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第1章 入学試験は命がけ!?
6.あの時
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§
「どこにいるのー!? ディアラグスー!」
ポケットからスマホを取り出して時間を確認すると、十二時半を過ぎていた。つまり、試験が始まって二時間以上経ったことになる。その間、私たちはずっと森の中を歩いて熊の形に似たモンスター――ディアラグスを探していた。だけど、全然見つからない!
「ディアラグスは暗いほら穴を住処にすることが多いと、本に書いてあった気がするのです」
「だけど、ほら穴なんて見つからないでござるな……」
私たちの目に飛び込んでくるのは木、木、木! 木だらけ! 森だから木がたくさんあるのは当たり前だけどさあ!
「あっ……」
突然、ぐううぅ~というマヌケな感じの音が辺りに響いた。
音がしたのはチトセちゃんの方からだ。
「チトセちゃん。もしかして、お腹空いた?」
「はいなのです……」
「ちょうど昼食時でござるからな……」
「そう言われると私もお腹が空いてきた……。ご飯にしよっか」
レンさんは、リュックの中に一日分の水と食料を入れていると言った。
そういえば、ディアラグスを見つけなきゃって思いで頭がいっぱいだったから、今の今までリュックの中身を確認していなかったなあ。食事と一緒に水分補給もしなきゃ。
「何が出るかな、何が出るかな~」
寝袋、水が入ったペットボトル、小型のナイフ、指で開けられる缶詰がいくつか……。
「非常用の防災グッズみたいなのです」
「うん、私もそう思った……」
サバ缶、焼き鳥缶、ビスケット缶――。完全に、非常食だこれ。食べれば美味しいんだろうけど、ちょっと物足りなさそう。
「ん? 奥に袋が入っているでござる」
「本当だ。何だろうこれ」
リュックの奥に、小さな黒い袋が入っていた。袋を開けると、そこに入っていたものは――。
「ニンジン、じゃがいも、タマネギが入っていたのです」
「オイラの袋の中には飯盒とスプーンが四つとお米が入っていたでござる」
「私の袋の中には干し肉とカレールウが入っていたよ。あっ、何か紙も入ってる」
紙には、いかにも手書きといった文字が並んでいた。私はそれを読み上げてみる。
「『缶詰だけだと味気ないだろうから、カレーの材料も入れておいたよ。キャンプ気分でみんなで料理を楽しんでね。レンより』……だって」
キャンプ気分で楽しんでねって言われても、こんな試験の最中にそんな気分になれるわけないよ! ひょっとして、レンさんって少しズレている人なのかな? いわゆる残念イケメンというやつな気がする。……カレーは私の好物だから、うれしいといえばうれしいけどさあ。
「キャンプ気分で料理を楽しんでねと言われても、鍋がないでござる」
「もしかしたら、カヤトさんのリュックに入っているのかもしれないのです」
「それっぽいね。カヤトくんが居ないとカレーは作れなさそう。……とりあえず、缶詰を開けて食べよっか」
ひとまず、私は近くの木によりかかって座り、焼き鳥の缶詰とビスケットの缶詰を開けた。
チトセちゃんとウィガルくんも近くに腰掛け、缶詰の食料を食べ始める。
もぐもぐ……。
うん、すっごく美味しいとは言えないなあ。でも、お腹が空いていたから食べられるだけでもありがたい。そんな気持ちになった。
「……カヤトくん、無事かなあ」
ディアラグスを探している最中に、カヤトくんの姿を見ることはなかった。一人でどこまで行ったのかなあ。
「もしカヤトさんがモンスターと戦う時は、また魔法の爆発音がすると思うのです。つまり、爆発音がしなければ無事な可能性は高いかと」
そう言った後、チトセちゃんはビスケットをサクサクとかじり始めた。
「逆に言えば、爆発音がしたらカヤト殿が危ないかもしれないということでござるか?」
「その時はカヤトくんがモンスターと出会った可能性が高いってことだもんね」
「はいなのです」
「はあ。爆発音が聞こえないといいなあ」
私がそう言った直後のことだった。近くで、ドーン!という音がしたのは……。
「爆発音が聞こえちゃったー!?」
聞こえないといいなあと言った直後に聞こえるなんて、タイミング悪すぎでしょ! さっきの発言がコントの前フリみたいになっちゃったじゃん!
