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番外編
自愛が産む慈愛。
しおりを挟む(生徒会とレーネ)
※茶会以降のどっかです。今回は1人ずつとの会話(+レーネの無関心)のリクエストとの事だったので、1話ずつ更新します。レーネがすごく塩ですが、彼は大多数の人間(仕事モードの時の国民には別)にこんな感じです。
副会長:ノエル・シトリン
「こんにちは」
「……副会長様」
今日も今日とてノアと共に昼餉を取り、教室へと戻ろうと片付けをしていたその時。背後からかけられた透き通った美声に、俺はくるりと振り返った。すると何処からか姿を表した美麗な青年、又の名を『フォスフォフィライト王立魔法学園生徒会副会長』ノエル・シトリンが此方をにこやかに柔和な笑みを浮かべて見つめている。
突然現れた己の兄に、隣のノアがパチパチと目を瞬かせ、ボソリと「兄上」と呟いた。それに更に笑みを深めた副隊長はゆっくりと此方へ足を進めると、顔つきに似合った柔らかい手つきでノアの髪の毛を優しく撫でた。
そのまま仲睦まじく話し始める兄弟をぼんやりと見つめながら、俺は片付けた荷物を風で浮かせる。そしてなんとなく故郷の兄のことを思い出して、小さく息を吐いた。
「ああ、ごめんねレーネ君」
「いえ」
そんな俺の溜息を如何取ったのか、副会長が慌てたように俺の顔を覗き込み、眉を下げて謝罪してくるのにかぶりを振る。それでも何処か不安げな様子を崩さない(一見普通だが)彼に、俺は何となく意外に思いながらも「仲良しなんですね」なんて会話の糸口を作ってみた。
以前の茶会では、こんなに俺の態度や仕草を気にするような様子は見せなかったから。何か、俺とノアに思うことでもあるのではないかと思って。
ほら、俺とノアを引き裂こうとでもしようとしているのなら、早めに対処しておく必要があるだろう?
しかし、彼はぱぁあ、と寧ろ晴れやかな表情すら浮かべ、深く頷いてみせた。そのまま棒立ちのノアの腕に寄り添うように抱きつき、「うん、とってもね」なんて返してくる。
如何やら、心の奥底で警戒されているーーなんて事でもないらしい。俺は内心で何度か首を傾げながらも、ふと疑問に思っていたことを口にしてみる。
「ーーそういえば、ノアは風紀委員だよな。風紀委員会と生徒会は仲が良くないって聞いてたけど、流石に兄弟間はその辺関係ない感じ?」
途端、びきり。と音がなりそうな程、副会長の表情が固く凍りついた。次いでノアが無言のまま気まずげに視線を逸らすのを見て。俺は開けてはいけない扉を開いてしまったことに気がつく。うわ、面倒臭いことになった。
聞いた癖に面倒そうに顔を歪めた俺を呆れたように見下ろすノア。対して、ノアとお揃いの黄金色の瞳を不穏に煌めかせた副会長はニッコリと笑みを浮かべて俺の両肩をガシリと掴む。途端周囲の生徒達から嫉妬と羨望の悲鳴が聞こえてきた。
「レーネ君、生徒会とか興味ない?」
「ないです」
「まぁそう言わずに」
即答する俺を真っ直ぐに見下ろしながらにこやかに美麗な笑みを浮かべて俺を見下ろす副会長を見上げ、俺も同様に笑みを返した。さっさと退かしてしまっても良いのだが、流石はノアの兄というべきかーーそこそこ筋肉が付いていて若干苦戦しそうなのだ。そして俺は必要以上に労力を使いたくない。それに昼餉を食べて眠い。
ふわぁ、と欠伸すら漏らす俺を尚も一心に見つめる副会長。すると、中々に混沌を極めたこの状況に痺れを切らしたのか、ノアが大きく溜息をついた。
「……わ」
「レーネは入るとしても風紀委員会なんで」
「いいや、彼のような品行方正な青年には生徒会の方が向いてるんじゃないかな。勿論ノアもね?」
「いや、強いレーネには風紀委員会が最適ですよ」
「あれ?でも、成績優秀者の殆どは生徒会にいるけれど?」
「座学での強さと実戦での強さを一緒にされても」
俺の背後から腰に腕を回すように抱きしめてきたノアが、そのまま俺の肩越しに副会長を真っ直ぐ睨みあげる。しかし、威圧的に見上げるノアに目の前の男は全く怯える事なく柔和な笑みを称え、直様皮肉げな言葉を紡いだ。
かたや笑顔で、かたや無表情で皮肉の応酬を続ける彼等。勧誘された当の本人である俺を置いてけぼりにした会話に、俺は退屈を極めて宙を見上げる。わあ、おそらきれい。
「……あの、そもそもどちらに入るつもりもありませんので」
