ライフ・サンクチュアリ ~追放された回復術師の第二の人生~

都一

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第4話:名声の広がりと、老戦士の加入

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一週間後。

ライフ・サンクチュアリは、小さな依頼をいくつもこなしていた。

「今日も三件終わったな」

「はい! 皆さん、とても喜んでました!」

ミラが嬉しそうに報告する。

トーマも、以前の鈍りが嘘のように動けるようになっていた。

「......アシュの魔法のおかげだな」

「ん?」

「俺、最近調子がいいんだ。まるで、若い頃に戻ったみたいに」

「それは良かった」

「......いや、本当に不思議なんだよ」

トーマは真剣な表情で続けた。

「普通、回復魔法は傷を治すだけだ。だが、お前のは違う」

「どう違うんだ?」

「......体の奥から、力が湧いてくる感じがする」

トーマは自分の胸に手を当てた。

「まるで、生命力そのものが増えたみたいだ」

その言葉に、アシュは少し考え込んだ。

(生命力......?)

(確かに、俺のライフ・サンクチュアリは、ただの回復魔法じゃない気がする)

(でも、何が違うのか......?)



その日の午後。

ギルドの扉が開き、一人の老人が入ってきた。

「......ここが、ライフ・サンクチュアリか」

六十代後半ほどの老人。だが、その背筋はしっかりと伸びており、目には鋭い光がある。

「ああ。何か用ですか?」

「......依頼ではない。ギルドに入れてほしい」

「え?」

ミラが驚いた声を上げる。

「あなた、冒険者なんですか?」

「......昔はな」

老人は、腰の剣に手を当てた。

「オズワルド・フェンリル。元Sランク冒険者だ」

「Sランク!?」

トーマが驚いた声を上げた。

「本当か!? オズワルド・フェンリルって、あの銀狼の剣士!?」

「......その呼び名は、もう古い」

オズワルドは苦笑した。

「今は、ただの老いぼれだ」

「でも、なんでうちに?」

アシュが尋ねると、オズワルドは静かに答えた。

「......お前の噂を聞いた」

「噂?」

「ああ。死の淵から仲間を救い、不治の呪いを治す——」

オズワルドは、アシュの目を見つめた。

「——そんな回復魔法使いがいると」

「......それだけで?」

「いいや」

オズワルドは、ゆっくりと言葉を続けた。

「......お前の魔法、ライフ・サンクチュアリ———」

「ああ」

「その魔法を、俺は昔、一度だけ見たことがある」

アシュは息を呑んだ。

「......どこで?」

「五十年前。神官王が使っていた奇跡の魔法だ」

「神官王......?」

「ああ。生命神の祝福を受けた、最後の神官王——」

オズワルドは遠い目をした。

「——その方が使っていた魔法と、お前の魔法が、よく似ている」

「......それは」

「だから、確かめたくてな」

オズワルドは、アシュに手を差し出した。

「俺を、お前のギルドに入れてくれ」

アシュは少し迷ったが——。

「......分かった。歓迎します」

こうして、ライフ・サンクチュアリに三人目のメンバーが加わった。



その夜。

アシュは、一人で考え込んでいた。

(神官王の魔法......)

(俺のライフ・サンクチュアリが、それと似ている?)

(......でも、俺はただの孤児だ)

(神官王とか、そんな大層なものとは無縁のはず......)

だが、疑問は深まるばかりだった。
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