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新・番外編
バイロンside ~可愛い後輩に、はなむけを~③(本編裏ストーリー)
やっぱりな。
その言葉を聞いて、そうだろうな、という気持ちと、そこまでしないといけないのか、という気持ちが同時に湧きあがった。
エレン様にどれだけ酷い仕打ちをされても、それでいいいのだと、そうして欲しいのだと言っていたあいつだ。だからエレン様に付いて行くことを決めたその気持ちも痛いほどにわかる。
でも俺は。俺は納得がいかなかった。
あいつがここに来た当初は確かに煩わしいと思ったこともあった。だけどあいつは素直で真面目で一生懸命で努力家で。そんなあいつだったから俺もかなり可愛がってきた。
従者となってからも助けてやれるところは助けてやったし、相談だってのってきた。従者としての仕事を教えてきたのも俺だ。
エレン様から解放されて、ライアスは自分のやりたいことも行きたいところもなんだって自由に選べるようになったんだ。なのにその貴重な機会を自ら潰すなんて……
「バイロン先輩……?」
旦那様の執務室の前でうだうだと考え込んでいたら、話が終わったのかライアスが出てきた。
「え!? どうしたんですか!?」
ライアスの腕を掴み、ずんずんと人気のないところへと連れて行く。戸惑った声が聞こえるが無視だ無視。
ここら辺でいいかと使用人棟の手前で足を止める。
「ライアス、悪いが話が聞こえた。……お前はそれでいいのか? エレン様が命の恩人だっていうのはわかる。お前がエレン様を特別慕っていることも。だけどお前はもう自由なんだ! 『ライアス』という一人の人間の人生を、お前が自分で好きに生きていけるんだぞ! なのにどうしてエレン様に全てを捧げようとするんだ!」
「……俺の命はエレン様のものです。俺はエレン様と出会わなければ、あそこで死んでいました。それから決めたんです。どんな困難が立ち塞がろうとも、俺はエレン様にご恩を返すために生きていくと。あの方が幸せになれるよう全てを捧げると。誰に何を言われても、俺はそれを変えるつもりはありません」
「はぁ……この頑固者っ……」
「すみません……先輩の気持ちもわかってるつもりです。ありがとうございます」
こいつは本当に頑固だ。どんなことがあっても絶対にその気持ちを曲げることはない。知っていたが、改めてそう真正面から言われると反対したい気持ちもすっかり削がれてしまった。
それからライアスが旦那様とどんな話をしていたのか聞かせてもらった。
旦那様はライアスがエレン様に付いて行くことを了承された。それがお前の意志ならば尊重すると。
今後は旦那様がエレン様の移住先として良さそうなところを選定次第、移住するための準備に奔走するそうだ。
エレン様に貴族籍の剥奪と国外追放という処罰を受けさせる以上、公爵家はエレン様へ援助を行うことは出来ない。それじゃあ何のために処罰するのか意味がわからないからな。
だが旦那様はクリストファー殿下のエレン様に対する長年の態度を引き合いに、支援を認めさせると断言なさったそうだ。
あの旦那様ならきっと有言実行なさるだろう。それにクリストファー殿下の婚約破棄と、男爵令息との婚約宣言はあまりにも軽はずみな行動だ。
王族であるにも関わらず、公衆の面前で行った非常識で低能な行動は、こちらにとって有利になるだろう。
そしてあっという間に旦那様は支援を行う事を認めさせ、エレン様の移住先の選定も終わらせた。それによってライアスはすぐに隣国リッヒハイムへと渡り、エレン様の住居を探しだした。
時折旦那様へ相談するためにこちらに戻ってはリッヒハイムへと戻るライアスは、かなりの多忙を極めていた。
だがいくら多忙だとはいえ、ライアスはエレン様の為なら時間を作ることくらいはするはずだ。なのにあいつはエレン様に一切会うことはなかった。
「エレン様の顔を見なくていいのか?」
「本当は今すぐにでもお会いしたいです。でも俺も一緒に付いて行くと知ったら止められそうな気がして……ですから最後まで秘密にしたいんです」