「ど、どうするでござる!?」
「カヤトくんが危ないかもしれないよね!? と、とにかく音がした方に行ってみよう!」
「はいなのです!」
私たちは慌ててリュックを背負った後、音がした方に向かって走った!
§
どうかカヤトくんがディアラグスと戦っていませんように!
そう祈りながら音がした方に向かうと、少し開けた場所にたどり着いた! そしてそこには、紙きれを数枚持ったカヤトくんと、熊の形に似たモンスター……多分、ディアラグスが居た! どうやら、祈りは通じなかったみたい! 最悪!
「ウォプロド!」
カヤトくんが、ディアラグスに向かって紙切れを投げつける! 紙切れは見事にディアラグスの体に当たり、ディアラグスは泡に包まれた! 直後、ドンと大きな音がして泡が弾ける! ……だけど、
「チッ、効いてねえのか……!?」
ウォプロドの直撃を食らっても、ディアラグスはぴんぴんとしていた! やっぱり、水属性の魔法は効きづらいんだ!
「カヤトくん! そいつ、水属性の魔法はあまり効かないよ! 耐性ってのがあるんだって!」
「正義バカ!? こっちに来るんじゃねえ!」
私が声を上げると、カヤトくんの方を見ていたディアラグスの視線がこっちを向いた! そう思った次の瞬間、ディアラグスはうなり声を上げる! そして、こっちに突進してきた! まずい! あんなの食らったら体の骨がバッキバキになっちゃう! というか死ぬかも!
「守るのです! 『グラウォル』!」
私の後ろで、チトセちゃんがそう叫んだ! その直後、地面がぐらぐらと揺れて私の目の前に大きな土の壁が現れる! そしてその土の壁が現れたのとほぼ同時に、ドシン!と鈍い音が辺りに響いた! 多分、突進してきたディアラグスが土の壁に激突したんだ!
「もしかしてこれ、チトセちゃんの魔法!?」
「はい! 地属性の防御魔法を使わせてもらったのです!」
「助かったよ! ありがとう!」
「お礼を言うのはまだ早いのです! 回り込んで、ディアラグスに火属性の魔法をぶつけてほしいのです!」
ディアラグスの弱点は火! そして、この場で火属性の魔法が使えるのは私だけ!
――怖いけど、私が戦わなきゃ!
「わかった! やってみるね!」
私は土の壁の後ろに回り込んだ! そこには、土の壁に激突して倒れたディアラグスと、隙だらけになったディアラグスに連続でウォプロドを叩き込むカヤトくんの姿があった! ――でも、やっぱりウォプロドは効いていない!
「そいつの弱点は火だよ! だから、そいつは私が倒すよカヤトくん!」
私は集中し、手のひらに魔力を集めた! そして、開いた右手をディアラグスに向ける!
「当たって! フレビス!」
火の塊がディアラグスに向かって飛んでいく!
『ガアアァァァァァァァアァッ!!』
フレビスはディアラグスの顔に直撃した! ディアラグスの悲鳴が辺りに響く!
――よかった、ちゃんと効いているみたいだ! よし、このまま続けてもう一発フレビスを……。
「って、また来たー!?」
ディアラグスは勢いよく起き上がったかと思うと、また私に向かって突進してきた!
急いでフレビスを撃たなきゃ! そう思って右手をディアラグスに向けたけど――ダメだ! 魔法の発動が間に合わない! やられちゃう!
「来るんじゃねえって言っただろうが!」
「えっ!?」
もうダメだと思ったその時、私をかばうようにしてカヤトくんが前に立った! そして、ありったけの紙切れをディアラグスに向けて投げ、連続でウォプロドを発動させた! ドンドンドン、と何度も爆発が生じてディアラグスの突進の勢いが弱まる! ……だけど、カヤトくんの少し前で止まったディアラグスは大きく腕を振り上げた後、鋭い爪をカヤトくんに振り下ろした!
「ぐあああっ!!」
――ディアラグスの鋭い爪が、カヤトくんの上半身を傷つける。同時に、赤い液体が私の目の前で噴き上がった。
これは、血? 私をかばって、カヤトくんが傷ついたの……?
