異世界から嫁に来ました~あんなこと(エロ)もこんなこと(子作り)もなく冷遇されてますが、何か?~

トモモト ヨシユキ

文字の大きさ
31 / 131
2 勝手にスローライフ

2ー10 契約

しおりを挟む
 2ー10 契約

 それから数日後、クロムウェルが待望の商人を連れてきた。
 商人の人は、長い白髪のじいちゃんだった。
 なんでも、長いこと後宮に出入りしている大きな商会の会頭なんだとか。
 「ラウール・キンケイドと申します。どうぞ、お見知りおきを」
 じいちゃんは、にっこりと笑った。
 俺は、なんかじいちゃんのこと一目で気に入ってしまった。
 俺には、じいちゃんはいない。
 両親の親の話しは、聞いたことがないし、叔父のところでも祖父母の話しは出なかったからな。
 でも、もしこんなじいちゃんがいてくれたらなぁ、と俺は、思っていた。
 「なんでも野菜を売りたいとか」
 じいちゃんが玄関先で庭の畑を眺めながらにこにこしている。
 「確かに、いい畑だし、いい野菜のようですね。しかし、もう冬だというのにこの畑は、まるで季節感がないですな。まるで、『精霊の畑』のようですね」
 はい?
 『精霊の畑』?
 俺が問いたげな顔をしているのに気づいたじいちゃんが話してくれた。
 「それは、子供たちが読む絵本に出てくる畑で、その畑では、精霊たちが一年中の野菜を育てているといわれています。ここは、まるでその『精霊の畑』のようですね」
 そうなんだ。
 俺は、まじまじと緑が繁った畑を見た。
 『精霊の畑』か。
 よくわからないが、確かに、この畑は、俺たちの命を繋いでくれたからな。
 精霊の力だって絡んでいるのかもしれないな。
 じいちゃんは、俺たちの畑の野菜を買ってもいい、といってくれたが、ただし、条件があった。
 じいちゃんの条件、それは、じいちゃんの孫である今年12歳になったウィルって子を侍従として雇うことだった。
 「ウィルにとって後宮で側妃にお仕えすることはいい経験になることでしょう。ミコト様は、いいお方のようだし。安心して孫をお任せできます」
 「でも、給金が払えないかも」
 俺がぽろっと言うとじいちゃんがかっかっと大笑いした。
 「給金は、かまいません。あなたにお仕えできることが大切なんですよ、ミコト様」
 そうなの?
 俺とじいちゃんは、野菜の販売の契約をかわした。
 野菜は、2日に1度、じいちゃんの商会の人が仕入れにくる。その度に、代金は、支払うし、俺たちに必要な物資の届ける。
 その代わり、明日からじいちゃんの孫のウィルがこの離宮に侍従として仕える。
 「ほんとにいいの?この内容で」
 俺が確認するとじいちゃんは、にかっと笑った。
 「そちらこそ、これでよろしいのですかな?」
 俺の方は、これで問題ないし。
 こうして、俺たちは、外貨?を稼ぎつつ必要な物資に人手まで手に入れることに成功したわけだった。
 ちょっと、うまくいきすぎてて怖い。
 俺は、不安を感じていたが、アルフォンスとクロムウェルは、満足げだった。
 「妥当な取引ですよ、ミコト様」
 クロムウェルが俺に言った。
 「なにしろ側妃が手ずから育てた野菜ですからね。貴族が先を争って買いますよ」
 マジで?
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

【完結】王子様たちに狙われています。本気出せばいつでも美しくなれるらしいですが、どうでもいいじゃないですか。

竜鳴躍
BL
同性でも子を成せるようになった世界。ソルト=ペッパーは公爵家の3男で、王宮務めの文官だ。他の兄弟はそれなりに高級官吏になっているが、ソルトは昔からこまごまとした仕事が好きで、下級貴族に混じって働いている。机で物を書いたり、何かを作ったり、仕事や趣味に没頭するあまり、物心がついてからは身だしなみもおざなりになった。だが、本当はソルトはものすごく美しかったのだ。 自分に無頓着な美人と彼に恋する王子と騎士の話。 番外編はおまけです。 特に番外編2はある意味蛇足です。

