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プロローグ
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私――『朝火 ヒナコ』は悪い魔法使いが大キライ!
だから私はなりたい! 悪い魔法使いをこらしめる、正義の魔法使いに!
「よーし! 到着!」
今、私の目の前には西洋のお城のような建物がある!
この建物の名前はMCCアカデミー! 魔法使いが集まる中学校だ!
「やあ。君は朝火ヒナコちゃんで間違いないかい?」
MCCアカデミーの校門の前に立っている、白のシャツを着た金髪のお兄さんが私に話しかけてきた。
この、外国の王子様のような見た目のイケメンは誰だろう? 何で私の名前を知っているのかな?
「はい! 間違いないですよ!」
とりあえず、私は王子様(仮)にそう返事をした。すると王子様(仮)はほほ笑みながら、こう言ってきた。
「良かった。あ、自己紹介しなきゃね。俺は『風見 レン』。このMCCアカデミーの二年生だよ。と言っても、もうすぐ三年生になるけどね」
「レンさんですね! よろしくお願いします!」
今日は三月一日。つまり、来月からは四月だ。
小学六年生である私が来月から中学一年生になるように、今中学二年生であるレンさんは来月から中学三年生になるみたい。つまり私の先輩! 仲良くならないと!
私はそう思ってレンさんに右手を差し出した! ……だけど、レンさんは手を取ってくれなかった。代わりに、私にこう語りかけてきた。
「……朝火さん。パンフレットにも書いてあったと思うけど、この学校は命がけで魔法の勉強をする場所だ。死ぬほど努力しなければ卒業することはできないし、文字通り命を落とす可能性もある。それでも君は、入学試験を受けるかい?」
レンさんの目はとても真剣だ。私が本気で入学試験を受けるかどうかを見極めようとしている。それが伝わってきた。
「……受けます! 私は正義の魔法使いになりたいので!」
「正義の魔法使い?」
「はい! 私は、正義の魔法使いになります! 命がけで!」
私がそう言うと、レンさんは真顔で固まってしまった。
……私、何か変なことを言っちゃったかな?
「……あっはっは! シンプルな目標だ! 気に入ったよ!」
固まってしまったと思ったレンさんが、急に笑い出した! 何で!?
「わ、笑わないでくださいよ! 私、本気なんですから!」
「ごめんごめん! でも、良いと思うよ。正義の魔法使いになりたいなら、この学校ほどふさわしいものはないしね」
そう言って、レンさんは私が差し出した右手を優しく握ってきた。
うーん、イケメンの先輩と握手するのって、なんかドキドキするなあ。緊張して、すぐに手を離しちゃった。
「……さて、正義の魔法使いになるために踏み出した君の大きな一歩を、間近でしっかりと見させてもらおうかな。試験官としてね」
「試験官?」
「うん。今日の入学試験の試験官は俺だよ。よろしくね」
「ええっ!?」
普通、入学試験の試験官って学校の先生がやるものだよね!? 私が心の中でそう叫ぶと、レンさんはそれが聞こえたかのようにこう言ってきた。
「重要な役割を生徒に押しつけてくるんだよねー、この学校。これも良い勉強だって言ってさ。まあ、入学試験の内容を考えて準備するのは実際に良い勉強になったよ」
「そ、そうなんですね……」
「朝火さんもしっかり勉強したかい?」
「もちろんですよ!」
「そっか。じゃあ、試験会場に向かう前にいくつか基礎的なことを質問しよう。もし答えられなかったらその時点で不合格ね」
「うそぉー!?」
レンさんの質問に答えられなかったら不合格!?
あわわわわ! しっかり答えなきゃ!
「はい、それじゃ第一問。MCCとは何の略でどんな意味があるでしょうか?」
私が門をくぐってグラウンドに足を踏み入れた瞬間、レンさんがそう質問をしてきた。
……この質問は大丈夫! 自分が通いたいと思う学校の名前なんだもん! 意味を知らないわけがないよ!