……イヤだ。こんなのイヤだ。また“あの時”みたいに、私を守って誰かが死ぬなんて!
「どこにいるのー!? ディアラグスー!」
ポケットからスマホを取り出して時間を確認すると、十二時半を過ぎていた。つまり、試験が始まって二時間以上経ったことになる。その間、私たちはずっと森の中を歩いて熊の形に似たモンスター――ディアラグスを探していた。だけど、全然見つからない!
「ディアラグスは暗いほら穴を住処にすることが多いと、本に書いてあった気がするのです」
「だけど、ほら穴なんて見つからないでござるな……」
私たちの目に飛び込んでくるのは木、木、木! 木だらけ! 森だから木がたくさんあるのは当たり前だけどさあ!
「あっ……」
突然、ぐううぅ~というマヌケな感じの音が辺りに響いた。
音がしたのはチトセちゃんの方からだ。
「チトセちゃん。もしかして、お腹空いた?」
「はいなのです……」
「ちょうど昼食時でござるからな……」
「そう言われると私もお腹が空いてきた……。ご飯にしよっか」
レンさんは、リュックの中に一日分の水と食料を入れていると言った。
そういえば、ディアラグスを見つけなきゃって思いで頭がいっぱいだったから、今の今までリュックの中身を確認していなかったなあ。食事と一緒に水分補給もしなきゃ。
「何が出るかな、何が出るかな~」
寝袋、水が入ったペットボトル、小型のナイフ、指で開けられる缶詰がいくつか……。
「非常用の防災グッズみたいなのです」
「うん、私もそう思った……」
サバ缶、焼き鳥缶、ビスケット缶――。完全に、非常食だこれ。食べれば美味しいんだろうけど、ちょっと物足りなさそう。
「ん? 奥に袋が入っているでござる」
「本当だ。何だろうこれ」
リュックの奥に、小さな黒い袋が入っていた。袋を開けると、そこに入っていたものは――。
「ニンジン、じゃがいも、タマネギが入っていたのです」
「オイラの袋の中には飯盒とスプーンが四つとお米が入っていたでござる」
「私の袋の中には干し肉とカレールウが入っていたよ。あっ、何か紙も入ってる」
紙には、いかにも手書きといった文字が並んでいた。私はそれを読み上げてみる。
「『缶詰だけだと味気ないだろうから、カレーの材料も入れておいたよ。キャンプ気分でみんなで料理を楽しんでね。レンより』……だって」
キャンプ気分で楽しんでねって言われても、こんな試験の最中にそんな気分になれるわけないよ! ひょっとして、レンさんって少しズレている人なのかな? いわゆる残念イケメンというやつな気がする。……カレーは私の好物だから、うれしいといえばうれしいけどさあ。
「キャンプ気分で料理を楽しんでねと言われても、鍋がないでござる」
「もしかしたら、カヤトさんのリュックに入っているのかもしれないのです」
「それっぽいね。カヤトくんが居ないとカレーは作れなさそう。……とりあえず、缶詰を開けて食べよっか」
ひとまず、私は近くの木によりかかって座り、焼き鳥の缶詰とビスケットの缶詰を開けた。
チトセちゃんとウィガルくんも近くに腰掛け、缶詰の食料を食べ始める。
もぐもぐ……。
うん、すっごく美味しいとは言えないなあ。でも、お腹が空いていたから食べられるだけでもありがたい。そんな気持ちになった。
「……カヤトくん、無事かなあ」
ディアラグスを探している最中に、カヤトくんの姿を見ることはなかった。一人でどこまで行ったのかなあ。
「もしカヤトさんがモンスターと戦う時は、また魔法の爆発音がすると思うのです。つまり、爆発音がしなければ無事な可能性は高いかと」
そう言った後、チトセちゃんはビスケットをサクサクとかじり始めた。
「逆に言えば、爆発音がしたらカヤト殿が危ないかもしれないということでござるか?」
「その時はカヤトくんがモンスターと出会った可能性が高いってことだもんね」
「はいなのです」
「はあ。爆発音が聞こえないといいなあ」
私がそう言った直後のことだった。近くで、ドーン!という音がしたのは……。
「爆発音が聞こえちゃったー!?」
聞こえないといいなあと言った直後に聞こえるなんて、タイミング悪すぎでしょ! さっきの発言がコントの前フリみたいになっちゃったじゃん!
