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350.動く壁と収入源
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「面白そうね。
お酒と娯楽と美容。
貴族の話題にも上がりそう」
艶女のレイチェル様が妖艶な笑みを浮べる。
そういえば従兄様から前にレイチェル様が酒豪だって聞いた事があったような?
娯楽はわからないけど、お酒と美容には間違いなく興味がありそうだ。
「はい。
まずは話題に上がらなければ集客が見込めませんから。
まだ第2の温泉街予定地には何も建設してません。
いくらでも構想は練れると思うし、あくまで提案です。
実際にするかしないかはジェン様や当主であるファムント侯爵が判断する事なので」
「随分含みをもたせるのね。
何かしら問題があるという事かしら?」
「そうですね。
人を育てるのは時間と費用がかかるので、どこまで許容できるかは私にはわかりませんから」
「そうね、それは確かに問題と言えるわ。
でも提案だけならタダよね。
教えてもらえる?」
対してスーパーモデルのジェン様は僕の言わんとする事を既に予想してか、凛々しい笑みを浮かべて話を促した。
「もちろんです。
まずは男性向けのサロンについて。
まだ建設そのものがされていないので設計も自由にできると思うんです。
壁を作って何かしらの部屋にするのが一般的ですが、それをやめるか数を減らしませんか?
その時々のお客様が望む少人数、大人数で自由に間仕切りできて、ちょっとした意見交換の場から従来のサロン仕様まで対応できるように設計するのはいかがでしょう?
その上で密談にも使える個室も作れば、事業を手がける男性の受けは良いかもしれません。
それにあくまで間仕切りですから、部屋をいくつも作るよりは安く済みます」
「パーテーションという事?
でもそれだとサロン仕様にするのは難しいのではなくて?」
確かにパーテーションは丸見えになるから、会話は丸見えになってよろしくない。
まあ魔法で防視や防聴をする方法もあるけど、それありきの部屋はあり得ない。
「いいえ。
レールを床と天井に敷いて、壁を動かすようにします」
「レールを使って壁を動かす····そんな方法が····」
ジェン様が驚くのも無理はない。
この世界の建築で壁を動かすっていう発想自体がないみたいだもの。
あれ、これって特許取れるんじゃないかな?
まあいいか。
「そこにマナーのしっかりしたバーテンダーを入れ、どこにもないようなお酒を差し出すようにする。
貴族男性も邸内とは違った雰囲気での交流を楽しめるんじゃないでしょうか。
他にも趣きの異なる各世代の好みそうなレストランを用意してバーカウンターを設置し、オーダーメイドのお酒を出せるようにするのもいいかもしれません。
若い貴族達用にお酒を作る時、パフォーマンスを入れるのも楽しんでもらえる催しになるかもしれませんね。
貴族達の特別感を満たしつつ、それぞれの好む雰囲気のある演出で若年層から老齢までの貴族達を惹きつけられれば話題に上がります。
そうすれば年齢層や性別に関係なく、少なくとも貴族達は1度はその施設を利用しようとするでしょう」
「そうね、1つの領地内に貴族と平民のどちらも集客できれば、かなりの利益になるわ」
「女性のサロンも同じです。
主催するのってかなり大変ですし、自らの邸とは違う環境を提供してくれる場所で開くサロンならば、目新しさから参加率が上がるのは間違いありません。
少なくとも最初の頃なら主催者としてそこを狙うご婦人達はいるはずです」
「そうね。
貴婦人は特に自らが流行を発信する側になるのを望む傾向にありましてよ」
さすが社交界の花だね。
できたら初めての使用ほ若者代表でまずはレイチェル様にサロンを開いて欲しいな。
「もちろん全ての従業員にマナー教育は必須です。
それにゲームは賭け事の温床になりやすいので、監視と教育の徹底は必要でしょう。
その為の学校という名の養成施設です。
トラブルが起こった場合の対処法も統一する必要があるし、平民が貴族を相手にするんです。
後ろ盾もはっきりさせておかないといけません」
「なるほど」
次期当主としての課題に向き合うように頷くジェン様はとっても凛々しいね。
「これらがファムント領で確立できて信用されるようになれば、温泉街、いえ、この領地から離れた場での領民の活躍と収入も期待できます」
「この領地から離れた活躍と収入?」
スーパーモデルのきょとん顔、いい!
おっと、説明しなきゃ。
「ジェン様がイベンターとなって貴族の催す何かしらの行事にマナーと何かしらの技術を習得した領民を派遣して欲しいとお呼びがかかるようになるはずです」
「あるいは今の私のように、教育の為の派遣ね?」
レイチェル様の言葉に当然頷く。
「はい。
領地改革で立て直しができた領って、イメージが良い方向にもの凄く上昇します。
実はこっそり財政難、ていう領地は以外に多いので直接領主に話を聞こうとするだけでなく、技術欲しさに教育を依頼しようとしたりするみたいです。
派遣業も運用できるようになれば、観光以外の収入源になりますよね。
グレインビル領もそうですが、収入源が複数あるって領政にはとっても強みになるんですよ」
「「羨ましいわ」」
にっこり微笑めば、美女2人の声がハモっちゃった。
お酒と娯楽と美容。
貴族の話題にも上がりそう」
艶女のレイチェル様が妖艶な笑みを浮べる。
そういえば従兄様から前にレイチェル様が酒豪だって聞いた事があったような?