ラルム先輩にもやめとけって言われたし。そもそも嫌だし。俺がそう言うと、ノアと副会長は心なし残念そうな顔をしながらも漸く冷戦を切り上げて、副会長は俺の肩から手を離した。しかし、なかなかその場を去ろうとしない。
何か言いたげな表情のままそわそわと視線を泳がせている彼に姿を見つめノアが不思議そうに首を傾げている。すると、暫くして漸く決心がついたのか、1つ大きく息を吸った副会長は真っ直ぐに何故か俺の顔を見下ろした。
そして、彼の口から放たれた言葉。
俺は思わず目を瞬いた。
ノアと離れ(大分渋られた)、副会長の後ろをついていくようにして大食堂へとやってきた俺達は、副会長の登場に大歓声を上げる生徒たちの間を通り過ぎ、日の光が適度に差し込む豪奢なテラス席で足を止めた。煩いのがとにかく苦手な俺は、知らず死ぬほど鬱陶しげな表情を浮かべていたのだろう。副会長を見て顔を赤らめた生徒が、俺を見て顔を蒼くしている。そんな彼らの様子に苦笑していた副会長が、「座って」と優しく声を掛けてくれた。俺は表情を改め、先に腰を下ろしていた彼に倣って目の前に座る。
1階と2階に分かれている大食堂の2階にあるこのテラス席は、紫階級と赤階級の生徒しか入る事のできない特権区域だ。翡翠階級の生徒は2階までは上がる特権があるので何度か見た事自体はあるが、実際に足を踏み入れるのは今日が初めてである。草花が見栄え良く植えられ、眼下には俺達が普段利用している大広場が一望できる景観の良さ。
いいなぁここ、なんて考えながらキョロキョロと辺りを見回している間にも、副会長は従業員の男に適当に何かを注文してくれていた。ちなみに学園での身分的には当然俺がすべきことである。ごめんなさい。
「ありがとうございます」
「うんん、大丈夫だよ?此方こそ勝手に紅茶とお茶菓子注文しちゃったけれど、良かった?」
「はい、大丈夫です」
お茶菓子ならば大歓迎。間髪入れずに頷いた俺に、彼は何処かほっとした様に眉を下げて微笑んでくれた。そしてもう1度確かめるように「ごめんね」なんて呟く副会長。茶会での自身に溢れた彼とは随分違って見えるその様子。神経質なところがあるのだろうか。
他愛ない話をしながら時間を過ごし(そして当然午後の講義はサボりである)、従業員が紅茶と茶菓子を準備して去っていったところで、俺は漸く本題に入る事にした。……本題が何かは知らないが。一応にこやかに社交界用の笑みを浮かべ、彼の顔を覗き見る。副会長はカップの中の紅茶をひたすら見つめていた。
「2人で話さない?ーーなんて、副会長様に仰っていただけるとは。光栄です」
「そう言ってくれると嬉しいよ」
「そんな、副会長様直々にお誘いをいただいて断る人なんていませんよ」
「……なんだかその言い方、ノアに怒られそう……いるよ?風紀とか」
美人が真顔になると、その威圧感も人一倍である。思わず目を逸らして鳥肌が立った腕をさすると、そんな俺を冷たい黄金色で見つめていた副会長がクスクスと楽しそうに微笑んでくれる。怖いよぉ。
「ノアとは本当に仲よくしてくれているんだね。嬉しいよ」
「……えぇ。お陰様で」
随分と含みを持たせた言い方をする。しかし、そこに悪意や嫌みの響きが全くないのだからやりづらい。俺は笑顔を崩さずに茶菓子に手を付け、再度不自然にならないよう気を付けて副会長へと視線を投げた。
美しい草花を背景に紅茶を優雅に啜る副会長は、ノアと同じ配色をしているものの全く似ても似つかない。どちらかというとうちの第1王子と雰囲気だけは似ている。……第1王子から悪辣さと不気味さと底意地の悪さと残虐さと変態さと成長しなさと傲慢さを抜けばほとんど同じだ。ーー話が逸れたな。
「あ、違うよ、皮肉とかじゃなくて、とにかくノアが誰かに関心を持つなんて珍しくて」
「関心、と言いますか、中々どうして刺激的な初対面になってしまったので……」
「うーん、そういう事じゃないんだよね」
あわあわと両手を動かしながら目を見開いて口早に告げる副会長。言葉が見つからないのか首を傾げ始める彼に俺も知らず反対側に首を傾げた。すると2人で頭を傾ける不思議な光景をどう解釈したのか、従業員が追加の茶菓子を持ってくる。会釈をして有難く受け取ると、彼はにこやかに微笑んでーーそして何故か顔色悪く周囲を見回して去っていった。……ああ、ユズとセスが近くにいるな。
