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美しい花には毒がある
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ルテニターは初めこそ華やかな場に心打たれたが、色々な決まりやしきたりも多く、田舎でのびのびと育ってきた自分には窮屈で仕方なくなってしまった。
デビュタントは貴族の義務だったため参加したが、そうでなければパーティーに出席したくはない。家でのんびり庭師と共に花を育てたり小さな家庭菜園で野菜を育てている方がよっぽど心安らぐ。
目の前には平民では絶対に出会う事はないであろう王族がずらり。もう今すぐにでも家に帰りたい気持ちで一杯だった。
「ルテニター様? 顔色が良くありませんね。旦那様、ルテニター様をお連れしてもよろしいでしょうか?」
「ああ、そうだな。皆様申し訳ございません。ルテニターの体調が悪いため、しばらく外させていただきます」
「そうか……残念だが仕方あるまい。ルテニター、また次回の楽しみにしておこう。ゆっくりしてくれ」
王太子にそう言われてほっと一息つくと、深々と頭を下げ従者のダレンと共にその場を離れることに成功した。
ダレンに連れられ会場の外へと歩く。しばらく進むと華やかな音楽がうっすらと聞こえるほどの場所でベンチを見つけ、そこへ腰掛けるように促された。
「ダレン、ほんにあんやとねぇ。あんさんのお陰でなんとかなっちゃ」
※訳 ダレン、本当にありがとう。君のお陰で何とかなったよ。
「いいえ、とんでもございません。ルテニター様を支えることが私の使命ですので」
伯爵家でも誰一人ルテニターが話している言葉を理解する事は出来ない。だがダレンだけは田舎言葉を習得し、普通に会話することが出来ている。そのお陰で伯爵家の者とは家の中でもダレンが通訳として活躍している。
ルテニターはダレンの存在にかなり助けられていた。始めこそあまり好感を持たれていなかったが、今ではそこまでしなくても、と思う程ルテニターを助けてくれている。ダレンが田舎言葉を習得してくれたのもダレン自らやったことだ。だからルテニターはそんなダレンを密かに想っていた。だがこんな田舎言葉しか話せない自分が想いを告げても迷惑だろうと、想いを言葉にすることを諦めていた。今はただ側にいてくれる。たとえそれが仕事でも。それだけで十分だったのだ。
しばらくそこで風に当たり、また人が群がっては大変だとその日は先に帰ることにした。
そして数日たったある日。養父である伯爵に呼び出され書斎へと向かった。
「ルテニター。先日会った王太子からお前に婚約の打診が来てしまった……」
「……へ? だけん、王太子様っちゃ婚約者ばおらんかったけ?」
「王太子様に婚約者がいらっしゃったのでは? と仰っています」
「ああ、そうなのだ……しかも婚約者はメリエル公爵家のご令嬢だ。世継ぎを残さなければならない王太子でありながら男のルテニターを婚約者に迎えたいと。しかもメリエル公爵家のご令嬢とは婚約を解消すると言っている」
一体何を言っているんだ、とルテニターの頭の中は大混乱。婚約者が既にいるのにも関わらず、自分に婚約の打診を送って、しかも婚約中のご令嬢と婚約の解消をするとは……。この国は大丈夫なのだろうか。
「それだけじゃない。第2王子からも婚約の打診が送られてきている……こちらも王太子同様、婚約者と婚約を解消すると」
伯爵ははぁ…と大きなため息を一つ付き、これから起こるであろうことに頭を悩ませる。ルテニターも王族から、しかも2人からの婚約の打診などどうしていいかわからない。ただ一つ言える事は絶対に嫌だという事だ。
「一つ確認をしたい。ルテニター、お前はこのどちらかと結婚したいと思うか?」
そう言われたルテニターは頭が吹っ飛ぶんじゃないかという勢いで首を横に振った。
「お、おらっ……王子様はすかん! そげな相手がおってこんなん浮気やけぇ。それにおらもこんな話方じゃもんで相手さんも嫌やろ。いちゃけな婚約者さんおるんやけ、おらは嫌ねん……」
「僕は王子様は嫌いです。そんな相手がいながらそれは浮気と同じ。それに僕もこの様な話方ですし先方も嫌でしょう。可愛い婚約者様がいらっしゃるのですから、僕は嫌です。とおっしゃっています」
「ああ、良かった……。だが、こちらから断るのもかなり難しいのだ。だが断らねば殿下方の婚約者の家から何をされるか……」
王太子の婚約者は公爵家、第2王子の婚約者は侯爵家。どちらも伯爵家よりも家格は上。泥棒ネコのようなことをしたルテニターを許すはずはないだろう。力づくで何をされるかわからない。とはいえ王家からの打診を断るというのも簡単な事ではない。
オーチェン伯爵家にとってどちらにしても頭の痛い問題が立ちふさがっている。
「旦那様、ルテニター様には既に婚約者がいた、というのはいかがでしょうか。相思相愛でルテニター様もその婚約者と別れるのは嫌だと申せばもしかしたら……」
「先方もルテニターには弱いと思うからその手もいいかもしれんが、そもそも婚約者とする相手がいないではないか。今までこの家の者意外と関わってこなかったのだぞ」
「僭越ながらそのお役目、私に任せてはいただけませんでしょうか?」
「「え?」」
(ダレン何をいっちょるが!? まさかおらと婚約する言わんかったけ!? もしそげなことが叶うんじゃったらめっさ嬉しいこっちゃ。だけんどそげなこと出来るがけ?)
