私の話を聞いて頂けませんか?

鈴音いりす

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 ──結局、宿題が終わったのは夏休み最終日の夕方だった。
「お疲れさま、日和」
「ほんっと、ごめん。家事も全部任せちゃったし、美風に帰ってきたのに案内もできなくて」
「いいっていいって。無事に終わって何より」
   もし終わらなかったら正座する深鈴の前で、また並んで正座……で済めば良いけど、宿題が終わり、もしもの話は考えないようにする。
「宿題も終わったし、鈴も誘って夏姉のところにご飯食べに行かない?」
「夏姉のところ、まだ挨拶にも行けてなかったもんな」
「ほんと、申しわけないわ。今日はあたしのおごりで」
「おぉ、ありがとな」
「宿題でお世話になったしね。鈴にはあたしから連絡しとくから、準備して十分後くらいに出発でどう?」
「了解」
 途中、少しだけ遠回りして深鈴と合流し、夏姉のところまで向かう。
 この道は昔よく通ったとか、そんなことを思いながら、歩く。
「あ、ひよりん。明日の朝、七時半には学校に来てね」
「……なんでそんなに早いのよ」
「朝の全校集会の前に色々しなきゃいけないでしょ」
「そういえばそんなこと言ってたような……」
「ゆーゆーはもっとゆっくりでいいんだけど……学校の場所、分からないよね。明日だけひよりんに付き合ってもらっていいかな?」
「俺は大丈夫だから、ちゃんと七時半に日和を届けるよ」
「ちょっと、あたしも最近はちゃんと起きられるようになったんだけど?」
「はいはい、ゆーゆー頼んだよ~」
 そんな調子で祭りの話なんかを交えて、話しているうちに、お店が見えてくる。
「なんか、変に緊張するな」
「別に緊張することなんてないわよ。夏姉、外見含めて何も変わってないから」
 それを聞いて少しだけ安心した。
 そんな会話から数十歩歩いて、お店の前にやってきた。
 ドアに吊るされた『MIKAZE』と書かれた看板も外装も、外から見える物は何も変わっていなかった。
 ドアを開けて店内に入る。
「いらっしゃいませ……って、日和ちゃんと深鈴ちゃん。それと……もしかして優君?」
「うん……久しぶり、夏姉」
「とっ、とりあえず三人とも好きなところに座ってて~。今日はもうお店閉めるつもりだったし」
 閉店準備で一旦外に出た夏姉を見送り、俺たちは席に着いた。
 席に着くとすぐ、髪の短いウェイトレス姿の少女が水を持ってきてくれた。
「日和さんに深鈴さん……それと……」
「あーっ! 優也に秋のこと話すの忘れてた!」
 目の前の少女と日和達は知り合いなようで、俺は一人首をかしげる。
「はぁ……ごめんね、秋ちゃん。ひよりんには後で厳しく言っておくよ~」
「は、はい……」
 二人して状況が分からずにいると、少し考える素振りを見せてから日和が口を開いた。
「あー…………さて、優也、とりあえず自己紹介。はい、どうぞ」
「ひよりん……まぁ、その話は後でいっか。ゆーゆー、自己紹介しちゃって」
「え? あ、あぁ……風見優也です。明日から、日和達と同じ学校に通うことになってます」
「えっと……結咲千秋(ゆいさき ちあき)……です。よろしくお願いします」
「秋とは中学の時に知り合って、それからね」
「おとなしい子だけど、ひよりんと違って頼りになるから、ゆーゆーも頼りにするといいと思うよ~」
「鈴……あんたね……」
「ごめんごめん、ひよりんも頼りにしてるよ~」
 昔も見た光景だけど、「ごめんごめん」なんて言いながら、深鈴が日和に抱きついて頭を撫でたりしている。日和も口では「暑いから、離れろ」なんて言うけど、どけようとする手には力が入ってないように見えるし、何とも微笑ましい。
 ちらっと結咲さんの方を見ると、日和達の姿を楽しそうに見ていた。