「そっか。今のエレン様は人が変わったかのように大人しくなった。使用人達への態度も変わって優しくなったしな。そんなエレン様なら、お前が一緒に行くって知ったら止めるだろう。俺にも何か手伝えることがあったら遠慮なく言えよ」
「はい。いつもありがとうございます、先輩」
そしてライアスはまた隣国へと渡った。
ランドルフ様がエレン様との時間を過ごされる時、俺も同席するためエレン様と何度か言葉を交わしている。
「バイロンが淹れてくれるお茶も美味しい。ありがとう」
「いえ、お口に合ってよかったです」
「とてもいい従者ですね、兄上」
「そうだろう? 本当にいつも助けてもらっている」
「はい。二人の信頼関係は見ていてわかりますから。バイロン、これからも兄上のこと、よろしくお願いね」
「お任せください、エレン様」
初めは本当にただただ混乱を極めただけだったが、今ではこのエレン様との時間は悪くないと思っている。ランドルフ様もすっかり慣れたご様子で、時間の調整が出来そうな時はエレン様に会いに行かれている。
しばらくお茶を召し上がりながら会話をされ、その姿が本当に楽しそうだった。
あの婚約破棄のことを知った時は、フィンバー家の未来が閉ざされるのではと危惧していたが、今のエレン様を見ているとあのことがあって良かったのだろうと思えるようになった。
そして幾日が過ぎ、エレン様の移住先が整ったことで、貴族籍の除籍手続きも終わった。
その知らせを聞いたエレン様は、一人で邸宅の中と庭を散策されていた。ランドルフ様の執務室から庭を散策される姿が見え、思わず目で追ってしまった。その時のエレン様の表情は悲しみや寂しさを堪えているように見えて、俺も少し寂しいと思ってしまった。
「バイロン、例の物の準備は出来たか?」
「はい、抜かりなく」
明日、とうとうエレン様はこの家から出て行かれる。平民となり国外追放となったエレン様は、もう二度とこの邸宅に戻られることはない。
ランドルフ様はエレン様への餞別として、生活資金を持たせることにされた。その準備を任されていたが、とっくに用意して金庫へとしまってある。
「……寂しくなるな」
ランドルフ様は庭を散策されているエレン様を見つめながら、そっと言葉を零された。
すっかりと落ち着かれたエレン様との時間を楽しそうにされていたランドルフ様。兄としてもう出来ることはないのだと、エレン様と共に過ごすことが出来ないのだと、涙は見せずとも感傷的になっておられた。
フィンバー家の者がリッヒハイムへ向かい、エレン様とお会いすることは可能だ。だがそれを知った他の貴族は、例えこちらが支援を行っていなくても難癖をつけるだろう。結局国外追放は捏造だったのかと。
フィンバー家のためにも、エレン様のためにも、こちらから会いに行くことは出来ない。もう会うことも出来ないのだ。
そしてエレン様が平民となってここを出るということは、ライアスも共にここからいなくなるということだ。
最後の日、ライアスはここの使用人達から様々な餞別を受け取っていた。だが荷物がかさばってはいけないからと、皆でいくつかに纏めていた。
「あの小さかったライアスがこんなにも大きくなって……お前がいなくなるのは寂しいよ」
「ライアス、元気でな。何かあったらいつでも俺達を頼ってくれよ」
「はい。皆さんもお元気で。今までありがとうございました」
中には涙を流す奴もいた。ライアスがここの使用人達に可愛がられていた証拠だ。
「ライアス、向こうへ行っても達者でな」
「バイロン先輩、今までお世話になりました。ありがとうございました」
「ほら、これ持ってけ」
そう言って俺は小さな箱をライアスに握らせた。中身が見えないからライアスも不思議そうな顔をしている。そんなあいつにこそっと耳打ちしてやった。
「いつか必要になるかもしれないだろう? 香油だ。夜のな」
「え……!? 先輩っ……」
ははっ、こいつの顔も見ものだな。まさか俺がこんなものを渡すなんて夢にも思っていなかったに違いない。
「お前の気持ち、届くといいな」
