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2 勝手にスローライフ
2ー10 契約
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2ー10 契約
それから数日後、クロムウェルが待望の商人を連れてきた。
商人の人は、長い白髪のじいちゃんだった。
なんでも、長いこと後宮に出入りしている大きな商会の会頭なんだとか。
「ラウール・キンケイドと申します。どうぞ、お見知りおきを」
じいちゃんは、にっこりと笑った。
俺は、なんかじいちゃんのこと一目で気に入ってしまった。
俺には、じいちゃんはいない。
両親の親の話しは、聞いたことがないし、叔父のところでも祖父母の話しは出なかったからな。
でも、もしこんなじいちゃんがいてくれたらなぁ、と俺は、思っていた。
「なんでも野菜を売りたいとか」
じいちゃんが玄関先で庭の畑を眺めながらにこにこしている。
「確かに、いい畑だし、いい野菜のようですね。しかし、もう冬だというのにこの畑は、まるで季節感がないですな。まるで、『精霊の畑』のようですね」
はい?
『精霊の畑』?
俺が問いたげな顔をしているのに気づいたじいちゃんが話してくれた。
「それは、子供たちが読む絵本に出てくる畑で、その畑では、精霊たちが一年中の野菜を育てているといわれています。ここは、まるでその『精霊の畑』のようですね」
そうなんだ。
俺は、まじまじと緑が繁った畑を見た。
『精霊の畑』か。
よくわからないが、確かに、この畑は、俺たちの命を繋いでくれたからな。
精霊の力だって絡んでいるのかもしれないな。
じいちゃんは、俺たちの畑の野菜を買ってもいい、といってくれたが、ただし、条件があった。
じいちゃんの条件、それは、じいちゃんの孫である今年12歳になったウィルって子を侍従として雇うことだった。
「ウィルにとって後宮で側妃にお仕えすることはいい経験になることでしょう。ミコト様は、いいお方のようだし。安心して孫をお任せできます」
「でも、給金が払えないかも」
俺がぽろっと言うとじいちゃんがかっかっと大笑いした。
「給金は、かまいません。あなたにお仕えできることが大切なんですよ、ミコト様」
そうなの?
俺とじいちゃんは、野菜の販売の契約をかわした。
野菜は、2日に1度、じいちゃんの商会の人が仕入れにくる。その度に、代金は、支払うし、俺たちに必要な物資の届ける。
その代わり、明日からじいちゃんの孫のウィルがこの離宮に侍従として仕える。
「ほんとにいいの?この内容で」
俺が確認するとじいちゃんは、にかっと笑った。
「そちらこそ、これでよろしいのですかな?」
俺の方は、これで問題ないし。
こうして、俺たちは、外貨?を稼ぎつつ必要な物資に人手まで手に入れることに成功したわけだった。
ちょっと、うまくいきすぎてて怖い。
俺は、不安を感じていたが、アルフォンスとクロムウェルは、満足げだった。
「妥当な取引ですよ、ミコト様」
クロムウェルが俺に言った。
「なにしろ側妃が手ずから育てた野菜ですからね。貴族が先を争って買いますよ」
マジで?
それから数日後、クロムウェルが待望の商人を連れてきた。
商人の人は、長い白髪のじいちゃんだった。
なんでも、長いこと後宮に出入りしている大きな商会の会頭なんだとか。
「ラウール・キンケイドと申します。どうぞ、お見知りおきを」
じいちゃんは、にっこりと笑った。
俺は、なんかじいちゃんのこと一目で気に入ってしまった。
俺には、じいちゃんはいない。
両親の親の話しは、聞いたことがないし、叔父のところでも祖父母の話しは出なかったからな。
でも、もしこんなじいちゃんがいてくれたらなぁ、と俺は、思っていた。
「なんでも野菜を売りたいとか」
じいちゃんが玄関先で庭の畑を眺めながらにこにこしている。
「確かに、いい畑だし、いい野菜のようですね。しかし、もう冬だというのにこの畑は、まるで季節感がないですな。まるで、『精霊の畑』のようですね」
はい?
『精霊の畑』?
俺が問いたげな顔をしているのに気づいたじいちゃんが話してくれた。
「それは、子供たちが読む絵本に出てくる畑で、その畑では、精霊たちが一年中の野菜を育てているといわれています。ここは、まるでその『精霊の畑』のようですね」
そうなんだ。
俺は、まじまじと緑が繁った畑を見た。
『精霊の畑』か。
よくわからないが、確かに、この畑は、俺たちの命を繋いでくれたからな。
精霊の力だって絡んでいるのかもしれないな。
じいちゃんは、俺たちの畑の野菜を買ってもいい、といってくれたが、ただし、条件があった。
じいちゃんの条件、それは、じいちゃんの孫である今年12歳になったウィルって子を侍従として雇うことだった。
「ウィルにとって後宮で側妃にお仕えすることはいい経験になることでしょう。ミコト様は、いいお方のようだし。安心して孫をお任せできます」
「でも、給金が払えないかも」
俺がぽろっと言うとじいちゃんがかっかっと大笑いした。
「給金は、かまいません。あなたにお仕えできることが大切なんですよ、ミコト様」
そうなの?
俺とじいちゃんは、野菜の販売の契約をかわした。
野菜は、2日に1度、じいちゃんの商会の人が仕入れにくる。その度に、代金は、支払うし、俺たちに必要な物資の届ける。
その代わり、明日からじいちゃんの孫のウィルがこの離宮に侍従として仕える。
「ほんとにいいの?この内容で」
俺が確認するとじいちゃんは、にかっと笑った。
「そちらこそ、これでよろしいのですかな?」
俺の方は、これで問題ないし。
こうして、俺たちは、外貨?を稼ぎつつ必要な物資に人手まで手に入れることに成功したわけだった。
ちょっと、うまくいきすぎてて怖い。
俺は、不安を感じていたが、アルフォンスとクロムウェルは、満足げだった。
「妥当な取引ですよ、ミコト様」
クロムウェルが俺に言った。
「なにしろ側妃が手ずから育てた野菜ですからね。貴族が先を争って買いますよ」
マジで?
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