 そんなこんな、日和と深鈴のやり取りを見ているうちに夏姉が帰ってきた。
「自己紹介、済んだみたいね。えーっと、どうしよう……私もまだ混乱してるけど、とりあえずご飯よね。千秋ちゃんも、先に着替えてらっしゃい」
「分かりました」
 夏姉に促され、結咲さんはバックヤードの方へ消えて行った。
「ゆーゆー、秋ちゃん、人見知りが激しいから、最初は話しにくいかもだけど、許してあげてね」
「あたしらも秋と普通に話すまで、結構時間かかったしね」
「私は割とすぐだったけど、ひよりんは最初怖がられてたもんね~」
「それに関しては鈴と夏姉に助けられたわね」
「日和ちゃん、もう少し初対面の人にも優しくしないとだね~」
「初対面でも知り合ってからもあたしは変わらないわよ。人によって態度を変えるなんて面倒だし」
「ひよりんの良いところと悪いところが同時に出てるね」
「いいのよ別に。あたしは一生美風から出ないから」
 そんなことをさらっと言って夏姉と深鈴が呆れたところで、結咲さんが着替えを終えて帰ってきた。
「みんな、何か食べたいものある?」
「いつも通りなっちゃんに任せるよ~」
「りょうかーい。ちょっと待っててね~」
 夏姉がキッチンの方へ向かい、テーブルには俺たち四人が残された。
 俺も人付き合いが上手い方ではないし、なんとも俺からは話し出しにくい。結咲さんの方をちらっと見ると、日和と深鈴を交互に見ている。その肝心の日和と深鈴はお互い目を合わせて、目線だけで会話してるようだ。
「──ふふ……ふふふっ」
「はぁ……もうちょい我慢しなよ鈴。分かるけどさ」
「「…………?」」
 意味不明な会話に、ついつい俺と結咲さんは目を合わせる。一瞬目を合わせて、二人して目を逸らしてしまう。そんな光景に──
「「──あはははははっ!」
 日和と深鈴は二人して笑っているのだった。
 そんな二人の笑いが収まり、いつもみたいに深鈴が話し出した。
「ごめんごめん。とりあえず……お互いに色々聞いちゃお~。私とひよりんは、なっちゃんの所を手伝ってくるから、また後で」
 サッと立ち去って、キッチンの方へ二人とも行ってしまい、テーブルに結咲さんと二人で残されてしまった。二人して人見知りなせいか、どちらから話かけるでもなく、時間が過ぎていく。
「…………」
「…………」
「……えっと……残されちゃったな」
「……そう、ですね」
「その……結咲さんは、日和達とは中学からだっけ?」
 さっき聞いた話な上に、話の内容が日和達の話になってしまうのは、もう仕方ない。
「はっ、はい……中学一年の時、日和さんに声を掛けてもらったのが始まりなんです」
「最初、怖かったでしょ、日和」
 これもさっき聞いた話だけど、この際話題になるなら何でも良い。そして、すまん日和……一応、心の中で謝っておく。
「えぇ、実は……最初に声をかけてもらったのは日和さんですけど、下の名前を呼んだのは深鈴さんの方が先でしたね」
「俺も呼び捨てにするようになったのは深鈴の方が先だったかも」
「ふふっ……同じですね」
 さっき会ったばかりではあるけど、初めて結咲さんの笑った顔を見た。
 人見知りだって言ってたけど、笑顔だけ見れば人見知りなんて分からないくらい、良い笑顔だと思った。(人見知りの俺が良い笑顔なんて言えるのかって話は一旦置いておく)
「あっ、あの……私のことは、名字ではなく名前で呼んでもらえませんか? 日和さんや深鈴さんみたいに」
「それじゃあ……千秋……でいいかな」
「は、はいっ」
「俺のことも下の名前で適当に呼んでくれると、嬉しい。美風で名字呼ばれるの、変な感じがする」
「えっと……優也……さん」
 なんだか気恥ずかしくなって二人して目線を逸らす。
 でも、何と言うか……笑顔もそうだけど、千秋は人見知りではないのかも……なんて思った。まぁ、そもそも人見知りの俺が相手が人見知りかどうか、分かるわけもないんだけど。
