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378.下手くそな着水〜ルドルフside
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「それにしても促されるままここに来たが、あの3人を探しに行かなくて良いのだろうか····」
「レイもアリー嬢からはまだ直接話を聞けていないと言っていたからな。
まあ昨日の今日だ。
それにあの3人は完成間近の温泉街のどこにもいないと領主達も言っている。
この領は辺境なだけに広いから、闇雲に探しても見つからない。
今は情報を集めてくれているから、まずは報告を待とう」
「だが········正直私はグレインビル家が恐ろしい····早く異母弟とその側近候補を回収したい····」
「言うな········俺もだ····」
よりによってあの3人の留学生達、特にあのバカ王子はグレインビル家の至宝とも呼ぶべきアリー嬢に無理矢理からみ、グレインビル家の末子と知っても罵倒し、故意に魔法で威嚇した!
それもあの商業祭に引き続き、2度目だぞ?!
俺も断じて許せんが、グレインビル家の男達が許すはずはもっとない!
何なら王家の管理不足と言って俺達にまでブチ切れて何かしら制裁する気がする!
父上も兄上も俺も、ぶっちゃけそれが怖い!
特に俺は学園では直接あの3人のお目付け役だ。
恐怖でしかないだろう!!
もういっそ兄上と話し合って、あの胡散臭いイグドゥラシャ国の末王女も含めて各国にお帰り願いたい。
まあ今のところは王女そのものに問題はないんだが、イグドゥラシャ国の王女だからか、どうにも胡散臭く感じる。
しかも彼女が入学してからというもの、何かにつけて近寄っては俺に話しかけてくる。
ある意味ゼストの異母弟の激しい悋気のお陰で俺から引き剥がしてくれる事も多く、逆に助かっているとか意味がわからない。
しかし彼女が入学してからなんだよな。
一時は収まりつつあったあの第3王子とその側近候補の素行が、入学当初よりも更に悪化した形で表面化しているのは。
どうにも気になる。
わが国では許可なく使用する事が許されない、魅了系の精神魔法の使用も疑われたが、鑑定してもそれは実証されなかった。
だがその話を聞きつけたのか、レイからは昨年の卒業祝いとしてそうした事にも特化した魔具を贈られた。
便利な機能がいくつかついてると知って兄上も欲しがったが、レイは断固として断っている。
それはそれでレイの事が友として大好きな俺は、内心少しだけほくそ笑んだ。
ちなみにレイの兄で兄上が最近ではほぼ毎日側近に勧誘するバルトス殿には、絶対頼まないらしい。
斜め上の拷問魔具ができてしまうとぼやいていたんだが、あえてつっこむ事はするまい。
間違ってもヒュイルグ国で反逆者達に巻かれていたという蠢く縄っぽい存在と、バルトス殿の斜め上とやらを関連づけたりなんか決してしてない。
そうして体も温まった頃だ。
突然白い獣と黒鳥が落下してきて、俺達のいる浴槽のそれぞれ左右に派手に落ちたのは。
て、ちょっと待て、今の白い獣には見覚えが····。
「アリー嬢?!」
「は?!
どこに?!」
そう思った瞬間、慌てて白い獣が落ちた方の浴槽に急ぐ。
ゼストの問いに答えている余裕はない。
下手くそな着水してから沈んだぞ?!
この浴槽は対面に見える浅く何段にもなる白基調の浴槽とは異なり、黒くて深く、重なりはない。
だが深い分、底に潜ると見えにくい。
そう思って慌てて浴槽を移ったものの、体が真っ白だったからかすぐに場所がわかる。
水をかき分けて近寄り、引き上げるのにかがもうとした。
が、水中の白い物体がむき出しの足を伝って上がってくる方が早かった。
「イダダダダ!
····っんぐぁ、ちょっ····イダダダダ!」
必死だったから責めるつもりは毛頭ない。
が、むき出しの素肌にガッツリ爪を立てて登られたから、たまったものではない。
おかしな声が間で出てしまったのは、まあ男の急所的な部分をかすってしまったせいだ。
色々な意味でタオルしといて良かった····。
「ルド?!
えっ、白い子狸?!」
遅れて追いかけてきたゼストが目を丸くしているが、違う。
ムササビ・アリーだ····多分。
「ゲホッ、ゲホッ、ウッ、ゴホッ、ゴホッ、ウッ、ヒッ、ゴホッ、ゴホッ、ヒッ」
一気に頭まで登りきった白いムササビは、首筋に足をかけて側頭部から俺の頭頂に寄りかかるようにしてうつ伏せになってむせている。
「咳が人間くさい子狸····」
違う、ムササビ・アリーだな、間違いない。
かなりの量、といっても今の体はムササビだから少ないが、それを吐き出しながら何とか呼吸を試みているようだ。
「大丈夫だ、しっかり吐き出せ」
頭の上の惨状に今は何も言うまいと誓って背中をさすりつつ、合間にぽんぽんして更に吐き出させる。
頭頂部に生温かい何かがかかる度に洗浄魔法で自分の頭を綺麗にする。
生活魔法だから何回かけても魔力の消費などたかがしれているから気にしない。
恐らく俺の声かけは頭には入っていないだろうな。
頭に伝わるムササビの振動が必死さを感じさせる。
腕に抱こうとしてみたが、両手両足で髪の毛を鷲掴みにされていてそれもできなかった。
「レイもアリー嬢からはまだ直接話を聞けていないと言っていたからな。
まあ昨日の今日だ。
それにあの3人は完成間近の温泉街のどこにもいないと領主達も言っている。
この領は辺境なだけに広いから、闇雲に探しても見つからない。
今は情報を集めてくれているから、まずは報告を待とう」
「だが········正直私はグレインビル家が恐ろしい····早く異母弟とその側近候補を回収したい····」
「言うな········俺もだ····」
よりによってあの3人の留学生達、特にあのバカ王子はグレインビル家の至宝とも呼ぶべきアリー嬢に無理矢理からみ、グレインビル家の末子と知っても罵倒し、故意に魔法で威嚇した!
