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しおりを挟むそれからの日々は、少し騒がしくも穏やかな毎日が続いていた。
ゼフィ様との生活も順調で、少し喧嘩もしたりするけどとても楽しく過ごしている。
ギルエルミ様とソニア様も楽しくこの町で過ごしているようで、たまに家へ遊びに来る。そんな時色々と話をするのだが、その中に将来この薬屋をどうするのか、と聞かれた。
俺とゼフィ様に子供が生まれることはない。だから俺が死んでしまったらこの薬屋はなくなってしまう。それで弟子をとったらどうか、と言われて最果ての村ダラムにいた時に弟子にしていた子供がいたことを話した。
その子にこの前会いに行ったら、続けて俺からポーション作りを学びたいとのことだったので、今後はその子をここに呼んで教えていくことになった。今のところはこの店も受け継がれていく予定となった。あとはその子次第だけど、出来れば受け継いでいってほしい。
ギルエルミ様は大好きな魔法の研究が、誰にも邪魔されず出来るこの環境が最高だと楽しそうだ。ソニア様は、何とかして苦手な料理が出来るようになろうと、近所の料理上手なおばさんに習っているらしい。少し進歩したらしく、我慢すれば食べられるものにはなったそうだ。先はまだまだ長そうだ。
この2人もなんだかんだとても仲が良く、ゼフィ様が「あの調子だと子が生まれるのは早いかもね」と言っていた。そうなったらいいな。2人の子供だったら凄い子になりそうだ。
そして2人はよく家に来て一緒にご飯を食べていく。今日も来ていて、今は後片付けだ。
「全く2人はここへ来すぎだと思わないか?」
「そうですか? 俺はとても楽しいから来てくれるのは嬉しいですけど…」
「リコとの時間が減らされる」
そう言って後ろからぎゅーっと抱きしめられる。毎日一緒にいるのに、ゼフィ様の愛は相変らずだ。それがくすぐったくも嬉しい。
「もう、ゼフィ様。そんなことされたら食器が洗えませっ…んぅっ!」
「…もうここまでにしよう? 早くリコが食べたい」
抱きしめられていた腕が、俺の乳首を弄りだす。その刺激にあられもない声を上げてしまった。そして洗っていた食器を取り上げられ、魔法で綺麗にされると俺はそのまま抱き上げられて寝室へと連れていかれる。
「…ゼフィ様?」
「明後日にはやっと結婚式だ。もう夫夫も同然だけど、一つの区切りとしてやっと結ばれる。それが堪らなく嬉しい」
そっとベッドに寝かされて、顔中に優しいキスが降って来た。
「俺も嬉しいです。クレベールとファウストが叶えられなかったことを、俺たちが叶えられる。一つの願いが叶うんですから」
「うん、そうだね。明日は結婚式前だから無理はさせられないけど、今日はその分一杯愛させてほしい。私の気持ちが止められないんだ」
「はい。俺もゼフィ様が欲しい…」
そう応えるとゼフィ様は深いキスをする。舌を絡めて、吐息も絡んで、体は強く抱きしめ合って。
いつの間にかお互い身につけたものを一つ一つ外していく。肌が外気に触れる度に、早くゼフィ様の熱を感じたくて気持ちが急いていく。
夫夫として神殿に認められるのは、俺たちにとってとても大きな意味を持つ。前世では出来なかった事の一つが叶うからだ。夢の中で会ったクレベールもきっと喜んでくれるだろう。もちろんゼフィ様の中にいるファウストも。
「何度も体を重ねてるのに、今日は早くリコの中に入りたくて堪らない」
そう言って俺の体をうつ伏せに転がすと、腰を高く持ち上げられた。双丘を外に広げられ、あられもない場所が露になる。
「ゼフィ様…? んは…っ」
その場所にふっと息を吹きかけられ、ビクンと体が反応する。そして生暖かいものがそこに触れた。
「ああっ! そん、な…っあ、んぅっ…」
ぴちゃぴちゃ、じゅるじゅると音がなり、ゼフィ様がそこを舐めていた。そんなところを舐められるなんて、と思いながらも気持ちよくてもっとと腰を揺らしてしまう。
舌でぐりぐりと押されると、堪らなくなり声も大きくなる。それだけで軽くイキそうになってしまう。
「はぁ…可愛い。リコはこんなところまで可愛いんだね」
