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第1章 入学試験は命がけ!?
10.ディアラグスを倒せ!
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§
あっという間に朝が来てしまった!
時計を見ると、七時三十分を過ぎていた。試験終了の時間まで三時間を切っている。
私たち四人は簡単な朝食を済ませた後、拠点から出て、ある場所に向かった。そして、ディアラグスを倒すための準備を済ませたんだ!
「ドキドキするね。チトセちゃん」
「はいなのです」
日が昇る頃、チトセちゃんとウィガルくんは拠点から少し離れた場所を探索したみたい。そして、見つけたんだ。ディアラグスが住むほら穴を。
今、私とチトセちゃんはほら穴が辛うじて見えるくらいの離れた場所に立っている。
「二人は、大丈夫かなあ」
「大丈夫なのです。きっと、上手くやるのですよ」
実は今、カヤトくんとウィガルくんがほら穴の中に入っていったところだ。当然、ほら穴の中にはディアラグスが居て危険だ。だけど、
「……うん。チトセちゃんとウィガルくんが考えた作戦だもん。絶対大丈夫だよね」
信じよう。きっと私たちは危険を乗り越えて、試験に合格できる! だから、私は私にできることをやらなくちゃ!
「……始まったのです!」
ほら穴の方から、爆発音がした! これはカヤトくんがウォプロドを発動させた音だ! そして、作戦の始まりの合図!
「二人とも無事に出てきてよ!」
作戦の第一段階。それは、カヤトくんがほら穴で小さな爆発を起こしてディアラグスを怒らせることだ。
チトセちゃんが言うには、ディアラグスは大きな音を嫌うみたい。だから、近くで大きな音を立てるカヤトくんに腹を立てて追いかけてくる。そうなるともちろん、カヤトくんたちは逃げなければならない。だけどディアラグスはとても素早いから普通に走って逃げても追いつかれちゃう。そこで、ウィガルくんの魔法の出番だ。
「出てきたのです!!」
チトセちゃんが言うように、ほら穴からカヤトくんとウィガルくんが勢いよく出てきた! まるでロケットみたいに!
「うおおおっ! おまっ、勢いありすぎだろおぉぉっ!」
「ごめんでござるうぅぅっ! オイラ、回復型の魔法以外は使い慣れていないでごさるからあぁぁっ!」
二人の悲鳴が聞こえる! けど、作戦は上手くいっている! 何故ならば、ディアラグスから逃げ切るために、ウィガルくんが『ストジェ』という風属性の放射型魔法を使うのが作戦の第二段階だからだ!
ストジェって魔法は、本当は突風で相手を吹き飛ばすために使うものみたい! だけど、ウィガルくんはそれを自身とカヤトくんに向かって発動させた! その結果、突風に吹き飛ばされた二人がロケットみたいにほら穴から出てきたわけ!
二人が、ぐんぐんと私たちに近づいてくる! ……同時に、
『グガアアアッッ!!』
怒り狂ったディアラグスもほら穴から出てきた!
ほら穴のすぐ外の地面。そこには、あらかじめ私が描いた大きな魔法陣がある! そして、その魔法沢山の起爆式を書き込んだ! カヤトくんとチトセちゃんが自分の得意な属性以外の起爆式も知っていたから良かった! 私一人じゃ絶対書けなかったもん!
「ヒナコさん! 今なのです!」
「うん!」
作戦の第三段階。それは、ほら穴から出てきたディアラグスが魔法陣に乗った瞬間に私が設置型魔法のスイッチを入れることだ! 少し離れているけど、魔法陣はしっかりと見える! だから、いける!!
「いくよ! 『フォルメギス』!」
魔法陣をしっかりと見て、魔力を魔法陣に流し込むイメージをする! それが設置型魔法を発動させるためのスイッチ! 夜にカヤトくんが教えてくれたことだ!