そんな束の間の出来事の間に何とか話を整理しきったらしい目の前の青年は、傾けた首を真っ直ぐに戻して俺の目をじっと見つめてくる。そして、何処か自嘲的な笑みを浮かべて再び視線を下げた。
さぁあ、と風が穏やかに流れる魔力の音がする。うんうん、この時間は人間も風も一番眠たい時間だよね。
「ノアにはーー僕もなんだけれど。ずっと級友以外いなかったんだ。好きな人も嫌いな人も、家族以外には特にいない。……違うな。皆のことが好きなんだよね。等しく、分け隔てなく、特筆することもなく」
「……博愛、ですか」
「『シトリン家』を皆がそう評価するね。博愛主義者。誰のでも優しくて天の使いを体現したような一族」
彼の言葉に俺もこくりと頷く。俺だってノアは確実に先祖の血筋の何処かで天の使いの血が入っていると信じて疑っていない。でなければ、あそこまで人間に優しくあれるわけがないと思う。
しかし、彼らにとってそれは誉め言葉にはならないのだろう。首肯した俺を何とも言えない哀愁を漂わせて見つめた黄金色が、更に傷ついたような色を湛えた。とはいえ俺は特に彼に対して何の感情も持っていない為、特に気にすることもなく追加の茶菓子をどんどん咀嚼していく。無くなりそうになるたびに足しに来る従業員とも目線だけで挨拶を交わす仲になった。そう思っているのは俺だけだと思うが。
まあ、「博愛」と言えば聞こえは良いが、その実ただの無関心と何の違いもないのかもしれない。誰にも深く心を寄せない。寄り添うことはない。ただ天上から見つめるが如く平坦さ。そして、そう謳われ讃えられている本人は少なくともそう受け止めているのだろう。副会長は目を伏せ、憂いを全面に浮かべている。
俺はそんな彼から視線を外し、美しい空を見上げた。そう言えばノアも、「友達がいない」なんて口にしていたことがあった気がする。あの時は謙遜か、親友とまで呼べる人間がいないだけかと思っていたが、彼もそういった自分の特性の事を示唆していたのかもしれない。ーーまぁ、もう俺がいるしな。いや、俺じゃダメか。居なくなっちゃうし。
ならば、ノアの為にも俺は目の前の男の話をキチンと聞いてやる必要がある。少々やる気を持ち直した俺は、再び項垂れている副会長へと視線を戻した。
「僕も、ずっと何にも興味が持てなくて。人の話とか、人の過去とかまるでどうでもいいんだよね。なんの面白みも感動も同情も感じられないんだ。そのくせ人の輪から外れるのは恐ろしくて、だから表向きだけ取り繕ってる」
笑っていれば褒めそやされ、誰にでも優しいノエル・シトリンが出来上がった。眉を下げて微笑めば、人は自分に同情してくれていると思い込んでくれた。嫌みを言われても興味がないから何も感じない。なのに、自分の知らない所で勝手に作り上げられていく偶像が、気付けば彼を「副会長」にまで伸し上がらせていた。
けれど、そこには本当の自分はいないのだ。
がり、と恐らくは無意識に髪の毛を搔き乱す副会長。その目は異様に見開かれ、何か恐ろしいものに追われてでもいるかのような切迫感があった。そんな彼の様子を俺はただ黙って見つめ、クリームがたっぷり入った菓子を頬張る。
「気付けば、外に出た瞬間張り付いたように笑顔になるようになってしまって。ーーでも、そんなこと今更誰にも言えない。本当の自分を知ったら嫌われてしまうんじゃないかと思うと恐ろしくて仕方がないんだ。周囲の人の表情が気になって仕方がない。反応を伺って、怯えて、でもそれも言えなくてただ笑ってーー」
「……俺はよろしいので?」
「……うん。異国の人だからかな。それに、君は僕にずっと関心がないだろう?」
遠慮も配慮もなく頷くと、彼は特にショックを受けるでもなく「僕も」なんて頷いて見せた。
彼にとって、俺は列記とした部外者なのだろう。自分が庇護すべき生徒という訳でもなく、自分に好意を寄せて近づく生徒でもなく。けれど、自分と同じような性質の弟と交友を深めた謎の男。
まぁ、とどのつまりノアは、彼のように外面を取り繕う愛想がなかったから文字通り遠巻きにされることになったらしい。なんとも彼らしいというかなんというか。思わず苦笑すると、目の前の男は不思議そうに目を瞬かせた。
「ノアが、人に執着する姿を初めて見たものだから、きっと欲が生まれてしまったんだろうね」