「そっ、そういえば……千秋は美風と穂泉、どっちに住んでるの?」
「私はここです。夏菜さんにお世話になっているんですよ」
「あぁ、なるほど──」
「──二人とも、お待たせ~」
 夏姉が料理を運んできてくれ、後ろに日和と深鈴も続く。
 日和は千秋に見えないように口パクで「大丈夫だったの?」と聞いてきたのが見え、小さく頷いておいた。俺が頷いたのを見てから、日和は千秋の方をチラッと見てから、一息吐くのが見えた。
 夏姉と千秋が全員のところに料理と飲み物を手早く置き、全員が席に着いた。
「さてと……それじゃあ、主役のゆーゆー、何か一言お願いね」
「いきなりだな……」
「優君、みんな準備できてるから、しっかりね~」
 グラスの掲げ方もそれぞれだった。
 昔みたいに見守るようにこっちを見る夏姉、ふっと微笑んでこっちを見る日和、「早く早く」って声が聞こえてきそうな深鈴、何を話すのか不思議そうな千秋。
「えっと……それじゃあ、その、色々すみませんでした」
 飲み物をこぼさないようにしながら、頭を下げる。日和と深鈴には言ったけど、改めて言う必要があると思った。
「それと、これからもよろしくお願いします」
 顔を上げてそう言ってから、また頭を下げる。
「…………」
「「「「…………」」」」
「……あれ?」
「いや、あんた……それだけ?」
「え、うん」
「はぁ……こういう集まりの挨拶はこういうものよ。鈴、お願い」
「はーい」
 お前がやるんじゃないのかよ……なんてツッコむと日和に怒られそうなのでやめ、深鈴の方を向く。
「それじゃあ、シンプルに。ゆーゆーが帰ってきたことを祝して……かんぱーい!」
「「「「かんぱーい!」」」」
 そうして、急なパーティーが始まった。
「──それで……優君。日和ちゃんと、いつの間にお付き合いし始めたの?」
「「…………え?」」
 日和と顔を見合わせ、二人して首をかしげる。
「あぁ、ごめんね。結婚を前提にって言うのが抜けてたよね」
 夏姉のその言葉に、さらに二人して首をかしげる。
「あれ……もしかして、違った?」
「夏姉……勘弁してよね、ありえないわ」
「日和ちゃんのところに住んでるんだよね?」
「成り行きでそうなった感じ。美風で日和に言われるまで俺も知らなかったんだよ」
「おばさんがあんたに隠してたっぽいからね~。ってか、おばさんが言ってたら、あんた逃げてたでしょ」
「そ、そんなことはないと思うぞ、うん」
「ゆーゆー……説得力ないよ」
「まぁそういう面倒な諸々があって、優也はあたしのところに住んでるだけ。付き合うとか、そんなのないわ」
「なんだ……そうだったの。結婚祝いのケーキ、材料がなくて作れないから困ってたの」
「困らなくていいってば……というか、鈴、秋。クラスで優也と一緒に住んでることは黙っててよね、色々と面倒なことになりそう」
 二人とも頷いたのを見てから、「はぁ……」と日和はため息を吐いた。
「そういえば、ゆーゆーってスマホ持ってる?」
「あるにはあるよ」
「あんた、あたしの家来てからスマホ出さないから持ってないと思ってたわ」
「用事がないからな」
「……あんたの向こうでの生活が何となく分かった」
「……言うな」
 そんな話をしてるうちに、深鈴は自分のスマホ画面にQRコードを出していた。
「追加したよ」
「オッケー……っと、グループ招待したよ~。ここにいる人しかいないから、安心して」
「そんなグループあるんだな」
「何かと便利だからね~」
 そう言いながらグループに入り、個人でも繋がったところで、ご飯へと戻った。
 それから、ご飯を食べ終わるまで美風での話を聞いたりしているうちに、全員ご飯を食べ終わった。こうして美風のことを聞いていて、千秋のこともほんの少しだけ分かった。日和達と話しているのだけを見れば、人見知りのようには全く見えない。