だけど、カヤトくんはこうも言っていた。大きな魔法陣の中に起爆式を沢山書き込むと、威力が高くなる。だけど、その分発動には時間がかかると。だから……
「スイッチは押したよ! チトセちゃん!」
「オーケーなのです! グラウォル!」
チトセちゃんがグラウォルを発動させて、魔法陣ごとディアラグスを土の壁で囲んで逃げられなくする! それが作戦の第四段階だ!
「成功なのですよ! 閉じ込めたのです!」
土の壁に囲まれ、ディアラグスの姿が見えなくなる! それとほぼ同時にカヤトくんとウィガルくんが私たちの元に戻ってきた!
「よし! あとはヒナの魔法が発動するのを待つだけだな!」
「ん? なんか、聞こえるでござるよ……?」
何かがガンガンとぶつかるような音が聞こえる。これは一体……?
「壁が揺れているのです。恐らく、ディアラグスが壁に突進して、壊そうとしているのかと」
「ええええっ!?」
チトセちゃんが言うように、壁が揺れていた! このまま壁を破られたら、作戦は台無しになっちゃう!
「壁を壊される前にヒナの魔法が発動するのを祈るしかないってわけか……」
「嘘でしょ~!?」
壁にヒビが入っている! ディアラグスが出てくるまで、そんなに時間はなさそうだ!
「うう~! 早く発動して!」
私がそう叫ぶのと同時に、壁が崩れてしまった!
だけど次の瞬間、
どっごおおおおぉぉぉん!!
と大きな音がして、火柱が上がった!
『グオオオオオッ!?』
火柱に包まれたディアラグスが悲鳴をあげる!
「無事にヒナさんの魔法が発動成功したようなのです!」
「直撃でござる! これならきっと……」
「ああ、いけるはずだ!」
これが、今の私が使える最高の設置型魔法のフォルメギスだ! これで倒れてくれないと、もう打つ手がない!
「お願い、倒れて!」
炎に包まれて、ディアラグスが暴れ回る。
――やがて炎は消え、ディアラグスは地面に倒れた。そして、ピクリとも動かなくなった。
「やったでござるか?」
「はい。間違いなく、倒したのです」
「……まあ、一晩で覚えたにしては上出来な魔法だったと思うぜ。よくやったな」
そう言って、カヤトくんが私の背中をとんと優しく叩く。その瞬間に、やっと実感した。私たちの力で、ディアラグスを倒したんだって!
「や、やったー!!」
うれしくて、私は思わず大きく飛び上がってしまった! けど、
「あ、あれ……?」
うまく着地できずに尻もちをついてしまった! か、体に力が入らないぃ……。
「ふぅむ。どうやら、ロスト寸前のようなのです。まああんな強力な設置型魔法を使ったのですから、当然かと」
「うう~。折角ディアラグスを倒したんだから、かっこよくシメたかったよ~!」
尻もちをついたまま立ち上がれないなんて、かっこ悪いよお!
「仕方ねえな……」
カヤトくんが私の前にしゃがみ込んだ。と思った次の瞬間に、くるりと背を向けた。何やってるんだろ?
「ほら、早くつかまれ。背負ってやるから感謝しやがれ」
「えっ? カヤトくんがおんぶしてくれるの? ……後でお金を取ったりしないよね?」
「取らねえよ! んなこと言うと置き去りにすんぞこら!」
「あはは。ごめんごめん」
私は、カヤトくんの背中にゆっくりとしがみついた。……カヤトくんの背中、あったかいな。
「カヤトくん。設置型魔法を教えてくれてありがとね」
私は、カヤトくんの耳元でそう囁いた。
「別に。オレはオレのためにやっただけだ。けど、へたっぴなりに一晩中魔法の練習をして、本番で成功させたことはほめてやらんこともない」
「うわ。上から目線でえらそう。でも、ほめられるのは悪い気がしないなあ。もっとほめて」
「調子に乗んな」
そう注意するカヤトくんの声は、とても優しかった。これは私のことを認めてくれたって思ってもいいのかな? もしそうだったら嬉しいな。
あっという間に朝が来てしまった!
