魔王に転生したら、イケメンたちから溺愛されてます

トモモト ヨシユキ

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28 恐怖の魔王降臨す

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    スイ・ナーダ・アルカトラ王子が護衛のヴィスコンティを伴ってダンジョンを訪れたのは、それから3日後のことだった。
    王都からダンジョンまでの道程をうちの長距離移動用の地竜で移動したため、わずか3日で到着した。
    これは、地竜の背に宿を背負わせた移動ホテルとでもいうものだ。
    「なかなか快適だった。気に入りました」
     スイ王子は、この移動方法がいたくお気に召した様だった。
    早朝に到着したスイを俺とビザークとで出迎えた。
   まあ、イオルグとルファスは、朝に弱いからな。
   「今日は、よろしく頼みます」
    スイは、にこやかに頭を下げた。
    「『魔王の杜』ダンジョンの見学、楽しみにしています」
    「こちらこそ、よろしくお願いします」
    俺は、営業用スマイルを浮かべた。
   「どうか、楽しんでいってください」
    スイの滞在期間は、1週間ぐらいしかないので移動時間を考えると、『魔王の杜』ダンジョンには、一泊二日の滞在となる。
    俺たちは、1日目はざっとダンジョンと街の案内をした。
   スイは、聞くもの見るもの、全てが珍しかったようでなんやかやと俺たちに質問をしてきた。
    俺たちは、答えられる範囲ですべての質問に答えた。
   スイが1番興味を示したのは、通信用スライムだった。
   スイは、これをぜひ国へ輸入したいと希望したのだが、このスライムの技術は、ウィスクール王国の王の許可がなければ外国には持ち出せないということを告げると、帰国前にしなくてはならないことが増えたと言い出した。
    俺たちは、スイをダンジョンではなく、グランの街にある最上級のホテルに宿泊してもらうことにした。
   まあ、前に王族を泊めたときのトラウマもあったが、うちのダンジョンシティのホテルは、最高だということを知ってもらうためでもあった。
    俺も、スイをもてなすために同じホテルに泊まり込んでいた。
   夕食には、ホテルのシェフの自慢のフルコースが提供された。
   内陸の街でありながら山の幸だけでなく、新鮮な海の幸まで供されてスイは、驚きを隠せなかった。
   「こんな新鮮な魚が、このような海から離れた土地で食されているとは、驚きです」
   そういうスイに、俺は、種明かしをしてやった。
   「実は、うちのダンジョンの近くにある養殖池で魚を育てているんです。だから、いつでも新鮮な魚が食べられるんです」
       「魚を育てている?」
    スイは、その意味するところを理解して俺に言った。
   「すごいです。漁に出なくっても、いつでも魚を手に入れられるなんて。素晴らしい」
   スイは、いろんなことを質問してきたので、俺たちは、深夜遅くまで話し込んだ。
   やっと、スイが 疲れて部屋へ戻って休んでくれたのは、夜明け前のことだった。
   俺は、部屋で一人、翌日、といってももう今日だったが、の視察先の確認と調整をしていた。
   すると、誰かがドアをノックしてきた。
   出てみると、そこには、ヴィスコンティの姿があった。
   「ヴィス・・」
    「ハジメ」
     ヴィスコンティは、俺に会うなり突然俺を抱き締めて、囁いた。
   「会いたかった」
    「俺も」
     俺が言うと、ヴィスコンティは、激しい噛みつくようなキスをしてきた。俺たちは、絡み合いながらベッドへと倒れ込んだ。
    「ヴィス・・ヴィスコンティ・・」
    「ハジメ」
     俺たちは、お互いの服を脱がせあうと呼吸を乱して貪るようにキスを交わした。そして、お互いの体に手を伸ばし、確かめあうように触れ合った。
    ヴィスコンティは、俺をベッドに押し倒すと持参していた香油を指に垂らし、その指を俺の中へとつぷっと差し込んできた。
    冷たい指先で中を弄られて俺の体にぞくぞくするような快感が走った。
   「あっ、あぁっ!」
    俺は、体を仰け反らせて足先を丸めてその快感に堪えていた。
   「も、来て・・ヴィス」
    俺がヴィスコンティを涙目で見上げると、ヴィスは、すでに固く立ち上がっているものを俺のそこへとあてがい、一息に俺の奥まで貫いた。
    「はっ・・あぁっ・・んっ・・」
    俺は、ヴィスコンティにしがみついて彼の腰に足を絡めた。
   ヴィスコンティは、俺の中を抽挿し始めた。俺は、その圧迫感に声を漏らした。
  「あっ!・・んぅっ・・」
    「ハジメ・・」
     ヴィスコンティは、激しく俺の奥を突いてきた。俺は、必死にヴィスにしがみついて上り詰めていく。
    今まで見たこともない高みまできたとき、ヴィスが俺の奥に熱いものを放った。俺は、それを体の中に感じながら、同時にいった。
   
