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コンラートside
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そして翌日、彼女に声を掛けてみた。だが非常に怯えた表情をされてしまう。
「昨日は走って去ってしまわれましたが、お体の調子が悪かったのですか?」
また逃げられてはたまらない。逃がさないと目線で訴えた。もちろん表面上は誰からも好かれる微笑みを携えて。
すると謝罪の言葉を叫びながら凄まじい勢いで土下座をするアルタマン嬢。周りは何事かと視線が集まってくる。
まさかの展開で私も微動だにすることが出来なかった。
そこへ側にいた殿下が「お、お前っ、嫌われてるじゃないかっ…」と笑いだす。こちらとしては笑い事じゃない。
これ以上視線を集めることは得策ではないため、彼女の手をとり立たせる。そのまま有無を言わせない様、昼食時時間を取る様約束をさせた。
昼食時、びくびくとする彼女に少しイライラしてしまい、少々キツイ事を言ってしまった。それを殿下に窘められ、私が話したかったことはそうじゃないと思い直す。隣から呆れた視線が突き刺さっている。
「アルタマン嬢、そんなに怯えなくても大丈夫だ。
コンラートは態度にはあまり出さないがなかなかの自信家でね。成績も優秀、顔も、まぁ私よりは劣るがかなり綺麗な顔をしている。女性はこぞってコンラートと仲良くなりたいと憧れる存在でもある」
「……ええ、はい。そうですね。存じております」
私のフォローを入れるためか、殿下が自分の自慢を交えながらそんなことを仰った。
……勉学では勝てずとも、顔は私に勝っているとそう思っていたんですね。なるほど。
「そんなコンラートが学力で打ち負かされ、声を掛けたら逃げられてかなりショックを受けてしまったようでね。こんなことは今まで無かったからどうしていいのかわからなかったんだ」
「え? ショックだったんですか?」
「そう。信じられないだろう? 何をやっても他の追随を許さず女性にだってモテたコンラートなのに、君には全部ひっくり返されてしまった。だから昨日のこいつは落ち込みがすごくてね。いやぁ、良いものを見せてもらったよ」
「殿下! そんなことは今はいいのです!」
全く。余計なことまで話し出す殿下。だが、せっかく殿下が下さったチャンスだ。ここを利用しないでどうする。
「……なんというか、私は今まで私以上の成績を出すものに出会ったことはありませんでした。何かをやれば簡単になんでも出来てしまう。自分の力を過信していました。いい気になっていたんです。でも貴女が現れた。今回の試験は手を抜かず全力を出しました。ですが結果は貴女に負けてしまいました」
「……すみません」
「勘違いしないでください。謝ってほしいわけではありません。私の方こそ感謝を申し上げたいと思ったのです」
隣から殿下の視線を感じる。きっと私を見定めているのだろう。
「へ? 感謝? 暴言ではなく?」
「…………貴女は私を何だと思っているのですか?」
……隣で殿下が笑いをこらえて震えている。もういっそのこと声を出して笑ってくれ。
「初めこそイラつきはしましたが、上には上がいる。そう知らしめてくれました。私の目を覚ましてくださいました。
――だから私は貴女をライバルに決めました」
「はい!? ライバル!?」
「次こそは貴女に勝ちます。負けません。覚悟してください」
「そういう訳だ。こいつは今まで負けたことがないからね。初めての敗北で闘志を燃やしてしまった。だからこいつの為にも君はライバルとして頑張ってほしい。よろしくね」
「……はい」
彼女の顔は非常に困惑していた。だが、私が変わるきっかけを殿下も後押ししてくれた。卑怯だとは思うが、殿下からもこう言われてしまっては断れはしない。
これで私は自分の実力を、限界を試すことが出来る。油断なんてするものか。必ず彼女との勝負に勝つ。
そう思っていたのに――。
次に訪れた2度目の試験。私はいつも以上に真剣に取り組んだ。その結果、私は1位だった。だが。
「は……? アルタマン嬢が、5位?」
2位ならばわかる。だが、前回から大きく落とし5位……? 彼女が? 放課後も図書室で一心不乱に勉強している彼女が?