※訳 ダレンは何を言っているの!? まさか僕と婚約するとか言わなかった!? もしそんなことが叶うんだったらこんなに嬉しい事はないけど。でもそんな事出来るの?
ルテニターはそんな不安と期待の眼差しをダレンに向ける。ダレンの真剣な顔はオーチェン伯爵に向いている。その凛々しい顔もかっこよくルテニターは1人勝手にきゅんきゅんしていた。
「私はルテニター様の従者です。使用人である私との婚約はそう簡単に公表することが出来ません。その時期を探っていたところに今回の話があった、という事にするのです」
「……なるほど。ルテニター、お前はダレンと婚約していたことになるが大丈夫か?」
ふいに伯爵にそう聞かれてルテニターは首を縦にぶんぶんと振る。
「は、はい! ダレンばやったらおらもめっさ嬉しいけじゃまないわ!」
※訳 は、はい! ダレンだったら僕も凄く嬉しいから大丈夫です!
「ありがとうございます、ルテニター様。旦那様、ルテニター様からも了承をいただきました」
「わかった。ならばそれで伝えてみよう」
そうして伯爵から王家へとその旨が伝えられた。ルテニターに婚約者がいた。じゃあ諦めよう。とはならないことは百も承知。だがどちらにも角が立たず諦めさせるにはこの手しか思いつかなかった。
デビュタントは貴族の義務だったため参加したが、そうでなければパーティーに出席したくはない。家でのんびり庭師と共に花を育てたり小さな家庭菜園で野菜を育てている方がよっぽど心安らぐ。
目の前には平民では絶対に出会う事はないであろう王族がずらり。もう今すぐにでも家に帰りたい気持ちで一杯だった。
「ルテニター様? 顔色が良くありませんね。旦那様、ルテニター様をお連れしてもよろしいでしょうか?」
「ああ、そうだな。皆様申し訳ございません。ルテニターの体調が悪いため、しばらく外させていただきます」
「そうか……残念だが仕方あるまい。ルテニター、また次回の楽しみにしておこう。ゆっくりしてくれ」
王太子にそう言われてほっと一息つくと、深々と頭を下げ従者のダレンと共にその場を離れることに成功した。
ダレンに連れられ会場の外へと歩く。しばらく進むと華やかな音楽がうっすらと聞こえるほどの場所でベンチを見つけ、そこへ腰掛けるように促された。
「ダレン、ほんにあんやとねぇ。あんさんのお陰でなんとかなっちゃ」
※訳 ダレン、本当にありがとう。君のお陰で何とかなったよ。
「いいえ、とんでもございません。ルテニター様を支えることが私の使命ですので」
伯爵家でも誰一人ルテニターが話している言葉を理解する事は出来ない。だがダレンだけは田舎言葉を習得し、普通に会話することが出来ている。そのお陰で伯爵家の者とは家の中でもダレンが通訳として活躍している。
ルテニターはダレンの存在にかなり助けられていた。始めこそあまり好感を持たれていなかったが、今ではそこまでしなくても、と思う程ルテニターを助けてくれている。ダレンが田舎言葉を習得してくれたのもダレン自らやったことだ。だからルテニターはそんなダレンを密かに想っていた。だがこんな田舎言葉しか話せない自分が想いを告げても迷惑だろうと、想いを言葉にすることを諦めていた。今はただ側にいてくれる。たとえそれが仕事でも。それだけで十分だったのだ。
しばらくそこで風に当たり、また人が群がっては大変だとその日は先に帰ることにした。
そして数日たったある日。養父である伯爵に呼び出され書斎へと向かった。
「ルテニター。先日会った王太子からお前に婚約の打診が来てしまった……」
「……へ? だけん、王太子様っちゃ婚約者ばおらんかったけ?」
「王太子様に婚約者がいらっしゃったのでは? と仰っています」
「ああ、そうなのだ……しかも婚約者はメリエル公爵家のご令嬢だ。世継ぎを残さなければならない王太子でありながら男のルテニターを婚約者に迎えたいと。しかもメリエル公爵家のご令嬢とは婚約を解消すると言っている」