「んあっ! そんなところで、しゃべら…いでっ」
舐められながら指が侵入してきた。舌では届かないところをぐっぐっと押され、更なる快感に襲われてしまう。何度も重ねた体は、少しの指の出し入れであっという間に開いてしまう。
「もう挿れるよ、リコ。私を受け入れて」
そう言いながら、熱く硬い物がぐっと俺の中へと進んでいく。ゼフィ様が俺の中へと熱を迸りながら入ってくるこの感覚は、苦しいのに多幸感で一杯になる。ぐちゅんと最奥まで届いたと思った瞬間、ゼフィ様は俺に更なる熱をぶつけてくる。
「ああっ…すご……きもちぃっ…あ、あ、あっ…!」
「んっ、わたしも、すごく気持ちいいよ、リコ…」
腰を抑えていた手が外れて、後ろから強く抱きしめられる。体全体でゼフィ様を感じている。ゼフィ様の動きは止まらない。むしろより速さが増していく。
耳元でゼフィ様の快感を感じている声が聞こえて、その声だけで俺は更に感じてしまう。
俺の体でゼフィ様が感じている。それが嬉しくてもっと欲しくなる。
パンパンと肌が当たる音と結合部の水音は、俺達の官能をより引きずり出して止められなくする。
「あっ、ゼフィ、さまぁ…中に出して。俺の、中にっ……」
「リコ、おねだりが、上手になったね。じゃあちゃんと全部、受け止めて……ぐぅっ」
パンっ! と打ち付けられると俺の中に温かい物が広がっていく。ゼフィ様が俺の中で吐精したんだ。ゼフィ様の魔力をお腹で感じて、俺も高みに昇りつめた。たらりと零れた精液がシーツを汚していく。
「ねぇ、ゼフィ様…。足りない…もっと欲しい」
まだ全然足りない。もっと欲しい。俺の頭はそれしか考えられず、俺の体はそればかりを求めている。
「お望みのままに」
ぐるりと仰向けにされると、また硬い物が中で暴れ出す。
やっと顔が見れた。汗を垂らしながら上気したその顔が堪らなく好きだ。俺を見つめる目は優しいのに、まるで獲物を前にした獣の様で力強さを感じる。
「ゼフィ、さまっ…好き…大好きっ…」
「リコ…」
腕を伸ばしゼフィ様を抱き込む。この人は俺のものだ。一生、俺の。絶対逃がすものかと、開いた足はゼフィ様を取り囲む。全身でしがみ付き、離れるつもりも放すつもりもないことを伝えた。
いつもいつも俺に惜しみない愛をくれる。俺もそれに応えてはいるけど、もっともっと伝えたくて伝わって欲しくて、強くゼフィ様を抱きしめる。
「だから俺を、ずっとっ…んあ……離さないで」
「言われなくてもっ…頼まれても、放すものか。誰にもやるつもりは、ないっ…」
「うん、俺も。あん…んん……ゼフィ様だけ、だから」
ゼフィ様の熱量がまた上がっていく。私のものだ、って言葉だけじゃなくて体でも伝えてくれる。
抱きしめていた腕の力を弱めて、ゼフィ様の顔に手を添えた。ゼフィ様の顔が見たい。
少しだけ体を起こして俺の目を見つめてくれる。ああ、なんてこの人はカッコよくて素敵な人なんだろうか。顔はもちろんだけど、そうじゃない。全てが、この人の魂までもがカッコイイんだ。
初めて会った時から俺を掴んで離さない、その強くて気高い魂までもが俺を魅了する。
「もうダメっ…! イク…あああああ!」
ゼフィ様の熱に侵され、俺に強い衝撃が襲った。びくびくと体が痙攣し、体の欲を吐き出していく。
俺のその姿を見ながら、ゼフィ様も俺の中へと吐き出した。
「はぁはぁ…嬉しい、ゼフィ様の…あったかくて優しくて…。
これからも俺だけがこれを受け止めるんです。他の誰にもあげません。一生、俺だけのもの」
「もちろん。私も一生リコを放さないし、一生抱くのはリコだけだ」
優しいキス。何度も味わったゼフィ様の味。軽く触れてを繰り返して、深くたっぷり味わって。
「愛してます、ゼフィ様。これからもずっと」
「私もリコを愛してる。今だけではなく、この先も愛することを誓うよ。前世も今世も、そして来世も。
生まれ変わってもずっと、リコを追いかけるから」
「はい。俺もゼフィ様を見つけます」
そしてまた情欲の炎を燃やして、俺とゼフィ様の夜は更けていった。
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