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111.人形劇~sideベルグル
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「さあさあ、お集まりの皆様、これから人形劇が始まるよ~。
あらら、そんなに詰め寄らなくても大丈夫!
ほ~らほら、おいらの後ろに白いおっきな布が垂れ下がってるだろう~。
ほら、あそことあっちにも!
そこに劇はでっかく映し出されるから、この広場にいれば見られるからね。
人形劇の後はあ~ら、びっくり。
秘密のお話をしちゃうから、最後までお楽しみあれ!
お題は第1幕、放蕩王子とお家騒動だ!
さあさ、始まり、始まり~!」
広場には老若男女問わず人でごった返し始めた。
こういう娯楽もほとんど無かったんだろう。
しかし、あんなどでかい映像を映し出す魔石具なんぞ初めて見た。
大方レンの作品なんだろうが、それも異世界の知識あってのものなのだろうか。
にしても放蕩王子とお家騒動って、今回の騒動そのものだろう。
もっとお題を選べなかったのか?
「ある所に1人の王子様がおりました」
人形劇の台の上にピョコンとザガド殿に似た赤銅の髪に朱金の目の精悍な顔の人形だ飛び出す。
その後に続いて藍色の髪に藤色の目の、どちらも凛とした顔の2体の人形が飛び出した。
1体にはわかりやすく頭に王冠をつけている。
こうして見るとザガド殿だけが似ていないのか?
そこでふと過去の団長から代々受け継いできたある引き継ぎ書を思い出す。
それには各国王やその側近の容貌が細かく記載されていた。
要人警護の際に役立てる為のもので過去の団長達により随時改訂されている。
確か鎖国した時に戴冠した王は白銀の髪に朱金の目の凛とした竜人。
鎖国にあたり他国との調整にあたったのは側近でもある宰相で精悍な顔の黒豹属の赤銅色の髪に薄緑の目だったはず。
いや、まさかな。
「王子様は国王様であるお兄さんと弟とお城で騎士として暮らしておりました。
王子様は騎士としてお兄さんである国王様に仕える事に喜びを感じながら、自分の国のあらゆる騒動に対処するべく頑張って働いておりました。
それこそ災害、飢饉、そして王子様が産まれた頃から問題だった麻薬中毒。
国中の全ての問題にいつも真摯に向き合ってきたのです。
それに比べて下の王子様はあまり城の外を見ようとせず、ずうっと昔の先人達と同じように武力行使による圧政を考えておりました。
なのでいつの頃からか国王様であるお兄さんは王子様に王位を譲りたいと思うようになったのでございます。
なぜなら彼の国民への想いがあまりにも先代国民様や長い戦いで疲れたこの国を守る為に鎖国に尽力した時の宰相様と似ていたからでございます」
····おい、その人形····。
次に出てきた2体の人形の髪と目の色、そして宰相と放蕩王子の人形の顔!
「そんな時でございます。
国王が迎えた伴侶に病が見つかったのは····」
話は進むが時折回想されて過去の話しに遡る。
今の国王が王位についた経緯は初耳だ。
しかし自国の事だ。
少なくとも広場に集まる国民からは否定の言葉は聞こえない。
むしろ竜人も含めた年配の獣人達からは「やっぱり····」
と口々に囁き合う。
「国王様は白竜様が認めた正しき血筋に王を譲りたかったのでございます。
しかしそんな事とはつゆ知らず、王子様は放蕩を始めて王位を拒否してしまいます。
王子様にとって国王様に相応しいのはあくまで兄である今の国王様。
だからこそ兄の伴侶を救うべく、国民を助けて来たように国中を走り回ります。
そんな状況に目をつけたのが下の王子様!」
話はどんどん進む。
国王夫妻が眠りについて弟王子が麻薬中毒を拡散したり、放蕩王子に夫妻の暗殺や麻薬中毒者を増やした罪を被せようよしたり。
かなり誇張されているが、そのままの事実が人形によって再現されていく。
広場には兵士や自警団も来ているが、彼らも許可証を得ていたりあくまで人形劇とした体はしている為か止めようとしない。
いや、時々商人達と目配せしているから買収済みか、もしくは仲間か?