そんなに今回の試験は難しかっただろうか…。思い返してみるが、しっかりと勉強していればさほど難しい問題ではなかったはずだ。では一体なぜ…?
視線を動かせばすぐに彼女の姿を見つけることが出来た。そしてその表情はほっと胸をなでおろした表情だった。
もしや手を抜いた…? それもわざと……?
その可能性を考えたら私の怒りを止めることが出来なかった。
「ベティーナ・アルタマン!!」
彼女の元へ行き、逃げられない様壁に手をつき行く先を塞いだ。
「どういうことですか? なんですかあの成績は! あれが貴女の実力ですか!!
…まさか貴女、わざと手を抜いたんじゃないでしょうね」
私がそう言えば、彼女はびくりと体を震わせた。目線はうろつき私の顔を見ようともしない。
「……なんてことを」
なんてことをしてくれたんだ貴女はッ!
私が貴女をライバルと認め、私が変わるきっかけとなったのにッ! そのために勝負を挑んだのにッ! それをッ! 貴女はッ!
「貴女は……貴女は私を侮辱する気ですか!? こんなことをされて私が喜ぶとでも!? なぜ手を抜いたりしたんだ!? 貴女は私を嘗めすぎだ!」
あまりの侮辱に怒りが爆発し、壁を殴りつけそのままの勢いで彼女を怒鳴りつけた。
「あ…ごめ……な、さ…」
カタカタと震え、一筋の涙が頬を伝う。
その時初めて彼女がどれほど私に怯えていたか、私はか弱い女性に高圧的に怒鳴りつけてしまったことに気が付いた。
ハッとして行く先を塞いだ手が緩んだ。その隙を付き彼女は駆け出し逃げ出した。
それを私は呆然と見ているしか出来なかった。
「あ……私はっ……」
なんてことをしてしまったんだ。謝らなければ……。
彼女を追いかけようと足を向けた時、私の腕を掴み動きを止められる。視線を向ければそれは殿下だった。
「待て。今彼女を追いかければ更に追い詰めてしまうだろう。ここは一旦彼女に時間をあげた方がいい。それにお前に話しておくことがある。場所を変えるぞ」
「昨日は走って去ってしまわれましたが、お体の調子が悪かったのですか?」
また逃げられてはたまらない。逃がさないと目線で訴えた。もちろん表面上は誰からも好かれる微笑みを携えて。
すると謝罪の言葉を叫びながら凄まじい勢いで土下座をするアルタマン嬢。周りは何事かと視線が集まってくる。
まさかの展開で私も微動だにすることが出来なかった。
そこへ側にいた殿下が「お、お前っ、嫌われてるじゃないかっ…」と笑いだす。こちらとしては笑い事じゃない。
これ以上視線を集めることは得策ではないため、彼女の手をとり立たせる。そのまま有無を言わせない様、昼食時時間を取る様約束をさせた。
昼食時、びくびくとする彼女に少しイライラしてしまい、少々キツイ事を言ってしまった。それを殿下に窘められ、私が話したかったことはそうじゃないと思い直す。隣から呆れた視線が突き刺さっている。
「アルタマン嬢、そんなに怯えなくても大丈夫だ。
コンラートは態度にはあまり出さないがなかなかの自信家でね。成績も優秀、顔も、まぁ私よりは劣るがかなり綺麗な顔をしている。女性はこぞってコンラートと仲良くなりたいと憧れる存在でもある」
「……ええ、はい。そうですね。存じております」
私のフォローを入れるためか、殿下が自分の自慢を交えながらそんなことを仰った。
……勉学では勝てずとも、顔は私に勝っているとそう思っていたんですね。なるほど。
「そんなコンラートが学力で打ち負かされ、声を掛けたら逃げられてかなりショックを受けてしまったようでね。こんなことは今まで無かったからどうしていいのかわからなかったんだ」
「え? ショックだったんですか?」
「そう。信じられないだろう? 何をやっても他の追随を許さず女性にだってモテたコンラートなのに、君には全部ひっくり返されてしまった。だから昨日のこいつは落ち込みがすごくてね。いやぁ、良いものを見せてもらったよ」
「殿下! そんなことは今はいいのです!」
全く。余計なことまで話し出す殿下。だが、せっかく殿下が下さったチャンスだ。ここを利用しないでどうする。
