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第1章 入学試験は命がけ!?
1.正義の魔法使いになりたくて
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五年前、レッドフェイスが起こした魔法による爆破テロに巻き込まれ、私のパパは命を落とした。
警察官だった私のパパはとても忙しそうで平日はあまり顔を合わせることはなかったけれど、休みの日はよく私を遊園地に連れて行ってくれた。厳しいけど、とても優しいパパだったんだ。
レッドフェイスは、今も各地で魔法による爆破テロを起こしている。私のパパを含む沢山の命を奪っておいて、まだ捕まっていないんだ。
そんなの、絶対に許せない!
――だから私は、レッドフェイスを捕まえてみせる! そのために、このMCCアカデミーに入学して正義の魔法使いになるんだ! 絶対に!
「準備はできたかい!? さあ来い!!」
「……はい!」
魔法を使うために必要なのは集中力と想像力。
魔法使いの体内には『魔力』と呼ばれる力が流れている。まずは集中し、その魔力を手のひらに集めるんだ。そして、集めた魔力を一気に放射する想像をする。それが、放射型の魔法を上手く使うコツ。
何度も訓練したから、きっと大丈夫。そう心の中で呟きながら、レンさん――いや、悪い魔法使いが居る方に向かって、私は右手を真っ直ぐに伸ばした。
あの人はレッドフェイス。そう、レッドフェイスだと思うんだ。
「……飛んで! 『フレビス』!」
私の右手がかあっと熱くなる! 次の瞬間、炎の塊が勢いよく飛んでいった! よし、大成功っ!
「って、どうしようー!?」
レンさんをレッドフェイスだと思い込み、私は炎の塊を飛ばす魔法であるフレビスを全力で放ってしまった! 冷静になって考えたら、これかなりやばいよね!? 当たったらレンさんがメラメラと燃えちゃう!! 一応、集中すれば発動した魔法を消すこともできるけど……ダメだ! 間に合わない!
「守護せよ! 『ウィンシル』!」
フレビスがレンさんに直撃する――寸前に、辺りにぶわっと風が吹いた!
「わー! 何これー!?」
私は思わず叫んでしまう! だって、レンさんの周りに小さな竜巻が発生していたからだ! もしかして……ううん、もしかしなくても魔法だよね!? これ!
「朝火さん! こっちにおいで!」
風の音に混ざって、レンさんの声が聞こえた。
私は、竜巻に囲まれたレンさんの元に向かって走る!
「すごーい! 何ですかこの魔法!?」
レンさんの近くにたどり着いた私は、早速質問をした! こんな魔法、初めて見るよ!
「これは風属性の防御型魔法であるウィンシルだよ。これで君のフレビスを防がせてもらった」
そう説明してくれた後、レンさんが指をパチンと鳴らす。その瞬間、レンさんの周りを囲んでいた竜巻はフッと消えた。
「すごいし、便利そうな魔法ですね! あれ? でも、風属性の魔法は炎属性の魔法に弱いはずじゃ……?」
「もし君が俺と同程度の実力を持つ魔法使いだったら、君のフレビスを防ぐことはできなかっただろうね。相性が悪いから」
じゃあどうして、私の魔法は防がれたんだろう。いや、防がれなかったら炎がレンさんにバーンって直撃していたから防がれた方が良かったんだけどね! でもそれはそれとして気になる。
「単純に魔力の差だよ。経験の差って言ってもいいかもね」
「えっと……つまりどういうことですか?」
「魔法使いは魔法を使えば使うほど、体内で魔力の量が増えていく。で、体内を流れる魔力の量が増えると、魔法はより強力なものになるわけ。だから、魔力の差があれば相性が不利な魔法使い相手でも渡りあえるんだ。今のようにね」
レンさんと比べると私は魔力の量が少ない――経験不足なんだ。だから相性が有利でも、私の魔法はレンさんに防がれた。そういうことみたい。
「つまり魔法を使いまくれば強い魔法使いになれるってことですね!」
「その通りなんだけど、短時間で魔法を使いすぎると吐き気やめまいが生じたり、最悪、一時的に意識を失う『ロスト』状態になるから注意してね」
「えっ。じゃあどうすればいいんですか?」
「ロスト状態にならないように気を付けながら毎日コツコツと魔法を使い続けていくべし、かな。それが強い魔法使いになるための近道だよ」
「なるほどー」
勉強になるなあ。参考書を読んだだけじゃ頭に入らないことも、こうやって誰かに直接教えてもらうと覚えやすいね!
