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15 魔力持ちの減少
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「今後、ヒカル様も神子として世界各地を浄化する旅に出られると思います。ですが、恐らく歴代の神子の中でも確実に危険度の高い旅になることが予想されます」
「……どういう事?」
「神子が世界を回る時は、魔物に襲われた時に神子をお守り出来るよう必ず護衛が多く付きます。ですが、ここ最近の人間で攻撃魔法を扱える人は極僅かなのです。瘴気によって凶暴化した魔物と戦う場面は多くなるでしょう。その時に剣や槍などの武術でしか対抗できないのです」
え? 攻撃魔法を扱える人がほとんどいない……?
この世界は魔法があって、俺はその魔法によってこの世界へと呼ばれた。人を召喚する魔法なんて、攻撃魔法よりも大変な魔法だと思う。なのにそれよりも攻撃魔法が扱えないって意味がわからない。
「残念なことに魔法を扱えるほどの魔力を持つ人間が減っているのです。魔道具に魔力を流すくらいの少量の魔力しかない人間がほとんどになりました」
「その原因ってわかってるの?」
「はっきりとは分かっていません。ですが……」
ランドルは一度言葉を切り、仮説ですが、と前置きをして話を続けてくれた。
「豊富な魔力持ちが減り始めたのは約400年程前からだと言われています。それから徐々にですが世界各地で魔力持ちが減り、現在、この国ではその豊富な魔力持ちはオースティン様だけとなりました」
オースティンさんは先祖返りの為、魔力量も膨大なんだそうだ。だから今のこの国の中で、攻撃魔法まで扱える人はオースティンさんただ1人。他国であればまだ30人ほどいるらしい。この国だけが極端に魔力持ちが減ってしまっている。
その理由は恐らくだが、神子を蔑ろにした結果なのではないか。このヘインズ公爵家ではそう考えられているらしい。
女神の加護を持つ神子をただの道具よろしく扱うこの世界は、神々の不興を買ってしまい魔力持ちが減ったのではないか。そんな仮説が出ているが、今の時代はもう神と直接会話をすることは出来ない。確かめようがない。
「ですが魔力持ちが減少し始めたのは約400年前から。5代目神子様から段々と神子様への扱いは酷くなっていきました。その時からですから一番有力な仮説となっています」
一番有力な仮説と思われている理由だが、他国では神子の存在を蔑ろにする風潮はかなり薄いかららしい。この国は神子を召喚できる唯一の国。そして神子を派遣することで、他国との力関係も常に一番上。
そうやって長い年月を過ごしてきたこの国は、私腹を肥やす味を覚えてしまいそれを止めることなく進んできた。
傲慢になった国だからこそ、神子へ敬う心を忘れたからこそ、魔力持ちの減少が加速したのではないかと言われている。
もちろんこの仮説はただの仮説。そしてそれを最初に唱えた人は国に捕まり、事実無根の話を広めた犯罪者だとして処刑されたそうだ。だからこの国ではこの話はタブーとされている。
「あれ? じゃあなんでこの国は俺を召喚することが出来たの? オースティンさんが召喚したってこと?」
魔力持ちがほとんどいなくて攻撃魔法すら扱えないのに、どうして召喚なんて大掛かりな魔法が使えたのか不思議で仕方ない。
「いいえ。神子召喚に関してオースティン様は関わっていません。神子召喚は100年に1度行われることはご存知かと思いますが、召喚してから次の召喚までの100年の間に、召喚陣は少しずつ魔力を蓄えていくのです。ですのでこちら側が行う事はただ発動させるだけ。ですので魔力持ちがいなくとも、召喚陣の魔力で神子を召喚することが出来るのです」
そういう事だったのか。自分達に魔力が無くても召喚陣が勝手に必要な魔力を蓄えてくれる。それに100年という時間はかかるが、召喚に必要な膨大な魔力を自分たちで用意する必要がないから、魔力持ちがいなくてもこの国はずっと傲慢でいられたんだ。
「この国は段々と狂って行きました。魔力持ちがいなければ結界の維持が出来ません。ですがこの国は他の国と違い魔力持ちの減少が激しかった。そこでこの国は他国から魔力持ちを派遣するよう要請しました」
