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133.資料
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「ま、そういうわけやから会長であるレンちゃんの警護はうちの商会の方でやるし心配いらへんよ。
顔合わせ兼ねて後で挨拶させるわ。
今回のメンバーはレンちゃんが昔スカウトした奴ばっかやし、力も魔力も強い上にレンちゃんが色々指導してるからめっちゃ使える奴らばっかなん。
レンちゃんが起きたら大部屋移って全員で寝泊まりするから安心安全やで」
「全員で····寝泊まり、だと?」
トビの言葉に腹から声が出てしまう。
どこのどいつかわからない野郎達と俺の可愛くも艶の出た番が····。
「「それは許さん!!」」
んんん?
声が被った?
「「「陛下····」」」
団長、副団長、兄上の呆れた声が重なる。
「レンちゃんは儂と同室じゃ!」
「はあ?!
ふざけんな親父!
変態爺と一緒にできるか!
俺と一緒に決まってる!」
「誰が変態じゃ!
お前は仕事をせよ!」
「そっくりそのまま返してやる!」
「儂はレンちゃんの警護と看病と給餌と添い寝が仕事じゃ!」
「いよいよ、ふざけんな!」
「やるのか!」
「やってやる!」
「「「いい加減にしろ(しなさい)!!」」」
今度は3人の怒号が飛ぶ。
トビは何が面白いのか声を出してゲラゲラ笑っている。
「陛下、黒竜の番とは当然別室です。
グラン、お前は明日から騎士団長達と共に私と陛下の警護。
副会長殿、そちらの商会にて明日から会長警護はお任せしても?」
「そんな!」
「なんじゃと?!」
「ふっ····くくっ····かまへんよ。
会長の事は商会で面倒見るから、調印式は来週早々取り計らえるようにザガド新国王陛下と調整して。
向こうも王位継承に国民への周知にでバタバタしてて大変やろうけど、開国にはいち早い調印が必要不可欠やから協力的なはずや。
うちとしてもレンちゃんがこれ以上いらんことに首突っ込まへんように早々に森に帰って体治して欲しいしな。
麻薬への解毒剤使用後の状況は今のところ正式に宰相なったラスイード様の屋敷におった2人と料理長は3人共に順調。
ただ料理長の方は使用したタイミング早かったんとレンちゃんが誰にも真似できへん治療方法使ったから症例としては外に出せへんし使えへん」
「「····」」
「わかった。
調印式については善処する。
料理長以外の詳しい身体状況をうちの第3隊隊長のジェス=セシリバーという騎士に調べさせても良いか?
この城の地下に閉じ込められていた麻薬中毒者への使用については申し訳ないがその者立ち合いの元、城に滞在中は商会にて経過を見て欲しい。
その時に解毒剤について詳しく説明を頼む。
報告書はその者に作らせる」
「そっちで作れるような説明をしろいう事やな。
それについては体調が落ち着いてたら会長にさせるわ。
その代わり先にこっちの資料に目を通させといて」
俺と親父を無視して話を進めていくなよ。
親父ちょっと拗ねてるぞ。
トビは脇机に置いていた鞄から資料らしき綴を取り出して兄上に手渡す。
「これは····良いのか?
資料としてはこの上ない内容だが、普通はここまで精密な薬の配合率等は秘匿するものでは?
恐らく考察の段階だろうが、服用後の注意点や副作用についても詳細な上に症状別の薬の配合率の変更案まで具体例を出してまとめられているが」
兄上はあり得ないとばかりに目を丸くしているが、確かにその内容では商会にとっての利が少ない気がする。
「それは俺も言うてんけど渡すん会長命令やし、それを事前に目を通しておけば無駄な手順踏まんで体調の悪い会長の負担も減るやん?
会長が森に戻った後で何かあってもそっちで対処して貰えれば商会的にも薬の増産に手を割けるし、一石二鳥や」
「ふ、そちらも抜け目がないな。
第3隊隊長を残し今後数ヶ月の経過報告と大まかな服用についての対処についてはこちらで受け持とう」
「こっちも錬金生成必要な特殊薬は作れる人員が限られるし、1番の作り手の会長がへばってるから綺麗事は言えへんのよ」
「なるほど。
しかし見た目は庇護欲をそそる幼さを持ちながら、資料を見る限り抜け目のない性格をしているな。
このような資料も作り慣れているような内容だし、薬の材料費は月花だから儲けとしては十分といったところか。
この薬を何故作ろうとしたのか聞いても良いか?」
「お褒めの言葉として目覚めたら伝えとくわ。
その薬は別の薬を作ってた時に副産物としてたまたま出来た物を改良しただけ言うてた。
何の薬なんかは教えてくれへんかったし、こっちでは実用する事はあらへん薬としか聞いてへん。
後はここ数年魔の森に侵入する竜人が増えたんを不審に思って調べたんと、増えたお陰で薬の実験台に不自由せんかったから、探究心に火が着いたんちゃうかな。
意外と本人は行き当たりばったりで何も考えてない事も多いで。
でもビビット商会会長としてのレンちゃんは先見の明も含めてやり手やと贔屓目なしに感じてんのや」
「副会長としてやり手と言われる君がそう感じるのか。
番ならまだしもうちの父も虜にしているようだし、先がそら恐ろしいな。
ビビット商会とは今後とも仲良くしていきたいものだ」
「ははは、今後ともご贔屓に」
何か黒いオーラが2人から出ているような····。
兄上もなかなか腹黒いからなぁ。
ていうかレン····薬の実験台って。
行き当たりばったりなのは····うん、たまにそうじゃないかと思ってた。
顔合わせ兼ねて後で挨拶させるわ。
今回のメンバーはレンちゃんが昔スカウトした奴ばっかやし、力も魔力も強い上にレンちゃんが色々指導してるからめっちゃ使える奴らばっかなん。
レンちゃんが起きたら大部屋移って全員で寝泊まりするから安心安全やで」
「全員で····寝泊まり、だと?」
トビの言葉に腹から声が出てしまう。
どこのどいつかわからない野郎達と俺の可愛くも艶の出た番が····。
「「それは許さん!!」」
んんん?
