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8 ソレを押し付けないでください
まずは魔力操作から。もう一人で別の魔法を同時発動できるようになったため、魔力操作は以前とは比べ物にならないくらい格段によくなっている。滑らかに魔力を動かしたら右手に結界魔法、左手に治癒魔法を発動させる。それも難なく出来ると早速本題だ。
「ジョシュア、もう訓練を始めていたのか」
「わっ! ……びっくりしたぁ」
結界魔法に治癒魔法を仕込もうと思った矢先、ヴァージルに声をかけられびくりと肩を竦ませる。そのヴァージルを見ればまだ乾ききっていない髪が彼の色気をさらに際立たせていた。
「お、脅かすなよ! 今から早速やってみようと思ってたんだ」
「そうか。じゃあお互い頑張ろう」
「ひぅっ!」
頑張ろうと言ったヴァージルは今までにないくらい、優しい満面の笑顔だった。普段より色気が跳ね上がっているヴァージルにそんな顔をされてどうしてもドキドキせざるを得ない。いかんいかんと雑念を払い、早速魔法を発動させる。
ゆっくりと結界を張り、魔力の質が変わるその瞬間に治癒魔法をかける。だが一度で成功することは出来なかった。だがこれが出来ることは分かっている。後はタイミングだけだ。
だが不思議な事に何度やっても成功しない。出来るはずなのに出来ない。それがジョシュアを不安にさせた。
「ジョシュア、力み過ぎだ。もう少し力を抜け。いつものお前らしくないぞ」
「っ!?」
ヴァージルがそっと後ろから、まるで抱きしめる様な形で手に触れて来た。そしてそこからヴァージルの魔力が流れてくる。
一瞬びくりとしたジョシュアも、ヴァージルの魔力に励まされている感じがして少しずつ平静を取り戻していく。ヴァージルの魔力は温かくて気持ちがいい。ぽかぽかと日向ぼっこをしているような気分になる。
出来るはずなのに、自分一人で出来なくて焦っていたようだ。ヴァージルの言うように力み過ぎていたらしい。ふぅ、と息を深く吐き出し集中する。
結界魔法をいつもより丁寧にゆっくりと発動させていく。そしてあるポイントで治癒魔法を発動し重ねがけした。するとそれは消えることなく結界魔法と一体化した。
「あ……出来た」
「よし。じゃあお前はそのまま見ていろ」
ヴァージルは結界の外に氷の矢を作り、自分の手を前へと突き出した。そして氷の矢はそのまま結界を突き破り、ヴァージルの手を掠め、ズシャっと傷が付き血が垂れる。
「ヴァージル!」
「ははっ! 凄いぞ! 成功だ!」
ヴァージルはその傷ついた手をジョシュアによく見えるよう動かした。ジョシュアは急ぎヴァージルの手を掴むとその部分をまじまじと見つめる。
「傷が……ない!」
「ああ、成功だ! おめでとうジョシュア! よくやった!」
ヴァージルは後ろからそのままジョシュアをぎゅっと抱きしめた。
「ヴァージル! 出来た! 俺、出来たんだ!」
「ああ、お前は凄いよ。本当に、凄い奴だよ」
「ひぅっ! ヴァ、ヴァージル!?」
ヴァージルは抱きしめる腕の力を強め、ジョシュアの耳元で囁いた。ジョシュアはその声に反応しドキマギとする。
ヴァージルに褒めて貰えるのは嬉しい。一緒に研究し努力した仲間だし、ジョシュアと同じ魔術に対しての能力も高い。そんな人だからこそ本当の意味でこの魔術が完成したことの凄さを分かってもらえる。
だが耳元でそんな風に囁かれるとは思っていなかったし、またこんな風に抱きしめられ至近距離で囁かれると恥ずかしくて堪らない。
「つ、次はヴァージルの番だぞ! く、黒魔術で同じこと、するんだろ?」
「……ああ、そうだな。僕も必ず成功させて見せる」
ヴァージルはジョシュアから体を離すと、右手と左手で別の魔法を発動させる。それを何度か試した後、火魔法に雷魔法を付与させようと試みた。だが一度目は失敗。それはヴァージルも分かっていたみたいで、何度も繰り返し挑戦する。だがそのポイントを抑えるのが難しくタイミングがなかなか合わない。
