鉱山で裏切られ死んでしまった俺は新たに最強の魔術師として生まれ変わりました

魔導決闘祭編

第八話 戻れない過ち

｢ぐぅ…じ、自分もなるのに…やるひ…つようないだろ…｣

痛みに慣れてきたら、レオウが─

｢自らを削って、敵を倒す。父の言い伝えだ…｣

｢かっこいいなぁ…｣

｢自慢の父だ…、リアク…俺がこんなに喋るのは初めてだ…おめぇのおかげだよ…感謝の気持ちも込めて降参だ…｣

レオウはそういいって聖星宝来セスレテイクでリアクとレオウ自身の傷を治して立ち去って行った。



｢まさか、レオウにまで勝つとわね…｣

｢リアクどれだけ強いの…正直怖いわ…｣

リエ、ララ、リナ、リノで会話をしていた。

｢やっぱお兄がいちばん強いねー｣

｢確かにね｣

｢でも…ジョゼフ…一体何者なんだろ…一瞬で勝っちゃったもんね…｣



｢さぁー！魔導決闘祭ももう終盤！そしてとうとう序列1位の試合です！第39試合！1組！ゼネェード・ラッドゼンド！vs3組！グリアント・ロガイル！｣

｢ゼネェード…！今日こそてめぇを倒して1位の座を貰うぜ！｣

グリアントは序列11位だ。

｢第十二級魔法。一時的部分破壊ゲライドス｣

｢あっ…あ…！｣

グリアントの左腕がなくなっていた。そしてどんどん体がなくなっていく。

｢うぁぁあ…！｣

そして両腕が無くなった。

｢そのままじゃ、お前死ぬぞ｣

｢うぁぁ…！こ、こ…降参……だっ…！｣

体の一部を破壊するのか…それならまだ、ジョゼフの方が強い…多分？

｢強い…｣



｢第43試合！残りあと7+1試合！4組！リアク・ガルディア！vs6組！ジョゼフ・エルバンドル・ゼネータ！｣

｢はじめぇ！｣

ジョゼフの目が海のように綺麗な青色から無限に広がる炎のような赤色になった。

〔念の為…〕

｢お前も所詮は人間。第十一級魔法。高次多元率重力加速シュギュラリティ｣

あの時と同じだ。空間が皿のように割れて動きが早すぎて星が一直線に見える。

｢俺に敵うものはいない…なんて残酷だ｣

何もかもが元に戻った。

｢がはっ、！！｣

リアクは倒れた…そう見えたがそれは砂のように消えた。

｢よかった…高魔生前ジネヴァを使っていて…だが…次はこっちの番だ…第十五級魔法、全域破壊歴幻影ゼガイロット！｣

歴史というもの全てが壊れた空間。自分が心に描いた、想像したものだけがある空間。

｢こ…れは…。幻影…か…、？あれは…父上と母上…｣

｢ジョゼフ…。父さんになんでも相談しなさい｣

｢そうだ…俺は父上と母上を裏切り宇宙魔力に手を出してしまったんだ…｣

ジョゼフの左目から涙がこぼれ落ちる。

｢後戻り出来ない…宇宙魔力に…｣

宇宙魔力は現代魔力よりも遥かに凌駕する程の高次元魔術式を展開できる魔力がある言わばチート級といった感じだ。だが人類が宇宙魔力に手を出すのは世界禁忌法で禁じられている。