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107.行動あるのみ
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「つまり私がまずすべき事は愚弟一味を公の場で解りやすい正義の名の元に無血で捕らえる事。
他国の後ろ盾と民意を得て王となる事。
その後奴を正式な場で断罪する事。
で、間違いないな」
沈黙を破ったザガドにラスイードが何かを見定めるような目を向ける。
「言葉にするのは簡単ですが、レンカのようにできますか?」
その言葉にザガドは思わず苦笑し、そして顔を引き締めた。
「ラスイード、レンカのようには難しいだろう。
しかし例え難しくともやらなければならないんだ。
私はもうあの麻薬による犠牲者を増やしたくない。
それに今ならまだ間に合う者もいる。
解毒剤が手に入れば手遅れの者も助かるかもしれない。
私は早く彼らを楽にしてやりたいし、わが身可愛さに見捨てたくない。
改めて頼む。
君のでき得る限りの最大限の力を貸して欲しい。
これから先も含めて」
「····わかりました。
今一度、あなたを主として仕えましょう」
ザガドはいつの間にかトビから自分の手に渡った証拠資料を握りしめていた。
資料の1番上は麻薬実験に関する資料だ。
ラスイードはザガド、いや、主から自分を望む真摯な言葉を得られた事で満足したように頷く。
やっと安心して主への助力ができると思ったのかもしれない。
「さっき話した1、食糧難、2、行方不明者、3、麻薬中毒者の急増、4、王族への強い反感で暴動寸前やっていうんは覚えてる?
レンカちゃんの時と違うんは、国民からしたらザガド様も王族の側におるっちゅう事や。
首謀者のペネドゥルを公の場で捕縛する事についてはこっちでもう手を打ってる。
ザガド様の国民への印象操作も手は打ってるけど、レンカちゃんみたいに夢使って一晩で国民全員に、なんて事は当然できへんから短時間でどこまでできるかはわからへんけどな」
「いつの間にそこまで····。
いや、むしろそこまでしてくれるとは考えていなかった。
感謝する」
ザガドは驚きに目を見開いた後、素直に頭を下げて礼を言う。
確かに一商人としてはやり過ぎなくらいのお膳立てだ。
「頭上げてや。
俺はレンカちゃんでどうすれば1番成功しやすいかを直接学んだから先手を打ってるだけや。
レンカちゃんは多分こっちでいうところの帝王学に近い知識をもってるんやと思うわ。
レンちゃんの知識の大半はレンカちゃんの物みたいやからな。
ホンマ元の世界でどんな人生送って生きてきたんやか」
レンカの話になるとトビはよく何事かを思い出して愛おしみつつも寂しそうな顔をするが、もしかして····。
トビはすぐに元の副会長の顔に戻す。
「せやけど俺らのお膳立てはここまでが限界やで。
事が始まったら俺はあくまでも商人として、他国の要人の仲介としてしか動かれへん。
他の3人ももちろん他国の騎士やから内政にも断罪にも関われへん。
今回はリドラビルの時と違って黒竜の番としてならこの国に干渉できるはずのレンちゃんは体も限界やろうし、元々体は虚弱体質で何があるかわからんから俺としては関わらせたない。
何よりこれ以上あの子をアテにするんは黒竜も望んでへんから利用しようとしたら黒竜自身がこの国を滅ぼしかねへんわ。
それでもザガド様はホンマにやるんか?
このまま放置しても失敗してもどのみちこの国は他国から滅ぼされる未来は変わらへんで?
今やったらザガド様1人くらいなら逃げてもわからへんよ?」
トビはそう言いながら真摯な目でザガドを正面から見据える。
ザガドも真っ直ぐに見返す。
「大体、断罪して終わりやあらへんしな。
麻薬中毒は質が悪くて治療には時間もかかるし、一進一退繰り返しながら薬で何とか右肩上がりに回復させていく事になるはずや。
それ以外にも食糧難の対策と国民への保証、何より失墜した王権の回復には生半可な覚悟ではすぐに頓挫してまうで。
元々は放蕩しまくってた無責任な王様やからちょっと成果出したって国民はもう認めてくれへんやろう。
それどころか失敗に関しては多少の事でも多大に責められる可能性のが大きい。
在位中はそんな事の連続で報われへんかもしれん。
下手したら悪感情から助けようとしてる国民に暗殺される可能性も高いんや」
トビが探るようにザガドにもう1度確認する。
「ホンマに覚悟はできてんのやな?」
トビの言葉に、ザガドは己の中の真意を探るように1度目を閉じ、ゆっくりと息を吐いてから目を開ける。
「ああ、覚悟は揺らがない。
私はこれまでの私がどれ程に愚かで無責任な王族だったかを考えると心から恥ずかしく思う。
出会ったばかりの君達にこれ程までにして貰えた事の方が奇跡だろう。
これから先は私が行動で示し、報いていくべき我が国の事だ。
それにレンカが言ったように先手必勝を狙って行動しなければ、私は再び得た腹心の1人であるジェロムを失う。
私はもう誰1人失う訳にはいかない。
そんな王など他ならぬ私が認められないからな」
自責の念だろうか。
途中から顔を歪めて俯き気味だったたが、1度言葉を区切って顔を上げる。
「トビドニア副会長、君からレンカの話を聞いてわかったんだ。
国民と、何よりこんな愚かな私に力を貸してくれる腹心達に今の私が報いる事は行動で示す事だけなのだと」
ザガドは目に強い意思を宿らせ、きっぱりと迷いなく言い切った。
他国の後ろ盾と民意を得て王となる事。
その後奴を正式な場で断罪する事。
で、間違いないな」
沈黙を破ったザガドにラスイードが何かを見定めるような目を向ける。
「言葉にするのは簡単ですが、レンカのようにできますか?」
その言葉にザガドは思わず苦笑し、そして顔を引き締めた。
「ラスイード、レンカのようには難しいだろう。
しかし例え難しくともやらなければならないんだ。
私はもうあの麻薬による犠牲者を増やしたくない。
それに今ならまだ間に合う者もいる。
解毒剤が手に入れば手遅れの者も助かるかもしれない。
私は早く彼らを楽にしてやりたいし、わが身可愛さに見捨てたくない。
改めて頼む。
君のでき得る限りの最大限の力を貸して欲しい。
これから先も含めて」
「····わかりました。
今一度、あなたを主として仕えましょう」
ザガドはいつの間にかトビから自分の手に渡った証拠資料を握りしめていた。
資料の1番上は麻薬実験に関する資料だ。
ラスイードはザガド、いや、主から自分を望む真摯な言葉を得られた事で満足したように頷く。
やっと安心して主への助力ができると思ったのかもしれない。
「さっき話した1、食糧難、2、行方不明者、3、麻薬中毒者の急増、4、王族への強い反感で暴動寸前やっていうんは覚えてる?
