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最終章 絶望と克服、全ての始まり 中編
第五話 壁
しおりを挟む「断る…、」
「選ぶ道を間違えたな…ウィルトンよ…」
パントレイルは一瞬目をつぶり席を立つと目の前には、剣を構えたウィルトンがいた。
「なんのつもりかね?」
「我々は、自らの過ちを憎んでいるのだ。平和を求めこの組織を作った」
総務長室の扉が開き、後ろからは複数のリーストンの職員が銃を構えながら、入ってきた。
「一人で来た自分の過ちを憎むんだな、」
「へっ、私が死ぬか」
パントレイルは赤いボタンを押し、自ら爆発した。
職員の顔や服には血がどひちる。
「カンル君。着替えを頼む」
「了解しました」
我々は、屈しないぞ。けして、貴様らの計画の糧となる魔力とはならないぞ。
「パントレイルが死にましたか…。クライリフ。あなたがリーストンの残党を叩きなさい」
「執行官殿がそう言うなら、かしこまりました」
「執行官も偉くなったもんだな。特別議員を統括するのはこの俺なのによ、」
「特別議員の各員に特別な権限が与えられているわ。それぞれ独立してやってるの、統括だからって図にのんないでくれない?」
執行官のキラリスと管理官のレヴィナはいつも対立している。
「争いなど、とうに過ぎたものだと思ったのだがな…それは身近にあると…こんな醜い世界になってまだ争うか…」
「ガイラン様っ…!?」
「以後慎むのならいいのだ…」
その後、キラリスとレヴィナは睨み合う。
「キルトスが儀式を開始するのは8年後…それまでに全てを整え、戦いの準備を…」
「わかりました、ガイラン様」
「ふぅ…今日は沢山売れたな~」
町は確実に復興を開始している。その中心として取り仕切っているのが魔法隊だった。その隊長を務めているのは─
「リエさんいつもありがとね、」
そうリエだ。1人の老人は礼をしていた。魔法隊は復興のために、民間人に活用出来る魔法を教えたり、世界復興に貢献している。
「いえいえ、復興のためなら全力でやりますから!」
「若いのはいいのぉ…」
老人は笑顔で去っていった。
内心、リアクが反応しなく悲しんでいる。だがそれさえも我慢し、努力しているのだ。
「ねぇリアク。あなたが眠っている間も私たち頑張るからさ…リアクも頑張ってよね…」
不意に涙が溢れるリエ。
「なんで涙が…、あと何年待てばいいのかな…リアク…」
5年後。滅びの儀式から7年がたった頃。ゴンバレオット大陸中心部では調査が行われていた。
「ここが儀式の中心部…悪魔の領域…調査を開始するわよ!」
リエ・ファーリット。現22歳。魔法隊の最高長官。滅びの儀式の次に行われる儀式と言われる、破滅の儀式を止めようと調査を行っている。そして目の前には、巨大な腕の周りを囲むようにすごく深い穴があった。
「長官!あそこに何かあります!」
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