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第一章
敵対
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カナトが驚いているあいだ、ユシルはぐいっとイグナスの袖を引っ張った。
しばらくしてイグナスは手を離し、またもあの親しいとも不快とも感じさせない表情をする。だが、その声音はそうではなかった。
「自分の視線に気をつけろ、少年」
鋭い視線ににらまらてカナトが思わず身震いし、それがアレストに伝わった。腕の力がさらに強くなる。
「辺境伯、僕の使用人はただおいしいと感じた菓子をユシルに与えようとしただけです。何か無礼を働いたならともかく、なぜ意味なくこのような仕打ちを?」
「アレスト!」
今は協力してもらう側なので、機嫌を損なわせたくないアグラウから諌めの声が出るが、アレストは気にしなかった。真っ直ぐにイグナスの目を見つめている。
「……ユシルは少し前に体調を崩しているからな。変なものを口に入れさせたくないだけだ」
「変なもの……」
なんだか敵対し始めた雰囲気にカナトが慌てる。
まさか俺のせいでこの3人が関係悪化したのか!?
「ア、アレスト!俺は大丈夫だ。確かにいきなりすぎたかもしれない」
「カナト、きみは何も悪くない」
「いいから!その、ユシル、様?」
「ユシルでいいですよ。兄さんのことも名前で呼んでるから、私のこともぜひ名前で呼んでほしいな。ダメかな?」
この場を和ませようという意図が伝わって来た。感動したカナトはユシルにキラキラフィルターをかけながらコクコクと頭を縦に振った。
「俺のこともカナトと呼んでくれ!カナトだ!」
覚えられないと思い二度も自分の名前を言う。
そしてパーティーの時間は真夜中を周り、招待客たちは次々と帰っていった。
カナトはパーティー中ずっとアレストのそばに付きっきりだった。その中でアレストの境遇をダシにあれこれと言う人たちがおり、その人たちを持ち前のゴロツキ顔で撃退していく。
「なんなんだあいつら。心配とか味方するふりしてずっとお前のことなめてたぞ。本当に上面だけのやつらだな」
「そうだな」
自室への廊下を歩きながらカナトはなんとか話題を持ち出すが、アレストからは短い返事しか返ってこない。
気まずい顔で頬をかき、そっぽを向きながらその隣に行く。
「あのさ、迷惑かけて悪かったな」
「……違う」
「は?」
アレストが立ち止まり、妙に無表情でカナトを見る。
「きみのせいじゃない」
なんの感情の起伏もない顔に妙な危機感を感じた。なんだか、いつもの笑顔をなくすと途端に人が変わったように見える。
そもそも今日の出来事はアレストにとっても一度整理が必要なのだろう。そう思ってカナトはこほんと咳払いをした。
「何かあればいつでも俺に言え。昔だってそうしただろ。頭悪いからあんまり気の利いたことは言えないけど、その……聞くだけでいいならいつでもいいぞ?」
「……ふっ、あはは!」
「笑うなよ!真剣だったんだぞ!」
アレストは顔の前で手を振りながらもう片方の手で目じりの涙をぬぐった。
「ごめん、………そうだな。じゃあお言葉に甘えさせてもらおうかな」
「おう!」
闇堕ちしないならなんでもいいぜ!
とは、思ったが、なんでこうなった。
カナトの自室で1人用ベッドに2人で寝ていた。せまいので肩がぶつかってしまうが、向かい合うのはもちろん背中向けるのもなんか違うように感じる。
そしてアレストはカナトのことを頭から抱き込んでいた。向かい合っても顔を見るという気まずさはないものの、これはこれで恥ずかしい。
「あ、あのさ」
カナトは目の前の首筋を見ながら声を出した。
「ん?」
「この姿勢じゃないとダメか?」
「この姿勢って何か変かな?」
「ガチで言ってんのか?」
「冗談だよ。こんなことするのはきみだけだ。今日はいろいろと疲れたんだ」
「ユシルのことか?」
「……きみは変なところで鋭いな」
鋭いというより、大まかのストーリーがわかっているためである。
「いやだって、今日のことは誰でも戸惑うだろ。しかもなんだよ。前からユシルのこと知っていたって。お前が聞いたのは今日だろ」
0時を回ったので正確には昨日になるが、カナトは細かいことは気にしなかった。伝わればいい。そしてアレストもそれに合わせて、今日は、と始める。
「今日はあの場でそう言うのが正解なんだ。嘘も方便ってね。ああやって言うことで僕がユシルの存在を前々から認知し、受け入れているというのを周囲に見せるためなんだ。ヴォルテローノ家に兄弟争いは不要だからな。貴族の世界は色々と複雑なんだ。カナトは今のままでいい」
「別に変わる気ねぇよ」
「そうだな。カナトはずっと自由気ままだ。それでいい。それが一番だ」
「……他にも聞いてほしいこととかないのか?知っての通り俺は忘れやすいからな。脳みそ金魚の相手に愚痴っていると思え」
「はは!本当にきみと話していると気がまぎれる。……でもそうだな、あえて言うならもっと早く教えてほしかったのかもしれない。そうしてくれるとユシルへの対応はもっと自然になれたんだよなぁ」