「王子様はとうとう命の危険を返り見ず、魔の森に忍び込みます。
先代国王様の元伴侶の黒竜様に助けてもらう為、命に関わる大怪我を負っても尚懇願します。
そして聞き入れたのが魔の森の執行者!
魔の森の主となった竜が動けない時に代理の権限を与えられた白竜様も認めた稀有なる存在です!」
····おい、黒髪黒目の人形出たぞ?!
尚も話は事実に沿って誇張されながら続く。
放蕩王子が他国の後見を得ていつの間にか悪者となった弟王子に立ち向かう。
そこで劇は終わった。
広場中が静まりかえる中、子供達から少しずつ拍手が広がる。
鎖国した経緯も事実に即して語られていたせいか大人達は複雑なようだが、うまく悪者王子に着眼するような流れに持って行ったからか大きな反発もなく、拍手をし始める者が増えていく。
「やあやあ、まずは第1幕、いかがでしたでしょうか?
ですがこれはあくまで人形劇。
我々商人がこの千年の間にこの国で起きたとされる伝え聞いた事をまとめた、嘘かホントかわからないお話でございます。
しかし皆様、真実を確めたくはありませんか?」
進行役の男の雰囲気にのまれたのか、子供達から「しりたーい! 続きは?」との声が上がり始める。
「それでは今から内緒のお話。
次は映像魔法をお見せ致しましょう!
さあさ、ご覧あれ~!」
と、そこで急に映像が実際に見ているかのような仕様に切り替わった。
「この者は主であったザガドにより月下の根の麻薬を5倍投与され、狂人となったのだ」
ペネドゥルの声が突然響き、大臣や貴族、そして騎士達が映し出されて広場の空気が凍る。
悪者王子の向こうには明らかに異常な竜人が唸り声を上げ、人形劇では救世主のようなさだった放蕩王子に映像で映る竜人達は皆、殺意そのものを向けたのだ。
あらら、そんなに詰め寄らなくても大丈夫!
ほ~らほら、おいらの後ろに白いおっきな布が垂れ下がってるだろう~。
ほら、あそことあっちにも!
そこに劇はでっかく映し出されるから、この広場にいれば見られるからね。
人形劇の後はあ~ら、びっくり。
秘密のお話をしちゃうから、最後までお楽しみあれ!
お題は第1幕、放蕩王子とお家騒動だ!
さあさ、始まり、始まり~!」
広場には老若男女問わず人でごった返し始めた。
こういう娯楽もほとんど無かったんだろう。
しかし、あんなどでかい映像を映し出す魔石具なんぞ初めて見た。
大方レンの作品なんだろうが、それも異世界の知識あってのものなのだろうか。
にしても放蕩王子とお家騒動って、今回の騒動そのものだろう。
もっとお題を選べなかったのか?
「ある所に1人の王子様がおりました」
人形劇の台の上にピョコンとザガド殿に似た赤銅の髪に朱金の目の精悍な顔の人形だ飛び出す。
その後に続いて藍色の髪に藤色の目の、どちらも凛とした顔の2体の人形が飛び出した。
1体にはわかりやすく頭に王冠をつけている。
こうして見るとザガド殿だけが似ていないのか?