   翌朝、俺は、ヴィスコンティの腕の中で目覚めた。
   「おはようございます、ハジメ」
    「お、おはよう、ヴィスコンティ」
    俺が体を起こそうとしたとき、俺のそこからどろりとしたものが両足の間へと流れ出てきた。
    俺は、頬が熱くなってヴィスコンティから体を離そうとしたが、ヴィスは、俺を離そうとはしなかった。
   「どうしたんです?ハジメ」
    「あ、あの・・風呂に、入らせて」
    俺は、ようやくそれだけ言った。
   ヴィスコンティは、すぐに俺を抱き上げるとバスルームへと連れていってくれた。
   そして、俺に壁に手をつくように促すと、ヴィスコンティは、俺のそこから溢れてくる自分の精を指で掻き出し始めた。
   「あっ!そ、そんなこと、自分で」
    「いえ、私がやります」
    ヴィスコンティは、譲らない。俺は、羞恥に堪えて全身を朱色に染めていた。
   風呂に入って身なりを整えると、俺は、スイの部屋へと向かった。
   もちろん、ヴィスコンティも一緒だ。
   なんか。
   同伴出勤みたいで恥ずかしい。
   照れてる俺に、ヴィスは、そっと口づけをした。
   スイの部屋のドアをノックするとドアが開いてスイが現れた。
   「おはようございます、ハジメ」
    「おはようございます、スイ王子」
    俺たちは、スイの部屋で朝食をとると、スイの希望しているダンジョンシティ郊外にある田畑と魚の養殖池を見学に行くことにした。
   俺たちは、小型の魔導カートに乗り込んでダンジョンシティから郊外へと向かった。
   スイは、この小型カートにも興味を示した。
   「ここは、見たこともないもので溢れています。本当に、すごい、です」
   広大な農地に着くと、俺たちは、その横の通路を歩いていった。
   スイは、ところどころに置かれているスライムに興味を持って。俺に訊ねる。
   「あれは?」
   「あれは、時間が来たら畑に水をやってくれるスライムです」
   ちょうど水やりの時間らしくスライムたちが一斉に水を噴き出した。
   水は、みるみるうちに畑を潤していく。
   「この水は、中に肥料の成分が混ざっているんです」
   スイは、手を伸ばして土に触れた。
  「いい土です」
    「ここは、最初、草も生えないような荒れ地でした。土壌改良のためのポーションをまいて、やっと、ここまでになりました」
   「土壌改良用のポーション?」
   俺は、頷いた。
   「ここには、いろんな目的のためのポーションがあります。痛み止から、土壌改良用までありとあらゆる作用のあるポーションがあります。よかったら、お土産にいかがですか?」
   
   その日の視察を終えるとスイ王子とヴィスコンティは、すぐに王都へと向かう地竜に乗って行ってしまった。
   俺は、2人を乗せた地竜がダンジョンから去っていくのをいつまでも見送っていた。
   スイ王子とヴィスコンティが王都に帰ってから数日後、ダンジョンへ一人の客がやってきた。
 その、  ボロボロの垢じみた服を身に付けた無精髭の、汚れた金髪の大男は、最初、行き倒れだと思われた。
   グランの街では、行き倒れを見つけると救護院に通報することになっていて、知らせをうけた救護院の治癒士たちが男を連れ帰り、風呂に入れ新しい服や食事を与えた。
   男は、よほど飢えていたのか、治癒士の与えた粥をガツガツとむさぼり食った。
    そして、一息つくと、彼は、言った。
  「ここは、欲望の魔王  ルファスのダンジョンなのか?」
   髭を剃るとまだ若い、少年のような幼さのある美丈夫であったその男は、子犬がすがり付くような目をして言ったらしい。
   「頼む。ルファスに、弟に会わせてくれ。私は、恐怖の魔王  エイシェス、だ」
   誰も、それを信じるものはいなかった。
   するとエイシェスは、俺に会わせろと言い暴れだした。
   救護院の壁をぶち壊し、街の一角を吹っ飛ばした辺りで、イオルグが現れた。
   「なんだ?お前は」
   美少年姿のイオルグは、エイシェスを見て舌舐めずりをした。
  「まあ、いい。来な。かわいがってやる」
   それが、3時間前のことだった。
   今、エイシェスは、俺のダンジョンの玉座の間にいた。
      エイシェスと戦い、彼をすっかり気に入ってしまったイオルグは、彼をナンパした。
   「うちに来ない?」
   エイシェスは、戸惑いながらも頷いた。
   「で?」
    俺は、玉座に腰かけたままイオルグとエイシェスを見下ろしていた。
   「お持ち帰りしたと?」
   「こいつ、なかなか、いい奴だぞ、ハジメ」
   イオルグが妙に爽やかな笑みを浮かべた。
   「恐怖の魔王とか言ってるけど、ちょっとかわいいし」
   イオルグに言われて、エイシェスが頬を赤らめた。
   えっ?
  俺は、信じられないものを見る思いだった。
   この2人、もしかして、できてるの?
  「でも、恐怖の魔王って」
   俺は、エイシェスに訊ねた。
   「なんで、俺のダンジョンに?もしかして」
   「違う」
   エイシェスは、頭を振った。
   「お前たちに害を加えるつもりは全くない」
   「なら、なんで?」
    俺が問うと、エイシェスは、俯き低い声で話し出した。
   「実は、私は、最近まで他の2人の魔王と戦っていた」
   「うん」
    俺は、頷いた。
   「知ってる」
    「俺とその2人は、とても仲がよかったんだ。子供の頃から、いつも俺たちは一緒だった」
   エイシェスは、少し涙ぐんでいる。
   「そんな俺たちの仲を引き裂いたのは、あの魔女だった」
   あの魔女?
   俺の問いたげな視線に、エイシェスは、顔を上げて叫んだ。
   「頼む!あの魔女を倒して、弟たちを救ってくれ!」
   はい?
  俺は、目を点にしてエイシェスを見つめていた。
   魔女を倒せって?
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