36 / 105
4 魔法学園の花ですか?(3)
4ー7 夜営の夜
しおりを挟む
4ー7 夜営の夜
そこは、ダンジョンの2階層の中腹あたりだった。
他の魔法学園の生徒たちでこの辺りまで来ている者は、いないようだった。
護衛の騎士達の意見でここから上層に戻るよりもう少し下がったところにある草原で夜営した方がいいということになった。
俺たちは、草原を目指して歩いた。
二人の王女殿下たちとは違い、普通の人であるロタは、疲労が隠せなかい様子だ。
俺は、ロタの荷物を持ってやることにした。
それを見ていたアウラ王女殿下がロタを睨んだ。
「男に荷物を持たせるなんて、軟弱な」
「俺がロタの荷物を持ってやりたいんだよ」
俺は、アウラ王女殿下に言い返した。
「だってロタの方が重いものを持ってくれてるからな」
「ふん!」
アウラ王女殿下が鼻を鳴らした。
「従僕だかなんだか知らんが、いちゃいちゃするな」
はい?
俺が苦笑しているとバルトレット王女殿下がその場に座り込んだ。
「疲れた」
うん。
俺は、頷く。
そりゃ、疲れもするだろうさ。
あれだけ大暴れしたんだしな。
俺たちは、歩き続けたが、バルトレット王女殿下は、立ち上がろうとはしなかった。
「姉上?」
動こうとしないバルトレット王女殿下にごうをにやしたアウラ王女殿下が声をかけた。
「歩けないなら賭けは私の勝ちでいいな?」
「・・誰が負けたって?」
バルトレット王女殿下が勢いよくすくっと立ち上がるとすたすた歩き出した。
何?
俺は、王女殿下たちの後ろを歩きながら首を傾げる。
数十分で草原に出た。
ダンジョンの中なのに天空には空が広がっていた。
もう、夕方だった。
草原にも夕闇が迫っていた。
俺たちは、夜営の準備を始めた。
俺とロタは、草原の見晴らしのいい場所に薪を集めて炉を作り火を燃やした。
荷物から取り出した鍋に生活魔法で作り出した水を汲み火にかける。
この世界では、料理は、男の仕事だ。
俺は、鞄から取り出した材料をナイフで一口大に切って鍋に放り込んだ。
ロタが近くにはえていたキノコをとってきてくれたので俺は、それも鍋に入れる。
塩と乾燥したパスタも入れてかき混ぜる。
仕上げに実家から持ってきた黒胡椒を潰したものを隠し味に混ぜる。
これで、パスタスープの出来上がりだ。
そこは、ダンジョンの2階層の中腹あたりだった。
他の魔法学園の生徒たちでこの辺りまで来ている者は、いないようだった。
護衛の騎士達の意見でここから上層に戻るよりもう少し下がったところにある草原で夜営した方がいいということになった。
俺たちは、草原を目指して歩いた。
二人の王女殿下たちとは違い、普通の人であるロタは、疲労が隠せなかい様子だ。
俺は、ロタの荷物を持ってやることにした。
それを見ていたアウラ王女殿下がロタを睨んだ。
「男に荷物を持たせるなんて、軟弱な」
「俺がロタの荷物を持ってやりたいんだよ」
俺は、アウラ王女殿下に言い返した。
「だってロタの方が重いものを持ってくれてるからな」
「ふん!」
アウラ王女殿下が鼻を鳴らした。
「従僕だかなんだか知らんが、いちゃいちゃするな」
はい?
俺が苦笑しているとバルトレット王女殿下がその場に座り込んだ。
「疲れた」
うん。
俺は、頷く。
そりゃ、疲れもするだろうさ。
あれだけ大暴れしたんだしな。
俺たちは、歩き続けたが、バルトレット王女殿下は、立ち上がろうとはしなかった。
「姉上?」
動こうとしないバルトレット王女殿下にごうをにやしたアウラ王女殿下が声をかけた。
「歩けないなら賭けは私の勝ちでいいな?」
「・・誰が負けたって?」
バルトレット王女殿下が勢いよくすくっと立ち上がるとすたすた歩き出した。
何?
俺は、王女殿下たちの後ろを歩きながら首を傾げる。
数十分で草原に出た。
ダンジョンの中なのに天空には空が広がっていた。
もう、夕方だった。
草原にも夕闇が迫っていた。
俺たちは、夜営の準備を始めた。
俺とロタは、草原の見晴らしのいい場所に薪を集めて炉を作り火を燃やした。
荷物から取り出した鍋に生活魔法で作り出した水を汲み火にかける。
この世界では、料理は、男の仕事だ。
俺は、鞄から取り出した材料をナイフで一口大に切って鍋に放り込んだ。
ロタが近くにはえていたキノコをとってきてくれたので俺は、それも鍋に入れる。
塩と乾燥したパスタも入れてかき混ぜる。
仕上げに実家から持ってきた黒胡椒を潰したものを隠し味に混ぜる。
これで、パスタスープの出来上がりだ。
1
あなたにおすすめの小説
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。
琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。
ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!!
スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。
ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!?
氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。
このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。
政治家の娘が悪役令嬢転生 ~前パパの教えで異世界政治をぶっ壊させていただきますわ~
巫叶月良成
ファンタジー
政治家の娘として生まれ、父から様々なことを学んだ少女が異世界の悪徳政治をぶった切る!?
////////////////////////////////////////////////////
悪役令嬢に転生させられた琴音は政治家の娘。
しかしテンプレも何もわからないまま放り出された悪役令嬢の世界で、しかもすでに婚約破棄から令嬢が暗殺された後のお話。
琴音は前世の父親の教えをもとに、口先と策謀で相手を騙し、男を篭絡しながら自分を陥れた相手に復讐し、歪んだ王国の政治ゲームを支配しようという一大謀略劇!
※魔法とかゲーム的要素はありません。恋愛要素、バトル要素も薄め……?
※注意:作者が悪役令嬢知識ほぼゼロで書いてます。こんなの悪役令嬢ものじゃねぇという内容かもしれませんが、ご留意ください。
※あくまでこの物語はフィクションです。政治家が全部そういう思考回路とかいうわけではないのでこちらもご留意を。
隔日くらいに更新出来たらいいな、の更新です。のんびりお楽しみください。
転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎
水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。
もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。
振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!!
え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!?
でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!?
と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう!
前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい!
だからこっちに熱い眼差しを送らないで!
答えられないんです!
これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。
または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。
小説家になろうでも投稿してます。
こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。
悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます
竹桜
ファンタジー
ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。
そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。
そして、ヒロインは4人いる。
ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。
エンドのルートしては六種類ある。
バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。
残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。
大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。
そして、主人公は不幸にも死んでしまった。
次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。
だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。
主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。
そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。
異世界は『一妻多夫制』!?溺愛にすら免疫がない私にたくさんの夫は無理です!?
すずなり。
恋愛
ひょんなことから異世界で赤ちゃんに生まれ変わった私。
一人の男の人に拾われて育ててもらうけど・・・成人するくらいから回りがなんだかおかしなことに・・・。
「俺とデートしない?」
「僕と一緒にいようよ。」
「俺だけがお前を守れる。」
(なんでそんなことを私にばっかり言うの!?)
そんなことを思ってる時、父親である『シャガ』が口を開いた。
「何言ってんだ?この世界は男が多くて女が少ない。たくさん子供を産んでもらうために、何人とでも結婚していいんだぞ?」
「・・・・へ!?」
『一妻多夫制』の世界で私はどうなるの!?
※お話は全て想像の世界になります。現実世界とはなんの関係もありません。
※誤字脱字・表現不足は重々承知しております。日々精進いたしますのでご容赦ください。
ただただ暇つぶしに楽しんでいただけると幸いです。すずなり。
転生した世界のイケメンが怖い
祐月
恋愛
わたしの通う学院では、近頃毎日のように喜劇が繰り広げられている。
第二皇子殿下を含む学院で人気の美形子息達がこぞって一人の子爵令嬢に愛を囁き、殿下の婚約者の公爵令嬢が諌めては返り討ちにあうという、わたしにはどこかで見覚えのある光景だ。
わたし以外の皆が口を揃えて言う。彼らはものすごい美形だと。
でもわたしは彼らが怖い。
わたしの目には彼らは同じ人間には見えない。
彼らはどこからどう見ても、女児向けアニメキャラクターショーの着ぐるみだった。
2024/10/06 IF追加
小説を読もう!にも掲載しています。
【本編完結】伯爵令嬢に転生して命拾いしたけどお嬢様に興味ありません!
ななのん
恋愛
早川梅乃、享年25才。お祭りの日に通り魔に刺されて死亡…したはずだった。死後の世界と思いしや目が覚めたらシルキア伯爵の一人娘、クリスティナに転生!きらきら~もふわふわ~もまったく興味がなく本ばかり読んでいるクリスティナだが幼い頃のお茶会での暴走で王子に気に入られ婚約者候補にされてしまう。つまらない生活ということ以外は伯爵令嬢として不自由ない毎日を送っていたが、シルキア家に養女が来た時からクリスティナの知らぬところで運命が動き出す。気がついた時には退学処分、伯爵家追放、婚約者候補からの除外…―― それでもクリスティナはやっと人生が楽しくなってきた!と前を向いて生きていく。
※本編完結してます。たまに番外編などを更新してます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる