好評だったのでまた一つメニューに加えようと思い、一つ摘む。
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