レンカちゃんの時と違うんは、国民からしたらザガド様も王族の側におるっちゅう事や。
首謀者のペネドゥルを公の場で捕縛する事についてはこっちでもう手を打ってる。
ザガド様の国民への印象操作も手は打ってるけど、レンカちゃんみたいに夢使って一晩で国民全員に、なんて事は当然できへんから短時間でどこまでできるかはわからへんけどな」
「いつの間にそこまで····。
いや、むしろそこまでしてくれるとは考えていなかった。
感謝する」
ザガドは驚きに目を見開いた後、素直に頭を下げて礼を言う。
確かに一商人としてはやり過ぎなくらいのお膳立てだ。
「頭上げてや。
俺はレンカちゃんでどうすれば1番成功しやすいかを直接学んだから先手を打ってるだけや。
レンカちゃんは多分こっちでいうところの帝王学に近い知識をもってるんやと思うわ。
レンちゃんの知識の大半はレンカちゃんの物みたいやからな。
ホンマ元の世界でどんな人生送って生きてきたんやか」
レンカの話になるとトビはよく何事かを思い出して愛おしみつつも寂しそうな顔をするが、もしかして····。
トビはすぐに元の副会長の顔に戻す。
「せやけど俺らのお膳立てはここまでが限界やで。
事が始まったら俺はあくまでも商人として、他国の要人の仲介としてしか動かれへん。
他の3人ももちろん他国の騎士やから内政にも断罪にも関われへん。
今回はリドラビルの時と違って黒竜の番としてならこの国に干渉できるはずのレンちゃんは体も限界やろうし、元々体は虚弱体質で何があるかわからんから俺としては関わらせたない。
何よりこれ以上あの子をアテにするんは黒竜も望んでへんから利用しようとしたら黒竜自身がこの国を滅ぼしかねへんわ。
それでもザガド様はホンマにやるんか?
このまま放置しても失敗してもどのみちこの国は他国から滅ぼされる未来は変わらへんで?
今やったらザガド様1人くらいなら逃げてもわからへんよ?」
トビはそう言いながら真摯な目でザガドを正面から見据える。
ザガドも真っ直ぐに見返す。
「大体、断罪して終わりやあらへんしな。
麻薬中毒は質が悪くて治療には時間もかかるし、一進一退繰り返しながら薬で何とか右肩上がりに回復させていく事になるはずや。
それ以外にも食糧難の対策と国民への保証、何より失墜した王権の回復には生半可な覚悟ではすぐに頓挫してまうで。
元々は放蕩しまくってた無責任な王様やからちょっと成果出したって国民はもう認めてくれへんやろう。
それどころか失敗に関しては多少の事でも多大に責められる可能性のが大きい。
在位中はそんな事の連続で報われへんかもしれん。
下手したら悪感情から助けようとしてる国民に暗殺される可能性も高いんや」
トビが探るようにザガドにもう1度確認する。
「ホンマに覚悟はできてんのやな?」
トビの言葉に、ザガドは己の中の真意を探るように1度目を閉じ、ゆっくりと息を吐いてから目を開ける。
「ああ、覚悟は揺らがない。
私はこれまでの私がどれ程に愚かで無責任な王族だったかを考えると心から恥ずかしく思う。
出会ったばかりの君達にこれ程までにして貰えた事の方が奇跡だろう。
これから先は私が行動で示し、報いていくべき我が国の事だ。
それにレンカが言ったように先手必勝を狙って行動しなければ、私は再び得た腹心の1人であるジェロムを失う。
私はもう誰1人失う訳にはいかない。
そんな王など他ならぬ私が認められないからな」
自責の念だろうか。
途中から顔を歪めて俯き気味だったたが、1度言葉を区切って顔を上げる。
「トビドニア副会長、君からレンカの話を聞いてわかったんだ。
国民と、何よりこんな愚かな私に力を貸してくれる腹心達に今の私が報いる事は行動で示す事だけなのだと」
ザガドは目に強い意思を宿らせ、きっぱりと迷いなく言い切った。
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