困ったなぁというようにアレストはため息をつく。
「そうか……」
訊いてもユシルへの負の感情はわからなかった。もしかしたら今後の対応で、いや、ケアでアレストの闇落ちを防げるかもしれない。
カナトは気合いを入れるようにすうと息を吸って吐き出した。
当初の、アレストと接触して主人公CPに近づく、という目的はどこへやら、アレストを闇落ちさせたくない一心でカナトは行動してきた。しかし、もう主人公たちは現れている。
まだ大丈夫だと今までみたいに慢心的になるのは危ない。
帰りの馬車でユシルは怒っていた。
イグナスは仕方なさそうにため息をついた。
「まだ怒っているのか?」
2人は伯爵邸に泊まらず別邸で泊まることにした。これはユシルの配慮であり、希望であった。まずは慣れるのに少し時間が必要だと感じたのはもちろん、今日イグナスとアレストの対峙はどう見てもいい関係を前提に面識する場面ではなかった。
「嫉妬しすぎないでって言ったのにっ」
「嫉妬じゃない。あの黒髪の男、お前を見る目がおかしかった」
「誰でもかんでも私に危害を加えたいわけじゃない!私はそこまで被害者意識持ってない!ただ、家族と……」
イグナスはゆっくりと息を吐き出した。ユシルの隣に移り、その薄緑かかった淡い金髪をなでた。
「あの黒髪の男はアレストの使用人だ。反応を見る限り仲もいい。アレストのためにお前に危害を加える可能性は十分にある。それに、お前が毒を盛られた時、俺がどんな気分だったかわかるか?」
「………っ」
体が衰弱していた期間、イグナスはずっとユシルのそばに付きっきりだった。それを思い出してユシルは黙り込む。
「心配なだけだ。次からは気をつける。お前が家族と仲良くしたいのはわかっている。だから機嫌を直せ」
「……次は、もうあんなふうにしないと約束できるの?」
「ああ、もちろんだ」
イグナスはフッと笑い、ユシルの腰を引き寄せた。そのまま顔を近づかせ長い口付けを交わす。
「んっ……イ、イグナスここ馬車の、んうっ」
イグナスの手はユシルの服の中に潜り込んだ。
すでに主人のこういうところ構わずな行為に御者は慣れていた。
馬車からもれてくる声に耳と心を閉ざし、御者は手綱にのみ集中した。
しばらくしてイグナスは手を離し、またもあの親しいとも不快とも感じさせない表情をする。だが、その声音はそうではなかった。
「自分の視線に気をつけろ、少年」
鋭い視線ににらまらてカナトが思わず身震いし、それがアレストに伝わった。腕の力がさらに強くなる。
「辺境伯、僕の使用人はただおいしいと感じた菓子をユシルに与えようとしただけです。何か無礼を働いたならともかく、なぜ意味なくこのような仕打ちを?」
「アレスト!」
今は協力してもらう側なので、機嫌を損なわせたくないアグラウから諌めの声が出るが、アレストは気にしなかった。真っ直ぐにイグナスの目を見つめている。
「……ユシルは少し前に体調を崩しているからな。変なものを口に入れさせたくないだけだ」
「変なもの……」
なんだか敵対し始めた雰囲気にカナトが慌てる。
まさか俺のせいでこの3人が関係悪化したのか!?
「ア、アレスト!俺は大丈夫だ。確かにいきなりすぎたかもしれない」
「カナト、きみは何も悪くない」
「いいから!その、ユシル、様?」
「ユシルでいいですよ。兄さんのことも名前で呼んでるから、私のこともぜひ名前で呼んでほしいな。ダメかな?」
この場を和ませようという意図が伝わって来た。感動したカナトはユシルにキラキラフィルターをかけながらコクコクと頭を縦に振った。
「俺のこともカナトと呼んでくれ!カナトだ!」
覚えられないと思い二度も自分の名前を言う。
そしてパーティーの時間は真夜中を周り、招待客たちは次々と帰っていった。
カナトはパーティー中ずっとアレストのそばに付きっきりだった。その中でアレストの境遇をダシにあれこれと言う人たちがおり、その人たちを持ち前のゴロツキ顔で撃退していく。
「なんなんだあいつら。心配とか味方するふりしてずっとお前のことなめてたぞ。本当に上面だけのやつらだな」
「そうだな」
自室への廊下を歩きながらカナトはなんとか話題を持ち出すが、アレストからは短い返事しか返ってこない。
気まずい顔で頬をかき、そっぽを向きながらその隣に行く。
「あのさ、迷惑かけて悪かったな」
「……違う」
「は?」
アレストが立ち止まり、妙に無表情でカナトを見る。
「きみのせいじゃない」
なんの感情の起伏もない顔に妙な危機感を感じた。なんだか、いつもの笑顔をなくすと途端に人が変わったように見える。
そもそも今日の出来事はアレストにとっても一度整理が必要なのだろう。そう思ってカナトはこほんと咳払いをした。
「何かあればいつでも俺に言え。昔だってそうしただろ。頭悪いからあんまり気の利いたことは言えないけど、その……聞くだけでいいならいつでもいいぞ?」
「……ふっ、あはは!」
「笑うなよ!真剣だったんだぞ!」
アレストは顔の前で手を振りながらもう片方の手で目じりの涙をぬぐった。
「ごめん、………そうだな。じゃあお言葉に甘えさせてもらおうかな」
「おう!」
闇堕ちしないならなんでもいいぜ!
