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空の中で暮らす
ふたり部屋
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「ばあちゃんや。
とりあえず葉織はわしが診とくから、予定通り羽香奈を部屋へ案内してあげなさい」
祖母と違って祖父は背筋がぴんとして、身長も高く、白髪と顔のしわさえなければ老人らしく見えないしゃんとした男性だった。
表情が険しくて、威圧感があって、ちょっと怖い。
羽香奈は少し萎縮してしまう。
「はい、はい、そうですね。
羽香奈ちゃん、私についてきてちょうだいね」
元店舗スペースは土間になっていて、住宅に上がるまでに石の段差と上り框を乗り越えなければならなかった。
足腰の衰えた祖母にとっては辛そうだ。
手助けをしてあげたいと思いつつも、土間は広くても住居スペースの廊下が狭すぎて先に上がるにしても手を貸せるような余分なスペースがなく、おろおろしてしまう。
羽香奈の心配はさておき、祖母は時間がかかりながらも「よっこいしょ」と呟いて、無事に廊下に上がった。
羽香奈もサンダルを脱いで後に続く。
そういえば初めましてと言いながら名乗るのを忘れていたね、ごめんねぇと言いながら、祖母は自分の名前がハツ、祖父の名前が半蔵であると教えてくれた。
住居の方には台所、風呂トイレの他には祖父母の寝室、葉織と母・波雪が一緒に寝ていた部屋、かつて商品をしまっていた倉庫の三部屋しかなかった。
外観からもわかっていたが小さな住宅だ。
土産物屋をしていたというくらいだし、取扱いの商品数も多かったとうかがえる、段数の多い木製の棚がある。
そこに窮屈そうに身を寄せて並んでいるのは、手のひらサイズのたくさんの人形だった。
「これ……木彫りの人形ですか?」
訊ねずとも葉織が作ったんだろうと想像はつくが、確かめたいこともあって羽香奈はあえてハツに問いかける。
「ああ、これねぇ。
葉織が趣味で作るんだよ。
材料の木も海で拾い集めてきてね」
葉織の不思議な力のことを、祖父母はどこまで知っているんだろう。
ハツの回答からははっきりとは掴めなかった。
「今日からここが羽香奈ちゃんの部屋だね」
その部屋には、壁に沿って二段ベッドが、窓際に勉強机が置いてあった。
しかし葉織は、今はその机で勉強はしていないらしいと見ただけでわかる。
波雪の遺影が、海を眺められるように少し斜めがかったような角度で置かれていた。
銀色のアルミ製と思われるスープ皿が写真の手前に置かれていて、中には木屑のようなものが散らばっている。
まだ四十九日すら迎えておらず、骨壺も置かれたまま。
とりあえず葉織はわしが診とくから、予定通り羽香奈を部屋へ案内してあげなさい」
祖母と違って祖父は背筋がぴんとして、身長も高く、白髪と顔のしわさえなければ老人らしく見えないしゃんとした男性だった。
表情が険しくて、威圧感があって、ちょっと怖い。
羽香奈は少し萎縮してしまう。
「はい、はい、そうですね。
羽香奈ちゃん、私についてきてちょうだいね」
元店舗スペースは土間になっていて、住宅に上がるまでに石の段差と上り框を乗り越えなければならなかった。
足腰の衰えた祖母にとっては辛そうだ。
手助けをしてあげたいと思いつつも、土間は広くても住居スペースの廊下が狭すぎて先に上がるにしても手を貸せるような余分なスペースがなく、おろおろしてしまう。
羽香奈の心配はさておき、祖母は時間がかかりながらも「よっこいしょ」と呟いて、無事に廊下に上がった。
羽香奈もサンダルを脱いで後に続く。
そういえば初めましてと言いながら名乗るのを忘れていたね、ごめんねぇと言いながら、祖母は自分の名前がハツ、祖父の名前が半蔵であると教えてくれた。
住居の方には台所、風呂トイレの他には祖父母の寝室、葉織と母・波雪が一緒に寝ていた部屋、かつて商品をしまっていた倉庫の三部屋しかなかった。
外観からもわかっていたが小さな住宅だ。
土産物屋をしていたというくらいだし、取扱いの商品数も多かったとうかがえる、段数の多い木製の棚がある。
そこに窮屈そうに身を寄せて並んでいるのは、手のひらサイズのたくさんの人形だった。
「これ……木彫りの人形ですか?」
訊ねずとも葉織が作ったんだろうと想像はつくが、確かめたいこともあって羽香奈はあえてハツに問いかける。
「ああ、これねぇ。
葉織が趣味で作るんだよ。
材料の木も海で拾い集めてきてね」
葉織の不思議な力のことを、祖父母はどこまで知っているんだろう。
ハツの回答からははっきりとは掴めなかった。
「今日からここが羽香奈ちゃんの部屋だね」
その部屋には、壁に沿って二段ベッドが、窓際に勉強机が置いてあった。
しかし葉織は、今はその机で勉強はしていないらしいと見ただけでわかる。
波雪の遺影が、海を眺められるように少し斜めがかったような角度で置かれていた。
銀色のアルミ製と思われるスープ皿が写真の手前に置かれていて、中には木屑のようなものが散らばっている。
まだ四十九日すら迎えておらず、骨壺も置かれたまま。
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