そこでふと過去の団長から代々受け継いできたある引き継ぎ書を思い出す。
それには各国王やその側近の容貌が細かく記載されていた。
要人警護の際に役立てる為のもので過去の団長達により随時改訂されている。
確か鎖国した時に戴冠した王は白銀の髪に朱金の目の凛とした竜人。
鎖国にあたり他国との調整にあたったのは側近でもある宰相で精悍な顔の黒豹属の赤銅色の髪に薄緑の目だったはず。
いや、まさかな。
「王子様は国王様であるお兄さんと弟とお城で騎士として暮らしておりました。
王子様は騎士としてお兄さんである国王様に仕える事に喜びを感じながら、自分の国のあらゆる騒動に対処するべく頑張って働いておりました。
それこそ災害、飢饉、そして王子様が産まれた頃から問題だった麻薬中毒。
国中の全ての問題にいつも真摯に向き合ってきたのです。
それに比べて下の王子様はあまり城の外を見ようとせず、ずうっと昔の先人達と同じように武力行使による圧政を考えておりました。
なのでいつの頃からか国王様であるお兄さんは王子様に王位を譲りたいと思うようになったのでございます。
なぜなら彼の国民への想いがあまりにも先代国民様や長い戦いで疲れたこの国を守る為に鎖国に尽力した時の宰相様と似ていたからでございます」
····おい、その人形····。
次に出てきた2体の人形の髪と目の色、そして宰相と放蕩王子の人形の顔!
「そんな時でございます。
国王が迎えた伴侶に病が見つかったのは····」
話は進むが時折回想されて過去の話しに遡る。
今の国王が王位についた経緯は初耳だ。
しかし自国の事だ。
少なくとも広場に集まる国民からは否定の言葉は聞こえない。
むしろ竜人も含めた年配の獣人達からは「やっぱり····」
と口々に囁き合う。
「国王様は白竜様が認めた正しき血筋に王を譲りたかったのでございます。
しかしそんな事とはつゆ知らず、王子様は放蕩を始めて王位を拒否してしまいます。
王子様にとって国王様に相応しいのはあくまで兄である今の国王様。
だからこそ兄の伴侶を救うべく、国民を助けて来たように国中を走り回ります。
そんな状況に目をつけたのが下の王子様!」
話はどんどん進む。
国王夫妻が眠りについて弟王子が麻薬中毒を拡散したり、放蕩王子に夫妻の暗殺や麻薬中毒者を増やした罪を被せようよしたり。
かなり誇張されているが、そのままの事実が人形によって再現されていく。
広場には兵士や自警団も来ているが、彼らも許可証を得ていたりあくまで人形劇とした体はしている為か止めようとしない。
いや、時々商人達と目配せしているから買収済みか、もしくは仲間か?
「王子様はとうとう命の危険を返り見ず、魔の森に忍び込みます。
先代国王様の元伴侶の黒竜様に助けてもらう為、命に関わる大怪我を負っても尚懇願します。
そして聞き入れたのが魔の森の執行者!
魔の森の主となった竜が動けない時に代理の権限を与えられた白竜様も認めた稀有なる存在です!」
····おい、黒髪黒目の人形出たぞ?!
尚も話は事実に沿って誇張されながら続く。
放蕩王子が他国の後見を得ていつの間にか悪者となった弟王子に立ち向かう。
そこで劇は終わった。
広場中が静まりかえる中、子供達から少しずつ拍手が広がる。
鎖国した経緯も事実に即して語られていたせいか大人達は複雑なようだが、うまく悪者王子に着眼するような流れに持って行ったからか大きな反発もなく、拍手をし始める者が増えていく。
「やあやあ、まずは第1幕、いかがでしたでしょうか?
ですがこれはあくまで人形劇。
我々商人がこの千年の間にこの国で起きたとされる伝え聞いた事をまとめた、嘘かホントかわからないお話でございます。
しかし皆様、真実を確めたくはありませんか?」
進行役の男の雰囲気にのまれたのか、子供達から「しりたーい! 続きは?」との声が上がり始める。
「それでは今から内緒のお話。
次は映像魔法をお見せ致しましょう!
さあさ、ご覧あれ~!」
と、そこで急に映像が実際に見ているかのような仕様に切り替わった。
「この者は主であったザガドにより月下の根の麻薬を5倍投与され、狂人となったのだ」
ペネドゥルの声が突然響き、大臣や貴族、そして騎士達が映し出されて広場の空気が凍る。
悪者王子の向こうには明らかに異常な竜人が唸り声を上げ、人形劇では救世主のようなさだった放蕩王子に映像で映る竜人達は皆、殺意そのものを向けたのだ。
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