「MCCとは『マジック・クライム・コントロール』の略です! マジックは魔法、クライムは犯罪、コントロールは取りしまり……。つまり、魔法犯罪を取りしまる者という意味です!」
「その通り。魔法犯罪を取りしまるために存在する魔法使いをマジック・クライム・コントロールと言う。長いから、みんな『コントロール』って呼んでいるけどね。コントロールはまさに、君がなりたい正義の魔法使いそのものだ」
ふう。簡単な質問でも、いざ答えるとなると緊張するなあ。
「では第二問。魔法の属性と相性について説明してみて」
これも簡単な質問だ。落ち着いて答えればきっと大丈夫!
「魔法の属性は四種類。火・水・風・地です。火は風に強く、水は火、風は地、地は水に強いですね」
「うん。合ってるね。どんな魔法使いも基本的には一つの属性の魔法しか使用できないわけだけど、朝火さんの属性は何かな?」
「火です!」
「ああ。イメージ通りかも。燃える炎っぽい情熱的な感じがあるもんね」
レンさんから見た私ってそんなイメージだったんだ。情熱的な感じがあるって言われるのは、悪い気がしないなあ。えへへ。
「レンさんの得意属性は何ですか?」
「俺は風だよ。つまり、俺から見たら朝火さんは相性最悪だね。敵に回したくないよ。はははっ」
火属性の魔法は風属性の魔法に強い。逆に考えると、風属性の魔法は火属性の魔法に弱いということ。レンさんから見たら、確かに私との相性が最悪だ。
「それじゃ、三問目。魔法の型は何種類?」
「はい! 魔法の型は四種類! 放射型、設置型、回復型、防御型です!」
目標に向かって勢いよく魔法が飛んでいくのが放射型。
特定の条件を満たすと威力が高い魔法が発動するのが設置型。
怪我や病気を癒す魔法が回復型。
あらゆる衝撃を和らげて脅威を退ける魔法が防御型。
魔法は基本的にこの四種類である。……って、魔法の参考書に書いてあったはず。
「うん合っているよ。その中で朝火さんが得意な型は何?」
「放射型です! 炎をバーンって出すのが得意ですよ!」
「なるほどね。よし、じゃあ朝火さん。そこでちょっと待ってて」
そう言った後、レンさんは小走りで私から距離を取った。一体どうしたんだろう?
「はい、どうぞ!!」
やや遠くでレンさんがそう叫んだ。正確な距離は分からないけれど、五十メートル走のゴール地点までの距離がこのくらいじゃないかな。つまり、レンさんは五十メートルくらい先に居る……はず!
……いや、距離はどうでもいいか。それよりも、どうぞって言われてもどうすればいいの!? 分かんないよ!!
「何をすればいいんですかー!!」
分からなかったので、私は素直にレンさんに質問した!
「俺に向かって炎をバーンって飛ばせばいいよー!」
「分かりまし……えぇー!?」
一瞬分かりましたって言うところだったけど、よく考えたら分からない! 何でレンさんに炎をバーンってしなきゃいけないの!?
「ほらいつでもいいよー! 早くしないと不合格になるよー!」
「そんなー!?」
「君は正義の魔法使いを目指しているんだろう! なら俺を悪い魔法使いだと思って、全力で炎をバーンすればいいよー!」
レンさんを悪い魔法使いだと思って炎をバーンすればいいと言われても困るよ! でも、私はどうしてもMCCアカデミーに入学したい! なら、やらなきゃいけない!
「ほ、本当にバーンしていいんですかー!?」
「ああ! 遠慮はいらない! ちゃんとバーンできたら入学試験を受ける許可を出すよー!」
バーンバーン言いすぎて頭がバーンってなりそう!
