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第5章 生徒会と悪役令嬢
5ー7 一人で
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5ー7 一人で
わたしがレイナに送られて部屋へと戻るとサナが驚いた声を漏らした。
「カイラお嬢様?どうなさったんですか?」
「ちょっと、ね」
わたしは、レイナに礼をいうと浴室へと向かった。
上級貴族の子女の部屋には小さいながらも浴室が備え付けられている。
わたしが浴室に入るとサナが慌てて追ってきた。
サナは、黙ってわたしの泥だらけになったびしょびしょの制服を脱がせるとわたしの頭からお湯をかけた。
「少し、一人にしてくれる?サナ」
わたしが小声で言うと、サナは、こくりと頷いてすぐに部屋から出ていった。
わたしは、サナが用意してくれていた暖かいお湯につかってため息をついた。
水をかけられて冷えていた体がゆっくりと温もっていく。
「やっちゃったかも・・」
わたしは、ぽつりと呟いた。
あのとき。
わたしに加えられた暴力に怒った精霊たちが地震を起こしたのだ。
たぶん、精霊たちからすればアイリス様に危害を加えるつもりまではなかったのだろうが、結果的にアイリス様に怪我をさせてしまうところだった。
わたしは、お湯で顔を洗うと天井を見上げた。
「ごめんね、あなたたちに酷いことをさせてしまうところだった」
わたしは、風呂からあがると体を拭いてサナが用意してくれていた部屋着に着替えた。
浴室から出たら巨大化したマオが暴れているのをレイナとサナが押さえつけていた。
「離して!カイラをそんな酷い目にあわせた連中をやっつけに行くんだから!」
「いけません!マオ!」
サナがマオの長い毛を引っ張りながら必死にマオをなだめようとしている。
「そんなことしてもカイラ様は、喜ばれませんから!」
「そうよ、マオ」
わたしは、マオに呼び掛けた。
「わたしは、平気だから」
「カイラ!」
マオがわたしに気づいて駆け寄ってきて大きなざらざらした舌でわたしの頬をペロペロと舐める。
「ちょっと、マオ!痛いってば!」
わたしが笑いながらマオを押し退けるとマオは、わたしをじっと見つめた。
「ほんとに平気?また、一人で泣いてない?」
うん。
わたしは、頷いた。
レイナがわたしとマオを見てほっと吐息をついた。
わたしがレイナに送られて部屋へと戻るとサナが驚いた声を漏らした。
「カイラお嬢様?どうなさったんですか?」
「ちょっと、ね」
わたしは、レイナに礼をいうと浴室へと向かった。
上級貴族の子女の部屋には小さいながらも浴室が備え付けられている。
わたしが浴室に入るとサナが慌てて追ってきた。
サナは、黙ってわたしの泥だらけになったびしょびしょの制服を脱がせるとわたしの頭からお湯をかけた。
「少し、一人にしてくれる?サナ」
わたしが小声で言うと、サナは、こくりと頷いてすぐに部屋から出ていった。
わたしは、サナが用意してくれていた暖かいお湯につかってため息をついた。
水をかけられて冷えていた体がゆっくりと温もっていく。
「やっちゃったかも・・」
わたしは、ぽつりと呟いた。
あのとき。
わたしに加えられた暴力に怒った精霊たちが地震を起こしたのだ。
たぶん、精霊たちからすればアイリス様に危害を加えるつもりまではなかったのだろうが、結果的にアイリス様に怪我をさせてしまうところだった。
わたしは、お湯で顔を洗うと天井を見上げた。
「ごめんね、あなたたちに酷いことをさせてしまうところだった」
わたしは、風呂からあがると体を拭いてサナが用意してくれていた部屋着に着替えた。
浴室から出たら巨大化したマオが暴れているのをレイナとサナが押さえつけていた。
「離して!カイラをそんな酷い目にあわせた連中をやっつけに行くんだから!」
「いけません!マオ!」
サナがマオの長い毛を引っ張りながら必死にマオをなだめようとしている。
「そんなことしてもカイラ様は、喜ばれませんから!」
「そうよ、マオ」
わたしは、マオに呼び掛けた。
「わたしは、平気だから」
「カイラ!」
マオがわたしに気づいて駆け寄ってきて大きなざらざらした舌でわたしの頬をペロペロと舐める。
「ちょっと、マオ!痛いってば!」
わたしが笑いながらマオを押し退けるとマオは、わたしをじっと見つめた。
「ほんとに平気?また、一人で泣いてない?」
うん。
わたしは、頷いた。
レイナがわたしとマオを見てほっと吐息をついた。
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