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最終章 絶望と克服、全ての始まり 中編
第三話 リアクという人
しおりを挟む「リアク…いつ起きるの…?」
この言葉を何回聞いただろうかあれから俺の心には、鎖で縛られたように感情が出せず、何に対しても無気力になる。
全てに見放された…世界にも…みんなにも…、、
自分が、自分であるのが怖くなった…怒りに任して目の前であの人が死ぬのを見ているだけだった。
多くの人を死なせてしまった…審判の書に書き連ねた存在でありながら…何も出来なかった…
あの日…15年前、自分で自分を殺したのに…こんな結末になるなんて…もっとなにかできただろうに…何も出来ないまま、1人閉じこもって、人が死ぬのを眺めているだけ…
人を殺すのにもなんの躊躇もなくなってしまった…力でさえ、強大な力に溺れて怖さなど忘れていた…
『カン!カン!』
サリル金山で働く作業員達の持つツルハシの音が坑道に響く。音は絶えず鳴り続ける。
「ふぅ~。あと6時間か…」
リアクは額にかいた汗を手首で拭う。
ここから俺の人生は違った。レア・フィリット…そう言われる存在は偽りに過ぎなかった…。フィラルス・アンゲベージ。唯一俺に協力してくれた…
「ライル!騎士団長がお呼びだぞ!」
西暦1699年。第六戦争の戦時中。
「騎士団長、なんですか?」
「本日、蹴りをつける。バベルティアに進軍した後蹴りをつけるぞ!」
「はい!」
「カンヴィル様、計画では戦争はもうすぐ終了致しますよ」
この時代の最高議会だ。
「本日中に、計画をジーヴェンタリースに伝えよ、」
「いやしかし、ガルディアの名がつく家は名家となるな、このカンヴィル・ガルディア様がおられる家であるからな、羨ましきかな」
リアクの祖父はこの、カンヴィルという男だ。
「そこまで誇ることでは─」
最高議会の施設が爆発した。
「全てを終結させる!議会よ一新されよ!」
ライルはカンヴィルの首めがけ、剣を突き刺す。赤い血が、机にばらまかれたように液体が散る。
そう…ここから違う。この頃は自分を正義だと思っていた…。でも違ったんだ。
この時代では、最高議会が社会に知られてすぐだった。信頼もなく、ただある存在。悪党とも罵られていた。その議長を倒したということで、ライルは一躍有名になった。
でも…そのガンヴィルを殺したことによって誰もが幸せになったのではない…。その家族の気持ちを考えていなかった。
その時、俺は決めた。誰もが幸せな世界を作る。禁忌を犯して審判の書に「自ラノ力ヲ増強ス」と書き記した。
だけど、理想と現実は異なった。
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