「――さて、朝火さん。いくつか質問に答えてもらったうえで君の魔法を見せてもらったわけだけど……」
「は、はい……」
まさか、知識も実力も足りていないから入学試験を受けさせられないなんて言われないよね!? うう、ドキドキする……!
「最低限の知識と魔力はあるみたいだし入学試験を受けることを許可するよ」
「よ、よかったあぁぁぁー!」
「ははっ。もしかして不合格にされると思ったかい?」
「はい、安心しましたあぁ……」
安心して、全身から力が抜けていく。こういう時って、首の皮がつながったって言うんだっけ。とりあえず、試験を受ける前から不合格にならなくてよかった……。
「おっと。安心するのはまだ早いよ。むしろ今からが大変だからね」
「が、頑張ります!」
「うん。それじゃあ、俺は試験の準備をするから君は先に校舎の裏に向かってね」
何でわざわざ校舎の裏に行かなきゃいけないんだろう。
……はっ! まさか、悪い先輩たちにカツアゲされちゃったり!? そんなマンガを読んだことあるよ、私! レンさんは優しそうに見えて、実は悪い魔法使いだったの!?
「校舎の裏に試験会場の入り口があるからね。ちなみに、入学試験を受けに来た子がすでに三人来ているよ。校舎の裏に着いたら自己紹介を済ませておいてね」
そう言い残して、レンさんはどこかに歩いて行った。
校舎の裏が試験会場なだけかー。緊張して損したよ。
「……入学試験を受けに来た子が三人来ている、かあ。どんな子たちなんだろう」
男の子かな。女の子かな。どっちもかな。気になるなあ。女の子が私だけじゃないといいなあ。
……ここであれこれ考えていても仕方ないよね! とりあえず、行こう!
警察官だった私のパパはとても忙しそうで平日はあまり顔を合わせることはなかったけれど、休みの日はよく私を遊園地に連れて行ってくれた。厳しいけど、とても優しいパパだったんだ。
レッドフェイスは、今も各地で魔法による爆破テロを起こしている。私のパパを含む沢山の命を奪っておいて、まだ捕まっていないんだ。
そんなの、絶対に許せない!
――だから私は、レッドフェイスを捕まえてみせる! そのために、このMCCアカデミーに入学して正義の魔法使いになるんだ! 絶対に!
「準備はできたかい!? さあ来い!!」
「……はい!」
魔法を使うために必要なのは集中力と想像力。
魔法使いの体内には『魔力』と呼ばれる力が流れている。まずは集中し、その魔力を手のひらに集めるんだ。そして、集めた魔力を一気に放射する想像をする。それが、放射型の魔法を上手く使うコツ。
何度も訓練したから、きっと大丈夫。そう心の中で呟きながら、レンさん――いや、悪い魔法使いが居る方に向かって、私は右手を真っ直ぐに伸ばした。
あの人はレッドフェイス。そう、レッドフェイスだと思うんだ。
「……飛んで! 『フレビス』!」
私の右手がかあっと熱くなる! 次の瞬間、炎の塊が勢いよく飛んでいった! よし、大成功っ!
「って、どうしようー!?」
レンさんをレッドフェイスだと思い込み、私は炎の塊を飛ばす魔法であるフレビスを全力で放ってしまった! 冷静になって考えたら、これかなりやばいよね!? 当たったらレンさんがメラメラと燃えちゃう!! 一応、集中すれば発動した魔法を消すこともできるけど……ダメだ! 間に合わない!
「守護せよ! 『ウィンシル』!」
フレビスがレンさんに直撃する――寸前に、辺りにぶわっと風が吹いた!
