勇者は、今夜も眠れない~邪神の呪いを解くための番なのに年下賢者が甘やかすのをやめません~

トモモト ヨシユキ

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2 勇者、年下賢者に口説かれる。

2ー5 媚薬

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 2ー5 媚薬

 「美味しいでしょう?これは、このフローリスの都を守る大樹の実なんです」
 俺が果物を食べ終わり口許を手のこうで拭っているのを見ながらリラスは、ふっと口許を緩める。
 なんてかわいらしいのか。
 孕むのが俺ではなく、この若者なら。
 俺は、ふとそう思ってから頭を振った。
 いくら可愛らしくてもリラスも男なのだ。
 リラスが俺に微笑みかける。
 「体の具合は、どうですか?エイン様。実は、この実には、媚薬作用があるんです」
 はいっ?
 リラスがさらっと恐ろしいことを言った?
 俺は、口許を押さえうつ向く。
 全身が心臓であるかのように脈打ち出して。
 体が熱い。
 体が自由に動かない。
 俺は、体が傾ぐのを感じた。
 「エイン様!」
 ベッドの上に倒れそうになった俺をリラスが支えてくれた。
 「ふぐっ!」
 リラスに触れられた場所が燃えるように熱くて、俺は、身を固くした。
 いったい、何が起きているのか?
 呼吸を喘がせている俺をリラスは、ベッドに横たわらせた。
 「大丈夫ですか?エイン様」
 「あ、あぁ……」
 俺は、リラスの手が触れる場所が妙に敏感になっていて戸惑う。
 まるで皮膚を剥かれむき出しの神経に触れられているかのように感じてしまい息を乱す。
 リラスは、俺を覗き込み微笑んだ。
 「心配しなくてもいい。今、あなたの体は、とても不安定な状態になってるんです」
 不安定な状態?
 俺が視線で問いかけるとリラスがうっすらと頬を染めた。
 「ああ。なんていうか、あなたは、とても扇情的で。もう、このまま犯してしまいたいけど我慢しますね」
 扇情的?
 俺は、熱に浮かされるようにリラスに手を伸ばししがみつく。
 リラス。
 リラスだけが、俺を救える!
 この熱に侵された体を静めてくれる!
 俺は、無我夢中でリラスを抱き締めた。
 「エイン様!」
 リラスが俺に強く抱かれながら囁く。
 「そのようにかわいいところを見せられると僕の忍耐も持ちそうにありません!どうか、お許しを」
 リラスは、俺の腕に抱きすくめられながらそっと俺の背を手で撫でた。
 ずくんっ、と体が疼き一瞬、力が抜ける。
 その隙にリラスは、俺の脱力した体を押し倒すと俺に口づけした。
 「ぅんっ?……ふっ……あっ……」
 リラスが口移しで俺に何か甘い液体を飲ませるのを俺は、ごくり、と喉を鳴らして飲み干した。
 口の端から溢れる液体をリラスは、その赤い舌で舐めとった。
 体が痺れて。
 意識が遠退いていく?
 「安心して、エイン様」
 リラスが優しく微笑んで俺の髪を撫でる。
 「少し眠りましょうね。続きは、その後で」
 リラスに抱かれたまま、俺は、その温もりの中、眠りに落ちていった。
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