とは、思ったが、なんでこうなった。
カナトの自室で1人用ベッドに2人で寝ていた。せまいので肩がぶつかってしまうが、向かい合うのはもちろん背中向けるのもなんか違うように感じる。
そしてアレストはカナトのことを頭から抱き込んでいた。向かい合っても顔を見るという気まずさはないものの、これはこれで恥ずかしい。
「あ、あのさ」
カナトは目の前の首筋を見ながら声を出した。
「ん?」
「この姿勢じゃないとダメか?」
「この姿勢って何か変かな?」
「ガチで言ってんのか?」
「冗談だよ。こんなことするのはきみだけだ。今日はいろいろと疲れたんだ」
「ユシルのことか?」
「……きみは変なところで鋭いな」
鋭いというより、大まかのストーリーがわかっているためである。
「いやだって、今日のことは誰でも戸惑うだろ。しかもなんだよ。前からユシルのこと知っていたって。お前が聞いたのは今日だろ」
0時を回ったので正確には昨日になるが、カナトは細かいことは気にしなかった。伝わればいい。そしてアレストもそれに合わせて、今日は、と始める。
「今日はあの場でそう言うのが正解なんだ。嘘も方便ってね。ああやって言うことで僕がユシルの存在を前々から認知し、受け入れているというのを周囲に見せるためなんだ。ヴォルテローノ家に兄弟争いは不要だからな。貴族の世界は色々と複雑なんだ。カナトは今のままでいい」
「別に変わる気ねぇよ」
「そうだな。カナトはずっと自由気ままだ。それでいい。それが一番だ」
「……他にも聞いてほしいこととかないのか?知っての通り俺は忘れやすいからな。脳みそ金魚の相手に愚痴っていると思え」
「はは!本当にきみと話していると気がまぎれる。……でもそうだな、あえて言うならもっと早く教えてほしかったのかもしれない。そうしてくれるとユシルへの対応はもっと自然になれたんだよなぁ」
困ったなぁというようにアレストはため息をつく。
「そうか……」
訊いてもユシルへの負の感情はわからなかった。もしかしたら今後の対応で、いや、ケアでアレストの闇落ちを防げるかもしれない。
カナトは気合いを入れるようにすうと息を吸って吐き出した。
当初の、アレストと接触して主人公CPに近づく、という目的はどこへやら、アレストを闇落ちさせたくない一心でカナトは行動してきた。しかし、もう主人公たちは現れている。
まだ大丈夫だと今までみたいに慢心的になるのは危ない。
帰りの馬車でユシルは怒っていた。
イグナスは仕方なさそうにため息をついた。
「まだ怒っているのか?」
2人は伯爵邸に泊まらず別邸で泊まることにした。これはユシルの配慮であり、希望であった。まずは慣れるのに少し時間が必要だと感じたのはもちろん、今日イグナスとアレストの対峙はどう見てもいい関係を前提に面識する場面ではなかった。
「嫉妬しすぎないでって言ったのにっ」
「嫉妬じゃない。あの黒髪の男、お前を見る目がおかしかった」
「誰でもかんでも私に危害を加えたいわけじゃない!私はそこまで被害者意識持ってない!ただ、家族と……」
イグナスはゆっくりと息を吐き出した。ユシルの隣に移り、その薄緑かかった淡い金髪をなでた。
「あの黒髪の男はアレストの使用人だ。反応を見る限り仲もいい。アレストのためにお前に危害を加える可能性は十分にある。それに、お前が毒を盛られた時、俺がどんな気分だったかわかるか?」
「………っ」
体が衰弱していた期間、イグナスはずっとユシルのそばに付きっきりだった。それを思い出してユシルは黙り込む。
「心配なだけだ。次からは気をつける。お前が家族と仲良くしたいのはわかっている。だから機嫌を直せ」
「……次は、もうあんなふうにしないと約束できるの?」
「ああ、もちろんだ」
イグナスはフッと笑い、ユシルの腰を引き寄せた。そのまま顔を近づかせ長い口付けを交わす。
「んっ……イ、イグナスここ馬車の、んうっ」
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