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132.衝撃の事実
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「事情はわかりました。
それよりも黒竜はどちらに?」
副団長はファルに用があるのか?
「ファルならいつまでも森を留守に出来ないようで、一旦戻りました。
レンが目覚める頃にまた来るそうです」
「そうか。
その時はレンを連れ帰ってもらうよう話せ。
今騎士団は陛下達と共に転移してきた者を入れて俺達5名がこの国にいる。
陛下達の滞在中の警護は我々だけでせねばならない。
レンの守りにまで手を回してやれん。
レンが目覚めるまでなら明日には黒竜もこちらに戻るだろう。
それまでならお前1人でここを警備できるだろうが、黒目黒髪のレンがこれ以上人目に触れるのは竜人の国ではトラブルにしかならない。
ただでさえ子供の乳の香りが無くなった今の状態は危険極まりないからな。
それに陛下達の入国は極秘だ。
我々はこの国との対外的な話が纏まる間の数週間はこの国に滞在する事になる」
「今は誰が来ているんですか?」
「第3、第4騎士隊隊長です」
「わかりました」
大リス属と兎属の2人が頭をよぎる。
「残念やけど、それはできひんよ?
ね、陛下?」
「そうじゃのう。
今回の件はレンちゃんがおらねば外交が纏まらぬなぁ」
のほほんとトビと親父がのたまう。
「何故ですか?
そもそも突然うちの魔力が高い隊長2名を引き連れてこの国に転移してきた事についても苦言を呈したいくらいなのですよ、騎士団長としては。
まさかうちの第3隊隊長が昔月花を手元で栽培したくてこっそりこの国に忍び込んだのを調べあげて、脅して、不問にするからとこの地を知るあの者をレンの転移用の魔石具の転送補助に使って無理矢理転移してくるなど。
本来なら近衛騎士を連れられて脇を固めてから諸外国の外交官と足並みを揃えて外交に当たるべき案件ではありませんか?」
団長がピリピリし始めた。
ていうか、あの大リス何やってんだ····毒草マニアの執念感じるぞ。
そういや前に魔の森にも忍び込みそうな勢いで毒草求めてたよな。
「そういうわけにもいかぬのよ。
諸外国にはザッカルードが主導して開国までの流れを示す事で話はついておるが、それには配下に対処を任せる事はできぬ。
鎖国に至るまでにこの国は信用を無くし過ぎたからのう。
そして懸念されておるのは竜人の麻薬への対応。
麻薬による竜人の凶暴化はかつての戦争を思い起こさせるには十分じゃ。
開国する前に早急な鎮静化と、効力が裏付けされた解毒剤による安心が他国との軋轢の解消には必要でのう。
その為に儂と次代の王がいち早く駆けつけ、開国を含めた外交の再開に踏み切らせたという事実も作らねばならぬ。
近衛騎士まで引き連れて赴き、悠長に配下任せにする国に信用は得られぬじゃろう。
我が国は幸い大きな被害は無かったが、この国に隣接する国々の被害は当時それほど甚大じゃった。
その為に薬を取り扱うビビッド商会にも信用に足る事実が求められる。
この国での解毒剤の流通に関しては正式な調印による契約を取り交わす事になっておるが、調印には副会長ではなく幻とも噂される会長が直接立ち会わねば示しがつかんじゃろう。
それに解毒剤の効果については検証結果も必要じゃ」
「それとレンがどう関係すると?」
俺も副団長の言葉に全力で頷く。
「ん?
うちの商会の会長も解毒剤作ったんもレンちゃんやん?」
「「「····」」」
俺達は黙った。
団長も副団長もトビの言葉が入ってこない。
え、いつから?
