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騎士団長の想い side イリオス
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side イリオス
朝になってから、俺は頭を抱えた。
妻となった女性は、『初めて』だったのだ。
神殿からも王宮からも、彼女の悪評は聞こえていた。
聖女の立場を利用して、金を巻き上げている。
癒しの施術と言っては、男と肌を重ねている。
国王陛下を術にかけ、騙した。
初めは噂を笑った。
ミーナスは、他の聖女たちよりも地味で、まとう雰囲気は誰よりも清々しいものだった。
しかし決定的だったのは、王宮別邸の一室で、下級騎士と同衾しているところを、他の聖女たちに見つけられたことだ。
王宮は騒然とし、彼女は聖女の名を剥奪され、第二王子との婚約も破棄された。
その後国王より、元聖女ミーナスとの婚姻を命じられた時には、さすがに焦った。
いかに元聖女とはいえ、そんな身持ちの悪い女との結婚はしたくなかった。
「そなたには、騎士団長になってもらう」
出世と引き換えの結婚だと、親には言った。
反対されるかと思ったが、意外にも父は頷いた。
「彼女の悪評は、わたしも知っている。だが、真実を語るのは、お前の目で、確かめてみてからで良い」
父も長らく国王付の騎士を勤め、王宮での醜聞を見聞きしていた。
人を見る目は鍛えられている。
父が反対しなかったので、俺は少々安堵した。
俺自身の目で、か。
そう言えば、たまに王宮内で、聖女の四人組、クローバー聖女を見かけたっけ。
三人の聖女たちは、薄化粧して、ニコニコと愛想良かった。
騎士団の連中も、「ニコルさん、カワイイなあ」とか「ルリアナ様と握手した」とか騒いでいた。
ミーナスは、いつも一人遅れて、静かに歩いていた。
化粧気なしで、平凡な髪型で、すれ違うと俺みたいな者にも、軽く頭を下げて行った。
俺は聖女たちの中で、彼女が一番好ましいと思っていた。
だから、悪評を聞いた時、正直がっかりしたのだ。
しかも、聖女が男と寝たなんて。
先に目覚めた俺の横で、微かな寝息を立てているミーナス。
華奢な肩に毛布をかける。
初めてだなんて、思ってもいなかった。
俺自身、決して身綺麗に生きているわけではない。
されど、豊富な女性経験を持ってもいない。
初めての夜伽は、痛みがあっただろう。
もっと、優しくすれば良かった。
「ゴメンな……」
俺はミーナスの髪を一房取り、口づけを落とす。
結婚式での口づけよりも、唇は温かかった。
朝になってから、俺は頭を抱えた。
妻となった女性は、『初めて』だったのだ。
神殿からも王宮からも、彼女の悪評は聞こえていた。
聖女の立場を利用して、金を巻き上げている。
癒しの施術と言っては、男と肌を重ねている。
国王陛下を術にかけ、騙した。
初めは噂を笑った。
ミーナスは、他の聖女たちよりも地味で、まとう雰囲気は誰よりも清々しいものだった。
しかし決定的だったのは、王宮別邸の一室で、下級騎士と同衾しているところを、他の聖女たちに見つけられたことだ。
王宮は騒然とし、彼女は聖女の名を剥奪され、第二王子との婚約も破棄された。
その後国王より、元聖女ミーナスとの婚姻を命じられた時には、さすがに焦った。
いかに元聖女とはいえ、そんな身持ちの悪い女との結婚はしたくなかった。
「そなたには、騎士団長になってもらう」
出世と引き換えの結婚だと、親には言った。
反対されるかと思ったが、意外にも父は頷いた。
「彼女の悪評は、わたしも知っている。だが、真実を語るのは、お前の目で、確かめてみてからで良い」
父も長らく国王付の騎士を勤め、王宮での醜聞を見聞きしていた。
人を見る目は鍛えられている。
父が反対しなかったので、俺は少々安堵した。
俺自身の目で、か。
そう言えば、たまに王宮内で、聖女の四人組、クローバー聖女を見かけたっけ。
三人の聖女たちは、薄化粧して、ニコニコと愛想良かった。
騎士団の連中も、「ニコルさん、カワイイなあ」とか「ルリアナ様と握手した」とか騒いでいた。
ミーナスは、いつも一人遅れて、静かに歩いていた。
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俺は聖女たちの中で、彼女が一番好ましいと思っていた。
だから、悪評を聞いた時、正直がっかりしたのだ。
しかも、聖女が男と寝たなんて。
先に目覚めた俺の横で、微かな寝息を立てているミーナス。
華奢な肩に毛布をかける。
初めてだなんて、思ってもいなかった。
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初めての夜伽は、痛みがあっただろう。
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「ゴメンな……」
俺はミーナスの髪を一房取り、口づけを落とす。
結婚式での口づけよりも、唇は温かかった。
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