「わー! 何これー!?」
私は思わず叫んでしまう! だって、レンさんの周りに小さな竜巻が発生していたからだ! もしかして……ううん、もしかしなくても魔法だよね!? これ!
「朝火さん! こっちにおいで!」
風の音に混ざって、レンさんの声が聞こえた。
私は、竜巻に囲まれたレンさんの元に向かって走る!
「すごーい! 何ですかこの魔法!?」
レンさんの近くにたどり着いた私は、早速質問をした! こんな魔法、初めて見るよ!
「これは風属性の防御型魔法であるウィンシルだよ。これで君のフレビスを防がせてもらった」
そう説明してくれた後、レンさんが指をパチンと鳴らす。その瞬間、レンさんの周りを囲んでいた竜巻はフッと消えた。
「すごいし、便利そうな魔法ですね! あれ? でも、風属性の魔法は炎属性の魔法に弱いはずじゃ……?」
「もし君が俺と同程度の実力を持つ魔法使いだったら、君のフレビスを防ぐことはできなかっただろうね。相性が悪いから」
じゃあどうして、私の魔法は防がれたんだろう。いや、防がれなかったら炎がレンさんにバーンって直撃していたから防がれた方が良かったんだけどね! でもそれはそれとして気になる。
「単純に魔力の差だよ。経験の差って言ってもいいかもね」
「えっと……つまりどういうことですか?」
「魔法使いは魔法を使えば使うほど、体内で魔力の量が増えていく。で、体内を流れる魔力の量が増えると、魔法はより強力なものになるわけ。だから、魔力の差があれば相性が不利な魔法使い相手でも渡りあえるんだ。今のようにね」
レンさんと比べると私は魔力の量が少ない――経験不足なんだ。だから相性が有利でも、私の魔法はレンさんに防がれた。そういうことみたい。
「つまり魔法を使いまくれば強い魔法使いになれるってことですね!」
「その通りなんだけど、短時間で魔法を使いすぎると吐き気やめまいが生じたり、最悪、一時的に意識を失う『ロスト』状態になるから注意してね」
「えっ。じゃあどうすればいいんですか?」
「ロスト状態にならないように気を付けながら毎日コツコツと魔法を使い続けていくべし、かな。それが強い魔法使いになるための近道だよ」
「なるほどー」
勉強になるなあ。参考書を読んだだけじゃ頭に入らないことも、こうやって誰かに直接教えてもらうと覚えやすいね!
「――さて、朝火さん。いくつか質問に答えてもらったうえで君の魔法を見せてもらったわけだけど……」
「は、はい……」
まさか、知識も実力も足りていないから入学試験を受けさせられないなんて言われないよね!? うう、ドキドキする……!
「最低限の知識と魔力はあるみたいだし入学試験を受けることを許可するよ」
「よ、よかったあぁぁぁー!」
「ははっ。もしかして不合格にされると思ったかい?」
「はい、安心しましたあぁ……」
安心して、全身から力が抜けていく。こういう時って、首の皮がつながったって言うんだっけ。とりあえず、試験を受ける前から不合格にならなくてよかった……。
「おっと。安心するのはまだ早いよ。むしろ今からが大変だからね」
「が、頑張ります!」
「うん。それじゃあ、俺は試験の準備をするから君は先に校舎の裏に向かってね」
何でわざわざ校舎の裏に行かなきゃいけないんだろう。
……はっ! まさか、悪い先輩たちにカツアゲされちゃったり!? そんなマンガを読んだことあるよ、私! レンさんは優しそうに見えて、実は悪い魔法使いだったの!?
「校舎の裏に試験会場の入り口があるからね。ちなみに、入学試験を受けに来た子がすでに三人来ているよ。校舎の裏に着いたら自己紹介を済ませておいてね」
そう言い残して、レンさんはどこかに歩いて行った。
校舎の裏が試験会場なだけかー。緊張して損したよ。
「……入学試験を受けに来た子が三人来ている、かあ。どんな子たちなんだろう」
男の子かな。女の子かな。どっちもかな。気になるなあ。女の子が私だけじゃないといいなあ。
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