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446.絡みつく妹〜レイヤードside
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「のぞきこんできても、ルドには渡さないよ」
「うぐっ……し、心配なだけだ」
ソファに座って膝の上にクッションを置いてから、最悪の状態の頃よりマシにはなったとはいえ、まだ骨を感じる体を横たえて、空いている方の手で撫でる。
それにしても隣と前にいる奴らの気配が騒がしい。
僕の可愛いイタチな妹は、僕に気づいてどうにかして目を覚まそうとしていた。
けれど観念したのか、それならと長い胴をくねらせて、僕の手に絡みつき、そのまま眠ってしまった。
きっと今絡んでいるこの手を持ち上げたら、イタチが釣れる。
それくらいには、強くしがみついている。
逃さないように頑張ってる姿は、健気で可愛らしい。
「熱が少し出ているのではないか?」
「ずっと逃亡生活をしていたらしいから、疲れてるんだ。
微熱で治まってくれているうちは、まだいい」
これくらいなら落ち着いている方かな。
イタチの姿でも、虚弱体質は変わらない。
本心は、今すぐ連れて帰りたい。
療養を兼ねたファムント領への視察だったのに、突然1人でこの国に向かったと知った時は、正直、怒りと一緒に焦りが生まれたくらいには、体も心配している。
もちろん体質的な事だけじゃなく、今のこの国の情勢が、妹にとって危険過ぎる事については、言うまでもない。
だけどそんな事、妹は承知している。
見た目と違って、中身は僕よりもずっと大人だし、頭脳明晰だ。
なのに妹は、護衛と専属侍女を兼任するニーアだけを連れて、行ってしまうんだから、頭が痛いよ。
表向きは、無類のケモミミと尻尾の愛好家を理由にしていたらしいけど……まあ、それもあながち全てが嘘ではないけど、実際の理由の大半は違う。
僕以外の家族2人も、そう判断している。
でもその明確な理由が、思い当たらない。
でもリュドガミド前公爵、今はロアンと呼び捨てにするよう言われたから、そう呼んでいる彼女が、わざわざ領に来た事で、直感した。
妹は僕達に出会う前に関わる事で、ここに来た。
そして僕達家族であっても、きっと危険だと判断したんだと思う。
その危険から遠ざける為に、1人で来たんだ。
ニーアを伴っていたのは、成り行きと、あの時点での僕達への連絡を防ぐ為かな。
まだファムント領にいる段階で連絡が来てたら、間違いなく僕達家族の誰かか、全員が転移して止めている。
そういう意味では、僕達の安全を優先したんだと思う。
専属侍女で護衛のニーアよりも。
正直それはそれで、僕達家族は妹基準でいけば、まだ弱いって言われたようで……ショックだけど。
だから事後報告してきた専属侍女への怒りは、飲みこんだ。
それに下手をすると竜人のニーアですら、僕の可愛い妹は煙に巻く。
ニーアが付き添っただけ、良しとしてる。
妹は基本的に、目的の為なら他人はもちろん、僕達家族も平気で使う。
それに見た目に反して、かなり腹黒いし、何よりあざとい。
僕達家族の中で、中身の年齢相応に1番腹黒いのって、この妹だと思うんだよ。
妖精姫とか、グレインビルの至宝とか呼ばれるに至った、可愛らしくて可憐な見た目とのギャップは甚だしい。
僕達家族以外でそれに気づいているのは、片手で足りるくらいのごく少数だと思う。
僕の隣に座る黒豹獣人の女騎士に見た目を変えている、アドライド国第2王子のルドルフと、目の前に座るこの国の第1王子、ゼスト。
それからさっき軽食を持ってきて、今は主の隣に腰かける、ジャスパー=コード。
この3人は、まだ僕の可愛い妹の腹黒さが、グレインビル家随一だとまでは、気づいていないんじゃないかな。
もう1人の彼の側近で、主の座るソファの背もたれの方に軽く腰かけ、こちらに背を向けている、竜人のリューイは多分気づいている。
妹を魔法で深く眠らせている、三頭身の手の平サイズ姿だった闇の精霊も、恐らく。
闇の精霊は、ゼストの親指に装着している指輪に戻っている。
指輪についているあの黒い宝石は、精霊石で、精霊の住処でもあるから。
闇の精霊は、そろそろゼストを主に選ばないんだろうか。
今では力なのか存在感なのかわからないけど、それが増したみたいで、そこのジャスパーにも姿が見えるようになっている。
僕としてはこれ以上、妹の周りに騒がしい精霊が増えて欲しくない。
僕にも滅多に教えてくれない、ずっと昔の、赤ん坊の頃を知っているなんて。
イラッとして雷撃したくなるよ。
※※後書き※※
いつもご覧いただきありがとうございます。