「……なんというか、私は今まで私以上の成績を出すものに出会ったことはありませんでした。何かをやれば簡単になんでも出来てしまう。自分の力を過信していました。いい気になっていたんです。でも貴女が現れた。今回の試験は手を抜かず全力を出しました。ですが結果は貴女に負けてしまいました」
「……すみません」
「勘違いしないでください。謝ってほしいわけではありません。私の方こそ感謝を申し上げたいと思ったのです」
隣から殿下の視線を感じる。きっと私を見定めているのだろう。
「へ? 感謝? 暴言ではなく?」
「…………貴女は私を何だと思っているのですか?」
……隣で殿下が笑いをこらえて震えている。もういっそのこと声を出して笑ってくれ。
「初めこそイラつきはしましたが、上には上がいる。そう知らしめてくれました。私の目を覚ましてくださいました。
――だから私は貴女をライバルに決めました」
「はい!? ライバル!?」
「次こそは貴女に勝ちます。負けません。覚悟してください」
「そういう訳だ。こいつは今まで負けたことがないからね。初めての敗北で闘志を燃やしてしまった。だからこいつの為にも君はライバルとして頑張ってほしい。よろしくね」
「……はい」
彼女の顔は非常に困惑していた。だが、私が変わるきっかけを殿下も後押ししてくれた。卑怯だとは思うが、殿下からもこう言われてしまっては断れはしない。
これで私は自分の実力を、限界を試すことが出来る。油断なんてするものか。必ず彼女との勝負に勝つ。
そう思っていたのに――。
次に訪れた2度目の試験。私はいつも以上に真剣に取り組んだ。その結果、私は1位だった。だが。
「は……? アルタマン嬢が、5位?」
2位ならばわかる。だが、前回から大きく落とし5位……? 彼女が? 放課後も図書室で一心不乱に勉強している彼女が?
そんなに今回の試験は難しかっただろうか…。思い返してみるが、しっかりと勉強していればさほど難しい問題ではなかったはずだ。では一体なぜ…?
視線を動かせばすぐに彼女の姿を見つけることが出来た。そしてその表情はほっと胸をなでおろした表情だった。
もしや手を抜いた…? それもわざと……?
その可能性を考えたら私の怒りを止めることが出来なかった。
「ベティーナ・アルタマン!!」
彼女の元へ行き、逃げられない様壁に手をつき行く先を塞いだ。
「どういうことですか? なんですかあの成績は! あれが貴女の実力ですか!!
…まさか貴女、わざと手を抜いたんじゃないでしょうね」
私がそう言えば、彼女はびくりと体を震わせた。目線はうろつき私の顔を見ようともしない。
「……なんてことを」
なんてことをしてくれたんだ貴女はッ!
私が貴女をライバルと認め、私が変わるきっかけとなったのにッ! そのために勝負を挑んだのにッ! それをッ! 貴女はッ!
「貴女は……貴女は私を侮辱する気ですか!? こんなことをされて私が喜ぶとでも!? なぜ手を抜いたりしたんだ!? 貴女は私を嘗めすぎだ!」
あまりの侮辱に怒りが爆発し、壁を殴りつけそのままの勢いで彼女を怒鳴りつけた。
「あ…ごめ……な、さ…」
カタカタと震え、一筋の涙が頬を伝う。
その時初めて彼女がどれほど私に怯えていたか、私はか弱い女性に高圧的に怒鳴りつけてしまったことに気が付いた。
ハッとして行く先を塞いだ手が緩んだ。その隙を付き彼女は駆け出し逃げ出した。
それを私は呆然と見ているしか出来なかった。
「あ……私はっ……」
なんてことをしてしまったんだ。謝らなければ……。
彼女を追いかけようと足を向けた時、私の腕を掴み動きを止められる。視線を向ければそれは殿下だった。
「待て。今彼女を追いかければ更に追い詰めてしまうだろう。ここは一旦彼女に時間をあげた方がいい。それにお前に話しておくことがある。場所を変えるぞ」
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