一体何を言っているんだ、とルテニターの頭の中は大混乱。婚約者が既にいるのにも関わらず、自分に婚約の打診を送って、しかも婚約中のご令嬢と婚約の解消をするとは……。この国は大丈夫なのだろうか。
「それだけじゃない。第2王子からも婚約の打診が送られてきている……こちらも王太子同様、婚約者と婚約を解消すると」
伯爵ははぁ…と大きなため息を一つ付き、これから起こるであろうことに頭を悩ませる。ルテニターも王族から、しかも2人からの婚約の打診などどうしていいかわからない。ただ一つ言える事は絶対に嫌だという事だ。
「一つ確認をしたい。ルテニター、お前はこのどちらかと結婚したいと思うか?」
そう言われたルテニターは頭が吹っ飛ぶんじゃないかという勢いで首を横に振った。
「お、おらっ……王子様はすかん! そげな相手がおってこんなん浮気やけぇ。それにおらもこんな話方じゃもんで相手さんも嫌やろ。いちゃけな婚約者さんおるんやけ、おらは嫌ねん……」
「僕は王子様は嫌いです。そんな相手がいながらそれは浮気と同じ。それに僕もこの様な話方ですし先方も嫌でしょう。可愛い婚約者様がいらっしゃるのですから、僕は嫌です。とおっしゃっています」
「ああ、良かった……。だが、こちらから断るのもかなり難しいのだ。だが断らねば殿下方の婚約者の家から何をされるか……」
王太子の婚約者は公爵家、第2王子の婚約者は侯爵家。どちらも伯爵家よりも家格は上。泥棒ネコのようなことをしたルテニターを許すはずはないだろう。力づくで何をされるかわからない。とはいえ王家からの打診を断るというのも簡単な事ではない。
オーチェン伯爵家にとってどちらにしても頭の痛い問題が立ちふさがっている。
「旦那様、ルテニター様には既に婚約者がいた、というのはいかがでしょうか。相思相愛でルテニター様もその婚約者と別れるのは嫌だと申せばもしかしたら……」
「先方もルテニターには弱いと思うからその手もいいかもしれんが、そもそも婚約者とする相手がいないではないか。今までこの家の者意外と関わってこなかったのだぞ」
「僭越ながらそのお役目、私に任せてはいただけませんでしょうか?」
「「え?」」
(ダレン何をいっちょるが!? まさかおらと婚約する言わんかったけ!? もしそげなことが叶うんじゃったらめっさ嬉しいこっちゃ。だけんどそげなこと出来るがけ?)
※訳 ダレンは何を言っているの!? まさか僕と婚約するとか言わなかった!? もしそんなことが叶うんだったらこんなに嬉しい事はないけど。でもそんな事出来るの?
ルテニターはそんな不安と期待の眼差しをダレンに向ける。ダレンの真剣な顔はオーチェン伯爵に向いている。その凛々しい顔もかっこよくルテニターは1人勝手にきゅんきゅんしていた。
「私はルテニター様の従者です。使用人である私との婚約はそう簡単に公表することが出来ません。その時期を探っていたところに今回の話があった、という事にするのです」
「……なるほど。ルテニター、お前はダレンと婚約していたことになるが大丈夫か?」
ふいに伯爵にそう聞かれてルテニターは首を縦にぶんぶんと振る。
「は、はい! ダレンばやったらおらもめっさ嬉しいけじゃまないわ!」
※訳 は、はい! ダレンだったら僕も凄く嬉しいから大丈夫です!
「ありがとうございます、ルテニター様。旦那様、ルテニター様からも了承をいただきました」
「わかった。ならばそれで伝えてみよう」
そうして伯爵から王家へとその旨が伝えられた。ルテニターに婚約者がいた。じゃあ諦めよう。とはならないことは百も承知。だがどちらにも角が立たず諦めさせるにはこの手しか思いつかなかった。
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