 ご飯を食べ始めた最初の方は、俺が話す時や俺の話の時は遠慮してたのか、何も言わないことがほとんどだったけど、この辺は他三人に助けられた。適当な所で千秋に話を振ったりしてくれたおかげか、食べ終わる頃にはそんな遠慮がなくなり、普通に話もできるようになった。
「そういえば……四人とも、明日から学校だよね。千秋ちゃんはいいけど、三人とも大丈夫?」
「もうそんな時間なの……夏姉、泊まってもいい?」
「いいけど……深鈴ちゃん、大丈夫?」
「大丈夫じゃないよひよりん……明日は朝早いんだからダーメ」
「なぜあたしのことを鈴に聞くのか……」
「日和の予定、深鈴の方が把握してそうだもんな」
「やっぱり昔からそうだったんですね」
 日和のことは深鈴に聞いた方が早くて正確な場合もあるっていうのは、昔から変わってないようだった。
 深鈴が動き出すと日和も付いて行く形になり、簡単に「また明日」と挨拶を済ませてから、俺たちはお店を出た。
 深鈴とも別れ、日和と二人で歩く。帰ってきてもうすぐ一週間くらいになるけど、日和とゆっくり二人で歩くのは何だかんだ初めてのような気がする……主に宿題のせいだけど。だからと言って会話が弾むわけでもないけど、居心地が良いのは不思議なものだ。
「そういえば……聞くの無駄かもだけど、あんた部活とかやってたの?」
「やってない」
「でしょうね~。ミホで何かやるつもりは?」
「悪い、ミホって何だ?」
「あー、そっか。美穂高校、美風の美、穂泉の穂、合わせて美穂」
「あぁ、そういうこと」
 美風と穂泉だから美穂学校……分かりやすくていい。
「んで、どうなの?」
「やる気はないよ」
「良かった良かった。そんじゃ、鈴から祭りの手伝いに誘われたりしてない?」
「したな。まだ学校に行ってないから保留にしてある」
「そっか、あたしからも頼むわ。昔のこと、覚えてるでしょ」
「……まぁな」
 頼りにされる……聞こえはいいけど、雑用やら何やら、「頼りにしてる」という理由だけで色んなことを押し付けられる。小学生だった俺と日和がそんなことに気付くわけもなく、深鈴が大変だとも思わなかった。
 深鈴が俺たちの前でそういう素振りを見せないようにしていたのなら、余計に気付くわけがなかった。
 それで、深鈴に限界が来た。
「今日も先生に呼ばれてる」
 と職員室に向かおうとした深鈴が倒れたことは、今でもはっきり覚えてる。
「あたしも副委員長なんて立場だけどさ、あたしじゃ色々足りないのよ。もう少しあたしが出来たらって思うことはあるけど、出来ないものは仕方ないでしょ」
 俺も日和も、頑張っても深鈴ほど色々できるわけじゃない。
「最終的には鈴に聞かなきゃいけないしね」
「まぁ、その辺は仕方ないよな」
「秋も手伝うとは言ってくれたけど、あの子はお店があるからね。鈴を手伝うために他の人に頑張ってもらう……それを鈴が許すわけないし、あたしも嫌」
「深鈴は絶対許さないだろうな、それ」
「でしょ。それするくらいなら、無理してあたしが徹夜でも何でもするわ」
「それもそれで深鈴に怒られそうだけどな」
「体力面は鈴より自信があるし、あたしが怒られるだけで鈴の負担が減るのなら、それでいいわ」
 この話があってもなくても祭りを手伝う気ではいたけど──
「──俺にできることがあれば手伝うよ。体力面は気合いで」
「気合いもいいけど、あたしらが倒れるのはアウトだしお互い体調管理はしっかりね」
「もちろん」
 その後は話題を変え、適当に学校のことを簡単に聞いたりしているうちに、家に着いて一日が終わった。
 寝る前、
「もし、万が一、何とか学的確率ではあるけど、あたしが明日の朝寝てたら部屋入ってきていいから起こして。遅刻の方がマズい」
 と言われ、日付が変わるころには寝ることにした。


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