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最終章 絶望と克服、全ての始まり 中編
第九話 兄弟喧嘩
しおりを挟む天気は変わり雨。雨が降る中、戦いをするセルドとリアク。
「ちょっとは兄さんのことを思いやれ!」
リアクの殴りがセルドに入った。セルドは吹っ飛び起きない。
「シゼル兄貴は…優しかった…。兄弟で1番仲が良かった…シゼル兄貴が死んだ時、心に穴が空いたようだったよ…急に死んだんだよ…何も言わずに…」
セルドは泣きながら喋る。
「なんで…なんで…」
「シゼル兄さんは悪魔にやられた…四天王第二位へガルヴィンソンに…そいつは俺が殺しといた…シゼル兄さんの仇を取りたいのなら魔王をやるべきじゃないのか…兄の俺から言えるのはそれだけだ…」
リアクは静かに去っていく。
「それが…最後の言葉かよ…」
どこか分からないほど黒い空間。そこに2人の人間がいた。
「英雄が目覚めたぞ…キルトス…」
「あぁ…後3年。時は近い…破滅が終わり創世がおき…新生…そして最後の儀式を終えれば…我々は、至高となれる…」
「絶望の剣を摩り替えてきたし…準備はもうできていると言えるな…」
2年後。ゴンバレフォードの周りに少しずつ都市が築かれてきた。
「あと1年。我等は勝つしかない…」
リアクの目には希望といい気持ちがあった。
「お兄─…長官。またここですか…」
「リナか…大陸の中心に異常がないか見ないとだからね」
リアクは1年半前リエの後押しの元、魔法連合を結成させた。
「行きますよ、長官。今日はバベルティア王国の旧王家との会談ですよ」
「わかったよ。俺の妹も変わったもんだな~」
「今の私は、魔法連合長官秘書だからですよ、仕事が終わればいつも通りですよ」
「あの時以来ですね、セントレアル陛下」
リアクは魔法連合の本部がある、ゴンバレフォードで旧バベルティア王国の国王セントレアル・ベンジョメンと会談していた。
「リアク君、君も大きくなったな…。9年か…。あそれと我はもう事実上国王じゃないぞ」
「ですが私らは最高議会を打倒した後、バルザティア王国を建国し、あなたを初代国王として即位させたいのです。どうです?」
「また国王となるか…いい話だが我はさすがになれんよ…。出来れば息子のクルアルに王位を譲りたい」
セントレアルは悲しそうに下を向く。
「貴方がそうしたいなら、そうしてください。貴方は国王にふさわしい人なのだから」
「そう言ってくれるとありがたいよ…我が生きてれば良いのだがな…」
そして…西暦1747年。滅びの儀式から10年がたった。リアク達魔法連合は、最大の準備をして大陸の中心にいた。
「これはこれは…英雄リアク・ガルディア…わざわざ出迎えかね…」
キルトスと共に浮かんでいるガイランが声を出す。
「生きていたか…。決着の時だ…キルトス!」
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