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第三章 魔道合宿

第十七話 合宿二日目③ 悪魔

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俺は必死に階段を下る。だがその瞬間

「うっ、」

激しい揺れが街を覆う。とてつもなく大きな揺れだ。そして窓から見える空の色は黒に近い紫色をしていた。そして雷鳴が聞こえる。

「はぁ…はぁ…」

「とりあえず…落下地点に行かないと」



「あれは…人影か?」

黒い煙の中にふたつの光、それと人影がある。それに翼のようなものも見える。

「やぁ、君は人間だね」

悪魔だ…。あれは悪魔だ。黒い肌に黒い翼、黄色い目。

「お前は悪魔か?」

「おぉ。わかるのか、君。そう私は悪魔だ。ただし、普通の悪魔ではない、上位悪魔だ」

悪魔は笑っている。全く気味が悪い。

街の人達が声を上げた「悪魔だ!」、「悪魔がいる!」街の人達は逃げる者と、こちらに向かってきて戦うものに別れた。

「へぇー。悪魔かぁ、倒し外があるなぁ!」

ガタイのいいタンクトップを着た男が悪魔に突進していく。

「てか悪魔、悪魔って呼ばんでくれよ。俺はロクショリアティ。魔王軍第百二十三中隊の隊長。階級は大尉、って言ってもピンと来ないでしょ」

ロクショリアティが喋り途中でも突進する男。

「なぁ、この俺が君たちのために喋ってあげてるんだからさぁ─」

ロクショリアティは足を物すごい速さで男の顔に蹴りつけた。男は吹っ飛んだ。

「ちゃんと聞きなよ~」

その瞬間ロクショリアティから殺気が伝わった。街の人達はどんどん悲鳴をあげながら逃げる。

「あれ?君は逃げないの?ま、逃げても殺すけどね」

火弾フガル!」

手から火の球体が出てロクショリアティに命中した。

「そんなもので俺を倒せると思ったか?」

「闇魔法─弐級、闇火獄炎フガリテ

黒と紫の混ざった火が飛んでくる。その火はリアクに命中した。そしてリアクは悲鳴をあげ火傷をした。

「うっ…」

全身が痛い…俺はここで死ぬのか…?いいや…まだ死にたくない。死なない。

「第五級魔法!火炎宝来フレステイク!」
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