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第2章 聖女の騎士
2ー9 パーティ
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2ー9 パーティ
それからサリタニア王立魔法学園の入学式までは、あっという間だった。
わたしは、アルタス様とウルティア様につれられて王都の様々な店を訪れた。
新しい服、新しい教科書。
ほんとに多くのものを惜しみ無くお二人は、わたしのためにあつらえてくださった。
数着のドレスも。
特に目を見張った柔らかなブルーの生地を使って仕立てられるドレスは、ウルティア様の命で特別料金を支払って明後日には完成させるようにと手配された。
「明後日に大公閣下が催されるパーティーがあるの。そこであなたは、このドレスを着なくちゃいけないわ、カイラ」
なんでも、毎年、サリタニア王立魔法学園に入学する子供たちを招いてパーティを開かれるのだとか。
「そこには、今年、学園に入学する子供たちがみんな集まるのよ」
ウルティア様は、にこにこ微笑まれた。
わたしは、不安だった。
孤児院育ちのわたしが貴族の子女の中で無事に過ごせるのだろうか。
だけど、お二人の笑顔をみているとなんだか勇気が沸いてきた。
うん。
とにかくこのパーティに行かなくちゃ始まらない。
マオがわたしの頬をぴしゃりと尻尾で叩いた。
「あんたには、あたしがついてるってこと忘れないで、カイラ」
わたしは、肩にのっているマオを見て頷いた。
大公閣下のパーティの日。
朝から『グリンヒルデ』は、大騒ぎだった。
いつもよりはやく起こされたわたしは、『グリンヒルデ』のメイド長であるつり目の長い黒髪をしたリリアさんとわたしの部屋つきのメイドである小柄なルルゥさんの二人がかりでまず風呂に入れられた。
いやいやいや!
風呂ぐらい一人で入れますよ!
抵抗も虚しくわたしは、二人に丸裸にされて全身がピンクになるまで擦られた。
風呂がすんだら今度は、ウルティア様の指揮のもと、特注の青いドレスを着て、このボサボサの髪を結い上げられた。
「まあ、なんて美しい髪なの」
リリアさんが感嘆したような声を漏らす。
「なんだかとっても変わった色だけど、すごくきれいですわね」
「でしょう!」
一緒に鏡を覗き込んだウルティア様が満面の笑みで答える。
「カイラは、まるで妖精のお姫様みたいに可愛いのよ」
それからサリタニア王立魔法学園の入学式までは、あっという間だった。
わたしは、アルタス様とウルティア様につれられて王都の様々な店を訪れた。
新しい服、新しい教科書。
ほんとに多くのものを惜しみ無くお二人は、わたしのためにあつらえてくださった。
数着のドレスも。
特に目を見張った柔らかなブルーの生地を使って仕立てられるドレスは、ウルティア様の命で特別料金を支払って明後日には完成させるようにと手配された。
「明後日に大公閣下が催されるパーティーがあるの。そこであなたは、このドレスを着なくちゃいけないわ、カイラ」
なんでも、毎年、サリタニア王立魔法学園に入学する子供たちを招いてパーティを開かれるのだとか。
「そこには、今年、学園に入学する子供たちがみんな集まるのよ」
ウルティア様は、にこにこ微笑まれた。
わたしは、不安だった。
孤児院育ちのわたしが貴族の子女の中で無事に過ごせるのだろうか。
だけど、お二人の笑顔をみているとなんだか勇気が沸いてきた。
うん。
とにかくこのパーティに行かなくちゃ始まらない。
マオがわたしの頬をぴしゃりと尻尾で叩いた。
「あんたには、あたしがついてるってこと忘れないで、カイラ」
わたしは、肩にのっているマオを見て頷いた。
大公閣下のパーティの日。
朝から『グリンヒルデ』は、大騒ぎだった。
いつもよりはやく起こされたわたしは、『グリンヒルデ』のメイド長であるつり目の長い黒髪をしたリリアさんとわたしの部屋つきのメイドである小柄なルルゥさんの二人がかりでまず風呂に入れられた。
いやいやいや!
風呂ぐらい一人で入れますよ!
抵抗も虚しくわたしは、二人に丸裸にされて全身がピンクになるまで擦られた。
風呂がすんだら今度は、ウルティア様の指揮のもと、特注の青いドレスを着て、このボサボサの髪を結い上げられた。
「まあ、なんて美しい髪なの」
リリアさんが感嘆したような声を漏らす。
「なんだかとっても変わった色だけど、すごくきれいですわね」
「でしょう!」
一緒に鏡を覗き込んだウルティア様が満面の笑みで答える。
「カイラは、まるで妖精のお姫様みたいに可愛いのよ」
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