「ヴァージル、お前なら出来る。俺は信じてるから」
ジョシュアは自分がしてもらった時のように、ヴァージルに頑張れと応援する気持ちで自分の魔力を流した。心地よい魔力が体を巡り、それを感じてヴァージルはふっと頬を緩ませる。
そしてじっと右手を見つめながら火魔法を発動し、ここだというポイントで雷魔法を発動。するとバチバチと雷を纏った火魔法が完成した。
「ヴァージル! やったな! お前も成功だ!」
「やった! ありがとう、ジョシュア!」
発動させた魔法を消し去ると、今度は正面からジョシュアを抱きしめる。うろたえたジョシュアだったが、そのままヴァージルの背中に腕を回し抱きしめ返した。
「お前のお陰だジョシュア。こんなすごい事が出来るなんて……お前がいてくれてよかった」
「それを言うなら俺もだ。お前の協力が無かったら絶対に出来なかった。ありがとうヴァージル!」
ジョシュアはいつもと違うヴァージルにドキドキしながらも、大きなことをやり遂げた感動で一杯だった。
それからは発動できる時間を短くするために、何度も何度も繰り返し同じことをやり続ける。そして流石は魔術の才能に溢れた二人。日が暮れる頃にはその技術を自分のものにした。
「明日からはいつも通り仕事だな」
「ああ。明日は早速黒魔術師団に白魔術師団とのわだかまりが無くなるよう動くつもりだ」
ジョシュアもヴァージルも、二つの魔術師団の不仲は自分達にも原因があったことを理解している。きっと自分達と同じように良く知りもしないで相手を決めつけてしまっていることもあるだろう。少しずつでもいい、わだかまりが解け本当の意味でしっかりと協力出来る体制にしたい。そうなればこの国はもっと強くなるだろう。夕食を取りながら二人はそのことについて話をした。
夕食後は交代で風呂に入る。そして明日の為に早めの就寝だ。
寝室へ向かいベッドに横になる。初めは嫌いな男と一緒に寝るこの状況が嫌だったが、今ではそんな風に思う事はなくなった。最初とは違い、ベッドの端に寄ることもない。
「じゃおやすみ、ヴァージル」
「ああ、おやすみジョシュア」
仰向けに寝転がり目を瞑る。今日も新しい魔術の訓練をした。集中して行っていたからだろう。ジョシュアはあっという間に眠りに落ちた。
そして翌朝。ジョシュアの腕に付けている魔道具が朝を知らせる。ふっと目を開け魔道具を止めた。いつも通り早朝訓練をしようと思い体を起こそうとした。が、何故か体が動かない。なんだ? と思って確認すると、後ろからヴァージルにがっしりと抱き込まれていることが分かった。
「へ……?」
お腹の辺りに回された腕に困惑する。こんなことは初めてだ。戸惑っているとヴァージルも目が覚めたのかもぞもぞと動き出した。
「……ジョシュア、もう起きたのか……」
「ヴァ、ヴァージル……あの、腕を……ってえぇ!?」
なんとヴァージルはごりごりと硬いあるモノを押し付けて来ていた。それが何か言わなくても分かる。ただまさか自分がそんなことをされるとは微塵も思っていなかった。どうしていいかわからず「あ、う……」と情けない声が出てしまう。
「どうした、ジョシュア? ……なんだ。お前も勃ってるじゃないか」
「ひゃあっ!? な、な、なっ……!」
なんとヴァージルはジョシュアの膨れた股間を触って来たのだ。それに驚いたジョシュアはびっくんと体を震わせ甲高い声をあげてしまう。
「い、いきなり触るな! あ、朝勃ちくらい俺だってする! するからヤメロッ!」
「いいだろ、減るもんじゃないんだから……さて、僕も起きるか」
ヴァージルはそこから手を離すと何事もなかったかのように体を起こす。ぐっと伸びを一つするとジョシュアににこりと笑いかけ、ベッドから降りると寝室を出ていった。ジョシュアは真っ赤な顔のままその姿を呆然と見ているしか出来ない。