「……はい。ありがとうございます」
その言葉を聞いて、そうだろうな、という気持ちと、そこまでしないといけないのか、という気持ちが同時に湧きあがった。
エレン様にどれだけ酷い仕打ちをされても、それでいいいのだと、そうして欲しいのだと言っていたあいつだ。だからエレン様に付いて行くことを決めたその気持ちも痛いほどにわかる。
でも俺は。俺は納得がいかなかった。
あいつがここに来た当初は確かに煩わしいと思ったこともあった。だけどあいつは素直で真面目で一生懸命で努力家で。そんなあいつだったから俺もかなり可愛がってきた。
従者となってからも助けてやれるところは助けてやったし、相談だってのってきた。従者としての仕事を教えてきたのも俺だ。
エレン様から解放されて、ライアスは自分のやりたいことも行きたいところもなんだって自由に選べるようになったんだ。なのにその貴重な機会を自ら潰すなんて……
「バイロン先輩……?」
旦那様の執務室の前でうだうだと考え込んでいたら、話が終わったのかライアスが出てきた。
「え!? どうしたんですか!?」
ライアスの腕を掴み、ずんずんと人気のないところへと連れて行く。戸惑った声が聞こえるが無視だ無視。
ここら辺でいいかと使用人棟の手前で足を止める。
「ライアス、悪いが話が聞こえた。……お前はそれでいいのか? エレン様が命の恩人だっていうのはわかる。お前がエレン様を特別慕っていることも。だけどお前はもう自由なんだ! 『ライアス』という一人の人間の人生を、お前が自分で好きに生きていけるんだぞ! なのにどうしてエレン様に全てを捧げようとするんだ!」
「……俺の命はエレン様のものです。俺はエレン様と出会わなければ、あそこで死んでいました。それから決めたんです。どんな困難が立ち塞がろうとも、俺はエレン様にご恩を返すために生きていくと。あの方が幸せになれるよう全てを捧げると。誰に何を言われても、俺はそれを変えるつもりはありません」
「はぁ……この頑固者っ……」
「すみません……先輩の気持ちもわかってるつもりです。ありがとうございます」
こいつは本当に頑固だ。どんなことがあっても絶対にその気持ちを曲げることはない。知っていたが、改めてそう真正面から言われると反対したい気持ちもすっかり削がれてしまった。
それからライアスが旦那様とどんな話をしていたのか聞かせてもらった。
旦那様はライアスがエレン様に付いて行くことを了承された。それがお前の意志ならば尊重すると。
今後は旦那様がエレン様の移住先として良さそうなところを選定次第、移住するための準備に奔走するそうだ。
エレン様に貴族籍の剥奪と国外追放という処罰を受けさせる以上、公爵家はエレン様へ援助を行うことは出来ない。それじゃあ何のために処罰するのか意味がわからないからな。
だが旦那様はクリストファー殿下のエレン様に対する長年の態度を引き合いに、支援を認めさせると断言なさったそうだ。
あの旦那様ならきっと有言実行なさるだろう。それにクリストファー殿下の婚約破棄と、男爵令息との婚約宣言はあまりにも軽はずみな行動だ。
王族であるにも関わらず、公衆の面前で行った非常識で低能な行動は、こちらにとって有利になるだろう。
そしてあっという間に旦那様は支援を行う事を認めさせ、エレン様の移住先の選定も終わらせた。それによってライアスはすぐに隣国リッヒハイムへと渡り、エレン様の住居を探しだした。
時折旦那様へ相談するためにこちらに戻ってはリッヒハイムへと戻るライアスは、かなりの多忙を極めていた。
だがいくら多忙だとはいえ、ライアスはエレン様の為なら時間を作ることくらいはするはずだ。なのにあいつはエレン様に一切会うことはなかった。
「エレン様の顔を見なくていいのか?」
「本当は今すぐにでもお会いしたいです。でも俺も一緒に付いて行くと知ったら止められそうな気がして……ですから最後まで秘密にしたいんです」
「そっか。今のエレン様は人が変わったかのように大人しくなった。使用人達への態度も変わって優しくなったしな。そんなエレン様なら、お前が一緒に行くって知ったら止めるだろう。俺にも何か手伝えることがあったら遠慮なく言えよ」