……よし、ちょっと深呼吸! すー、はー。うん、落ち着いた。
……レンさんを悪い魔法使いだと思え、か。私には、どうしても許せない魔法使いが居る。
その魔法使いの名は『レッドフェイス』。赤いフルフェイスのマスクを被った男だ。
だから私はなりたい! 悪い魔法使いをこらしめる、正義の魔法使いに!
「よーし! 到着!」
今、私の目の前には西洋のお城のような建物がある!
この建物の名前はMCCアカデミー! 魔法使いが集まる中学校だ!
「やあ。君は朝火ヒナコちゃんで間違いないかい?」
MCCアカデミーの校門の前に立っている、白のシャツを着た金髪のお兄さんが私に話しかけてきた。
この、外国の王子様のような見た目のイケメンは誰だろう? 何で私の名前を知っているのかな?
「はい! 間違いないですよ!」
とりあえず、私は王子様(仮)にそう返事をした。すると王子様(仮)はほほ笑みながら、こう言ってきた。
「良かった。あ、自己紹介しなきゃね。俺は『風見 レン』。このMCCアカデミーの二年生だよ。と言っても、もうすぐ三年生になるけどね」
「レンさんですね! よろしくお願いします!」
今日は三月一日。つまり、来月からは四月だ。
小学六年生である私が来月から中学一年生になるように、今中学二年生であるレンさんは来月から中学三年生になるみたい。つまり私の先輩! 仲良くならないと!
私はそう思ってレンさんに右手を差し出した! ……だけど、レンさんは手を取ってくれなかった。代わりに、私にこう語りかけてきた。
「……朝火さん。パンフレットにも書いてあったと思うけど、この学校は命がけで魔法の勉強をする場所だ。死ぬほど努力しなければ卒業することはできないし、文字通り命を落とす可能性もある。それでも君は、入学試験を受けるかい?」
レンさんの目はとても真剣だ。私が本気で入学試験を受けるかどうかを見極めようとしている。それが伝わってきた。
「……受けます! 私は正義の魔法使いになりたいので!」
「正義の魔法使い?」
「はい! 私は、正義の魔法使いになります! 命がけで!」
私がそう言うと、レンさんは真顔で固まってしまった。
……私、何か変なことを言っちゃったかな?
「……あっはっは! シンプルな目標だ! 気に入ったよ!」
固まってしまったと思ったレンさんが、急に笑い出した! 何で!?
「わ、笑わないでくださいよ! 私、本気なんですから!」
「ごめんごめん! でも、良いと思うよ。正義の魔法使いになりたいなら、この学校ほどふさわしいものはないしね」
そう言って、レンさんは私が差し出した右手を優しく握ってきた。
うーん、イケメンの先輩と握手するのって、なんかドキドキするなあ。緊張して、すぐに手を離しちゃった。
「……さて、正義の魔法使いになるために踏み出した君の大きな一歩を、間近でしっかりと見させてもらおうかな。試験官としてね」
「試験官?」
「うん。今日の入学試験の試験官は俺だよ。よろしくね」
「ええっ!?」
普通、入学試験の試験官って学校の先生がやるものだよね!? 私が心の中でそう叫ぶと、レンさんはそれが聞こえたかのようにこう言ってきた。
「重要な役割を生徒に押しつけてくるんだよねー、この学校。これも良い勉強だって言ってさ。まあ、入学試験の内容を考えて準備するのは実際に良い勉強になったよ」
「そ、そうなんですね……」
「朝火さんもしっかり勉強したかい?」
「もちろんですよ!」
「そっか。じゃあ、試験会場に向かう前にいくつか基礎的なことを質問しよう。もし答えられなかったらその時点で不合格ね」
「うそぉー!?」
レンさんの質問に答えられなかったら不合格!?
あわわわわ! しっかり答えなきゃ!
「はい、それじゃ第一問。MCCとは何の略でどんな意味があるでしょうか?」
私が門をくぐってグラウンドに足を踏み入れた瞬間、レンさんがそう質問をしてきた。
……この質問は大丈夫! 自分が通いたいと思う学校の名前なんだもん! 意味を知らないわけがないよ!
