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第三章 魔道合宿
第十六話 合宿二日目② 子孫
しおりを挟む「お前は誰だ?」
「私はシャルル・アトラス。君が読んでるその本に出てくるセアバリート・アトラスの子孫だよ」
見た目は普通の女の子。歳は同じくらいだと思う。
「いつから俺の後ろを?」
「森に入っていくの見けたから、着いてきちゃった。なんか迷惑だった?」
「いいや、特に」
なんで付いてくる必要があるんだ?それに子孫…つまりセアバリートと血が繋がっている。始祖魔術師の強さを持っているかもしれない。
「それで?何してたの?」
「あぁ、セアバリートの日記みたいなのを読んでたんだ。ちょっと始祖魔術師達に興味があるんだよ」
「ふ~ん。じゃ、私は時間だからさ、もう行くね~」
シャルルは森の奥に歩いていった。不思議なやつだった。
「他になんかあるかな」
俺はあるものを見つけた。
「これは、本?」
少し厚い本だ。古びている。さっきの紙と同じ感じだ。
「カーカー」
鳥が鳴く、森じゅうに響いた。リアクは上を向いた。
「あ、やべ。そろそろ行かないと」
俺は足を動かした。
「リアクどこ行ってたの?」
リエが言った。両手にたくさんの荷物を持っている。
「その本…買ったの?」
「あ、これは─」
持ってきてしまった。それに買ってないって言ったらどうなるか。
「あぁ、買ったんだよ」
「いいね。リアクって本好きだったんだ」
「あー、まぁな」
読むの魔導書とかしかないけどな。まぁ、昔は結構読んでて知識はあると思うが。
「じゃ、あそこ行こ!」
リエがにこにこしながら指を指した。
「あれって、塔?」
「たっか!」
リアクとリエが向かったのは、アトラス・平和の塔だ。アトラス・平和の塔は三十年前、魔導戦争が起きた時、もう戦争は起こさせない、という意味を込めて建設された。
「ロドリスを一望できるな」
「ん?」
なんだあれは。森の方に─隕石?なんだあれ。
リアクが考えているうちに謎のものは落ち、森に煙がたった。
「すまないリエ。俺ちょっと、あそこに行ってくる!」
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