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恋人編 初恋を追っていた頃
友達という名の敵意
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部外者である私は練習を始まると危ない為、一哉たちが試合をするコートの真上にある2階席に移動した。
「ちょっ、ちょっと一哉!なんでこんなところで着替えるの!?」
2階の観客席に着いた途端、一哉は着ていた黒のカットソーを脱ぎ始めた。
「更衣室で着替えて来なよ!!」
「えー、ここは理沙以外居ないし、下からは見えないし俺は気にしないけど?」
「わ、私が気にするわよ!」
この歳で反応が初過ぎると自分でも思うが、昨日やっと一哉と初めて致したばかりの私には、とてもじゃないけど一哉の裸を見て平然としていられなかった。
しかもこんな明るい室内で堂々と脱がれたら…。
(キャーーーーーッ!!!!)
色々と思い出してしまい、心の中で叫びながら私は両手で顔を覆った。
「それに裸なら今朝もたっぷり見たばかりじゃん?」
“ベッドの上で…”
顔を覆い俯く私に追い討ちをかけるように、一哉は裸のまま私を抱きしめて、意地悪に耳元で囁く。
「~~~バカッ!」
一哉の腕の中から逃れようと、厚い胸板を叩いたけどビクッともしない。
その代わり、痛くもないクセに“痛いよ~理彩ぁ~”と笑う一哉の声が頭上から聞こえてくる。
「あぁ~もう~理彩が可愛い過ぎて、ツライ!やっぱり試合に来るんじゃなかったなぁ…理彩ぁ、今から帰ろうか?」
「なっ!?」
驚いて顔を上げた私に、一哉が不意打ちのキスをしかけた時だった。
「あのさぁ…彼女にメロメロなのは分かるけど、試合放棄は困るよ、カズ。」
いつの間にか2階席に上がってきた太一くんが、一哉の二階席の入口に凭れながら立っていた。
一哉はゆっくりと立ち上がりながら振り向き、歩いてきた太一くんと向き合った。
「…気が変わった。そもそもあれだけのメンバーが揃っていれば、俺ナシでも勝てるだろう?オマケにわざわざ元マネージャーまで呼ぶ必要はないと思うけど?」
太一くんは罰悪そうに、右手で何度も首をさする。
「たまたまフルメンバー揃っただけだ。つーか、他の奴から連絡が行って、お前の彼女見たさに急遽来たのが殆どだけどなぁ…。それに…言っとくけど、アイツは俺を含めて誰も呼んでないぞ。」
「じゃあ…なんで…なんで美乃がここに来ているんだよ!」
荒げた声を上げ、私から見えた一哉の横顔は太一くんを睨んでいた。
いつも穏やか一哉が、こんな声を出し、こんな表情をすることを私はこの時、初めて知った。
そして、“美乃”…初めて聞く名前に、さっき一哉を呼んだ女の子の声が頭を過る。
多分、あの子が“美乃”さんだ。
「さっきのカズとの電話の後、6年前の決着が着いたって報告しただけだ。カズが宣言通り初恋を成就させたって…。」
一哉は深く息を吐き、側に座っている私を気にした。
私に隠し事をしない一哉には、珍しい素振りだ。
「…場所を変えよう。太一。」
「ああ…」
一哉は私の方へ近づくと屈んで、軽く触れるだけのキスをした。
「あとでちゃんと話すから、理彩はここで待っててくれる?決着を…つけてくるから…。」
私がこくりと頷くと、もう一度キスをしてフワリと笑った一哉は太一くんと階段を降りていった。
「ちょっ、ちょっと一哉!なんでこんなところで着替えるの!?」
2階の観客席に着いた途端、一哉は着ていた黒のカットソーを脱ぎ始めた。
「更衣室で着替えて来なよ!!」
「えー、ここは理沙以外居ないし、下からは見えないし俺は気にしないけど?」
「わ、私が気にするわよ!」
この歳で反応が初過ぎると自分でも思うが、昨日やっと一哉と初めて致したばかりの私には、とてもじゃないけど一哉の裸を見て平然としていられなかった。
しかもこんな明るい室内で堂々と脱がれたら…。
(キャーーーーーッ!!!!)
色々と思い出してしまい、心の中で叫びながら私は両手で顔を覆った。
「それに裸なら今朝もたっぷり見たばかりじゃん?」
“ベッドの上で…”
顔を覆い俯く私に追い討ちをかけるように、一哉は裸のまま私を抱きしめて、意地悪に耳元で囁く。
「~~~バカッ!」
一哉の腕の中から逃れようと、厚い胸板を叩いたけどビクッともしない。
その代わり、痛くもないクセに“痛いよ~理彩ぁ~”と笑う一哉の声が頭上から聞こえてくる。
「あぁ~もう~理彩が可愛い過ぎて、ツライ!やっぱり試合に来るんじゃなかったなぁ…理彩ぁ、今から帰ろうか?」
「なっ!?」
驚いて顔を上げた私に、一哉が不意打ちのキスをしかけた時だった。
「あのさぁ…彼女にメロメロなのは分かるけど、試合放棄は困るよ、カズ。」
いつの間にか2階席に上がってきた太一くんが、一哉の二階席の入口に凭れながら立っていた。
一哉はゆっくりと立ち上がりながら振り向き、歩いてきた太一くんと向き合った。
「…気が変わった。そもそもあれだけのメンバーが揃っていれば、俺ナシでも勝てるだろう?オマケにわざわざ元マネージャーまで呼ぶ必要はないと思うけど?」
太一くんは罰悪そうに、右手で何度も首をさする。
「たまたまフルメンバー揃っただけだ。つーか、他の奴から連絡が行って、お前の彼女見たさに急遽来たのが殆どだけどなぁ…。それに…言っとくけど、アイツは俺を含めて誰も呼んでないぞ。」
「じゃあ…なんで…なんで美乃がここに来ているんだよ!」
荒げた声を上げ、私から見えた一哉の横顔は太一くんを睨んでいた。
いつも穏やか一哉が、こんな声を出し、こんな表情をすることを私はこの時、初めて知った。
そして、“美乃”…初めて聞く名前に、さっき一哉を呼んだ女の子の声が頭を過る。
多分、あの子が“美乃”さんだ。
「さっきのカズとの電話の後、6年前の決着が着いたって報告しただけだ。カズが宣言通り初恋を成就させたって…。」
一哉は深く息を吐き、側に座っている私を気にした。
私に隠し事をしない一哉には、珍しい素振りだ。
「…場所を変えよう。太一。」
「ああ…」
一哉は私の方へ近づくと屈んで、軽く触れるだけのキスをした。
「あとでちゃんと話すから、理彩はここで待っててくれる?決着を…つけてくるから…。」
私がこくりと頷くと、もう一度キスをしてフワリと笑った一哉は太一くんと階段を降りていった。
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