「あ、あいつっ……何考えてんだ……?」
その後、ジョシュアがまともに動けるようになるまで少しの時間を要した。
「ジョシュア、もう訓練を始めていたのか」
「わっ! ……びっくりしたぁ」
結界魔法に治癒魔法を仕込もうと思った矢先、ヴァージルに声をかけられびくりと肩を竦ませる。そのヴァージルを見ればまだ乾ききっていない髪が彼の色気をさらに際立たせていた。
「お、脅かすなよ! 今から早速やってみようと思ってたんだ」
「そうか。じゃあお互い頑張ろう」
「ひぅっ!」
頑張ろうと言ったヴァージルは今までにないくらい、優しい満面の笑顔だった。普段より色気が跳ね上がっているヴァージルにそんな顔をされてどうしてもドキドキせざるを得ない。いかんいかんと雑念を払い、早速魔法を発動させる。
ゆっくりと結界を張り、魔力の質が変わるその瞬間に治癒魔法をかける。だが一度で成功することは出来なかった。だがこれが出来ることは分かっている。後はタイミングだけだ。
だが不思議な事に何度やっても成功しない。出来るはずなのに出来ない。それがジョシュアを不安にさせた。
「ジョシュア、力み過ぎだ。もう少し力を抜け。いつものお前らしくないぞ」
「っ!?」
ヴァージルがそっと後ろから、まるで抱きしめる様な形で手に触れて来た。そしてそこからヴァージルの魔力が流れてくる。
一瞬びくりとしたジョシュアも、ヴァージルの魔力に励まされている感じがして少しずつ平静を取り戻していく。ヴァージルの魔力は温かくて気持ちがいい。ぽかぽかと日向ぼっこをしているような気分になる。
出来るはずなのに、自分一人で出来なくて焦っていたようだ。ヴァージルの言うように力み過ぎていたらしい。ふぅ、と息を深く吐き出し集中する。
結界魔法をいつもより丁寧にゆっくりと発動させていく。そしてあるポイントで治癒魔法を発動し重ねがけした。するとそれは消えることなく結界魔法と一体化した。
「あ……出来た」
「よし。じゃあお前はそのまま見ていろ」
ヴァージルは結界の外に氷の矢を作り、自分の手を前へと突き出した。そして氷の矢はそのまま結界を突き破り、ヴァージルの手を掠め、ズシャっと傷が付き血が垂れる。
「ヴァージル!」
「ははっ! 凄いぞ! 成功だ!」
ヴァージルはその傷ついた手をジョシュアによく見えるよう動かした。ジョシュアは急ぎヴァージルの手を掴むとその部分をまじまじと見つめる。
「傷が……ない!」
「ああ、成功だ! おめでとうジョシュア! よくやった!」
ヴァージルは後ろからそのままジョシュアをぎゅっと抱きしめた。
「ヴァージル! 出来た! 俺、出来たんだ!」
「ああ、お前は凄いよ。本当に、凄い奴だよ」
「ひぅっ! ヴァ、ヴァージル!?」
ヴァージルは抱きしめる腕の力を強め、ジョシュアの耳元で囁いた。ジョシュアはその声に反応しドキマギとする。
ヴァージルに褒めて貰えるのは嬉しい。一緒に研究し努力した仲間だし、ジョシュアと同じ魔術に対しての能力も高い。そんな人だからこそ本当の意味でこの魔術が完成したことの凄さを分かってもらえる。
だが耳元でそんな風に囁かれるとは思っていなかったし、またこんな風に抱きしめられ至近距離で囁かれると恥ずかしくて堪らない。
「つ、次はヴァージルの番だぞ! く、黒魔術で同じこと、するんだろ?」
「……ああ、そうだな。僕も必ず成功させて見せる」
ヴァージルはジョシュアから体を離すと、右手と左手で別の魔法を発動させる。それを何度か試した後、火魔法に雷魔法を付与させようと試みた。だが一度目は失敗。それはヴァージルも分かっていたみたいで、何度も繰り返し挑戦する。だがそのポイントを抑えるのが難しくタイミングがなかなか合わない。
「ヴァージル、お前なら出来る。俺は信じてるから」