娯楽はわからないけど、お酒と美容には間違いなく興味がありそうだ。
「はい。
まずは話題に上がらなければ集客が見込めませんから。
まだ第2の温泉街予定地には何も建設してません。
いくらでも構想は練れると思うし、あくまで提案です。
実際にするかしないかはジェン様や当主であるファムント侯爵が判断する事なので」
「随分含みをもたせるのね。
何かしら問題があるという事かしら?」
「そうですね。
人を育てるのは時間と費用がかかるので、どこまで許容できるかは私にはわかりませんから」
「そうね、それは確かに問題と言えるわ。
でも提案だけならタダよね。
教えてもらえる?」
対してスーパーモデルのジェン様は僕の言わんとする事を既に予想してか、凛々しい笑みを浮かべて話を促した。
「もちろんです。
まずは男性向けのサロンについて。
まだ建設そのものがされていないので設計も自由にできると思うんです。
壁を作って何かしらの部屋にするのが一般的ですが、それをやめるか数を減らしませんか?
その時々のお客様が望む少人数、大人数で自由に間仕切りできて、ちょっとした意見交換の場から従来のサロン仕様まで対応できるように設計するのはいかがでしょう?
その上で密談にも使える個室も作れば、事業を手がける男性の受けは良いかもしれません。
それにあくまで間仕切りですから、部屋をいくつも作るよりは安く済みます」
「パーテーションという事?
でもそれだとサロン仕様にするのは難しいのではなくて?」
確かにパーテーションは丸見えになるから、会話は丸見えになってよろしくない。
まあ魔法で防視や防聴をする方法もあるけど、それありきの部屋はあり得ない。
「いいえ。
レールを床と天井に敷いて、壁を動かすようにします」
「レールを使って壁を動かす····そんな方法が····」
ジェン様が驚くのも無理はない。
この世界の建築で壁を動かすっていう発想自体がないみたいだもの。
あれ、これって特許取れるんじゃないかな?
まあいいか。
「そこにマナーのしっかりしたバーテンダーを入れ、どこにもないようなお酒を差し出すようにする。
貴族男性も邸内とは違った雰囲気での交流を楽しめるんじゃないでしょうか。
他にも趣きの異なる各世代の好みそうなレストランを用意してバーカウンターを設置し、オーダーメイドのお酒を出せるようにするのもいいかもしれません。
若い貴族達用にお酒を作る時、パフォーマンスを入れるのも楽しんでもらえる催しになるかもしれませんね。
貴族達の特別感を満たしつつ、それぞれの好む雰囲気のある演出で若年層から老齢までの貴族達を惹きつけられれば話題に上がります。
そうすれば年齢層や性別に関係なく、少なくとも貴族達は1度はその施設を利用しようとするでしょう」
「そうね、1つの領地内に貴族と平民のどちらも集客できれば、かなりの利益になるわ」
「女性のサロンも同じです。
主催するのってかなり大変ですし、自らの邸とは違う環境を提供してくれる場所で開くサロンならば、目新しさから参加率が上がるのは間違いありません。
少なくとも最初の頃なら主催者としてそこを狙うご婦人達はいるはずです」
「そうね。
貴婦人は特に自らが流行を発信する側になるのを望む傾向にありましてよ」
さすが社交界の花だね。
できたら初めての使用ほ若者代表でまずはレイチェル様にサロンを開いて欲しいな。
「もちろん全ての従業員にマナー教育は必須です。
それにゲームは賭け事の温床になりやすいので、監視と教育の徹底は必要でしょう。
その為の学校という名の養成施設です。
トラブルが起こった場合の対処法も統一する必要があるし、平民が貴族を相手にするんです。
後ろ盾もはっきりさせておかないといけません」
「なるほど」
次期当主としての課題に向き合うように頷くジェン様はとっても凛々しいね。
「これらがファムント領で確立できて信用されるようになれば、温泉街、いえ、この領地から離れた場での領民の活躍と収入も期待できます」
「この領地から離れた活躍と収入?」
スーパーモデルのきょとん顔、いい!
おっと、説明しなきゃ。
「ジェン様がイベンターとなって貴族の催す何かしらの行事にマナーと何かしらの技術を習得した領民を派遣して欲しいとお呼びがかかるようになるはずです」
「あるいは今の私のように、教育の為の派遣ね?」
レイチェル様の言葉に当然頷く。
「はい。
領地改革で立て直しができた領って、イメージが良い方向にもの凄く上昇します。
実はこっそり財政難、ていう領地は以外に多いので直接領主に話を聞こうとするだけでなく、技術欲しさに教育を依頼しようとしたりするみたいです。
派遣業も運用できるようになれば、観光以外の収入源になりますよね。
グレインビル領もそうですが、収入源が複数あるって領政にはとっても強みになるんですよ」
「「羨ましいわ」」
にっこり微笑めば、美女2人の声がハモっちゃった。
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