「はい。いつもありがとうございます、先輩」
そしてライアスはまた隣国へと渡った。
ランドルフ様がエレン様との時間を過ごされる時、俺も同席するためエレン様と何度か言葉を交わしている。
「バイロンが淹れてくれるお茶も美味しい。ありがとう」
「いえ、お口に合ってよかったです」
「とてもいい従者ですね、兄上」
「そうだろう? 本当にいつも助けてもらっている」
「はい。二人の信頼関係は見ていてわかりますから。バイロン、これからも兄上のこと、よろしくお願いね」
「お任せください、エレン様」
初めは本当にただただ混乱を極めただけだったが、今ではこのエレン様との時間は悪くないと思っている。ランドルフ様もすっかり慣れたご様子で、時間の調整が出来そうな時はエレン様に会いに行かれている。
しばらくお茶を召し上がりながら会話をされ、その姿が本当に楽しそうだった。
あの婚約破棄のことを知った時は、フィンバー家の未来が閉ざされるのではと危惧していたが、今のエレン様を見ているとあのことがあって良かったのだろうと思えるようになった。
そして幾日が過ぎ、エレン様の移住先が整ったことで、貴族籍の除籍手続きも終わった。
その知らせを聞いたエレン様は、一人で邸宅の中と庭を散策されていた。ランドルフ様の執務室から庭を散策される姿が見え、思わず目で追ってしまった。その時のエレン様の表情は悲しみや寂しさを堪えているように見えて、俺も少し寂しいと思ってしまった。
「バイロン、例の物の準備は出来たか?」
「はい、抜かりなく」
明日、とうとうエレン様はこの家から出て行かれる。平民となり国外追放となったエレン様は、もう二度とこの邸宅に戻られることはない。
ランドルフ様はエレン様への餞別として、生活資金を持たせることにされた。その準備を任されていたが、とっくに用意して金庫へとしまってある。
「……寂しくなるな」
ランドルフ様は庭を散策されているエレン様を見つめながら、そっと言葉を零された。
すっかりと落ち着かれたエレン様との時間を楽しそうにされていたランドルフ様。兄としてもう出来ることはないのだと、エレン様と共に過ごすことが出来ないのだと、涙は見せずとも感傷的になっておられた。
フィンバー家の者がリッヒハイムへ向かい、エレン様とお会いすることは可能だ。だがそれを知った他の貴族は、例えこちらが支援を行っていなくても難癖をつけるだろう。結局国外追放は捏造だったのかと。
フィンバー家のためにも、エレン様のためにも、こちらから会いに行くことは出来ない。もう会うことも出来ないのだ。
そしてエレン様が平民となってここを出るということは、ライアスも共にここからいなくなるということだ。
最後の日、ライアスはここの使用人達から様々な餞別を受け取っていた。だが荷物がかさばってはいけないからと、皆でいくつかに纏めていた。
「あの小さかったライアスがこんなにも大きくなって……お前がいなくなるのは寂しいよ」
「ライアス、元気でな。何かあったらいつでも俺達を頼ってくれよ」
「はい。皆さんもお元気で。今までありがとうございました」
中には涙を流す奴もいた。ライアスがここの使用人達に可愛がられていた証拠だ。
「ライアス、向こうへ行っても達者でな」
「バイロン先輩、今までお世話になりました。ありがとうございました」
「ほら、これ持ってけ」
そう言って俺は小さな箱をライアスに握らせた。中身が見えないからライアスも不思議そうな顔をしている。そんなあいつにこそっと耳打ちしてやった。
「いつか必要になるかもしれないだろう? 香油だ。夜のな」
「え……!? 先輩っ……」
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「お前の気持ち、届くといいな」
「……はい。ありがとうございます」
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