新月を追って

響 あうる

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第2章

【26話】雨が連れてきたもの※(玩具挿入)

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「いいんだぜ?ここでヤっても……なんなら玄関開けたままヤってやろうか?」

 外村の言葉に驚き、恐れるような目で見る敦志。何かを言いたげに微かに唇を開いたが声も出せずにキュッと真一文字に口を結ぶ。
 心と反することを受け入れなければならない。その痛みに耐えるような敦志の表情に外村は勝ち誇ったような満足げな目を向けていた。


「部屋は?」
「…二階……階段上がって…すぐ」

 苦いものでも吐き出すように途切れ途切れ呟くと、その瞬間手首を掴まれグイッと引っ張られて階段を上り始める。
 一段一段、あの屈辱へと近づいていく



 階段上がってすぐにある自室に連れ込まれるとすぐにベッドに突き飛ばされた。柔らかいとは言え衝撃を感じ、ギュッと目を瞑るとベッドが軋む音がする。
 敦志は我に返るとすぐに起き上がろうと身体を動かしたのだが背中を外村に押さえつけられ叶わない。
 パジャマのズボンが下着ごとずり下ろされた。見えないが外気の寒さに身震いする敦志。いつものように冷たい潤滑油のようなものをそこに塗り付けられる。


「…時間ないからコレ咥えておけ」

 その言葉に肩越しに振り返ると外村は小振りではあるものの男根を模したものを手にしていた 。


「ぁ…ぃやだっやめ」

 願い空しく遠慮すらなくそれは敦志の中に突きたてられる。抵抗する内壁もものともせず、グイグイ押し込んでほぼ全部埋めてしまった。そしてゆっくりとそれで中を掻き乱していく


「は…ぁあっ」

 嫌な筈なのに敦志は自分のものとも思えない声を上げて背中を弓なりにしならせる


「やめっ…」

 行為がエスカレートするのに増してシーツを握り締める指が白くなった。うっすら浮かんだ涙を見て外村は満足そうに


「優しいから辞めてやるよ」

と中を掻き乱すのをやめた。安堵の溜め息を吐く敦志だったがいつまで経っても中のものが抜かれる気配はない。不審に思って振り返ると


「これは挿れたまま、な」

と外村が下着と共にパジャマのズボンを上げて元に戻した。そして敦志のケツ辺りを叩くと


「これで直哉お出迎えしろよ」
「なっ!?」
「直哉、お前のこと勘違いしてるみたいだからな…そのまま出て行ってバイブでオナニーしてるんですって……直哉さん犯して下さいって言えよ」

 外村の言葉に、敦志の頬がカアッと赤くなる。羞恥なのか、怒りなのか唇を戦慄かせる。頭に血が上るとはこういうことなのだろう


「な…直哉さんはそんなんじゃないっ」


そんなことしないと、うわごとの様に繰り返す敦志に、外村は耳元に唇を近づけ囁く


「へぇ…じゃあ、そういうことにしといてやるよ…でも、お前はどうなんだ?ココに突っ込まれて悦んでるくせに」
「っ…でなんか…悦んでなんかない!」

 ココ、と言いながらグッとバイブを押してくるが、あまりの酷い言葉に敦志は驚き目を大きく見開き、そして頭に血が上ったまま勢い良く振り向いて腕を振り上げた。
 あとはその手を下ろして外村に一矢報いるつもりだったのだが簡単に敦志の手首は外村に捕らえられてしまいビクとも動かない。
 動かそうと試みるうちに動かないことに戸惑い、次第に恐れすら混じった視線で外村を見る敦志。


「は…離せよっ」

 強がって言ってみるとベッドに突き倒され間髪を入れずに両手を頭上で纏められ押さえつけられる。背けようとした顔は空いた外村の手で無理に戻され、唇は外村のそれで塞がれた。
 驚きで目を見開く敦志に構わず、外村は舌を捻じ込み敦志の口の中まで犯していった。その舌に捕らえられては逃げながら意識を全て持っていかれて油断しているといつの間にか手は下へ降りていき、敦志自身を布越しに撫で始めた


「んんっ…ん……ゃ、めっ…」

 いつもの乱暴さは微塵もない、触られてないのかと思えるほど微妙な触り方で形を確かめるように隅々まで撫で回された 。
 くすぐったいような感触に、いつの間にか敦志の陰茎は膨張をはじめ、パジャマを着ていても分かるくらいになっていた。硬くなったそれを指でなぞりながら外村は唇を離すと


「…嘘つき」

 笑っていた。恐ろしいくらい整った顔が愉悦に口角を上げる。その表情を視界に認識したと同時にヴヴヴと鈍い機械音がして、まるで抱かれてるみたいにナカを突く刺激に敦志は短く叫び、再び背を弓なりにして


「あぁぁっ…ゃめ、やめろって!」

 そう懇願した。必死の願いであったが外村はどうしようかな、と意地悪に笑った後バイブを遠隔操作している小振りなリモコンのダイヤルを強にしたり弱にしたりクルクル弄り回しているだけだった


「あっあぁ!っ…おねが…もうっ」

 じれったさに無意識に腰を揺らめかせながら敦志は振り切るように否定を示すようにひたすら首を横に振った。そんな時だった


――――ピンポーン

控えめに一度インターホンが鳴った 。

 すぐさま外村はダイヤルを止に回し、助かったなとやはり意地悪に口元を笑わせる。止まったと言え強い刺激を与えられたせいで後孔がヒクついているのだろう、何度か身体をビクッとさせると敦志は困惑した目で外村を見上げた


「大好きな直哉先輩だぞ」

 外村はククッと口端を吊り上げて笑い、敦志を起こすとケツを叩いてホラ行けと促した。叩かれ数歩ドアへ近づいた敦志だったが動こうとしない外村に不安になり思わず振り返っていた


「なんだよ…邪魔だってんのか?」
「そういうっ…」

――――ピンポーン

 敦志が言いかけたところで再び一回インターホンが鳴った


「行けよ…隠れててやるから、連れ込んでヤってもいいぜ?」
「なっ…」

 まだそんなことを言う外村に怒りが込み上げてくる敦志だがもはや言ったところで聞く耳も持たないことも分かっていた。反論すら出来ず部屋のドアを勢いよく閉めることくらいしか敦志には出来なかった 。



――――ヴヴヴヴ

 階段を降りる途中微弱だが中のバイブが振動を始めた


「っ…だ、からっ…」

 階段の床に捕まり必死に耐え、治まるのを待つが一向に弱まらないどころか時々高く唸りを上げる中のバイブ。
 埒があかないので一歩階段を降りてみるが降りる瞬間、重力や着ているパジャマによってグッとバイブが中に押し付けられる


「ぁっ…もぅ、」

 いつもならすぐ降りてしまう階段や階段のすぐ先の玄関さえ果てしなく遠く見えた。足が震えていたが行かなきゃという思いで再び足を踏み出す、階段を降りて玄関のドアを開ける頃には敦志は熱を持った下半身につられて頬が上気し、はぁはぁと肩で息をする始末だった。


「中西っ」

 ドアを開けるや否や倒れそうになったので直哉は驚きつつもすぐさま敦志を抱きとめた。


「大丈夫か?」
「ごめ…んな、さ…」

 直哉が抱きとめた腕の中を見ると敦志は何かに耐えるように目をつぶっており身体は酷く熱かった。
 声を掛けるとうっすら目を開いたが目を合わせようとはせずひたすら直哉の胸元を見ている 

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