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第11章 交流戦
11ー6 初恋
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11ー6 初恋
マオの話によると夜の王宮の庭をマオが散策しているとそこで出会ってしまったのだという。
「あれは、きっと『運命の番』だわ」
マオは、うっとりとした目をした。
「月明かりの下で出会ったあの方は、とってもすてきな猫竜だったわ」
なんでもその猫竜は、人形をしていたらしい。
猫竜は、成竜となると人形になることができるのだ。
「月がとってもきれいであたしは、花園の中で歌っていたの。そしたらどこからともなくその方は現れて」
その猫竜は、背が高くて長い黒髪をしていた。
そして、いつも笑っているかのような優しい金色の瞳をしているのだという。
「あたしたちが出会って言葉を交わしてお互いがお互いの『運命の番』だってわかるのには時間なんてかからなかった」
マオは、何かに酔っぱらったかのような様子だった。
わたしは、そんなマオを見たことがなかったので少し不安になっていた。
だが、マオは、心から幸せそうだった。
「でも、その方は、魔法にかけられていて名前を名乗ることができなかったの」
うん。
たぶん隷属の魔法だろう。
普通に魔物を従属させるときに使う魔法だ。
従魔にかけられた隷属の魔法を解くためにはその真名が必要となる。
だから隷属の魔法にかけられると従魔は、自分の名前が名乗れなくなる。
「その方がおっしゃるには、その方をとらえている主は、ムスタファ王国の公爵家の姫なのだとか」
マオは、ほぅっとため息をついた。
「どうにかしてあの方にかけられた魔法を解くことができないのかしら?カイラ」
わたしは、考え込んだ。
もしかしたらその猫竜にかけられた隷属の魔法は解くことができるかもしれない。
でも。
相手が他国の、おそらく今回の交流戦のために訪れているムスタファ王国の方だとしたらわたしが勝手に従魔を解放したりしたら国際問題になりかねない。
マオは、うるうるした瞳でわたしを見つめている。
「お願い、カイラ。彼に会ってほしいの!」
わたしは、明日の夜、カイラの『運命の番』に会うことになった。
だけど。
わたしは、初めての恋にうかれているマオを見つめて複雑な気持ちだった
マオの話によると夜の王宮の庭をマオが散策しているとそこで出会ってしまったのだという。
「あれは、きっと『運命の番』だわ」
マオは、うっとりとした目をした。
「月明かりの下で出会ったあの方は、とってもすてきな猫竜だったわ」
なんでもその猫竜は、人形をしていたらしい。
猫竜は、成竜となると人形になることができるのだ。
「月がとってもきれいであたしは、花園の中で歌っていたの。そしたらどこからともなくその方は現れて」
その猫竜は、背が高くて長い黒髪をしていた。
そして、いつも笑っているかのような優しい金色の瞳をしているのだという。
「あたしたちが出会って言葉を交わしてお互いがお互いの『運命の番』だってわかるのには時間なんてかからなかった」
マオは、何かに酔っぱらったかのような様子だった。
わたしは、そんなマオを見たことがなかったので少し不安になっていた。
だが、マオは、心から幸せそうだった。
「でも、その方は、魔法にかけられていて名前を名乗ることができなかったの」
うん。
たぶん隷属の魔法だろう。
普通に魔物を従属させるときに使う魔法だ。
従魔にかけられた隷属の魔法を解くためにはその真名が必要となる。
だから隷属の魔法にかけられると従魔は、自分の名前が名乗れなくなる。
「その方がおっしゃるには、その方をとらえている主は、ムスタファ王国の公爵家の姫なのだとか」
マオは、ほぅっとため息をついた。
「どうにかしてあの方にかけられた魔法を解くことができないのかしら?カイラ」
わたしは、考え込んだ。
もしかしたらその猫竜にかけられた隷属の魔法は解くことができるかもしれない。
でも。
相手が他国の、おそらく今回の交流戦のために訪れているムスタファ王国の方だとしたらわたしが勝手に従魔を解放したりしたら国際問題になりかねない。
マオは、うるうるした瞳でわたしを見つめている。
「お願い、カイラ。彼に会ってほしいの!」
わたしは、明日の夜、カイラの『運命の番』に会うことになった。
だけど。
わたしは、初めての恋にうかれているマオを見つめて複雑な気持ちだった
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