ジョシュアは自分がしてもらった時のように、ヴァージルに頑張れと応援する気持ちで自分の魔力を流した。心地よい魔力が体を巡り、それを感じてヴァージルはふっと頬を緩ませる。
そしてじっと右手を見つめながら火魔法を発動し、ここだというポイントで雷魔法を発動。するとバチバチと雷を纏った火魔法が完成した。
「ヴァージル! やったな! お前も成功だ!」
「やった! ありがとう、ジョシュア!」
発動させた魔法を消し去ると、今度は正面からジョシュアを抱きしめる。うろたえたジョシュアだったが、そのままヴァージルの背中に腕を回し抱きしめ返した。
「お前のお陰だジョシュア。こんなすごい事が出来るなんて……お前がいてくれてよかった」
「それを言うなら俺もだ。お前の協力が無かったら絶対に出来なかった。ありがとうヴァージル!」
ジョシュアはいつもと違うヴァージルにドキドキしながらも、大きなことをやり遂げた感動で一杯だった。
それからは発動できる時間を短くするために、何度も何度も繰り返し同じことをやり続ける。そして流石は魔術の才能に溢れた二人。日が暮れる頃にはその技術を自分のものにした。
「明日からはいつも通り仕事だな」
「ああ。明日は早速黒魔術師団に白魔術師団とのわだかまりが無くなるよう動くつもりだ」
ジョシュアもヴァージルも、二つの魔術師団の不仲は自分達にも原因があったことを理解している。きっと自分達と同じように良く知りもしないで相手を決めつけてしまっていることもあるだろう。少しずつでもいい、わだかまりが解け本当の意味でしっかりと協力出来る体制にしたい。そうなればこの国はもっと強くなるだろう。夕食を取りながら二人はそのことについて話をした。
夕食後は交代で風呂に入る。そして明日の為に早めの就寝だ。
寝室へ向かいベッドに横になる。初めは嫌いな男と一緒に寝るこの状況が嫌だったが、今ではそんな風に思う事はなくなった。最初とは違い、ベッドの端に寄ることもない。
「じゃおやすみ、ヴァージル」
「ああ、おやすみジョシュア」
仰向けに寝転がり目を瞑る。今日も新しい魔術の訓練をした。集中して行っていたからだろう。ジョシュアはあっという間に眠りに落ちた。
そして翌朝。ジョシュアの腕に付けている魔道具が朝を知らせる。ふっと目を開け魔道具を止めた。いつも通り早朝訓練をしようと思い体を起こそうとした。が、何故か体が動かない。なんだ? と思って確認すると、後ろからヴァージルにがっしりと抱き込まれていることが分かった。
「へ……?」
お腹の辺りに回された腕に困惑する。こんなことは初めてだ。戸惑っているとヴァージルも目が覚めたのかもぞもぞと動き出した。
「……ジョシュア、もう起きたのか……」
「ヴァ、ヴァージル……あの、腕を……ってえぇ!?」
なんとヴァージルはごりごりと硬いあるモノを押し付けて来ていた。それが何か言わなくても分かる。ただまさか自分がそんなことをされるとは微塵も思っていなかった。どうしていいかわからず「あ、う……」と情けない声が出てしまう。
「どうした、ジョシュア? ……なんだ。お前も勃ってるじゃないか」
「ひゃあっ!? な、な、なっ……!」
なんとヴァージルはジョシュアの膨れた股間を触って来たのだ。それに驚いたジョシュアはびっくんと体を震わせ甲高い声をあげてしまう。
「い、いきなり触るな! あ、朝勃ちくらい俺だってする! するからヤメロッ!」
「いいだろ、減るもんじゃないんだから……さて、僕も起きるか」
ヴァージルはそこから手を離すと何事もなかったかのように体を起こす。ぐっと伸びを一つするとジョシュアににこりと笑いかけ、ベッドから降りると寝室を出ていった。ジョシュアは真っ赤な顔のままその姿を呆然と見ているしか出来ない。
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