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

義理の家族に虐げられている伯爵令息ですが、気にしてないので平気です。王子にも興味はありません。

竜鳴躍
BL
性格の悪い傲慢な王太子のどこが素敵なのか分かりません。王妃なんて一番めんどくさいポジションだと思います。僕は一応伯爵令息ですが、子どもの頃に両親が亡くなって叔父家族が伯爵家を相続したので、居候のようなものです。 あれこれめんどくさいです。 学校も身づくろいも適当でいいんです。僕は、僕の才能を使いたい人のために使います。 冴えない取り柄もないと思っていた主人公が、実は…。 主人公は虐げる人の知らないところで輝いています。 全てを知って後悔するのは…。 ☆2022年6月29日 BL 1位ありがとうございます!一瞬でも嬉しいです! ☆2,022年7月7日 実は子どもが主人公の話を始めてます。 囚われの親指王子が瀕死の騎士を助けたら、王子さまでした。https://www.alphapolis.co.jp/novel/355043923/237646317

幸せな復讐

志生帆 海
BL
お前の結婚式前夜……僕たちは最後の儀式のように身体を重ねた。 明日から別々の人生を歩むことを受け入れたのは、僕の方だった。 だから最後に一生忘れない程、激しく深く抱き合ったことを後悔していない。 でも僕はこれからどうやって生きて行けばいい。 君に捨てられた僕の恋の行方は…… それぞれの新生活を意識して書きました。 よろしくお願いします。 fujossyさんの新生活コンテスト応募作品の転載です。

病み墜ちした騎士を救う方法

無月陸兎
BL
目が覚めたら、友人が作ったゲームの“ハズレ神子”になっていた。 死亡フラグを回避しようと動くも、思うようにいかず、最終的には原作ルートから離脱。 死んだことにして田舎でのんびりスローライフを送っていた俺のもとに、ある噂が届く。 どうやら、かつてのバディだった騎士の様子が、どうもおかしいとか……? ※欠損表現有。本編が始まるのは実質中盤頃です

愛され少年と嫌われ少年

BL
美しい容姿と高い魔力を持ち、誰からも愛される公爵令息のアシェル。アシェルは王子の不興を買ったことで、「顔を焼く」という重い刑罰を受けることになってしまった。 顔を焼かれる苦痛と恐怖に絶叫した次の瞬間、アシェルはまったく別の場所で別人になっていた。それは同じクラスの少年、顔に大きな痣がある、醜い嫌われ者のノクスだった。 元に戻る方法はわからない。戻れたとしても焼かれた顔は醜い。さらにアシェルはノクスになったことで、自分が顔しか愛されていなかった現実を知ってしまう…。 【嫌われ少年の幼馴染(騎士団所属)×愛され少年】 ※本作はムーンライトノベルズでも公開しています。

魔王の求める白い冬

猫宮乾
BL
 僕は交通事故に遭い、別の世界に魔王として転生した。最強の力を貰って。だから何度勇者が訪れても、僕は死なない。その内に、魔王はやはり勇者に倒されるべきだと思うようになる。初めはそうではなかった、僕は現代知識で内政をし、魔族の国を治めていた。けれど皆、今は亡い。早く僕は倒されたい。そう考えていたある日、今回もまた勇者パーティがやってきたのだが、聖剣を抜いたその青年は、同胞に騙されていた。※異世界ファンタジーBLです。全85話、完結まで書いてあるものを、確認しながら投稿します。勇者×魔王です。

亡国の王弟は女好きの騎士に溺愛される

コムギ
BL
アラバンド国の王弟ルカーシュは、騎士のシモンによって地下牢から救い出された。 その時、肌に触れたシモンに、やけどのような怪我を負わせてしまう。 ルカーシュは北の魔女の末裔であり、魔力を持っていた。 魔力を持たない者に触れると、怪我をさせてしまうという。 騎士団長からの命令で、シモンはルカーシュの護衛につくことになった。 ※他サイトにも掲載しています。

処理中です...