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性癖を暴露したら幼馴染の様子がおかしくなったんだが。
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「悪い! 待たせた!」
「お疲れ。気にするな。急な仕事だったんだろ?」
待ち合わせの居酒屋へ飛び込んで開口一番謝罪をすれば、幼馴染の加藤和樹は眩しいまでのイケメンスマイルで俺を労ってくれた。
定時直前にいきなりの大量注文が入り、緊急だったことで急ぎで手配したら在庫不足が発覚。あちこち電話しまくっていたら、あっという間に一時間半の残業。……せっかく早く帰れそうだったのに。
和樹の正面に座りビールを注文。目の前に冷えっ冷えのジョッキが届くと早速乾杯して口を付ける。くぅ~……! 仕事終わりの一杯は美味い!
和樹が注文していた枝豆を摘まみながら恒例の近況報告の開始だ。
「まじ!? お前昇進すんの!? 相変らずすげぇな」
「俺の勤めてる会社はそこまで大きくないのと、前任が退職することになったから単なる穴埋め要員だよ」
なんて、こいつは謙遜するけどそうじゃないことを知っている。
和樹は昔からなんでも出来る奴だった。頭もいいし運動神経もいい。背も高くて顔もいいとくればモテないわけがない。
一方俺、中村裕太は顔は普通で背も平均にちょっと届かなかいくらい。それに頭の出来も普通、運動も普通と特筆することは何もない。
こいつ相手に普通なら劣等感マシマシになりそうなもんだが、不思議とそうはならなかった。小、中、高と一緒だったのも大きかったかもな。
子供の時から何気に馬が合い、しょっちゅうこいつと遊んでた。もちろん他にも友達はいるけど、大人になった今でもよく会って遊んでる相手はこいつくらいだ。
「しっかし係長かぁ……すげぇな」
「何言ってんだよ。たまたまだって」
「いや、俺なんてまだヒラだっつーの。でもお前相手だと悔しいとかねぇんだよな。よし! 昇進祝いだ! 飲もうぜ!」
苦笑するこいつに無理やりビールを注文し、改めて乾杯。明日が休みだと思うと嬉しくてついつい酒も進んでしまう。
ビールからハイボールへ変わり、料理も大体平らげると気分もかなりよくなった。ふわふわとしているが、目の前にいる和樹は最初から何も変わっていない。こいつは酒にも強いのだ。羨ましい。
「そう言えば今日は裕太の口から彼女の話が出てこないな。喧嘩でもしたのか?」
和樹にそう言われて思わず大きなため息が漏れる。和樹と会った時って大体彼女の話をしているから、一切彼女の話題がなかったことを不思議がられてしまった。だって仕方ないじゃん。別れたんだから。
「は? 別れた? いつ?」
「……二週間前」
「最近だな。またなんで? 結婚考えてるとか言ってなかったか?」
俺たちはもう二十八だ。同級生の中にも結婚して子供が生まれた奴もいる。段々そういった連中が増えてくると、俺もそろそろ結婚考えなきゃなぁって思うようになったし、この前別れた彼女は特にいい子だったから結婚するならこの子かなぁなんて思っていたりもした。
「それがさぁ……」
「何?」
「…………俺の性癖を言ったんだよ」
「性癖?」
結婚するなら本当の俺を知ってほしいと思って彼女に言ったんだよな。そしたらまぁ引かれてしまってそれが原因で別れたんだけど……
「……実はさ、俺、襲われたいんだよね」
「は?」
「なんていうか、迫られたいというか、イジメられたいというか、犯されたいというか……そういう性癖」
「……マジ?」
「大マジ」
俺は歴代の彼女にこんなことを暴露したことはない。セックスする時は俺が主導でヤッてたし、積極的に俺に迫ってくる女の子なんていなかった。
それはそれでよかったんだけど、俺の中にあるちょっと変わった性癖を満たしてくれる子はいなくてそれがちょっとだけ寂しいと思ってた。俺の中にあるマゾ心をほんの少しでいいから満たしてほしかったんだよな。
でも引かれるかも、って思って今までずっと黙ってた。だけど結婚するならそういった面も充実させたいと思って勇気を出して言ってみたところ見事に玉砕。
やっぱり変態じみてるよな、と言ったことをすげぇ後悔したけど後の祭り。翌日女の子から『ごめん、別れよう』のメッセージが届いて一人で泣いた。
「……お前、笑わないんだな」
「笑ってほしかったのか?」
「違う。ほっとしてる」
気心知れた幼馴染であるこいつにだって今までずっと黙ってた。親友だし幼馴染だし、こいつなら俺から離れたりしないだろうって思ってたけどわざわざ言うことでもなかったし。
ただ俺がこんな変態じみた性癖を持ってるってわかったら、多少引くだろうなって思って、こいつに引かれるのはなんか嫌だなって思ってたから言えなかったっていうのもあるけど。
「……俺は嬉しかったけどな」
「え?」
「裕太が俺にそれを教えてくれたのが嬉しいって言ったんだよ」
「和樹っ……!」
流石は俺の親友で幼馴染! 笑ったり引いてもおかしくないことなのに、話してくれたのが嬉しいなんて! よし! 今日はジャンジャン飲むぞ!