「MCCとは『マジック・クライム・コントロール』の略です! マジックは魔法、クライムは犯罪、コントロールは取りしまり……。つまり、魔法犯罪を取りしまる者という意味です!」
「その通り。魔法犯罪を取りしまるために存在する魔法使いをマジック・クライム・コントロールと言う。長いから、みんな『コントロール』って呼んでいるけどね。コントロールはまさに、君がなりたい正義の魔法使いそのものだ」
ふう。簡単な質問でも、いざ答えるとなると緊張するなあ。
「では第二問。魔法の属性と相性について説明してみて」
これも簡単な質問だ。落ち着いて答えればきっと大丈夫!
「魔法の属性は四種類。火・水・風・地です。火は風に強く、水は火、風は地、地は水に強いですね」
「うん。合ってるね。どんな魔法使いも基本的には一つの属性の魔法しか使用できないわけだけど、朝火さんの属性は何かな?」
「火です!」
「ああ。イメージ通りかも。燃える炎っぽい情熱的な感じがあるもんね」
レンさんから見た私ってそんなイメージだったんだ。情熱的な感じがあるって言われるのは、悪い気がしないなあ。えへへ。
「レンさんの得意属性は何ですか?」
「俺は風だよ。つまり、俺から見たら朝火さんは相性最悪だね。敵に回したくないよ。はははっ」
火属性の魔法は風属性の魔法に強い。逆に考えると、風属性の魔法は火属性の魔法に弱いということ。レンさんから見たら、確かに私との相性が最悪だ。
「それじゃ、三問目。魔法の型は何種類?」
「はい! 魔法の型は四種類! 放射型、設置型、回復型、防御型です!」
目標に向かって勢いよく魔法が飛んでいくのが放射型。
特定の条件を満たすと威力が高い魔法が発動するのが設置型。
怪我や病気を癒す魔法が回復型。
あらゆる衝撃を和らげて脅威を退ける魔法が防御型。
魔法は基本的にこの四種類である。……って、魔法の参考書に書いてあったはず。
「うん合っているよ。その中で朝火さんが得意な型は何?」
「放射型です! 炎をバーンって出すのが得意ですよ!」
「なるほどね。よし、じゃあ朝火さん。そこでちょっと待ってて」
そう言った後、レンさんは小走りで私から距離を取った。一体どうしたんだろう?
「はい、どうぞ!!」
やや遠くでレンさんがそう叫んだ。正確な距離は分からないけれど、五十メートル走のゴール地点までの距離がこのくらいじゃないかな。つまり、レンさんは五十メートルくらい先に居る……はず!
……いや、距離はどうでもいいか。それよりも、どうぞって言われてもどうすればいいの!? 分かんないよ!!
「何をすればいいんですかー!!」
分からなかったので、私は素直にレンさんに質問した!
「俺に向かって炎をバーンって飛ばせばいいよー!」
「分かりまし……えぇー!?」
一瞬分かりましたって言うところだったけど、よく考えたら分からない! 何でレンさんに炎をバーンってしなきゃいけないの!?
「ほらいつでもいいよー! 早くしないと不合格になるよー!」
「そんなー!?」
「君は正義の魔法使いを目指しているんだろう! なら俺を悪い魔法使いだと思って、全力で炎をバーンすればいいよー!」
レンさんを悪い魔法使いだと思って炎をバーンすればいいと言われても困るよ! でも、私はどうしてもMCCアカデミーに入学したい! なら、やらなきゃいけない!
「ほ、本当にバーンしていいんですかー!?」
「ああ! 遠慮はいらない! ちゃんとバーンできたら入学試験を受ける許可を出すよー!」
バーンバーン言いすぎて頭がバーンってなりそう!
……よし、ちょっと深呼吸! すー、はー。うん、落ち着いた。
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