しかし、彼の葛藤や渇望は結局埋まることはない。副会長は己の周りの人間の言葉を信用できないのだから。常に警戒して疑って言葉の裏を読もうとして、でも出来ないから笑って誤魔化す。言葉自体には興味はないからただ疲れる。
かと思えば、自分と同類であると思っていた弟が、突如目の前に降って湧いた異国の少年に心を許して懐きだしたのだ。その時の衝撃たるや如何程だったか。
そう語る副会長の顔には、相変わらず人好きのする笑みが張り付いている。俺達の席と厨房を何度か往復する従業員の姿がなくなれば、彼の防護結界は外れるのだろうか。まあ、正直興味はない。
口の中にあったお菓子が喉の奥に全て消えていくのを確認し、俺は徐に口を開いた。
「何となく癇に障る言い方ですがーー博愛主義、八方美人、無関心、微妙に違う色々な言い方がありますが、そのどれも俺は別に悪いこととは思いませんよ。何なら俺も基本的に有象無象に興味など欠片もありませんし」
「……そうかな。僕は、良いとは思えない」
「まぁ、俺は人の輪に交じっていたいなんて思ったことはあまりないのでそこの違いでしょうね」
俺は自分を好いて近づいてくれる人だけでいい。そうでない人間の中に入ったって、無駄な悪意や嫉妬、憎悪を買うだけだ。とはいえ今回は俺ではなく彼の状況の話なので、自分の真似をしろだなんて助言はお門違いである。俺は静かに紅茶を啜り、今一度副会長の瞳を見上げた。
そんなに気にしなくていいですよ。とも思うのだがーーそれはきっと、一番「言われたくない」言葉だろう。
「愛や情から1歩引いたところから、俯瞰的に物事を捉えて上手く立ち回る事が出来るのならば、それは悪いことにはならないでしょう。寧ろ、副会長様のように立場ある人間には必要不可欠な能力です」
「……」
「そもそも、前提からして違うと思うのですが。笑って誤魔化している内に副会長になったのではなく、笑って聞いて受け入れてくれたから、副会長になって欲しいと願ったのでは?ーー生徒や教師や、理事長が」
ぽかん、とそれでも上品に口を開いた副会長に、俺は微笑みかける。ただただ適当に人に相槌だけを打つような人間が、多くの生徒に支持されるわけがない。人は人の悪意や無関心に気付くものだ。
勿論彼の実力や容姿、そういった部分も人気に作用してはいるだろうけれど。それだけで人はついてこない事を俺はよく知っている。だって、それだけで人気者になれるなら、俺はもっと学園や騎士団内でちやほやされていたはずだもの。俺程強くて顔もいい人間が学園と騎士団の通算友達3人だぞ。ーーどちらにも関係ないカレンを抜いたら2人だぞ。どう考えてもおかしいだろ。いや別に要らないんだけど。
ーー俺のことはさておき。なんだか謎に胸が痛んできたのでかぶりを振って思考を整理し直し、もう1度口を開く。
「人が何故貴方に相談し、話すのか。それは、貴方がどんな話も笑顔で聞いてくれるからです」
「でも、興味は持ってないんだよ?」
「聞いてくださるだけで充分なんですよ。……それに、そもそも人ってそこそこの友人の話にそれ程親身になって聞いたりしないと思いますよ。普通他人の家族の話とか過去の話とか興味あります?少なくとも俺は全くありません」
自分が関与していれば話は変わりますが。
そう締めくくってもう1度茶菓子を1口で飲み込めば、呆然と俺を見つめていた副会長が慌ててすっかり冷めてしまった紅茶を啜った。
暫し、テラスに沈黙の帷が降りる。
何か考え込むように口に手を当てて目を伏せる副会長の事は放っておいて、俺は流れる風に頬ずりをして目を閉じる。ねぇ、飽きたから帰りたいって言ったら怒られるかな。うーんやっぱり?だって実際興味なくない?
それに。俺は未だ納得いっていない様子の副会長を呆れ半分に見つめ、深くため息を吐いた。視線が寄こされる。
「少なくとも、招待頂いた生徒会様方の茶会での副会長様は、先程ほど気負っていらっしゃるようには見えませんでしたが」
「……彼らはほら、自分にしか興味がないから」
「……」
アンタもだろうが。とは言えず、俺はもう黙って時間をやり過ごすことにした。
結局皆、自分が可愛いのだ。それでいい。
ーーもう帰っていいかな。
「そう言えば、生徒会勧誘に関しては冗談でも何でもないよ?テオが望んでるんだ。ーーそれに、僕も」
「成程、お断り申し上げます」
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