「ど、どうするでござる!?」
「カヤトくんが危ないかもしれないよね!? と、とにかく音がした方に行ってみよう!」
「はいなのです!」
私たちは慌ててリュックを背負った後、音がした方に向かって走った!
§
どうかカヤトくんがディアラグスと戦っていませんように!
そう祈りながら音がした方に向かうと、少し開けた場所にたどり着いた! そしてそこには、紙きれを数枚持ったカヤトくんと、熊の形に似たモンスター……多分、ディアラグスが居た! どうやら、祈りは通じなかったみたい! 最悪!
「ウォプロド!」
カヤトくんが、ディアラグスに向かって紙切れを投げつける! 紙切れは見事にディアラグスの体に当たり、ディアラグスは泡に包まれた! 直後、ドンと大きな音がして泡が弾ける! ……だけど、
「チッ、効いてねえのか……!?」
ウォプロドの直撃を食らっても、ディアラグスはぴんぴんとしていた! やっぱり、水属性の魔法は効きづらいんだ!
「カヤトくん! そいつ、水属性の魔法はあまり効かないよ! 耐性ってのがあるんだって!」
「正義バカ!? こっちに来るんじゃねえ!」
私が声を上げると、カヤトくんの方を見ていたディアラグスの視線がこっちを向いた! そう思った次の瞬間、ディアラグスはうなり声を上げる! そして、こっちに突進してきた! まずい! あんなの食らったら体の骨がバッキバキになっちゃう! というか死ぬかも!
「守るのです! 『グラウォル』!」
私の後ろで、チトセちゃんがそう叫んだ! その直後、地面がぐらぐらと揺れて私の目の前に大きな土の壁が現れる! そしてその土の壁が現れたのとほぼ同時に、ドシン!と鈍い音が辺りに響いた! 多分、突進してきたディアラグスが土の壁に激突したんだ!
「もしかしてこれ、チトセちゃんの魔法!?」
「はい! 地属性の防御魔法を使わせてもらったのです!」
「助かったよ! ありがとう!」
「お礼を言うのはまだ早いのです! 回り込んで、ディアラグスに火属性の魔法をぶつけてほしいのです!」
ディアラグスの弱点は火! そして、この場で火属性の魔法が使えるのは私だけ!
――怖いけど、私が戦わなきゃ!
「わかった! やってみるね!」
私は土の壁の後ろに回り込んだ! そこには、土の壁に激突して倒れたディアラグスと、隙だらけになったディアラグスに連続でウォプロドを叩き込むカヤトくんの姿があった! ――でも、やっぱりウォプロドは効いていない!
「そいつの弱点は火だよ! だから、そいつは私が倒すよカヤトくん!」
私は集中し、手のひらに魔力を集めた! そして、開いた右手をディアラグスに向ける!
「当たって! フレビス!」
火の塊がディアラグスに向かって飛んでいく!
『ガアアァァァァァァァアァッ!!』
フレビスはディアラグスの顔に直撃した! ディアラグスの悲鳴が辺りに響く!
――よかった、ちゃんと効いているみたいだ! よし、このまま続けてもう一発フレビスを……。
「って、また来たー!?」
ディアラグスは勢いよく起き上がったかと思うと、また私に向かって突進してきた!
急いでフレビスを撃たなきゃ! そう思って右手をディアラグスに向けたけど――ダメだ! 魔法の発動が間に合わない! やられちゃう!
「来るんじゃねえって言っただろうが!」
「えっ!?」
もうダメだと思ったその時、私をかばうようにしてカヤトくんが前に立った! そして、ありったけの紙切れをディアラグスに向けて投げ、連続でウォプロドを発動させた! ドンドンドン、と何度も爆発が生じてディアラグスの突進の勢いが弱まる! ……だけど、カヤトくんの少し前で止まったディアラグスは大きく腕を振り上げた後、鋭い爪をカヤトくんに振り下ろした!
「ぐあああっ!!」
――ディアラグスの鋭い爪が、カヤトくんの上半身を傷つける。同時に、赤い液体が私の目の前で噴き上がった。
これは、血? 私をかばって、カヤトくんが傷ついたの……?
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