そろそろ先行先に追いついてしまうので、こちらでの毎日投稿が難しくなってきたかもしれませんm(_ _)m
数日置きには投稿できるように頑張ります。
「うぐっ……し、心配なだけだ」
ソファに座って膝の上にクッションを置いてから、最悪の状態の頃よりマシにはなったとはいえ、まだ骨を感じる体を横たえて、空いている方の手で撫でる。
それにしても隣と前にいる奴らの気配が騒がしい。
僕の可愛いイタチな妹は、僕に気づいてどうにかして目を覚まそうとしていた。
けれど観念したのか、それならと長い胴をくねらせて、僕の手に絡みつき、そのまま眠ってしまった。
きっと今絡んでいるこの手を持ち上げたら、イタチが釣れる。
それくらいには、強くしがみついている。
逃さないように頑張ってる姿は、健気で可愛らしい。
「熱が少し出ているのではないか?」
「ずっと逃亡生活をしていたらしいから、疲れてるんだ。
微熱で治まってくれているうちは、まだいい」
これくらいなら落ち着いている方かな。
イタチの姿でも、虚弱体質は変わらない。
本心は、今すぐ連れて帰りたい。
療養を兼ねたファムント領への視察だったのに、突然1人でこの国に向かったと知った時は、正直、怒りと一緒に焦りが生まれたくらいには、体も心配している。
もちろん体質的な事だけじゃなく、今のこの国の情勢が、妹にとって危険過ぎる事については、言うまでもない。
だけどそんな事、妹は承知している。
見た目と違って、中身は僕よりもずっと大人だし、頭脳明晰だ。
なのに妹は、護衛と専属侍女を兼任するニーアだけを連れて、行ってしまうんだから、頭が痛いよ。
表向きは、無類のケモミミと尻尾の愛好家を理由にしていたらしいけど……まあ、それもあながち全てが嘘ではないけど、実際の理由の大半は違う。
僕以外の家族2人も、そう判断している。
でもその明確な理由が、思い当たらない。
でもリュドガミド前公爵、今はロアンと呼び捨てにするよう言われたから、そう呼んでいる彼女が、わざわざ領に来た事で、直感した。
妹は僕達に出会う前に関わる事で、ここに来た。
そして僕達家族であっても、きっと危険だと判断したんだと思う。
その危険から遠ざける為に、1人で来たんだ。
ニーアを伴っていたのは、成り行きと、あの時点での僕達への連絡を防ぐ為かな。
まだファムント領にいる段階で連絡が来てたら、間違いなく僕達家族の誰かか、全員が転移して止めている。
そういう意味では、僕達の安全を優先したんだと思う。
専属侍女で護衛のニーアよりも。
正直それはそれで、僕達家族は妹基準でいけば、まだ弱いって言われたようで……ショックだけど。
だから事後報告してきた専属侍女への怒りは、飲みこんだ。
それに下手をすると竜人のニーアですら、僕の可愛い妹は煙に巻く。
ニーアが付き添っただけ、良しとしてる。
妹は基本的に、目的の為なら他人はもちろん、僕達家族も平気で使う。
それに見た目に反して、かなり腹黒いし、何よりあざとい。
僕達家族の中で、中身の年齢相応に1番腹黒いのって、この妹だと思うんだよ。
妖精姫とか、グレインビルの至宝とか呼ばれるに至った、可愛らしくて可憐な見た目とのギャップは甚だしい。
僕達家族以外でそれに気づいているのは、片手で足りるくらいのごく少数だと思う。
僕の隣に座る黒豹獣人の女騎士に見た目を変えている、アドライド国第2王子のルドルフと、目の前に座るこの国の第1王子、ゼスト。
それからさっき軽食を持ってきて、今は主の隣に腰かける、ジャスパー=コード。
この3人は、まだ僕の可愛い妹の腹黒さが、グレインビル家随一だとまでは、気づいていないんじゃないかな。
もう1人の彼の側近で、主の座るソファの背もたれの方に軽く腰かけ、こちらに背を向けている、竜人のリューイは多分気づいている。
妹を魔法で深く眠らせている、三頭身の手の平サイズ姿だった闇の精霊も、恐らく。
闇の精霊は、ゼストの親指に装着している指輪に戻っている。
指輪についているあの黒い宝石は、精霊石で、精霊の住処でもあるから。
闇の精霊は、そろそろゼストを主に選ばないんだろうか。
今では力なのか存在感なのかわからないけど、それが増したみたいで、そこのジャスパーにも姿が見えるようになっている。
僕としてはこれ以上、妹の周りに騒がしい精霊が増えて欲しくない。
僕にも滅多に教えてくれない、ずっと昔の、赤ん坊の頃を知っているなんて。
イラッとして雷撃したくなるよ。
※※後書き※※
いつもご覧いただきありがとうございます。
そろそろ先行先に追いついてしまうので、こちらでの毎日投稿が難しくなってきたかもしれませんm(_ _)m
数日置きには投稿できるように頑張ります。
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