声が被った?
「「「陛下····」」」
団長、副団長、兄上の呆れた声が重なる。
「レンちゃんは儂と同室じゃ!」
「はあ?!
ふざけんな親父!
変態爺と一緒にできるか!
俺と一緒に決まってる!」
「誰が変態じゃ!
お前は仕事をせよ!」
「そっくりそのまま返してやる!」
「儂はレンちゃんの警護と看病と給餌と添い寝が仕事じゃ!」
「いよいよ、ふざけんな!」
「やるのか!」
「やってやる!」
「「「いい加減にしろ(しなさい)!!」」」
今度は3人の怒号が飛ぶ。
トビは何が面白いのか声を出してゲラゲラ笑っている。
「陛下、黒竜の番とは当然別室です。
グラン、お前は明日から騎士団長達と共に私と陛下の警護。
副会長殿、そちらの商会にて明日から会長警護はお任せしても?」
「そんな!」
「なんじゃと?!」
「ふっ····くくっ····かまへんよ。
会長の事は商会で面倒見るから、調印式は来週早々取り計らえるようにザガド新国王陛下と調整して。
向こうも王位継承に国民への周知にでバタバタしてて大変やろうけど、開国にはいち早い調印が必要不可欠やから協力的なはずや。
うちとしてもレンちゃんがこれ以上いらんことに首突っ込まへんように早々に森に帰って体治して欲しいしな。
麻薬への解毒剤使用後の状況は今のところ正式に宰相なったラスイード様の屋敷におった2人と料理長は3人共に順調。
ただ料理長の方は使用したタイミング早かったんとレンちゃんが誰にも真似できへん治療方法使ったから症例としては外に出せへんし使えへん」
「「····」」
「わかった。
調印式については善処する。
料理長以外の詳しい身体状況をうちの第3隊隊長のジェス=セシリバーという騎士に調べさせても良いか?
この城の地下に閉じ込められていた麻薬中毒者への使用については申し訳ないがその者立ち合いの元、城に滞在中は商会にて経過を見て欲しい。
その時に解毒剤について詳しく説明を頼む。
報告書はその者に作らせる」
「そっちで作れるような説明をしろいう事やな。
それについては体調が落ち着いてたら会長にさせるわ。
その代わり先にこっちの資料に目を通させといて」
俺と親父を無視して話を進めていくなよ。
親父ちょっと拗ねてるぞ。
トビは脇机に置いていた鞄から資料らしき綴を取り出して兄上に手渡す。
「これは····良いのか?
資料としてはこの上ない内容だが、普通はここまで精密な薬の配合率等は秘匿するものでは?
恐らく考察の段階だろうが、服用後の注意点や副作用についても詳細な上に症状別の薬の配合率の変更案まで具体例を出してまとめられているが」
兄上はあり得ないとばかりに目を丸くしているが、確かにその内容では商会にとっての利が少ない気がする。
「それは俺も言うてんけど渡すん会長命令やし、それを事前に目を通しておけば無駄な手順踏まんで体調の悪い会長の負担も減るやん?
会長が森に戻った後で何かあってもそっちで対処して貰えれば商会的にも薬の増産に手を割けるし、一石二鳥や」
「ふ、そちらも抜け目がないな。
第3隊隊長を残し今後数ヶ月の経過報告と大まかな服用についての対処についてはこちらで受け持とう」
「こっちも錬金生成必要な特殊薬は作れる人員が限られるし、1番の作り手の会長がへばってるから綺麗事は言えへんのよ」
「なるほど。
しかし見た目は庇護欲をそそる幼さを持ちながら、資料を見る限り抜け目のない性格をしているな。
このような資料も作り慣れているような内容だし、薬の材料費は月花だから儲けとしては十分といったところか。
この薬を何故作ろうとしたのか聞いても良いか?」
「お褒めの言葉として目覚めたら伝えとくわ。
その薬は別の薬を作ってた時に副産物としてたまたま出来た物を改良しただけ言うてた。
何の薬なんかは教えてくれへんかったし、こっちでは実用する事はあらへん薬としか聞いてへん。
後はここ数年魔の森に侵入する竜人が増えたんを不審に思って調べたんと、増えたお陰で薬の実験台に不自由せんかったから、探究心に火が着いたんちゃうかな。
意外と本人は行き当たりばったりで何も考えてない事も多いで。
でもビビット商会会長としてのレンちゃんは先見の明も含めてやり手やと贔屓目なしに感じてんのや」
「副会長としてやり手と言われる君がそう感じるのか。
番ならまだしもうちの父も虜にしているようだし、先がそら恐ろしいな。
ビビット商会とは今後とも仲良くしていきたいものだ」
「ははは、今後ともご贔屓に」
何か黒いオーラが2人から出ているような····。
兄上もなかなか腹黒いからなぁ。
ていうかレン····薬の実験台って。
行き当たりばったりなのは····うん、たまにそうじゃないかと思ってた。
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