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新婚
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◇新婚◇
スペンダー邸に迎えられたミーナスは、部屋へと案内された。
持参した平服に着替えると、部屋まで夕食が運ばれて来た。
派手ではないが、落ち着いた調度品と、バランスの良い食事。
シーツがピンと張ってあるベッド。
いずれも今までのミーナスの生活には、なかったものだ。
冤罪で神殿を追放され、子爵家に迷惑をかけた。
健康を取り戻した国王の温情がなければ、身一つで国外追放になるところであった。
王命により、イリオス・スペンダーとの婚姻となった。
イリオスは第二王子直属の近衛騎士だった。
王命を承ることで彼は出世した。
イリオスに悪いことをしたと、ミーナスは思う。
イリオスは騎士としては痩躯だが、剣術の腕は騎士団でもずば抜けていると聞く。
長い黒髪を後ろで縛り、伏し目がちで寡黙なイリオスは、聖女たちにも人気がある。
おそらくイリオスには、心に決めた女性がいたであろう。
何も、醜聞まみれの偽聖女など、娶らなくても良いだろうに。
『愛することはない』
きっと、イリオスの精一杯の自己主張だ。
彼が王命を受けてくれたから、ミーナスは踏みとどまれた。
この母国にも。
真っ当な人間としても……。
恩は返す。
必ず。
ミーナスは湯浴み後に、ベッドサイドで祈りを捧げていると、ためらいがちなノック音が聞えた。
イリオスはミーナスの横に座り、膝の上に置かれたミーナスの手を取る。
「少し、話をして良いか?」
「はい」
イリオスは視線を上げて、ミーナスを見る。
「その……。辛く、ないのか?」
「何がでしょう?」
「愛してもいない男と夫婦生活を送ることだ」
ミーナスは顔をゆっくり横に振る。
「私は、イリオス伯に助けられましたから」
「後継ぎを、作らなければ、ならないが」
「承知しております」
ベッドサイドの灯りを受けた、ミーナスの体が朱に染まっている。
男と同衾した女だったことを思い出し、イリオスは昂ぶりを押さえずに全裸になる。
腰はほっそりとしているが、両の乳房は意外に豊かだ。
ミーナスの上に乗り、イリオスは深い接吻を交わす。
ミーナスはぎゅっと目を閉じたまま、イリオスに任せている。
薄紅色の乳首に唇を這わせると、ミーナスは小さく呻いた。
秘部に指を滑らせ、蜜が零れていることを確かめると、イリオスは分身を埋めていく。
遊んでいるわりに、キツイ。
しかも内部は小刻みにうねり、イリオスの快感を煽る。
眼下のミーナスは、唇を噛みしめている。
その唇に再び吸い付きながら、彼は何度も何度も、充血した己の先端を打ち付ける。
ミーナスの子宮の入口に、肉茎が届く。
無数の襞に包まれて、イリオスは精を吐き出した。
翌朝、シーツに残る破瓜の印を見たイリオスは、思わず頭を抱えた。
まさか。
まさか、初めてだとは、思っていなかった……。
スペンダー邸に迎えられたミーナスは、部屋へと案内された。
持参した平服に着替えると、部屋まで夕食が運ばれて来た。
派手ではないが、落ち着いた調度品と、バランスの良い食事。
シーツがピンと張ってあるベッド。
いずれも今までのミーナスの生活には、なかったものだ。
冤罪で神殿を追放され、子爵家に迷惑をかけた。
健康を取り戻した国王の温情がなければ、身一つで国外追放になるところであった。
王命により、イリオス・スペンダーとの婚姻となった。
イリオスは第二王子直属の近衛騎士だった。
王命を承ることで彼は出世した。
イリオスに悪いことをしたと、ミーナスは思う。
イリオスは騎士としては痩躯だが、剣術の腕は騎士団でもずば抜けていると聞く。
長い黒髪を後ろで縛り、伏し目がちで寡黙なイリオスは、聖女たちにも人気がある。
おそらくイリオスには、心に決めた女性がいたであろう。
何も、醜聞まみれの偽聖女など、娶らなくても良いだろうに。
『愛することはない』
きっと、イリオスの精一杯の自己主張だ。
彼が王命を受けてくれたから、ミーナスは踏みとどまれた。
この母国にも。
真っ当な人間としても……。
恩は返す。
必ず。
ミーナスは湯浴み後に、ベッドサイドで祈りを捧げていると、ためらいがちなノック音が聞えた。
イリオスはミーナスの横に座り、膝の上に置かれたミーナスの手を取る。
「少し、話をして良いか?」
「はい」
イリオスは視線を上げて、ミーナスを見る。
「その……。辛く、ないのか?」
「何がでしょう?」
「愛してもいない男と夫婦生活を送ることだ」
ミーナスは顔をゆっくり横に振る。
「私は、イリオス伯に助けられましたから」
「後継ぎを、作らなければ、ならないが」
「承知しております」
ベッドサイドの灯りを受けた、ミーナスの体が朱に染まっている。
男と同衾した女だったことを思い出し、イリオスは昂ぶりを押さえずに全裸になる。
腰はほっそりとしているが、両の乳房は意外に豊かだ。
ミーナスの上に乗り、イリオスは深い接吻を交わす。
ミーナスはぎゅっと目を閉じたまま、イリオスに任せている。
薄紅色の乳首に唇を這わせると、ミーナスは小さく呻いた。
秘部に指を滑らせ、蜜が零れていることを確かめると、イリオスは分身を埋めていく。
遊んでいるわりに、キツイ。
しかも内部は小刻みにうねり、イリオスの快感を煽る。
眼下のミーナスは、唇を噛みしめている。
その唇に再び吸い付きながら、彼は何度も何度も、充血した己の先端を打ち付ける。
ミーナスの子宮の入口に、肉茎が届く。
無数の襞に包まれて、イリオスは精を吐き出した。
翌朝、シーツに残る破瓜の印を見たイリオスは、思わず頭を抱えた。
まさか。
まさか、初めてだとは、思っていなかった……。
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