「そもそもレンちゃんが暇潰しに屑石に高濃度の魔力込めたり、魔道具作りにハマったり、調味料作りに凝りだしたしたり、思い立って何かしらの薬開発してみたりで好き勝手するから仕方無しに商会立ち上げて色々売りさばくようになったんがビビット商会の起源やで。
金にせんと材料費も馬鹿にならへんし、材料与えんかったら勝手に森から出て仕入れてくるし、際限無く作り続けるからほっといたら魔の森がレンちゃんの作品で違う意味で魔窟と化してまうんよ。
しかも扱い悪かったら爆発したり毒霧発生さしたりで昔はそういう意味でも魔の森やなーと思ったもんやわ」
「そうそう、今のレンちゃんの家も本宅が取り扱い注意のレンちゃん作品で溢れ返った時に白竜が与えたアトリエだったからのう。
与える代わりに何かしらの爆発やらしてもあの小屋だけで被害が収まるなら安いものとかレティッドもよく言うておったわ」
2人は昔を懐かしむように話し始めたが、聞き捨てならない言葉が引っかかる。
「え、本宅とかあったのか?!
被害って何だ?!」
「なんじゃ、そんな事も知らんのか。
黒竜は基本的に本宅で過ごしておるじゃろう。
それにあの小屋はレンちゃんの作品作りで何回か大破さしておるからむしろ壊れても良しとしてレンちゃんも本宅より気楽に住めるらしいぞ」
「聞いた事ねぇよ。
大破するとかどんな作品だよ。
くそ、まだまだレンの底が知れん」
「ふぉっふぉっ。
どうじゃ、儂の方がレンちゃんをよく知っておるし相応しかろう」
は?!
何が相応しいだ、この爺め!
どや顔で胸張るな!
「黙れクソ親父!
これからの番を知る楽しみに取ってあるだけだ!」
「ふん、番だからと胡座をかくなよ小童め!
儂の目の黒いうちはレンちゃんは渡さぬわ!」
「やるのか!」
「上等じゃ!」
「「やめなさい」」
「「···あ、はい」」
いつの間にか目の前にいた団長達が仁王立ちしていた。
兄上は俺達に巻き込まれないよういつの間にか一歩下がっている。
ずるいぞ。
それよりも黒竜はどちらに?」
副団長はファルに用があるのか?
「ファルならいつまでも森を留守に出来ないようで、一旦戻りました。
レンが目覚める頃にまた来るそうです」
「そうか。
その時はレンを連れ帰ってもらうよう話せ。
今騎士団は陛下達と共に転移してきた者を入れて俺達5名がこの国にいる。
陛下達の滞在中の警護は我々だけでせねばならない。
レンの守りにまで手を回してやれん。
レンが目覚めるまでなら明日には黒竜もこちらに戻るだろう。
それまでならお前1人でここを警備できるだろうが、黒目黒髪のレンがこれ以上人目に触れるのは竜人の国ではトラブルにしかならない。
ただでさえ子供の乳の香りが無くなった今の状態は危険極まりないからな。
それに陛下達の入国は極秘だ。
我々はこの国との対外的な話が纏まる間の数週間はこの国に滞在する事になる」
「今は誰が来ているんですか?」
「第3、第4騎士隊隊長です」
「わかりました」
大リス属と兎属の2人が頭をよぎる。
「残念やけど、それはできひんよ?
ね、陛下?」
「そうじゃのう。
今回の件はレンちゃんがおらねば外交が纏まらぬなぁ」
のほほんとトビと親父がのたまう。
「何故ですか?