神子が召喚する度に、神子を派遣し瘴気の浄化と豊穣の祈りを捧げてきたことでこの国は常に強い姿勢を貫いてきた。神子の派遣の度に多額の報奨金を請求してきたが、他国はそれに対し断ることは出来なかった。
何故なら結界の強化や瘴気の浄化を行えなければ、最悪国が滅んでしまうからだ。
そして魔力持ちが激減したこの国は、他国へ魔力持ちを派遣させるよう要請する。だが実際は要請ではなく強制。しかも無償でだ。
それに難色を示す国がほとんどだったが、最終的にはその条件を飲むしかなかった。次の神子召喚で瘴気の浄化を行わないと言われたから。
「それから何人もの魔力持ちがこの国へとやってきました。そして結界を維持するために働いていたのですが……」
ランドルはそこで言葉を区切り、悲痛な面持ちで黙ってしまった。それだけで、かなり良くないことがあったのだとわかる。きっと俺に聞かせたくないことなんだろう。だけど一つ息を吐くと重い口を開いた。
「この国は結界が綻ぶことを良しとしていません。魔物は段々と凶暴になり各地を襲っています。そのせいで結界にひびが入る度に魔力持ちに結界を維持させてきました。魔力持ちと言えど、膨大な量を持っているわけではありません。なのに無理やり魔力を使わされたお陰で――こちらの国へ派遣された他国の魔力持ちは全員死亡しました」
「は……?」
死んだ? あまりの事に頭が付いて行かない。
「魔力が枯渇すると、生命維持が出来なくなり死亡します。それはこの世界では常識です。それが分かっていながらこの国は、無理やり魔力を使わせていたのです」
中にはあまりの辛さに逃げ出した人もいたらしい。だけど直ぐに捕まり犯罪者として奴隷となり、無理やり力を使わされた。しかも遺体は元の国へ返されることなく、この国で処理された。
「遺品も何もかも燃やされるそうです。他国はこの国に対し激しい憎悪を抱いています。ですが神子の召喚を行えるのはこの国だけ」
「……だから何もできない」
「はい。この国はもう狂っているのです。非人道的なことを平気で出来る国が神子を召喚し、世界に安らぎを齎すなんて滑稽以外の何者でもありません……」
あまりにも重い話に、この日の授業はそれで終わった。
「……どういう事?」
「神子が世界を回る時は、魔物に襲われた時に神子をお守り出来るよう必ず護衛が多く付きます。ですが、ここ最近の人間で攻撃魔法を扱える人は極僅かなのです。瘴気によって凶暴化した魔物と戦う場面は多くなるでしょう。その時に剣や槍などの武術でしか対抗できないのです」
え? 攻撃魔法を扱える人がほとんどいない……?
この世界は魔法があって、俺はその魔法によってこの世界へと呼ばれた。人を召喚する魔法なんて、攻撃魔法よりも大変な魔法だと思う。なのにそれよりも攻撃魔法が扱えないって意味がわからない。
「残念なことに魔法を扱えるほどの魔力を持つ人間が減っているのです。魔道具に魔力を流すくらいの少量の魔力しかない人間がほとんどになりました」
「その原因ってわかってるの?」
「はっきりとは分かっていません。ですが……」
ランドルは一度言葉を切り、仮説ですが、と前置きをして話を続けてくれた。
「豊富な魔力持ちが減り始めたのは約400年程前からだと言われています。それから徐々にですが世界各地で魔力持ちが減り、現在、この国ではその豊富な魔力持ちはオースティン様だけとなりました」
オースティンさんは先祖返りの為、魔力量も膨大なんだそうだ。だから今のこの国の中で、攻撃魔法まで扱える人はオースティンさんただ1人。他国であればまだ30人ほどいるらしい。この国だけが極端に魔力持ちが減ってしまっている。
その理由は恐らくだが、神子を蔑ろにした結果なのではないか。このヘインズ公爵家ではそう考えられているらしい。
女神の加護を持つ神子をただの道具よろしく扱うこの世界は、神々の不興を買ってしまい魔力持ちが減ったのではないか。そんな仮説が出ているが、今の時代はもう神と直接会話をすることは出来ない。確かめようがない。
「ですが魔力持ちが減少し始めたのは約400年前から。5代目神子様から段々と神子様への扱いは酷くなっていきました。その時からですから一番有力な仮説となっています」