それもあの商業祭に引き続き、2度目だぞ?!
俺も断じて許せんが、グレインビル家の男達が許すはずはもっとない!
何なら王家の管理不足と言って俺達にまでブチ切れて何かしら制裁する気がする!
父上も兄上も俺も、ぶっちゃけそれが怖い!
特に俺は学園では直接あの3人のお目付け役だ。
恐怖でしかないだろう!!
もういっそ兄上と話し合って、あの胡散臭いイグドゥラシャ国の末王女も含めて各国にお帰り願いたい。
まあ今のところは王女そのものに問題はないんだが、イグドゥラシャ国の王女だからか、どうにも胡散臭く感じる。
しかも彼女が入学してからというもの、何かにつけて近寄っては俺に話しかけてくる。
ある意味ゼストの異母弟の激しい悋気のお陰で俺から引き剥がしてくれる事も多く、逆に助かっているとか意味がわからない。
しかし彼女が入学してからなんだよな。
一時は収まりつつあったあの第3王子とその側近候補の素行が、入学当初よりも更に悪化した形で表面化しているのは。
どうにも気になる。
わが国では許可なく使用する事が許されない、魅了系の精神魔法の使用も疑われたが、鑑定してもそれは実証されなかった。
だがその話を聞きつけたのか、レイからは昨年の卒業祝いとしてそうした事にも特化した魔具を贈られた。
便利な機能がいくつかついてると知って兄上も欲しがったが、レイは断固として断っている。
それはそれでレイの事が友として大好きな俺は、内心少しだけほくそ笑んだ。
ちなみにレイの兄で兄上が最近ではほぼ毎日側近に勧誘するバルトス殿には、絶対頼まないらしい。
斜め上の拷問魔具ができてしまうとぼやいていたんだが、あえてつっこむ事はするまい。
間違ってもヒュイルグ国で反逆者達に巻かれていたという蠢く縄っぽい存在と、バルトス殿の斜め上とやらを関連づけたりなんか決してしてない。
そうして体も温まった頃だ。
突然白い獣と黒鳥が落下してきて、俺達のいる浴槽のそれぞれ左右に派手に落ちたのは。
て、ちょっと待て、今の白い獣には見覚えが····。
「アリー嬢?!」
「は?!
どこに?!」
そう思った瞬間、慌てて白い獣が落ちた方の浴槽に急ぐ。
ゼストの問いに答えている余裕はない。
下手くそな着水してから沈んだぞ?!
この浴槽は対面に見える浅く何段にもなる白基調の浴槽とは異なり、黒くて深く、重なりはない。
だが深い分、底に潜ると見えにくい。
そう思って慌てて浴槽を移ったものの、体が真っ白だったからかすぐに場所がわかる。
水をかき分けて近寄り、引き上げるのにかがもうとした。
が、水中の白い物体がむき出しの足を伝って上がってくる方が早かった。
「イダダダダ!
····っんぐぁ、ちょっ····イダダダダ!」
必死だったから責めるつもりは毛頭ない。
が、むき出しの素肌にガッツリ爪を立てて登られたから、たまったものではない。
おかしな声が間で出てしまったのは、まあ男の急所的な部分をかすってしまったせいだ。
色々な意味でタオルしといて良かった····。
「ルド?!
えっ、白い子狸?!」
遅れて追いかけてきたゼストが目を丸くしているが、違う。
ムササビ・アリーだ····多分。
「ゲホッ、ゲホッ、ウッ、ゴホッ、ゴホッ、ウッ、ヒッ、ゴホッ、ゴホッ、ヒッ」
一気に頭まで登りきった白いムササビは、首筋に足をかけて側頭部から俺の頭頂に寄りかかるようにしてうつ伏せになってむせている。
「咳が人間くさい子狸····」
違う、ムササビ・アリーだな、間違いない。
かなりの量、といっても今の体はムササビだから少ないが、それを吐き出しながら何とか呼吸を試みているようだ。
「大丈夫だ、しっかり吐き出せ」
頭の上の惨状に今は何も言うまいと誓って背中をさすりつつ、合間にぽんぽんして更に吐き出させる。
頭頂部に生温かい何かがかかる度に洗浄魔法で自分の頭を綺麗にする。
生活魔法だから何回かけても魔力の消費などたかがしれているから気にしない。
恐らく俺の声かけは頭には入っていないだろうな。
頭に伝わるムササビの振動が必死さを感じさせる。
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