勇者は、今夜も眠れない~邪神の呪いを解くための番なのに年下賢者が甘やかすのをやめません~

トモモト ヨシユキ

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3 竜の里にて

3ー7 夜半過ぎ

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 3ー7 夜半過ぎ

 「なるほど、そういうことか」
 俺の話を聞いていたラーズがふんふん、と頷いた。
 「そういうことで賢者リラスの番に貴殿がなったということか」
 ラーズは、ごくっと杯を傾けると俺をまじまじと見た。
 「あの、飄々とした誰にも懐かんリラスが突然、番などと言い出すとはどういうことかと思っていたんだが。要は、リラスが古代魔法を復元したかったということか。それに貴殿は、都合がよかったのだな、エイン殿」
 ラーズは、ひたと俺を見つめて杯を差し出す。俺は、杯を受けとるとそれを飲み干した。
 俺は、そんなに酒が強い方ではない。
 こんな外見だからどこでも酒をすすめられることが多いが、あまり飲むことはない。
 だが、このラーズの杯は断れなかった。
 ここは、龍人の里でありラーズは、この里の長なのだ。
 リラスは、彼ら龍人族とそれなりに親しい関係を築いているようだし、俺のせいでそれを壊したくはない。
 この一夜の関係も本当なら断りたかった。
 だが、リラスのために受けることにしたのだ。
 それに、ラーズは、リラスが番であると言っている俺には、手を出すつもりはないと言っていたしな。
 俺たちは、夜半過ぎまで杯を重ねていた。
 俺は、少し酔いが回ってきたのか頭がふらふらしてきて眠くなってきていた。
 「しかし、もったいない」
 ラーズが突然、そう言って俺の手をとり俺を引き寄せた。
 覗き込む金色の瞳に戸惑っている自分自身が写っているのを俺は、ぼんやりとみていた。
 「貴殿は、そのような魔法の実験のために使われていいような者ではない!」
 はい?
 俺は、ラーズの厚い胸に抱かれたまま彼の目を見つめていた。
 「貴殿は、もっと大切に扱われるべき者だ。深い隠れ屋の奥にしまい込んで大切に愛されるべき者なのだ。それを邪神の呪いごときで男娼に堕とそうとするとか、魔法の試しに使うとか、人間は、愚かだな」
 ラーズは、俺の目を深く覗き込み囁いた。
 「もし、貴殿さえ『うん』といえば私が貴殿の呪いを解いてやる。竜の精は、どんな生き物も孕ませる力を持っているからな。賢者の可能かとうかもわからない魔法に頼るより現実的だぞ、エイン殿」
 「はぁ……」
 俺は、頭が働かなくて。
 ラーズが何を言っているのかよく理解できなかった。
 それでも。
 俺は、ラーズの腕を振りほどこうとした。
 「なぜ、私を拒もうとする?」
 ラーズが俺の両腕を押さえて俺を組敷く。
 「それとも私では、物足りないとでも言うのか?」
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