そもそも突然うちの魔力が高い隊長2名を引き連れてこの国に転移してきた事についても苦言を呈したいくらいなのですよ、騎士団長としては。
まさかうちの第3隊隊長が昔月花を手元で栽培したくてこっそりこの国に忍び込んだのを調べあげて、脅して、不問にするからとこの地を知るあの者をレンの転移用の魔石具の転送補助に使って無理矢理転移してくるなど。
本来なら近衛騎士を連れられて脇を固めてから諸外国の外交官と足並みを揃えて外交に当たるべき案件ではありませんか?」
団長がピリピリし始めた。
ていうか、あの大リス何やってんだ····毒草マニアの執念感じるぞ。
そういや前に魔の森にも忍び込みそうな勢いで毒草求めてたよな。
「そういうわけにもいかぬのよ。
諸外国にはザッカルードが主導して開国までの流れを示す事で話はついておるが、それには配下に対処を任せる事はできぬ。
鎖国に至るまでにこの国は信用を無くし過ぎたからのう。
そして懸念されておるのは竜人の麻薬への対応。
麻薬による竜人の凶暴化はかつての戦争を思い起こさせるには十分じゃ。
開国する前に早急な鎮静化と、効力が裏付けされた解毒剤による安心が他国との軋轢の解消には必要でのう。
その為に儂と次代の王がいち早く駆けつけ、開国を含めた外交の再開に踏み切らせたという事実も作らねばならぬ。
近衛騎士まで引き連れて赴き、悠長に配下任せにする国に信用は得られぬじゃろう。
我が国は幸い大きな被害は無かったが、この国に隣接する国々の被害は当時それほど甚大じゃった。
その為に薬を取り扱うビビッド商会にも信用に足る事実が求められる。
この国での解毒剤の流通に関しては正式な調印による契約を取り交わす事になっておるが、調印には副会長ではなく幻とも噂される会長が直接立ち会わねば示しがつかんじゃろう。
それに解毒剤の効果については検証結果も必要じゃ」
「それとレンがどう関係すると?」
俺も副団長の言葉に全力で頷く。
「ん?
うちの商会の会長も解毒剤作ったんもレンちゃんやん?」
「「「····」」」
俺達は黙った。
団長も副団長もトビの言葉が入ってこない。
え、いつから?
「そもそもレンちゃんが暇潰しに屑石に高濃度の魔力込めたり、魔道具作りにハマったり、調味料作りに凝りだしたしたり、思い立って何かしらの薬開発してみたりで好き勝手するから仕方無しに商会立ち上げて色々売りさばくようになったんがビビット商会の起源やで。
金にせんと材料費も馬鹿にならへんし、材料与えんかったら勝手に森から出て仕入れてくるし、際限無く作り続けるからほっといたら魔の森がレンちゃんの作品で違う意味で魔窟と化してまうんよ。
しかも扱い悪かったら爆発したり毒霧発生さしたりで昔はそういう意味でも魔の森やなーと思ったもんやわ」
「そうそう、今のレンちゃんの家も本宅が取り扱い注意のレンちゃん作品で溢れ返った時に白竜が与えたアトリエだったからのう。
与える代わりに何かしらの爆発やらしてもあの小屋だけで被害が収まるなら安いものとかレティッドもよく言うておったわ」
2人は昔を懐かしむように話し始めたが、聞き捨てならない言葉が引っかかる。
「え、本宅とかあったのか?!
被害って何だ?!」
「なんじゃ、そんな事も知らんのか。
黒竜は基本的に本宅で過ごしておるじゃろう。
それにあの小屋はレンちゃんの作品作りで何回か大破さしておるからむしろ壊れても良しとしてレンちゃんも本宅より気楽に住めるらしいぞ」
「聞いた事ねぇよ。
大破するとかどんな作品だよ。
くそ、まだまだレンの底が知れん」
「ふぉっふぉっ。
どうじゃ、儂の方がレンちゃんをよく知っておるし相応しかろう」
は?!
何が相応しいだ、この爺め!
どや顔で胸張るな!
「黙れクソ親父!
これからの番を知る楽しみに取ってあるだけだ!」
「ふん、番だからと胡座をかくなよ小童め!
儂の目の黒いうちはレンちゃんは渡さぬわ!」
「やるのか!」
「上等じゃ!」
「「やめなさい」」
「「···あ、はい」」
いつの間にか目の前にいた団長達が仁王立ちしていた。
兄上は俺達に巻き込まれないよういつの間にか一歩下がっている。
ずるいぞ。
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