一番有力な仮説と思われている理由だが、他国では神子の存在を蔑ろにする風潮はかなり薄いかららしい。この国は神子を召喚できる唯一の国。そして神子を派遣することで、他国との力関係も常に一番上。
そうやって長い年月を過ごしてきたこの国は、私腹を肥やす味を覚えてしまいそれを止めることなく進んできた。
傲慢になった国だからこそ、神子へ敬う心を忘れたからこそ、魔力持ちの減少が加速したのではないかと言われている。
もちろんこの仮説はただの仮説。そしてそれを最初に唱えた人は国に捕まり、事実無根の話を広めた犯罪者だとして処刑されたそうだ。だからこの国ではこの話はタブーとされている。
「あれ? じゃあなんでこの国は俺を召喚することが出来たの? オースティンさんが召喚したってこと?」
魔力持ちがほとんどいなくて攻撃魔法すら扱えないのに、どうして召喚なんて大掛かりな魔法が使えたのか不思議で仕方ない。
「いいえ。神子召喚に関してオースティン様は関わっていません。神子召喚は100年に1度行われることはご存知かと思いますが、召喚してから次の召喚までの100年の間に、召喚陣は少しずつ魔力を蓄えていくのです。ですのでこちら側が行う事はただ発動させるだけ。ですので魔力持ちがいなくとも、召喚陣の魔力で神子を召喚することが出来るのです」
そういう事だったのか。自分達に魔力が無くても召喚陣が勝手に必要な魔力を蓄えてくれる。それに100年という時間はかかるが、召喚に必要な膨大な魔力を自分たちで用意する必要がないから、魔力持ちがいなくてもこの国はずっと傲慢でいられたんだ。
「この国は段々と狂って行きました。魔力持ちがいなければ結界の維持が出来ません。ですがこの国は他の国と違い魔力持ちの減少が激しかった。そこでこの国は他国から魔力持ちを派遣するよう要請しました」
神子が召喚する度に、神子を派遣し瘴気の浄化と豊穣の祈りを捧げてきたことでこの国は常に強い姿勢を貫いてきた。神子の派遣の度に多額の報奨金を請求してきたが、他国はそれに対し断ることは出来なかった。
何故なら結界の強化や瘴気の浄化を行えなければ、最悪国が滅んでしまうからだ。
そして魔力持ちが激減したこの国は、他国へ魔力持ちを派遣させるよう要請する。だが実際は要請ではなく強制。しかも無償でだ。
それに難色を示す国がほとんどだったが、最終的にはその条件を飲むしかなかった。次の神子召喚で瘴気の浄化を行わないと言われたから。
「それから何人もの魔力持ちがこの国へとやってきました。そして結界を維持するために働いていたのですが……」
ランドルはそこで言葉を区切り、悲痛な面持ちで黙ってしまった。それだけで、かなり良くないことがあったのだとわかる。きっと俺に聞かせたくないことなんだろう。だけど一つ息を吐くと重い口を開いた。
「この国は結界が綻ぶことを良しとしていません。魔物は段々と凶暴になり各地を襲っています。そのせいで結界にひびが入る度に魔力持ちに結界を維持させてきました。魔力持ちと言えど、膨大な量を持っているわけではありません。なのに無理やり魔力を使わされたお陰で――こちらの国へ派遣された他国の魔力持ちは全員死亡しました」
「は……?」
死んだ? あまりの事に頭が付いて行かない。
「魔力が枯渇すると、生命維持が出来なくなり死亡します。それはこの世界では常識です。それが分かっていながらこの国は、無理やり魔力を使わせていたのです」
中にはあまりの辛さに逃げ出した人もいたらしい。だけど直ぐに捕まり犯罪者として奴隷となり、無理やり力を使わされた。しかも遺体は元の国へ返されることなく、この国で処理された。
「遺品も何もかも燃やされるそうです。他国はこの国に対し激しい憎悪を抱いています。ですが神子の召喚を行えるのはこの国だけ」
「……だから何もできない」
「はい。この国はもう狂っているのです。非人道的なことを平気で出来る国が神子を召喚し、世界に安らぎを齎すなんて滑稽以外の何者でもありません……」
あまりにも重い話に、この日の授業はそれで終わった。
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