「……なぁ裕太。お前の性癖満たしてくれる子がいるって言ったら体験したい?」
「え!? そんな子いるの!? いるなら紹介して!」
こいつ、そんな女の子まで知ってんのかよ!? やっぱモテる奴はちげぇわ。俺にはない人脈ってやつかな。こいつが親友でよかったぜ。
「お疲れ。気にするな。急な仕事だったんだろ?」
待ち合わせの居酒屋へ飛び込んで開口一番謝罪をすれば、幼馴染の加藤和樹は眩しいまでのイケメンスマイルで俺を労ってくれた。
定時直前にいきなりの大量注文が入り、緊急だったことで急ぎで手配したら在庫不足が発覚。あちこち電話しまくっていたら、あっという間に一時間半の残業。……せっかく早く帰れそうだったのに。
和樹の正面に座りビールを注文。目の前に冷えっ冷えのジョッキが届くと早速乾杯して口を付ける。くぅ~……! 仕事終わりの一杯は美味い!
和樹が注文していた枝豆を摘まみながら恒例の近況報告の開始だ。
「まじ!? お前昇進すんの!? 相変らずすげぇな」
「俺の勤めてる会社はそこまで大きくないのと、前任が退職することになったから単なる穴埋め要員だよ」
なんて、こいつは謙遜するけどそうじゃないことを知っている。
和樹は昔からなんでも出来る奴だった。頭もいいし運動神経もいい。背も高くて顔もいいとくればモテないわけがない。
一方俺、中村裕太は顔は普通で背も平均にちょっと届かなかいくらい。それに頭の出来も普通、運動も普通と特筆することは何もない。
こいつ相手に普通なら劣等感マシマシになりそうなもんだが、不思議とそうはならなかった。小、中、高と一緒だったのも大きかったかもな。
子供の時から何気に馬が合い、しょっちゅうこいつと遊んでた。もちろん他にも友達はいるけど、大人になった今でもよく会って遊んでる相手はこいつくらいだ。
「しっかし係長かぁ……すげぇな」
「何言ってんだよ。たまたまだって」
「いや、俺なんてまだヒラだっつーの。でもお前相手だと悔しいとかねぇんだよな。よし! 昇進祝いだ! 飲もうぜ!」
苦笑するこいつに無理やりビールを注文し、改めて乾杯。明日が休みだと思うと嬉しくてついつい酒も進んでしまう。
ビールからハイボールへ変わり、料理も大体平らげると気分もかなりよくなった。ふわふわとしているが、目の前にいる和樹は最初から何も変わっていない。こいつは酒にも強いのだ。羨ましい。
「そう言えば今日は裕太の口から彼女の話が出てこないな。喧嘩でもしたのか?」
和樹にそう言われて思わず大きなため息が漏れる。和樹と会った時って大体彼女の話をしているから、一切彼女の話題がなかったことを不思議がられてしまった。だって仕方ないじゃん。別れたんだから。
「は? 別れた? いつ?」
「……二週間前」
「最近だな。またなんで? 結婚考えてるとか言ってなかったか?」
俺たちはもう二十八だ。同級生の中にも結婚して子供が生まれた奴もいる。段々そういった連中が増えてくると、俺もそろそろ結婚考えなきゃなぁって思うようになったし、この前別れた彼女は特にいい子だったから結婚するならこの子かなぁなんて思っていたりもした。
「それがさぁ……」
「何?」
「…………俺の性癖を言ったんだよ」
「性癖?」
結婚するなら本当の俺を知ってほしいと思って彼女に言ったんだよな。そしたらまぁ引かれてしまってそれが原因で別れたんだけど……
「……実はさ、俺、襲われたいんだよね」
「は?」
「なんていうか、迫られたいというか、イジメられたいというか、犯されたいというか……そういう性癖」
「……マジ?」
「大マジ」
俺は歴代の彼女にこんなことを暴露したことはない。セックスする時は俺が主導でヤッてたし、積極的に俺に迫ってくる女の子なんていなかった。
それはそれでよかったんだけど、俺の中にあるちょっと変わった性癖を満たしてくれる子はいなくてそれがちょっとだけ寂しいと思ってた。俺の中にあるマゾ心をほんの少しでいいから満たしてほしかったんだよな。
でも引かれるかも、って思って今までずっと黙ってた。だけど結婚するならそういった面も充実させたいと思って勇気を出して言ってみたところ見事に玉砕。
やっぱり変態じみてるよな、と言ったことをすげぇ後悔したけど後の祭り。翌日女の子から『ごめん、別れよう』のメッセージが届いて一人で泣いた。
「……お前、笑わないんだな」
「笑ってほしかったのか?」
「違う。ほっとしてる」
気心知れた幼馴染であるこいつにだって今までずっと黙ってた。親友だし幼馴染だし、こいつなら俺から離れたりしないだろうって思ってたけどわざわざ言うことでもなかったし。
ただ俺がこんな変態じみた性癖を持ってるってわかったら、多少引くだろうなって思って、こいつに引かれるのはなんか嫌だなって思ってたから言えなかったっていうのもあるけど。
「……俺は嬉しかったけどな」
「え?」
「裕太が俺にそれを教えてくれたのが嬉しいって言ったんだよ」
「和樹っ……!」
流石は俺の親友で幼馴染! 笑ったり引いてもおかしくないことなのに、話してくれたのが嬉しいなんて! よし! 今日はジャンジャン飲むぞ!
「……なぁ裕太。お前の性癖満たしてくれる子がいるって言ったら体験したい?」
「え!? そんな子いるの!? いるなら紹介して!」
こいつ、そんな女の子まで知ってんのかよ!? やっぱモテる奴はちげぇわ。俺にはない人脈ってやつかな。こいつが親友でよかったぜ。
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