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3 転生者は、守りたい。
3ー2 行くな!
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3ー2 行くな!
「くしゅ!」
ポリドール伯爵家の薄暗い廊下をフェリオス様の部屋へと向かう途中で僕は、くしゃみをした。
寒い。
震える体を抱き締めて僕は、ため息をつく。
ポリドール領の冬は、やはり王都育ちの僕には厳しい。
僕は、足早にフェリオス様の部屋へと歩いた。
ノックをすると中から「入れ」というフェリオス様の声が聞こえたのでドアを押し開く。
中から暖かな空気が溢れてきて僕の冷えきった体を包む。
「速くドアを閉めろ!」
フェリオス様は、なぜか不機嫌そうだ。
僕は、後ろ手にドアを閉めるとフェリオス様が座っている窓際に置かれたソファの前へと歩み寄った。
「お呼びでしょうか?」
「ここに座れ!」
フェリオス様が自分が腰かけているソファの横の座面をぽん、と叩く。
僕は、こくりと頷いて腰を下ろした。
ふわりと柔らかな毛布が頭からかけられる。
「フェリオス様?」
「バカが!生っ白い弱虫のくせに雪ぐらいではしゃぐから風邪をひくんだ!」
フェリオス様がそっぽを向いてぶつぶつ言う。
「お前が風邪をひいたら僕の愛人としてのつとめが疎かになるだろう!」
「はぁ・・・」
暖かい毛足の長い毛布にくるまれて僕は、思わず胸がじんとしていた。
こんなにも僕のことを思いやってくれるなんて!
「ありがとうございます、フェリオス様」
僕が礼を言うとフェリオス様がふん、と鼻を鳴らす。
「お前の主人として当然のことだ」
言いながらもちょっと顔が赤らんでいるフェリオス様に僕は、口許が緩む。
なんてかわいらしい。
僕は、とっさにフェリオス様のことを抱き締めたくなる。
きっと弟がいたらこんな感じなのだろう。
「用事は、それだったんですか?」
僕が訊ねるとフェリオス様がちらっと僕を見る。
「お前、叔父上と一緒に叔父上の家に行くのか?」
ええっ?
僕は、ちょっと驚いて目を丸くしてしまった。
なんでそのことをフェリオス様が知ってるの?
「さっき、二人でいちゃついていた時に話していただろう?」
フェリオス様が小声でぼそぼそと呟くので僕は、少し眉根を上げる。
「盗み聞きはいけませんよ?フェリオス様」
「聞くつもりがなくても窓を開けたら聞こえてしまったんだ。お前たちが人目を気にしなさずぎるんだ!」
フェリオス様が上目使いに僕を見つめる。
「で?叔父上と一緒に叔父上の家に行くつもりなのか?」
僕は、どう答えればいいのかわからなかった。
だって、僕もどうする方がいいのか、まだわからないんだから!
ロイドの側にいたい。
でも。
彼の家族に受け入れられるとは思えない。
「僕は」
「行くな!」
僕の言葉を遮ってフェリオス様が僕に命じる。
その言葉が僕の体を縛るのがわかった。
「くしゅ!」
ポリドール伯爵家の薄暗い廊下をフェリオス様の部屋へと向かう途中で僕は、くしゃみをした。
寒い。
震える体を抱き締めて僕は、ため息をつく。
ポリドール領の冬は、やはり王都育ちの僕には厳しい。
僕は、足早にフェリオス様の部屋へと歩いた。
ノックをすると中から「入れ」というフェリオス様の声が聞こえたのでドアを押し開く。
中から暖かな空気が溢れてきて僕の冷えきった体を包む。
「速くドアを閉めろ!」
フェリオス様は、なぜか不機嫌そうだ。
僕は、後ろ手にドアを閉めるとフェリオス様が座っている窓際に置かれたソファの前へと歩み寄った。
「お呼びでしょうか?」
「ここに座れ!」
フェリオス様が自分が腰かけているソファの横の座面をぽん、と叩く。
僕は、こくりと頷いて腰を下ろした。
ふわりと柔らかな毛布が頭からかけられる。
「フェリオス様?」
「バカが!生っ白い弱虫のくせに雪ぐらいではしゃぐから風邪をひくんだ!」
フェリオス様がそっぽを向いてぶつぶつ言う。
「お前が風邪をひいたら僕の愛人としてのつとめが疎かになるだろう!」
「はぁ・・・」
暖かい毛足の長い毛布にくるまれて僕は、思わず胸がじんとしていた。
こんなにも僕のことを思いやってくれるなんて!
「ありがとうございます、フェリオス様」
僕が礼を言うとフェリオス様がふん、と鼻を鳴らす。
「お前の主人として当然のことだ」
言いながらもちょっと顔が赤らんでいるフェリオス様に僕は、口許が緩む。
なんてかわいらしい。
僕は、とっさにフェリオス様のことを抱き締めたくなる。
きっと弟がいたらこんな感じなのだろう。
「用事は、それだったんですか?」
僕が訊ねるとフェリオス様がちらっと僕を見る。
「お前、叔父上と一緒に叔父上の家に行くのか?」
ええっ?
僕は、ちょっと驚いて目を丸くしてしまった。
なんでそのことをフェリオス様が知ってるの?
「さっき、二人でいちゃついていた時に話していただろう?」
フェリオス様が小声でぼそぼそと呟くので僕は、少し眉根を上げる。
「盗み聞きはいけませんよ?フェリオス様」
「聞くつもりがなくても窓を開けたら聞こえてしまったんだ。お前たちが人目を気にしなさずぎるんだ!」
フェリオス様が上目使いに僕を見つめる。
「で?叔父上と一緒に叔父上の家に行くつもりなのか?」
僕は、どう答えればいいのかわからなかった。
だって、僕もどうする方がいいのか、まだわからないんだから!
ロイドの側にいたい。
でも。
彼の家族に受け入れられるとは思えない。
「僕は」
「行くな!」
僕の言葉を遮ってフェリオス様が僕に命じる。
その言葉が僕の体を縛るのがわかった。
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