時計を見ると、七時三十分を過ぎていた。試験終了の時間まで三時間を切っている。
私たち四人は簡単な朝食を済ませた後、拠点から出て、ある場所に向かった。そして、ディアラグスを倒すための準備を済ませたんだ!
「ドキドキするね。チトセちゃん」
「はいなのです」
日が昇る頃、チトセちゃんとウィガルくんは拠点から少し離れた場所を探索したみたい。そして、見つけたんだ。ディアラグスが住むほら穴を。
今、私とチトセちゃんはほら穴が辛うじて見えるくらいの離れた場所に立っている。
「二人は、大丈夫かなあ」
「大丈夫なのです。きっと、上手くやるのですよ」
実は今、カヤトくんとウィガルくんがほら穴の中に入っていったところだ。当然、ほら穴の中にはディアラグスが居て危険だ。だけど、
「……うん。チトセちゃんとウィガルくんが考えた作戦だもん。絶対大丈夫だよね」
信じよう。きっと私たちは危険を乗り越えて、試験に合格できる! だから、私は私にできることをやらなくちゃ!
「……始まったのです!」
ほら穴の方から、爆発音がした! これはカヤトくんがウォプロドを発動させた音だ! そして、作戦の始まりの合図!
「二人とも無事に出てきてよ!」
作戦の第一段階。それは、カヤトくんがほら穴で小さな爆発を起こしてディアラグスを怒らせることだ。
チトセちゃんが言うには、ディアラグスは大きな音を嫌うみたい。だから、近くで大きな音を立てるカヤトくんに腹を立てて追いかけてくる。そうなるともちろん、カヤトくんたちは逃げなければならない。だけどディアラグスはとても素早いから普通に走って逃げても追いつかれちゃう。そこで、ウィガルくんの魔法の出番だ。
「出てきたのです!!」
チトセちゃんが言うように、ほら穴からカヤトくんとウィガルくんが勢いよく出てきた! まるでロケットみたいに!
「うおおおっ! おまっ、勢いありすぎだろおぉぉっ!」
「ごめんでござるうぅぅっ! オイラ、回復型の魔法以外は使い慣れていないでごさるからあぁぁっ!」
二人の悲鳴が聞こえる! けど、作戦は上手くいっている! 何故ならば、ディアラグスから逃げ切るために、ウィガルくんが『ストジェ』という風属性の放射型魔法を使うのが作戦の第二段階だからだ!
ストジェって魔法は、本当は突風で相手を吹き飛ばすために使うものみたい! だけど、ウィガルくんはそれを自身とカヤトくんに向かって発動させた! その結果、突風に吹き飛ばされた二人がロケットみたいにほら穴から出てきたわけ!
二人が、ぐんぐんと私たちに近づいてくる! ……同時に、
『グガアアアッッ!!』
怒り狂ったディアラグスもほら穴から出てきた!
ほら穴のすぐ外の地面。そこには、あらかじめ私が描いた大きな魔法陣がある! そして、その魔法沢山の起爆式を書き込んだ! カヤトくんとチトセちゃんが自分の得意な属性以外の起爆式も知っていたから良かった! 私一人じゃ絶対書けなかったもん!
「ヒナコさん! 今なのです!」
「うん!」
作戦の第三段階。それは、ほら穴から出てきたディアラグスが魔法陣に乗った瞬間に私が設置型魔法のスイッチを入れることだ! 少し離れているけど、魔法陣はしっかりと見える! だから、いける!!
「いくよ! 『フォルメギス』!」
魔法陣をしっかりと見て、魔力を魔法陣に流し込むイメージをする! それが設置型魔法を発動させるためのスイッチ! 夜にカヤトくんが教えてくれたことだ!
だけど、カヤトくんはこうも言っていた。大きな魔法陣の中に起爆式を沢山書き込むと、威力が高くなる。だけど、その分発動には時間がかかると。だから……
「スイッチは押したよ! チトセちゃん!」
「オーケーなのです! グラウォル!」
チトセちゃんがグラウォルを発動させて、魔法陣ごとディアラグスを土の壁で囲んで逃げられなくする! それが作戦の第四段階だ!
「成功なのですよ! 閉じ込めたのです!」
土の壁に囲まれ、ディアラグスの姿が見えなくなる! それとほぼ同時にカヤトくんとウィガルくんが私たちの元に戻ってきた!
「よし! あとはヒナの魔法が発動するのを待つだけだな!」
「ん? なんか、聞こえるでござるよ……?」
何かがガンガンとぶつかるような音が聞こえる。これは一体……?
「壁が揺れているのです。恐らく、ディアラグスが壁に突進して、壊そうとしているのかと」
「ええええっ!?」
チトセちゃんが言うように、壁が揺れていた! このまま壁を破られたら、作戦は台無しになっちゃう!
「壁を壊される前にヒナの魔法が発動するのを祈るしかないってわけか……」
「嘘でしょ~!?」
壁にヒビが入っている! ディアラグスが出てくるまで、そんなに時間はなさそうだ!
「うう~! 早く発動して!」
私がそう叫ぶのと同時に、壁が崩れてしまった!
だけど次の瞬間、
どっごおおおおぉぉぉん!!
と大きな音がして、火柱が上がった!
『グオオオオオッ!?』
火柱に包まれたディアラグスが悲鳴をあげる!
「無事にヒナさんの魔法が発動成功したようなのです!」
「直撃でござる! これならきっと……」
「ああ、いけるはずだ!」
これが、今の私が使える最高の設置型魔法のフォルメギスだ! これで倒れてくれないと、もう打つ手がない!
「お願い、倒れて!」
炎に包まれて、ディアラグスが暴れ回る。
――やがて炎は消え、ディアラグスは地面に倒れた。そして、ピクリとも動かなくなった。
「やったでござるか?」
「はい。間違いなく、倒したのです」
「……まあ、一晩で覚えたにしては上出来な魔法だったと思うぜ。よくやったな」
そう言って、カヤトくんが私の背中をとんと優しく叩く。その瞬間に、やっと実感した。私たちの力で、ディアラグスを倒したんだって!
「や、やったー!!」
うれしくて、私は思わず大きく飛び上がってしまった! けど、
「あ、あれ……?」
うまく着地できずに尻もちをついてしまった! か、体に力が入らないぃ……。
「ふぅむ。どうやら、ロスト寸前のようなのです。まああんな強力な設置型魔法を使ったのですから、当然かと」
「うう~。折角ディアラグスを倒したんだから、かっこよくシメたかったよ~!」
尻もちをついたまま立ち上がれないなんて、かっこ悪いよお!
「仕方ねえな……」
カヤトくんが私の前にしゃがみ込んだ。と思った次の瞬間に、くるりと背を向けた。何やってるんだろ?
「ほら、早くつかまれ。背負ってやるから感謝しやがれ」
「えっ? カヤトくんがおんぶしてくれるの? ……後でお金を取ったりしないよね?」
「取らねえよ! んなこと言うと置き去りにすんぞこら!」
「あはは。ごめんごめん」
私は、カヤトくんの背中にゆっくりとしがみついた。……カヤトくんの背中、あったかいな。
「カヤトくん。設置型魔法を教えてくれてありがとね」
私は、カヤトくんの耳元でそう囁いた。
「別に。オレはオレのためにやっただけだ。けど、へたっぴなりに一晩中魔法の練習をして、本番で成功させたことはほめてやらんこともない」
「うわ。上から目線でえらそう。でも、ほめられるのは悪い気がしないなあ。もっとほめて」
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