秘密多め令嬢の自由でデンジャラスな生活〜魔力0、超虚弱体質、たまに白い獣で大冒険して、溺愛されてる話

嵐華子

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233.毛糸のパンツ様と陶酔する痺れ

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「今夜はここで一泊してから出発しましょうね」

 戻ってきたひょろ長さんが開口一番そう伝えてくる。
何だかご機嫌だけど、ちょっと焦げ臭いね。

 これはバラしたな。

 何をかというと、僕の服についてたマジックポケットだ。

 ちなみに僕は今、彼らが用意した服を着ている。
これもこの国の町娘っぽい防寒服だった。

 僕の服に付いてるポケットを警戒したんだろうね。
タコパを終え、体が温まった頃を見計らって逞しさんに身ぐるみ剥がされちゃった。

 言葉そのまま、すっぽんぽんにさせられるとは思わなかったよ。
一応貴族令嬢なんだけどな、僕。
さすがにカボチャパンツだけは持ってかれるの死守したけど、できる専属侍女お手製の毛糸の五分丈パンツ様は没収されたのは残念でならない。

 ちなみに薄灰地に白いイタチが刺繍されてて、冬の愛用パンツ様の1枚だから返して欲しい。
いつもと違ってお尻がスースーしちゃう。

 それにしても僕のお胸を見て男だったのかって言われたんだけど、どういう意味かな?!
僕ちゃんとカボチャパンツも脱いでたよね?!
平らなだけだからね!
まだこれから成長するんだからね!

 まあ服を持っていったのは僕が服に何を仕込んでるかわからないから仕方ない。
実際前回同様色々と仕込んではいるもの。

 男性2人は席を外してたし、やったのは同性だし、逞しさんのくせに風邪引かないようにと思ったのか手早くやって温かい風を服に纏わせてくれたし、服を脱がせる時以外は触られなかっただけ気を使ってくれたと思おう。

 でも!
僕のお胸はこれから成長するんだからね!

 大事な事だから2回言っておこう。

「ご機嫌さんだね?」

 なんて思いつつ、ひょろ長さんと会話を続ける。
僕の毛糸の五分丈パンツ様のありかをぜひ聞き出したい。

「ええ、楽しいですね。
明日にはこの国を貴女と出られますから」
「随分悠長だね。
誘拐するならまず真っ先に逃げるものじゃないの?」
「貴女の家族のように好き勝手に転移もできませんし、生憎と外は猛吹雪ですからね。
特に貴女のように体が弱くて魔力0、魔力耐性もかなり低い方を連れてはなかなか。
本当にグレインビル侯爵一家は魔法の扱いが化け物レベルですよ」

 お顔がニマニマしてる。

 さすが魔法が大好きな変態狂魔法学者マッドウィザード
僕の家族がいかに素晴らしい魔法の使い手か具体的にわかってもらえるのは相手がマッドでもちょっと嬉しいな。

 僕もついにこにこしちゃうね。

 でもふと疑問。

「その割りには私を連れて転移したよ?」
「転移を安定させる魔石具を持っていましたから。
ふっふっふ。
いつか貴女を拐う為に開発したんですよ!」

 うっわ、ドヤ顔で犯罪宣言きた。
更に上機嫌になってるんだけど?!

「魔石の方は1度で魔力が空になりましたけどね。
貴女を傷つけたくありませんし、以前のように転移させて具合が悪くなってもいけません。
それにこの国から出るにしてもあと少し下準備が必要ですからね」

 国から出るのに下準備?

「ふむ····あの転移魔具みたいなのを新たに作ったの?
明日になるのは使うのに魔力チャージが必要だから?」
「おやおや、こちらの手の内をよくご存知ですね」
「だってあれを作ったのひょろ長さんでしょ?」

 状況を整理してみればそれしか考えられない。

「ふふ、ふふふ、ええ、そうです、そうなんですよ。
随分改良して魔力の消費を抑えて長距離転移を可能にはしたんですがね。
量産できれば良いのですが、なかなかそうもいきません」

 あれ、何だろう。
この笑い方に恍惚とした変態っぽい崩れたお顔。
あの時の洞窟で話した時と同じだ。

 ····うん、相変わらず気持ち悪い。

 あの時はシル様が眠ってたけど、居てくれただけで良い安定剤になってたんじゃないかと今頃になって思えてくる不思議。

「グレインビル家の方々が持つような大容量タイプのマジックバックがあればまた違うんですが、それも市場には出回らない物ですし、私が作っても大容量までは無理でしたね。
マジックポケットとやらも分解してみましたが、あれ、指定した使用者以外が分解しようとすると雷撃が走るんですね。
私が前回貴女との逢瀬を締めくくったあの魔具ほどではありませんでしたがね」

 そういえば、あの時の彼との最後は《バッチ来い電撃君》でビリビリさせて失神しちゃったんだっけ。
僕も痴漢撃退グッズくらいのつもりだったから、あれにはびっくりしたんだ。
もちろん不可抗力だよ?

 でもあの時の状況はかなり壮絶だったのに、どうして本人はうっとりしてるのかな?!

「ねえ、グレインビル嬢。
もしかしてあの時の魔具がこのポケットの中に入っていませんか?
あれば是非取り出して欲しいのですが」

 そう言って僕の縫いつけてあったスカートから切り取っただろうポケットを差し出す。

「あれは少し前に兄様が改良するからって預けちゃってて私の手元には無いの。
ごめんね」

 僕の言葉にひょろ長さんが項垂れた。

「そうですか。
もう1度あの雷のような陶酔する痺れを体験したかったんですが····」
「····」

 そう言ってため息まで吐いてるし。

 思わず無言になっちゃったじゃない。
陶酔どころか昏睡するよ、あれ使ったら。
多分レベルアップしてるだろうし。

 この人やっぱり変態だったー!
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